2011/11/21

JBL 2360A (5)

2360Aの正確な発売年はよく分かりません。
1982年度のカタログには2360Aが掲載されています。

別冊ステレオサウンドのJBL 60th Anniversaryの年表によると、2360が発売されたのが1983年、2360Aは1986年と記載されています。
日本での発売年ということなのでしょうか?
なお、2360Bの発売年もよく分かりません。

2360のホーン部には"2360H"(HornのH)、スロート部には"2360T"(ThroatのT)と表示されたステッカーが貼付されています。
2360Aはスロート部のステッカーにも2360Aと表示されています。

ホーン部の形状は全部で4種類確認しています。
最初期と思われるホーン部は、下の画像の右上のホーンです。
ヨハネスさんが所有されていましたが、その後売却されたようです。
スリット(ギャップ)が円弧形状ではなく、MR94のように直線状。
ホーン部のステッカーには2360Hと表示されていたように思います。







2番目の形状は下の画像の黄色いホーンのホーン部。
黄色いホーンシステムの左側CHの2360Aです。

2360と2360Aの初期のタイプがこのホーン部の形状。
円弧状スリットの両縁はシャープな形状です。
これを「シャープタイプ」と呼ぶことにします。






第3の形状は黄色いホーンシステムの右側CHの2360A。
こちらの円弧状スリットの両縁は丸まっています。
これを「ラウンドタイプ」と呼ぶことにします。

ラウンドタイプは2360Aの後期型。
そして2360Bのホーン部の形状に受け継がれます。
2360Aの後期型と2360Bのホーン部の形状が一致するのかどうかは未確認です。
2360Bのホーン部はご存知の通り縦方向に2分割可能に構成されており、これが2360のホーン部の第4のタイプになります。

シャープタイプとラウンドタイプを比べるとスリットの円弧の曲率がちがうことに気付きます。
ラウンドタイプの方が曲率が大きい。
それに伴いスリット自体の長さもラウンドタイプの方が短いです。






下の画像はシャープタイプ。
スリットが上下方向に長いので回折する部分の音圧が分散し低下します。
そういう意味ではこちらの方が低歪率、と理論的にはそうなる。







下の画像はラウンドタイプ。
回折スリットの両縁が丸まっているのを見ると、なんとなくウェーブガイド理論を連想します。
するとこちらの方が低歪率?

スリットは短く、さらにスリットの位置が奥まって見えます。
スリットの円弧の曲率が大きく、垂直方向の指向性を重視した設計のように思えます。






下の画像、斜め前方から見たシャープタイプ。




下の画像は、ラウンドタイプ。





側方から見たシャープタイプです。






下の画像、ラウンドタイプです。
スリットの位置は、1~2cm程度シャープタイプよりも奥まった位置にあります。
水平方向の指向性の改善はもう十分と判断、垂直方向の指向性の改善を狙っているように思えます。
この垂直方向の指向性を重視する設計思想はHP9040に引き継がれ、さらに偏指向性ホーンからラインアレイへと発展してゆきます。










Commented by johannes30w at 2011-11-22 00:54 x
2360Tじゃなかったっけ?

Commented by kiirojbl at 2011-11-22 02:11 x
う~む、よくおぼえていないのですよ。
2360Tはスロート(throat)のTだと思うのですが…

Commented by johannes30w at 2011-11-22 13:12 x
そうか~
自分とこでもはっきり書いてない。
http://johannes30.exblog.jp/2789653/

Commented by kiirojbl at 2011-11-22 15:08 x
分かっていないことが多くて。
2360と2360Aの違いもよく分かっていないです。


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