2017/05/27

JBL C222HP(2)



C222HPのサイズは、幅85.75cm、高さ152.4cm、奥行き35.56cm。
箱の容積は、内寸が幅80cm、高さ147cm、奥行き30cmと想定すると350Lになります。
ホーンに30L程度喰われても、ウーファー1つあたり160Lもあります。
両側面に計4つあるバスレフの開口部の面積もかなり大きめです。




バッフル板には、ホーン部、ウーファーに設けられているウェーブガイド板、それから各ウーファー周囲に半円状のくぼみが設けられており、立体的で複雑な形状になっています。
映画館用というか業務用システムとしては、大変手が込んだデザインだと思います。
スクリーン裏に隠してしまうのはもったいない。

広いバッフル板や大き目のダクトから伝統的な映画館用システムが朗々と鳴る様を想像してしまいます。
バーチカルツインのユニットレイアウトもカッコよく、奥行きが浅いので家庭用としても設置しやすいように思います。




ところで、ウーファーに設けられているウェーブガイド板、この効果はどのようなものなのでしょうか。
youtubeの動画を見ていると、この部材を設けた場合と設けなかった場合のレスポンスグラフが出てきます。
このグラフによると500Hzあたりから上の帯域で効果が認められます。







指向性を示す下のグラフでも、800Hzから1.6kHzまで、指向性がそろっていることが分かります。




この部材、樹脂製と思われます。
本気になれば製作できそうです。
ウーファーの覆われていないコーン部は、10インチユニットのコーン部と同じぐらいに思えます。










2017/05/23

JBL C222HP



2017年3月28日、小規模及び中規模映画館用のスピーカーシステムとして、200シリーズが発表されました。
C211は5月ごろ、他機種は2017年の夏ごろに販売が開始されるそうです。
下の画像は、ハイパワー用のC222HP。




小さいスクリーン用なので段積み型ではなくバーチカルツイン的な配置になっています。
各15インチウーファーには、"Acoustic Aperture Technology(アコーステックアパチャーテクノロジー)"と呼ばれるウェーブガイドが装着されています。
15インチの高域側のレスポンス低下と同帯域の指向性を改善しようという目的です。

15インチの高域側は、たいてい800Hzぐらいからレスポンスグラフ上でその荒れを見ることができますが、単に測定結果が荒れているというのではなく、やっぱりすっきりしない。もやつく。
これを解決するためには、3ウェイにして、この帯域を小口径のユニットに任せてしまえば良いのですが、これだとシステムが大掛かりになってしまう。
2ウェイのままでこの問題を解決しました、というのが今回の技術というわけです。
もっとも、15インチの中域問題はもう少し下の帯域ではなかろうか、とも思うのですが…

ツィーターは単にホーンが段積みされているのではなく、上側が遠距離用、下側が近距離用と放射エリアが異なります。
要するに車のハイビームとロービームのような感じ。
耐入力を確保するためにドライバーが2つになった、で、せっかく2つなのだからちょっと工夫してみた、という感じではなかろ~か。
これは周知の技術のような気がするなぁ。





スピーカーユニットは、ウーファーが2275H(上の画像)、ドライバーが2515XP-J。
2275HはSRX815に搭載されており、そのスペックシートには以下のような記載がありました。
"For Low Frequencies,  the SRX815 uses a 15-inch woofer with JBL’s patented Differential Drive Technology for reduced weight while maximizing power amp efficiency.  3”voice coils and dual ferrite drivers deliver exceptionally low distortion and ended low frequency response."   
このように2275Hはフェライトマグネットベースのディファレンシャルドライブ、3インチボイスコイルということです。
これがJBLのシネマスピーカーシステムにおける2226Hの後継機種になってゆくような気がします。

ドライバーの2515XP-Jについては調べても分かりませんでした。
だいたい2500番ってさぁ、ブラケットだろ?