2017/12/18

View of Jupiter from NASA's Juno spacecraft



今年はDIYホーンシステムの完成や手持ちの全CDのリッピングの完了と、オーディオの年でした。
来年もオーディオの年になるのでしょうか?


今年もっとも印象に残ったのは、ジュノー探査機による木星の画像でした。
天体望遠鏡で見る木星はスジが2本か3本確認できる程度で、遠くにあるのに随分明るいなぁと思うぐらいでした。
しかし、この動画には驚かされました。
静止画像を繋ぎ合わせて連続させると、こんなに不気味とは。
木星、何かいるのではなかろうかと思ってしまいました。








次点は、ノドサウルスの化石。(他の画像)
恐竜の復元図は子供の頃から見ていますが、ともかく10年ぐらいで恐竜の姿が変わってゆく。
全く信憑性がない。
しかし、この化石はまさにリアルに恐竜の形を見せてくれました。
ああ、生きててよかった!








2017/12/05

DIY Speaker (88)



(87)からの続きです。


<低音ホーン>

ミッドホーンと組合わせる低音部はどのようなタイプが良いのでしょうか。
「ホーンにはホーン」だから低音ホーンが合うというのがホーンマニアの一般的な考え方だと思います。
しかし、最近の業務用システムでは、PA用、映画館用を問わず、ダイレクトラジエターのバスレフタイプが主流であり、Klipschなどの一部のメーカーしか低音ホーンを採用していません。
とは言え、「ホーンにはホーン」というのは理屈に合います。
だからこの選択にはかなり悩みました。




低音ホーンというにはちょっと小さなホーンですが、改造ALTECシステムにショートホーンを備えた828エンクロージャーを使用しています。
下のレスポンスグラフは、A7/MR994A(828、515-8G、MR944A、909-8A)というシステムのものです。



A7/MR994Aのパンフレットには"From 35Hz to 120Hz, the system is bass reflex operated. From 120Hz to the Crossover frequency, it is operated through a straight, exponential flare horn."(35Hzから120Hzまでがバスレフ、120Hzからクロスオーバー周波数(500Hz)まではエクスポネンシャルホーンとして作動する)との記載があります。

レスポンスグラフを見てみると、90Hzあたりと200Hzを越えたあたりに盛り上がりがあります。
90Hzの小さなピークがバスレフ、200Hzを越えたあたりを中心として150Hzから450Hzまでの盛り上がりがショートホーンによるものだと思います。
気になるのは、赤い丸印で示した2つの谷です。

828、どのような音かというと、最低域がさっぱりない軽い低音で、しかも温かみのあるキャラクターなのです。
その精悍な外観とはかけ離れた雰囲気の音。
改造ALTECシステムでは、事前に軽い低音ということは分かっていたので、828を改造し46cmウーファーを組み込みました。
バスレフ領域だった120Hz以下を46cmウーファーに、また400Hz以上をMR94+291-16Kに任せた。
828はショートホーン部分だけを生かしたということになります。
このシステム全体の音は、MR94+291-16Kの繊細で柔らかで艶がある素晴らしい中高音に、828+3156のあたたかみのあるキャラクターがうまく重なって、癒し系というかなごめる音なっています。
この音のためか、2008年11月にこの改造ALTECシステムが鳴り出してから、このシステムは全く発展していません。

JBLのコンプレッションドライバーを中心としたシステムは何故か戦闘的な雰囲気になるのに、改造ALTECシステムは癒し系。
ALTECのシステムで戦闘的にやろうとしてもなんとなく途中で寝っころがって楽しんでしまいます。
音量も控えめで音量をあげて聴くことはほとんどありません。
結局、黄色いホーンシステムはF1のようなレーシングカー、改造ALTECシステムは田舎の風景を楽しみながら流すクラシックなオープンカー、そうした位置づけになりました。

低音ホーンといえば、ヨハネスさんのところで何度か聴かせて頂いたJBL4550が印象に残っています。
下のレスポンスグラフは4550Aのもの。



このグラフ、手書きなんでしょうか?
それはさておき、828の特性をそのまま低域よりに移動させたような特性です。
828の90Hzのバスレフのピークは45Hzに、200Hzを越えたあたりのホーンのピークは110Hzあたりに見られます。
(ヨハネスさんの4550は密閉タイプでしたので45Hzのピークはなかったと思います。)
4550の音は、828のあたたかみのある音と共通するキャラクターを持っています。
但し、全体的に低域側にシフトした特性を持つせいか、あたたかみというより奇妙なモワッとした中低域になっています。

828のレスポンスグラフで見られた2つの谷があるのかは、このグラフからは分かりません。
この2つの谷はウーファーユニットの分割振動によるものか、それともホーンの空間での気柱共鳴のような現象により生じているものかは分からないのですが、4550の音を聴いているとこれは後者が原因だろうと思っています。

4550などの低音ホーンはカッコいいのですが、そのモワッとした中低域と2360のような大型ホーンの鮮やかな音が合いません。
これでは「ホーンにはホーン」というのが理屈だけということになってしまいます。
また、ALTECには4550よりもやや大きい210や211もありますが、ホーン長がさらに長いので状況は悪化しているような気がします。

結局、上記のような理由で低音ホーンは諦めてしまいました。
また、V字型バッフルや床に低音を叩きつけるタイプの低音部もクセがあって家庭用には向きません。
特にV字型バッフルは特性が荒れており、長く付き合うには心理的に無理があります。


<ミッドホーンの役割>

低音部はダイレクトラジエターのバスレフ型にしました。
ミッドホーンは低音部のダイレクトラジエターと高音部のホーン+コンプレッションドライバーの間に挟まれることになります。
このため、ミッドホーンの低域側にはダイレクトラジエターのような感触、そして、高域になるにつれホーン+コンプレッションドライバーのような感触を持たせれば、低音部と高音部を自然な感じでつなげることができます。
下のグラフ図は、JBL5732のダイレクティビティインデックス(無指向音源に比べて正面軸上の音の強さが何デシベル高いかを表します)です。


