2011/07/28

BMS 4540ND (3)

BMS 4540NDを導入されたSさんからメールをいただきました。

「blogを拝見させていただいていました。
BMS 4540NDになにかピンとくるものを感じ早速US Speakerで注文しました。
現在3.5khzより上で使っています。
音量をあげてもうるささが激減しました。
今まで名前さえも知らなかったBMSというメーカーを紹介していただき感謝しています。」

Sさん、ありがとうございます。
とてもうれしいです。

Sさんの最初のメールにはSさんのシステムのことがほんの少し書かれているだけでした。
かなりマニアックな方と思ったので、しつこくシステムのことを尋ね、さらに画像までも送ってくださいと頼んでしまいました。
Sさんのシステムは以下のような構成です。

ウーファー GPA 515-8GHP 30mm厚バーチ合板特注箱
スコーカー Radian 475 (1インチドライバー)+メイプルの特注ウッドホーン
トゥイーター BMS 4540ND+Eminence APT-150S ホーン
サブウーファー Peavey 1808 SPS BWX 30mm厚特注箱









 まず、GPA(ALTEC)の最強ユニット、515-8GHPを使用されている。
加えて1808-8SPS。
何れも超ハイスピードユニット。
Sさんの狙いが伝わってきます。

ちなみに振動系の実効質量であるmmsを比較するとこうなります。

JBL K151 125g
JBL E155-8 125g
ALTEC 3184 116.2g
Peavey 1808-8SPS BWX 106.7g

1808-8SPSの素晴らしい仕上がりのエンクロージャーはなんと480リットルもあるそうです。
1808-8SPSは大型の箱で聴いてみたいと思っていたのでダクト寸法をお尋ねしたところ直径160mm、長さ280mmとのことでした。

「1808ですが最初は殆ど期待していなかったのですがいざ音出しをするとふわりとした風のような軽い音が出てきてびっくりでした。
20Hzでも充分な音圧を確保出来ているのでサブウーファーはもうさわるところはなさそうです。
メーカー推奨容量を無視して思い切って大きめの箱にしたのが正解でした。
気に入らなければ順次ウーファーの付け替えを考えていたのですが一発で当たりまさにPeavey恐るべしですね。」






その1808-8SPS BWXと515-8GHPとのクロスはどうなっているかというと…

「515は下を出しっ放しにし1808は40Hzより上を-24db/octで切っています。
515の箱は50Hz~55Hzまで出れば良いと割り切り150リッター程度に抑えました。
当初はウッドベースの開放弦である42Hzを充分な音圧でと考えていました。
しかし、515にそれを望むと巨大なエンクロージャーが必要であることを25年ほど前、A5を所有していた経験から知っておりました。
大型箱にすると本来の持ち味である軽やかな低音感が損なわれる懸念があってこのサイズに落ち着きました。」

なるほどです。
A5をお使いでしたか、う~む。







515-8GHPの箱に組み込まれている美しいメイプル製ホーンにはRADIAN 475が搭載されています。
このドライバーは1.75インチ径アルミダイアフラム、マイラーエッジ、1インチスロート径のコンプレッションドライバーです。

このメイプル製ホーンと475の組み合わせ、とてもいい感じです。
高品位再生を目指しておられるのが分かります。
ところで、Sさんは音量を上げたときにややうるささのようなものを感じられていた。
そこでBMS 4540NDを導入されたそうです。
その結果、475の使用帯域は1kHz~3.5kHzに限定され、475本来の美しい再生音も確保できたそうです。




スピーカーが傾いてセッティングされているのでこのスタンドはSさんのオリジナルでしょうか?とお尋ねました。
そうではなくプロケーブルという会社の製品だそうです。

「余分な響きが消え515の低音がより一層軽くなってこちらに飛んでくるようになりました。
このスピーカースタンドの解説に書いてあるような激変ではないのですが一度使うと外せなくなりました。」





Sさんのマルチアンプの構成です。

1808-8SPS BWX ------ Crown D75A
515-8GHP ------ Crown D45
475 ------ EL SOUND EPM-3 BTL Inv × 2
4540 ND ------ 超3結 45 シングル
チャンデバ Behringer CX2310 × 2

「その他、dbx サブハーモニックシンセサイザーとBBE 882i で遊んでいます。
上記のアンプではEL SOUNDというのは馴染みがないと思いますがたかだか3.6W出力のこのアンプが奏でる音は管球アンプより柔らかく且つメーカー製Trアンプより緻密な音が出ています。」






 今後の予定として
「1. 中音ウッドホーンに手を加え1.4インチ化しBMS同軸ドライバー、GPA390、SELENIUM 405 TRIOのいずれかに付け替える。
2. 2360Aのスロート部を購入しMR94の図面を参考にし、バーチ合板で木目を生かしたマンタレーホーンを特注し2インチドライバーを装着する、のいずれかを考えています。」
とのことでした。

是非、「2.」でお願いします。
できましたら、ブログを立ち上げて製作記を公開していただくとうれしいです。








ところでSさんはもう一枚画像を送ってくださいました。
Sさんの515のメイプル製エンクロージャー、ホーン、そして1808の巨大エンクロージャーを製作されたご友人のシステムの画像です。







「彼のウーファーもPeaveyですが1808ではなく1801と聞いています。
重量40kg、外寸820W×330H×520Dにも及ぶこの欅製ウッドホーンは彼の自作でしてドライバーにはBMS4592NDを使用しています。
現在このシステムはJantzenのトロイダルコイルとロシア製オイルコンデンサーK75を使用した自作ネットワークを300Hzと6300Hzでクロスさせています。」

Sさんのご友人のシステムも素晴らしいです。
デザインも仕上げも完璧です。
お二方のキャリアとセンスの良さに脱帽です!





Sさん、詳細なレポートをありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。



2011/06/15

Subscription Concert No.718 at Suntory Hall

東京都交響楽団の第718回定期演奏会に行ってきました。







指揮はジョセフ・ウォルフさん。
曲目はブラームスピアノ協奏曲第2番、オルウィンの秋の伝説、シベリウス交響曲第7番。

ピアノ協奏曲は素晴らしかったです。
ピアノは若林顕さん。
以前も書きましたがグランドピアノの蓋の角度のせいでP席ではピアノの音量が足りません。
距離的にも遠い。
それが残念。

秋の伝説。
イングリッシュホルンは南方総子さん。
これも素晴らしかった。
弦楽5部+イングリッシュホルンという構成。

この曲は好きです。
絵画的な印象。
おそらくリズムなどの経時的な音楽要素を控えめにするとこうした効果を得られるのかもしれません。
「弦楽オーケストラのための」として打楽器群がないのもこのためでしょう。
聴くたびに何故かボストン美術館で見たイギリス水彩画展の一枚の絵を思い出します。

どうして梅雨のさなかに秋の伝説なのかと言えば、指揮者のジョセフ ウォルフさんがイギリス人でこの曲がお気に入りなのでしょう。
この方、サー コリン デイヴィスのご子息でジョセフ ウォルフは芸名だそうです。

シベリウスの第7番。
シベリウスの最後の交響曲。
ベートーベンの第9のように作曲家のラストナンバーの交響曲を聴くといつもその作曲家の歩んできたそして歩むはずだった創作の道について考えます。

重ねられてゆく交響曲の作曲行為。
創作の泉から湧き出す新たな試み。
その中にあっても変容しない個性。
そして遠くまで歩いてゆくための原動力、情熱。