5732のクロスは250Hzと1.3kHz。
このグラフでは1kHzを中心とした盛り上がりがあり、ミッドホーンがややがんばりすぎのようですが、ほぼ無指向性状態になる100Hzから徐々にインデックスが上昇していきます。
このようなシステムに仕上げれば、低音部と高音部がバラバラに鳴っているような、マルチウェイでは最悪の状態を回避できると思います。

さらに、ミッドホーンがあれば、高音ホーンの低域側の再生能力をあまり気にせずに設計することができます。
800Hzまでミッドホーンに任せることができれば、800mmもの開口径がある高音ホーンならば余裕でしょう。
ホーンの自作は、エクスポネンシャルホーンやハイパボリックホーンの計算から始まりますが、実際にはカットオフ周波数と断面積の話ばかりです。
具体的に「どんなホーンを作りたいのか」という話が出てこない。
そして、この手の計算をさんざんやったことのある方なら理解できると思いますが、不思議なことにホーン長に比べて開口面積が小さくなりがちです。
ミッドホーンによりカットオフ周波数で悩むことなく、上記のようなホーン計算の呪縛から開放されて、市販ホーンの音の経験から思ったような形状の自作高音ホーンに挑戦できるというメリットがあります。


<ミッドホーンの開口サイズ>

ミッドホーンの開口サイズは、高音ホーンの開口サイズと同じにしました。
直径800mmです。
クロス周波数の周辺では、ミッドホーンと高音ホーンの開口サイズが同じため、同じような音の感触になるはずです。
このような設計手法は一般的ではありませんが、それほど特殊なものでもありません。
PA用の2ウェイスピーカーにおいて、低音部のダイレクトラジエターのウーファーの口径と円形の高音ホーンの開口径が同じというデザインをたまに見ます。
ウーファーの音と高音ホーンの音の感触を違和感なくつなげるのが目的です。
こうした手法を流用したというわけです。


この口径800mmというサイズを5732のミッドホーンと比べてみると上の図のようになります。
5732のミッドホーンよりもその開口面積が広いことが分かります。


<ミッドホーンの形状>

ミッドホーンの形状はかなり悩みました。
5732に使用されているミッドホーン(正確にはウェーブガイド)は、364897-001という部品番号が与えられています。
ミッドホーンの設計当時、364897-001だったかは正確には覚えていませんが、このようなJBLのミッドホーンの画像や資料を集めて検討していたことは覚えています。
下の画像や図面は、364897-001のものです。




JBLのミッドホーンのホーン長は、ホーン全体の軸線が傾いているためにはっきりとしませんが、図面から推定すると中央で270mm程ではないかと思います。
高音ホーンと同様に、矩形のホーンの広がり形状を円形ホーンに移しかえることになりますが、JBLのミッドホーンは8インチ2発なのでお手上げです。
そこで水平方向の広がり形状のみを参考にして作図し、ホーン長を351mmにしました。
JBLのミッドホーンの垂直方向の広がり形状はかなり狭い。
ですから、本当はJBLのミッドホーンの水平方向の広がり形状を狭めたような形状の円形ホーンにしなければならないのですが、上述したような気柱共鳴のような現象が恐ろしく、ホーン長をこれ以上長くすることができません。



ホーン長で思い出すのはWE15Aホーンの音です。
1度目はかなり昔のことで音の記憶が無いのですが、2度目はじっくりと聴くことができました。
そのとき、頭の位置を動かすと音量が大きくなったり小さくなったりする現象が生じていることに気付きました。
また、そのような現象を他の15Aホーンでも体験したというお話を聞いたこともあります。
先日、池田圭氏の音の夕映を読んでいると、頭を動かせない旨の記載があり、やっぱりそうだったのかと思いました。
巻かれた音道という形状の他に、やはりホーン長が長すぎるのだと思います。
気柱共鳴のような現象が無数に生じ、共鳴して音が強くなったり、それらが互いに逆相になって音が消えたりしている領域が交互に現れているような気がします。

ミッドホーンのホーン長が長くなることで828のように温かみのあるキャラクターになってしまったり、音圧にむらが出たりするのは困ります。
ちなみに828のショートホーンのホーン長は37.5cm。
結局、ホーン長はJBLのミッドホーンよりも長いものの、大きな開口サイズにより全体のプロポーションはJBLのミッドホーンよりも浅いホーンにしました。
「浅いホーン」という表現方法はなんとも稚拙な感じがしますが、さまざまなホーンを聴いている内に「ほとんどのホーンが深すぎるのではないか?」という疑問を持つようになっていました。
深すぎるホーン、長すぎるホーン長、そうしたホーンが多すぎるような気がします。
開口面積がとんでもなく広く、そしてホーン長が短い、こうしたホーンの方がホーンキャラクターを持ちにくいと思っています。
ホーンの歴史を振り返ってみると、ホーンの役割の変遷(アンプのパワーが稼げなかった時代からの)というよりも、ホーンがどんどん浅くなっていった歴史という理解もできるかもしれません。

ミッドホーンの形状については、円形であることも気になっていました。
円形ホーンにした理由は、手持ちのホーンが全て矩形だから。
それに、今回の布を使用した製作方法の場合、円形の方が作りやすそうだったからです。
何故、円形であることを気にしていたかというと、過去にジャズ喫茶で聴いたYLかゴトーの円形ホーンの音がほんとに酷かったからです。
当時はその原因が分からなかったのですが、それらがエクスポネンシャルホーンであることに原因がある事を定指向性ホーンを使うようになってから知りました。
しかし、本当にエクスポネンシャルホーンに原因があったのだろうかとも思うようになりました。

キール氏の論文に出てくる原初的な定指向性ホーンは円形ホーンです。
だから、円形であることにキール氏が指摘していたような問題は無いはずです。
しかし、矩形のホーンに比べて、あらゆる方向で寸法が同じ、というのは共鳴という観点からは非常に気持ちが悪いです。
あまり外観を醜くしないでこの「あらゆる方向で寸法が同じ」という形状を改善できないだろうかと考えました。
結局、紙管を用いて布を変形させ、水平方向において複合ホーンの形状を持たせることにしました。
こんなことをするカットオフ周波数が上昇するのではないかと危惧していましたが、それは大丈夫でした。

円形ホーンは正方形のバッフルに開口しています。
円形ホーンの縁がやはり円形の場合、そこで均一の反射が生じてしまいます。
それを避けるためにバッフルを設けました。
また、映画館のホーンシステムはたいていバッフルに装着されています。
いつかはバッフルに装着したホーンの音を聴きたいものだと思っていました。



バッフル面は上下部分(緑)と中央部分(青)で面積も形状も異なります。
このためホーン外周での反射も様々な態様になるのではないかと。
なお、上下部分と中央部分の面積の総和は、800mmのホーンひとつ分の開口面積と等しいです。
このため、ホーンタワー前面の三分の一の面積がバッフル板の面積になっています。




2017/12/02

DIY Speaker (87)




ホーンを自作するにあたり何を考えていたのかをまとめてみました。


<システム全体からホーンを考える>

今回のシステムは、ミッドホーンを作ろうという動機からから始まっています。
ミッドホーンと言っても色々ありますが、10インチか12インチのコーン型ユニットをドライバーとするタイプを考えていました。
どうしてかというと野外PA用やシアター用にそうしたタイプが散見されるからです。

野外PA用はホーン長が長いものが多く、製作は可能でも部屋に設置するのは難しそうです。
一方、シアター用システムのJBL5732のミッドホーンは、ホーン長が短い。
というわけで、製作、設置共に容易(そう)なJBLのミッドホーンをお手本にすることにしました。
しかし、JBLミッドホーン模倣計画は、DIY工作技術が絶望的に低いため失敗してしまいました。

メーカー品の模倣がうまくいかないとなると、自分で考えてオリジナルのホーンを作るということになります。
最初はどうしたものかと思いましたが、考え始めるとこれが実に楽しい。
単にホーンの設計というのではなく、スピーカーシステムの全体から各ホーンの役割を考えるようになっていきました。


<ホーンの役割>

家庭用のスピーカーシステムにとって、ホーンの役割とは何か。
それは鮮やかな音を提供することにあると考えています。
この鮮やかな音というのは、具体的にはJBL2360やALTECのMR94のような大型の定指向性ホーンから聴くことができる音です。
JBLには2380(下の画像)という2360より小型のホーンがあります。




同じ4インチダイアフラムのコンプレッションドライバーを接続しても、この2つのホーンの音の差は歴然。
それは2360が大型でカットオフ周波数が低いから?
最初はそんな風に考えていたのですが、1kHz程度でクロスさせても2360の鮮やかな音は消えないのです。
全く不思議です。
「大型」というのは単にカットオフ周波数の高低だけでは説明できないホーンの「本質的な何か」と関係しているのではないか。

黄色いホーンシステムで2360を900Hz以上で使用していますが、この2360は外せないコンポーネントだと思っています。
システムの中核、システムのスターなのです。
黄色いホーンシステムでは、より大型の2392ホーンとJBLの最強コンプレッションドライバーである2390Hがミッドホーンを構成していますが、これはシステムの鮮やかな音の直接の原因となっている訳ではありません。


<ホーンタワー>

黄色いホーンシステムは8ウェイという大規模かつ複雑なシステムです。
このため、定期的に各ユニットの状態を点検しています。

まず、DCX2496のミュート機能を使い、全てのユニットの音を消します。
次に、2360+2446Hのミュートを解除します。
897Hzから4.02kHzまでの音を聴く。
異常音がしないかのチェック。
次に、2392+2490Hのミュートを解除。
今度は249Hzから4.02kHzまでの音を聴きます。
ここでも同じようなチェック。
このときの音、250Hzから4kHzまでの範囲だけで音楽の基本的な部分は成立している。
そして、わずか4オクターブのこの帯域が全てを握っているとも言えます。




その後、2332+2431H、ME15+DE500、2402H-05、と順にミュートを解除し、最終的に5ウェイで構成されているホーンタワー部のみの音を聴きます。
このホーンタワー部の音、250Hz(-48dB/oct)以上の音、太さや厚みというものがありませんが、素晴らしい音で聴きほれてしまいます。
定期点検という名目の戯れは、この音が楽しみでやっているようなものです。

このような点検作業を通じて250Hzから4オクターブというのがシステムの中核になるべきだというコンセプトが生まれました。
しかし、あくまでも2360+2446Hが担当する2オクターブがメインです。
そして、その下の2オクターブを受持つ2392+2490Hの役割は、2360+2446Hの鮮やかな音をダイレクトラジエターのウーファーやミッドローの太く厚みのある音に違和感なく繋げることです。


<高音ホーンの開口サイズ>

再優先で考えたのは、高音ホーンの大きさです。
2360ホーンの大きさが必要だと考えたのです。
2360のサイズは、H795xW795xD815mm。
そこでH870xW870mmのバッフル板に直径800mmの円形ホーンを形成することにしました。
このバッフル板はホーンの一部と考えています。

円形ホーンの場合、理論的には、その円周の長さと同じ長さの波長の周波数が再生可能な最低音となるそうです。
常温の音速を340m/secとすると、直径800mmの円形ホーンは135Hzまで再生できることになります。
また、定指向性ホーンの場合は、円周の長さはホーン設計の要素ではないことはご存知の通り。
下の図(キール氏の論文より)のようなグラフを見れば分かるように、所定の指向性を確保できる周波数が問題になります。




しかし、上記のような理論上の話では2360と2380の両ホーンの音の違いを説明できない。
なのでこれらの理論的な話は、あくまで理論にすぎず、それ以上の意味がないということです。


<高音ホーンの広がり形状>

円形の開口部を持つ定指向性ホーンを作ろう、というのではありません。
ホーンキャラクターがないホーンを作ろうと思っているわけです。
2360とMR94はホーンキャラクターがあります、厳密に言えば。
そしてその原因は、金属製の細く絞った長いスロート部分にあると思っています。

ところで高音ホーンの製作は途中で失敗し、再設計することになります。
その際、長いスロート部を持たないJBLの2353ホーン(下の図)を参考にすることにしました。
また、その回折部にはM2のスロート部の形状を導入することにしました。




2360ホーンのカバー角度は、90°x50°、また、MR94は、90°x40°です。
これらホーンの音の感触を円形ホーンで再現するにはどうしたら良いでしょうか。
円形ホーンの場合、垂直方向と水平方向の指向性は同じになります。
そこで、90°と40°の間ぐらいの広がりを持つ定指向性ホーンの広がり形状を参考にすべきであろうと考えたわけです。
というわけで、60°x40°のカバー角を持つ2353ホーンの60°の水平方向の広がり形状を僅かに広げた形状に決定しました。
下の図、黒線で示す広がり形状が2353ホーンの60°の水平方向の広がり形状です。




回折部周辺の広がり形状は、2353ホーンを参考に決定したわけですが、さらに外側のベル部分は、2360ホーンのラジアルホーン状の曲面を参考にしました。
この曲面は、フェルトの布をやや引っ張っぱることにより形成できます。
フェルトの布にはマジックペンでマーキングをし、引っ張る距離がホーン開口全周にわたり均一になるようにします。

なお、高音ホーンのホーン長は354mm、2353ホーンのホーン長は305mm(1フィート)です。
2353ホーンの回折部以降の広がり形状を生かしつつ、800mmの開口部直径とマッチさせた結果、この354mmという数値になりました。


<回折部の形状>

高音ホーンの回折部の形状は、JBLのM2ホーンの形状を参考にしました。
しかし、厳密に模倣する必要はありません。
何故なら、M2ホーンは900Hzから20kHzまでを担当するホーンだからです。
作ろうとしているホーンは800Hz前後から5kHz程度まで。
どうしてかというと2451Hに5kHz以上を受持たせると映画館の音になってしまうからです。

ところで、黄色いホーンシステムは、JBL社最大の5674とほぼ同規模のスピーカーシステムですが、肝心の帯域分割とホーンの使い方は業務用のそれとは全く異なります。
5674の2392+2490Hは、297Hzから2.5kHzまでをカバーし、2352+2451Hは2.5kHz以上をカバーします。
しかし、2490Hのレスポンスグラフ(下の図)を見ていると2.5kHzクロスというのはかなり無理がある。
さらに、2392ホーンは3kHz以上まで使用可能と、そのパンフレッドには記載されています。
1200人以上もの観客を収容可能な映画館用のシステムなので、2451Hの耐入力をカバーするように2490Hの受持ち帯域を広げたのでしょう。




定指向性ホーンは、4つのカットオフを持っています。
受持ち帯域の高域端の垂直、水平、低域端の垂直、水平についてそれぞれカットオフ周波数を考えて設計されています。
2392ホーンの回折部であるスリット幅は、2360の回折部のスリット幅よりもうんと広い。
これは、2392ホーンが20kHzまで使用するようなホーンではないからです。
スリット幅が狭ければ狭いほどより高い周波数でも回折効果を発揮できますが、ではその場合、低い帯域において問題は無いのか?
回折部を備えた定指向性ホーンの問題点としてウェーブガイドの論者は歪みが生じるということを指摘していました。
漠然とした指摘ではありますが、やはり周波数に対してスリット幅が狭すぎる場合、何らかの歪みが増大する事は想像できます。

ならば、高音ホーンに2451Hを使用し、20kHzではなく5kHz程度まで受持たせる場合、このホーンの高域側のカットオフ周波数に合わせた回折部を作る必要があります。
20kHzまで回折効果を発揮させるならスリット幅は20mm程度に抑えなければならない。
10kHzなら40mm程度ということになり、これは、2451Hのスロート径である38mmと近似します。
M2ホーンは左右のプラグが内側に膨出するような形状(下の図で黄色い線で囲んである部分)になっており、この38mmの中央部の間隙の幅を狭めているように形成されています。
今回の高音ホーンには、この膨出部分をあえて作りませんでした。




なお、今回のシステムの音に十分なポテンシャルが認められない場合には、2451Hではなく2431Hをドライバーに変更するつもりでした。
この3インチのアルミダイアフラムを持つドライバーは大変美しい音を持っています。
これに8kHz程度まで受持たせ、これ以上のマルチウェイ化は見送るつもりでした。
この場合、上記の膨出部を付加する予定でした。


<スナウト部分の自作>

高域側のカットオフ周波数を低く設定するのならば、回折部のプラグはもっと穏やかな形状でも良かったのかもしれません。
この回折部のプラグのエッジは、曲りくねった形状をしています。
この曲りくねったエッジ部で回折現象が生じる訳です。
ところで、この曲りくねったエッジをCAD上で直線状に延ばしてみると、結構な長さになります。
今回の自作ホーンの場合、回折効果を発揮できそうな部分は約36cmにもなります。
プラグの高さが約4cmなので当然といえば当然ですが。
さて、MR94の直線状の回折部のエッジは、どの程度の長さか。
片側23.5cm、両方で47cmになります。
下の画像は、M2ホーンの曲りくねったエッジを示しています。
谷の部分のエッジを黄色、山の部分のエッジを青色で示しました。





回折現象は音圧の高い部分で効率的に生じます。
M2タイプのホーンは、フェーズプラグ直後にプラグがあってそこで回折現象が生じます。
しかし、以前のドライバーはフェーズプラグの直後にはスナウトと呼ばれる音道がありました。
下の画像は、JBL375の断面図です。黄色い線で囲まれている部分がスナウトになります。




ALTECのMR94であれば、フェーズプラグからスナウトと呼ばれる音道を通り、そこから長さが約1フィートもある金属製のスロート部を通過した後、ようやく回折現象が生じることになります。
どちらが効率的かは明らかでしょう。
M2タイプのホーンの回折部は、JBL375やALTEC288などのスナウト付のドライバーのスナウト部分に位置しています。
だからM2タイプのホーンの回折部の自作は、スナウト付ドライバーの内部の音道を自作していことと同じなのです。





2017/11/18

DIY Speaker (86)



池田圭さんの音の夕映、ついに購入してしまいました。
なんとなく読むのが怖かったのですが、どうせいつかは読まねばならぬと。
一気に読むのは惜しいので、ぽつぽつ読んでます。
ある意味、思った通りのコワーイ本でした。
ぶるるっ。




下界を眺める可からず」とか、「ウェスタンエレクトリック15Aホーン」などは、この音の夕映に収録されていました。
巻末の「附図」の中に「周波数帯域と聴感覚」の対応図(富田義男氏によるエレクトロニクス講座・応用編1、共立出版)が掲載されています。
なるほどなるほどと、見入ってしまいました。
「この帯域が強調されると」や「この帯域が弱まると」などの表現は経験的に理解できますが、全体的にもうちょっと低い帯域のような…




マルチウェイの場合、帯域分割の周波数を選ばなければなりません。
これをどんな風に考えればよいのか。
市販のシステムや個人のシステムを問わず、帯域分割の周波数が記載されていると、その意図を読み取ろうとします。
これが楽しいし勉強になる。
ちなみに、黄色いホーンシステムの帯域分割はこんな感じです。

PD.2450  -50Hz
1808-8HPS  50Hz-111Hz
1008-8HE  111Hz-249Hz
2490H  249Hz-897Hz
2446H  897Hz-4.02kHz
2431H  4.02kHz-8.5kHz
DE500  8.5kHz-
2402H-05  10.1kHz-

上記の「周波数帯域と聴感覚」の対応図と比べてみると、「中音域」と「中音高域」の2つが2490H、「高音低域」と「高音域」の2つが2446Hの守備範囲ということで、それ以外の帯域分割は、黄色いホーンの帯域分割と近いです。
(2490Hと2446Hの帯域が欲張っているのは、これは当然というか…)
「周波数帯域と聴感覚」の対応図では、この手の帯域分割の話と同様、1kHzが中心周波数になっているようです。

中心周波数が1kHzというのは音響学的に別の意味(聴覚的に敏感な帯域としての区切りなどかしら)があると思いますが、マルチウェイシステムの帯域分割ばかり考えていると、帯域分割の中央?周波数とも受取れるのです。

黄色いホーンシステムでは、これが900Hzなのです。
100Hzほど低域側に寄っている。
これがJBLになると1.2kHzぐらいでしょうか。
例えば、4ウェイのJBL4350のクロスは、250Hz、1.1kHz、9kHz、4343は300Hz、1250Hz、9500Hz、4345は290Hz、1.3kHz、10kHz。
また、JBL5732(下の画像)は、250Hz、1.3kHzになっており、それぞれ、ユニット構成などが異なりますが、ミッドの帯域はある程度共通しているように思います。




今回の自作ホーンシステムの場合は、ミッドホーンの受持ち帯域がどうなるかで、システム構成が影響を受けるということが分かっていました。
守備範囲を2オクターブ、中心周波数を1kHzにするなら、ミッドは250Hzから1kHz、ミッドハイは1kHzから4kHzになります。
これが800Hzになると、ミッドは200Hzから800Hz、ミッドハイは800Hzから3.2kHzになる。
1.2kHzなら、ミッドは300Hzから1.2kHz、ミッドハイは1.2kHzから4.8kHz。
現在構築中の自作ホーンシステムでは800Hzになると思います。

ミッドホーンの予想していた受持ち帯域は下限が200Hzから350Hz、上限が800Hzから1.4kHzぐらいと考えていました。
下限はご存知のようにホーンのカットオフ周波数が大きな影響を持ちます。
エクスポネンシャルホーンではなく、複合コニカルを考えていたので、カットオフ周波数ははっきりと計測できず、おそらくは-6dB/octのだら下がりの特性になると予想していました。
一方、上限に関しては、どの程度高域が延びるのかは予想がつきませんでした。
イコライザーを備えていないため、せいぜい2kHz(無理か?)、こちらも-6dB/octのだら下がりの特性になるのではなかろうかと予想していました。



2017/11/02

DIY Speaker (85)



(84)の続きです。

DCX2496が1台だけという状況なので、サブウーファー抜きの3ウェイマルチアンプの状態で稼動させることにしました。
最初の作業は、DCX2496の設定。
クロスオーバー周波数は、とりあえず200Hzと800Hzにしました。
何れも遮断特性はL-R48dB/oct。

200Hzというのは希望的な数値です。
ミッドはホーン長が短いため、200Hzはとても無理で、おそらく250Hzとか300Hzぐらいからしか使えないのではないかと予想していたからです。
なお、800Hzというのは200Hzの2オクターブ上の周波数ということで選びました。
とりあえずのレベル調整は、ローが0dB、ミッドが-5dB、ハイが-10dBとしました。




まず、松田聖子さんのCD(リッピングしたデータ)を小音量でかけて、各ユニットから設定された帯域の音が出ているかを確認します。
この段階で、ミッドホーンの能率が思っていたよりもかなり高いことに気付きました。
問題はなさそうなので、普通の音量(大音量ではない)にして、ざっとレベル調整をします。
ミッドとハイのレベルを下げました。

次に、DENONのオーディオチェックCDの出番です。
最初は、トラック10のチャンネルチェックです。
左信号が右スピーカーから、右信号が左スピーカーから出ていました。
DCX2496のルート設定を変更して解決。
次は、トラック11の位相チェックです。
最初は全帯域で聴いてみます。
大丈夫みたいです。
次に、DCX2496のミュートを使用して、ロー、ミッド、ハイのそれぞれの位相をチェックします。
これも大丈夫みたいです。
左右チャンネルにおいては各帯域ともに逆相にはなっていませんが、松田聖子さんのボーカルが引っ込んでいたのを思い出し、DCX2496でハイ(JBL 2451H)を逆相に設定します。
スピーカーケーブルの接続は、ユニットの極性にかかわらず赤は+黒は-で接続しているため、極性が逆の2451Hは、当然逆相で動作していたわけです。
DCX2496の設定を変更してこれも解決。

松田聖子さんのCDに戻し、普通の音量からやや大き目の音量(大音量ではない)でレベル調整を続けます。
大音量のレベル調整は聴感覚をマヒさせ、ろくな結果にならないからです。
ほどなく、ミッドが-10.5dB、ハイが-15dBになりました。
レベル調整がすぐに決まってしまうのは、各帯域の特性に大きな乱れがないということです。
それにしてもホーンキャラクターが全く感じられない…

かなりいい雰囲気で鳴っています。外観に似合わず豪快かつ鮮明な音。
ならばと、測定用マイク(ECM8000)をDEQ2496に接続し、DEQ2496とSRC2496を光ケーブルで接続、測定をしてみました。
全体の傾向を見たいのでマイクの位置はリスニングポイントです。




レベル調整だけでEQ等は使用していません。
一部を除き、±3dB以内に収まっています。




 DCX2496のミュートを使用して、ミッドだけ鳴らした状態。
うれしいなぁ、これ200Hzから使えます。




同様にハイだけ鳴らした状態。
おおっ、1kHzから4KHzが盛り上がっていて2360AやMR94を連想させます。
8kHzから16kHzがやや盛り上がっているのは、この帯域で回折効果が不足していることを暗示しています。




同様にローだけ鳴らした状態。
これはどうでもいいか。

大成功です。うれしいなぁ。
これでホーン設計の技術解説がやっとできます。
シビアな測定はユニットのエージングが終わってからでしょうか。







新たなスピーカーシステムを作ろうと考え始めたのが2010年の8月ごろ。
それから7年後、2017年10月30日に音出しになりました。
音出し、というのはあまりにお気楽な感じなので、進水式にならって出音式というのはいかがでしょう?
「…2017年10月30日にようやく出音式を迎えることになりました。」うん、これなら。

黄色いホーンシステムの出音式のときに、エルガーの戴冠式行進曲op.65を鳴らしたことを覚えています。
験担ぎにまたこの曲を選びました。
暗黒のオーディオ海に乗り出そうとする新システムの安泰を願って!








<出音式>
インドかどっかの出音神に新スピーカーシステムの安泰をお願いする儀式のこと。
「出音」の発音は、でおと、でおん、しゅつおん、などがあるが、どれでもいいし、どうでもいい。
出音式の特徴として、出音直後から主催者、列席者共に苦虫を噛み潰したような顔になることがあげられる。

出音式が公に認められるようになったのは英国偽王立出音協会(仮)が1910年代初頭に設立されてから。
このとき同協会(仮)がエルガーに出音式典序曲の作曲を依頼し、op.65(裏)が完成する。
エルガーは、「逆相接続になってた、ごめんごめん状態」でも十分に楽しめるよう、この作品において第二ヴァイオリンの逆相演奏を譜面に指示しており、この余計なお世話のため、op.65(裏)は演奏困難な難曲として知られることになった。

オーディオ界がお先真っ暗というかすでに消滅している現在、出音式などという行事は完璧に忘れ去られており、ごくたまに奇人変人のたぐいが「うははっ、出音式、執り行っちゃったよぉ!」とネットで自己申告する程度。はっきり言って、きもい。





DIY Speaker (84)



スピーカーユニットを取り付ける前にスピーカーユニット単体の動作確認をしました。
最初に5本のウーファーを裸の状態で鳴らします。
38cmウーファーのPeavy 1508-8ALCPが4本、サブウーファー用の46cmウーファーの1808-8HPS、それぞれ、出音が小さかったり、ボイスコイルのタッチ音がする等の問題はありませんでした。

次に、ホーンに取付けた状態のPeavey 1008-8HEをテスト。
バックチャンバーはまだ取付けておらず、ユニットに直接配線。
おそるおそるボリュームを上げてゆくと…おおっ、これは凄いや!
ご機嫌な音というか豪快な音が出てきました。
報われた気分です。うれしいっ!

この1008はホーン用に設計された超強力ユニットであり、25cmユニットでありながら4インチ径のボイスコイルを備えています。
8Wayの黄色いホーンシステムに4本使用しています。
以前、ヨハネスさんが黄色いホーンシステムを聴きにいらっしゃったとき、このダブルの1008に耳を近づけ「いい音してるなぁ。」とうれしそうに言ってました。
しかし、2オクターブに満たない帯域の音を聴いて、すぐに判断できるとは…
ほんと、耳がいいというか、びっくりな人です。
こっちは全帯域で何度も聴いて初めてこのユニットの性格が分かった(ような気がした)というのに…




お次は、JBL2451H。
これもホーンに取付けた状態。
うむむ、これも大丈夫かもしれない…よく分からないけど。
とりあえず出音には問題ありません。

さらに他の手持ちのユニットも引っ張り出してきてテストしてみました。
JBL2431H、2407H、2408H、それぞれ問題ありませんでした。
安心しました。

V字型バッフルのシステムを解体し、そのスピーカーユニットやアンプ類を再利用するので、アンプはデンオンのAVC-3809が2台ということになります。
ところが、チェックしてみるとそのうちの1台のリレーがいかれているようです。
音が出たり出なかったりする!
さらに、2台あるDCX2496のうち、1台がまともに動作しません。
これじゃサブウーファーを接続できないじゃないか!!


AVC-3809のカバーをあけてリレーを探しますが、昔のようなリレーは見つかりませんでした。
接点を綺麗にすればあるいは、と思っていたのですが。
DCX2496も買いなおした方がいいのかなぁ…

気を取り直して箱やケーブル端にスピコンコネクタ(NL4MPR、NL4FRX、NL4FX)を取付けてゆきます。
ケーブルはカナレの4S6です。黒100m買いました。馬鹿かも、です。

ケーブルで音が違うのはヨハネス亭で体験させていただきました。
WE等の20mぐらいのケーブルで聴き比べをしたのですが、その違いは3Wayマルチのレベル調整で0.5dB分ぐらいかなって感じでした。
だからといって軽視したりはしてません。
4S6を選んだ理由は他にあるのです。
貯めるは金、つかうは銭。




今回のシステムはリッピングしたCDしか聴かないので、パソコンソフトのfoober2000のボリューム調整(画面に表示されるスライダーのこと)を使用します。
このやり方はもう何年も改造ALTECシステムで使用しています。
foober2000で24bit、ウルトラモードの96khzのサンプリングレートで出力します。
ノートパソコンにCreative Sound BlasterをUSB接続、ここからの光出力をSRC2496で受けます。
SRC2496のRCAとXLRのデジタル出力端子から2台のDCX2496に接続します。
RCAデジタル出力の方にはカナレのBCJ-XP-TRBというマッチングトランスを使用します。
そして2台のDCX2496の6ch分の出力は7台のアンプを格納する2台のAVC-3809のEXT入力におくりこまれることになります。
これで最大6wayのマルチアンプに対応できます(という予定でした。)。
なお、foober2000のボリューム調整を使用するため、AVC-3809のボリュームは-18dBの状態にしたままです。

なぜfoober2000で24bit、ウルトラモードの96khzのサンプリングレートで出力するかというと、音質の改善という理由ではなく(それもあるけど)、これをSRC2496で受けてDCX2496に流し込むやり方が、DCX2496を安定して動作させることが経験的に分かっているからです。
DCX2496のサンプリングコンバータの誤動作が原因なのかどうかは分かりませんが、突然音が悪くなったりする現象を解消することができます。
さらにDEQ2496を測定器(RTA)として使用します。
しかし、AUTO EQなどは使用するつもりがないのでシステムにDEQ2496を組み込むことは今のところ考えていません。





2017/10/28

YAMAHA NIKEN MXT850



本気だったのかと驚きました。
さすがに850ccともなると迫力があります。






どんな感じなのだろう?
想像できないなぁ。











定常円旋回?なのかは分からないけど、広い原っぱに行ってグルグル回る練習をしていた。
ダートトラックの真似事だね。
左回り。左足を前方に出しながら旋回するから。
速度を上げてゆくとリアが滑り始める。
そうすると前輪が外を向き始める。
前輪が後輪の滑り角に合わせようとするからだ。
その前輪の動きを妨げないようにしながらスロットルコントロールで後輪のスライド量を調整する。
カウンターを当てるのではなく、カウンターが勝手に当たってしまうのを邪魔しないようにする。
弱い逆ハンをなるべく維持した状態でグルグル回る。
リアがどわっつと滑ったときには左足を軽く蹴りこんで立て直す。

こういうのをMXT850でやるわけにはいかんだろうなぁ…
コケたら高そう。
でも、こういう遊びをしないと、速度をどんどん上げていって最後はどうなるのか?というのが分からない。
分からないと信じられないから遊べない。
困る、です。

YAMAHAさんが、「最後はどうなるのか動画」をUPしてくれるとうれしいな。
ここはひとつ、派手なのをおねがいします。













カウルなしだともっと迫力がある外観になるようにも思いますが…
車体が傾いても銀色のリンクは水平を保持している。
もしかするとカウルが無いと奇妙な感じになるのかもしれません。









2017/10/15

DIY Speaker (83)



最後の作業はベル部とスロート部の連結です。
最初に画像のように隙間を紙粘土で埋めました。
そして、紙粘土の硬化後、水性パテで仕上げました。
こうしておけば容易に分離可能かと。





結局、アサヒペンのインテリアカラー、屋内壁用の白で全体を塗ってしまいました。
汚れたら別の色に塗りなおすと思います。
表面もパテ等で平滑にせず、ざらっとした仕上げにしました。
淡雪のような風合。
というか聴雪の、システム?







これで工作完了。
ちょっと忙しくなってきたので音出しは少し先になると思います。


2017/09/20

Carl Schuricht Bruckner Symphony NO. 5



現在、手持ちのCDは全てリッピングされており、その全データは手の平にのる容量2TBの外付けハードディスクに格納されています。
2014年2月には632GBでしたが、現在は1.02TBになっています。
やっぱり1TBのハードディスクには入らなかった…
CD一枚が650MBだとすると1500枚を越える容量。
そんなにCDあったかなぁ?



こんな具合に7つのフォルダに分類しました。
容量はそれぞれ、

A CAPPELLA  11.9GB
CLASSIC  852GB
JAZZ 51.2GB
JPOPS 86.3GB
POPS  25.9GB
ROCK 4.68GB
WORLD 19.8GB、です。

CLASSICの容量が圧倒的に多いですが、この傾向は今後も続くと思います。
先日もヨハネスさんのブログで知ったCarl Schurichtのブルックナー5番を購入、聴いてひっくり返りました。
で、同指揮者の8CDのボックスを購入。こうして1枚のCDが8枚のCDを呼び寄せてしまうのです。
さらにブラームスの3番とかも聴いてみたいとか思うとどんどん増えていってしまう。
それにひきかえ、クラシック以外のCDは、この10年、あまり購入していません。
購入の動機というかそうした情報にふれる機会を持たなかったのが原因なのでしょう。
クラシック音楽の箸休めで聴く分には手持ちのCDで足りちゃってるってこともあるのでしょう。



A CAPPELLAフォルダはこんな感じです。
The Persuasionsが多いです。
The Nylons、Take 6、Rockapellaなどもビックリするぐらい上手ですが、このThe Persuasionsの奥深さは大変なもので、Professor Longhairみたいな風格があります。
Youtubeにこんなのがありましたが、このグループはやっぱりゴスペル調の曲がいいなぁ。










CLASSICフォルダはこんな具合に作曲家別のフォルダで構成しました。
(おっと、鬚面が似てたからか、ムソさんがふたりもいる!)
また、各作曲家別のフォルダでは、CDごとではなく曲ごとにフォルダを作成しました。
長い交響曲などは2枚のCDに渡って収録されている場合があり、このデータを一つのフォルダに格納すると大変便利だからです。
また、overtureなどの小曲も独立のフォルダに格納しています。
これで小曲を探しまわる必要がなくなりました。

CLASSICフォルダの作家別フォルダの容量を調べてみると…

BEETHOVEN 96.9GB
BRAHMS 58.9GB
BRUCKNER 37.1GB
HAYDN 101GB
MAHLER 126GB
MOZART 109GB
SHOSTAKOVICH 65GBと、こんな感じです。

下の画像は一番多いマーラーのフォルダです。



全てのCDをリッピングしたことで、CDを探し回ることもなく、手がのびにくかったCDも手軽に聴けるようになりました。
リッピング作業は退屈極まりないものですが、それをやる価値はあったと思っています。
例えばマーラーの9番3楽章が気になって各指揮者の聴き比べをする、というのもfoobar2000を使うと簡単にできます。
これをCDのかけかえでやろうとすると…各ボックスの中から9番を取り出すだけでも大変。3楽章のトラックナンバーもチェックしないといけない。CDの記録面もチェック、汚れているなら綺麗にしないと。無事、聴き終えてもボックス内に順番どおり片付けないと。う~む、考えただけでも疲れます。





2017/07/18

BMW VI



BMWの最初のV12エンジンはどんなものだったのだろうかと調べてみると、それは"BMW VI"だそうです。
1926年に完成。
下の画像のように、これは大変クラシカルな雰囲気です。




挟み角は60、ボア160mm、ストロークが190mmと199mm、排気量は46.93L。
このストロークは、articulated connecting rods(下の画像)になっているためで、T34のエンジンがそうだったことを思い出しました。
T34のエンジン、V-2-34というV12ディーゼルエンジンのルーツはよく分かりませんでしたが、イスパノスイザの航空機用エンジンがベースになったようです。



話を戻すと、このBMW VIはソ連においてMikulin M-17としてライセンス生産され、その後も航空機用エンジンとして発展し、Mikulin AM-38Fが1941年に開発されます。
ボア160mm、ストロークが190mmと196.7mm、排気量は46.66L。
基本的なスペックはBMW VIと変わりませんが、下の画像のように現代的な外観に生まれ変わっています。
DOHCの4バルブ?になっているようです。




そして、このAM-38F、Ilyushin Il-2に搭載されて東部戦線で大活躍をするわけです。
youtubeにこのIl-2のよくできたビデオゲームの動画ありました。
やっぱりV12っていうとこの時代の航空機なのかなぁ。
ちなみに46.66Lの1/8は5832cc。
だからBMW760LiのN73B60エンジンは、ほぼ1/2スケールになります。
5972ccもの大排気量ですが、航空機用エンジンのミニチュアモデルとも言えるかもね。










2017/07/04

YAMAHA MT-07 (2)



MT-07の北米用であるFZ-07の"MOTORCYCLE CONSUMER NEWS"による実測スペックです。
最高速124.6mph(199.4km/h)、ゼロヨンが12.13秒、0-60mphが3.80秒。
wikiによるとゼロヨンで12秒、0-60mph又は0-100km/hで3.5秒以下が最速クラスの目安になっているようなので、そうしたクラスに近いパフォーマンスを持っているということになるでしょう。
車両価格を考えるとこれはたいしたものというか、MT-07って、ココロザシの高いバイクなのね。





上記MCNのFZ-07のレビューを読んでみると、サスペンションの圧縮側はほぼ理想的なものだそうですが、リバウンド側のダンピングが足らないそうです。
もっともこれはかなり荒れた路面を高速(bigger hitって書いてある)で突破する場合の話であり、通常の路面では問題がないそうです。
ブレーキ自体には問題はないようですが、テスト車に装着されていたミシュランPilot Road 3がブレーキ性能に悪影響を与えている旨の指摘がありました。
あとは、ホーンボタンの配置が悪いといった程度で、全体としては非常に高い評価です。

以下は、MT-09(FZ-09)とXSR900の実測スペックです。







これ等と比べてもMT-07の0-60mphのデータは遜色はないように思います。
それ以上の速度域では徐々に差が出てきますが、カウリングのないこの手のバイクでそんなことを気にしてもしょうがないですよね。





MT-07の前記事