2004/09/09

セブンのお話 09話 ファーストインプレッション(1)



2012年12月20日、E66 760Liが大阪からやってきました。Goo-netの中古車検索で見つけ電話で発注したので実物を見るのは納車のときが初めてです。もっともBMW認定中古車であるため、近所のBMWディーラーで1年間(20000km以内)の保証を受けられます。認定中古車は割高だと言われていますが、今回の760Liはかなり安かったように思います。バス通りでキャリアカーから降ろされた760Liの外観はなかなか迫力がありました。750iLよりもかなり大きく見えます。サイズ等を比べてみると以下のとおりです。

760Li 全長5170mm、全幅1900mm、全高1490mm、ホイールベース3130mm、車両重量2220kg
750iL 全長5125mm、全幅1860mm、全高1425mm、ホイールベース3070mm、車両重量2020kg

750iLよりも大きく見えるのは全高が高いせいだと思います。もっとも750iLの全高1425mmというサイズはこの手のセダンでは低い方であり、ポルシェパナメーラの1420mm、マセラティのクアトロポルテの1430mmと同等です。


Porsche Panamera


Maserati Quattroporte

760Liの緑色はダークグリーンメタリック。750iLの緑色はオックスフォードグリーン。760Liの方が暗い色であり青味がかっています。また、この車はオプションのクライメートコンフォートガラス(赤外線反射合わせガラス)を装備しておりガラス全面が薄暗い感じです。このため車体色を含めた全体の印象が落ち着いた雰囲気、を若干通り越しややあやしい雰囲気?になっています。

ドアは比較的軽く開きます。750iLではドアが重く母などは車体が傾いていると開けることができないこともありました。合わせガラスですしドア自体も異常にがっちりした造りでした。おそらく760Liのドアは750iLのドアを上回る重さになってしまったため、BMWは軽く開閉できる機構を組み込んだのでしょう。なお、この4枚の全てのドアは任意の位置で止まる無段階ドアストッパーを備え、また最後の6mmを電動で引き込むソフトクローズドアになっています。また、750iLではトランクリッドがソフトクローズタイプでしたが、760Liでは電動開閉式になりました。




車内に入りドライバーズシートに座ると、車内の雰囲気は750iLよりもうんと高級感があります。インテリアは隅々まで丁寧に造り込まれており、モダン調なのに重厚な雰囲気。光沢のあるウォールナットのウッドトリムにごく小さな象嵌が施されているのが気に入りました。この車はオプションのベンチレーションシート(全席)が装着されており、このため表皮はナツカレザー(色はナチュラルブラウン/U6NB)になっています。シートは張りがあり、すわり心地はやや固め。それからシートヒーターは座面だけではなく背もたれの部分も暖かくなります。前席ではこの座面と背もたれの温度配分をiDriveにより調整することさえできます。ステアリングヒーターも装着されています。

E65、E66がデビューした当時、iDriveをはじめとする操作系に対し、車雑誌の評論家諸氏は使いにくいと書き立てました。しかし、これは針小棒大ではないかと。実際に使用してみると使いやすく問題があるとは思えません。それに現在ではiDriveのような操作系は一般的になっています。

(2012/12/24)






 

2004/09/08

セブンのお話 08話 緑色かどうかは重要なのか?

 

次の車を何にしようかと考えるのは楽しいことです。750iLが素晴らしかったのですっかり中古外車のファンに、というか、車の雑誌を読まないせいか最近の国産車は名前さえ知らないですし、さらに新車価格は妙に高くなっていて手が届きません。という訳で国産の新車は考えませんでした。

7年~8年落ちで値頃感のあるBMWの7シリーズ(E65、E66)、ジャガーのXJ(X350)、メルセデスベンツのCLS(W219)などが候補です。CLSはジャガー風味でスタイルがいいです。750iL(E38)もジャガーを参考にデザインしたそうなのでこういうのが好みなのかもしれません。


Jaguar XJ


Mercedes Benz CLS

7シリーズでは750i(E65)を考えていました。搭載している4798ccのV8エンジン(N62B48B)はバルブトロニック(吸気バルブのリフト量を可変させてスロットルバタフライバルブの代わりをさせる)、吸排気可変バルブタイミング(ダブルVANOSと呼ばれている)、筒内への燃料の直接噴射、吸気マニフォールド長の連続可変システムなどを備えており、ベースになったN62B44は2002年、4L以上の部門でのインターナショナルエンジンオブザイヤーを受賞しています。750iと今まで乗っていた750iLを比較すると

750i  4798cc、367ps/6300rpm、50.0kg-m/3400rpm、車両重量2040kg、ホイールベース2990mm
750iL 5379cc、325ps/5000rpm、49.9kg-m/3900rpm、車両重量2020kg、ホイールベース3070mm

う~ん、新しいV8の方が排気量が小さいのにパワーがあります。一方、車両重量は同じぐらい。ちなみに750iの0-100km/hのメーカー発表値は5.9秒、750iLは6.6秒。トランスミッションは、750iが6速、750iLは5速であるため、おそらく2速までしか使わないこの測定項目ならクロスしている方が有利かと。もっとも、最高出力は750iの方が高回転域で発生しているため、たとえば5000rpmで比較すると似たような馬力値になるのではないかと。まあ、実際の使用状況においてはそんなに差はないのではないかと…  こんな具合にいろいろと考えてはみるもののV8には今ひとつ乗る気になりません。


BMW 750i

上記の750iのほかに760Li(E66)も考えていました。750iLの5400cc V12は大きなバルブを大きく開けて、という古い設計のエンジンでしたが、この760Liの6000cc V12は、DOHC4バルブ、バルブトロニック、ダブルVANOS、筒内への燃料の直接噴射を行う現代的エンジン。魅力的です。しかし、760Liは中古車の台数が非常に少ないのです。安価で程度の良いものは難しいだろうと諦めていました。

さらに760Liにはもうひとつ問題が。社用車が多いためか車体色は黒や銀がほとんどです。内装もブラックレザーばかりなり。妻や母は緑(ディープグリーンメタリック)か赤(バーベラレッド)がいいとのたまう。緑色ならあるかもしれないけど、赤い760Liって… さらに、内装色はベージュがいいとのこと。それからシートヒーターがないとダメなんだそうで…


BMW 760Li

あれこれ考えるのがめんどうになってきて750iに決めてしまおうかなどと思っていたところ、ヨハネスさんが新車同様のダブルシックスを入手されたことを聞きます。うん、やっぱりV12がいい、とネットで全国を対象に検索。結局、大阪のBMWディーラーからBMW認定中古車の760Li(E66後期型)を購入しました。初度登録2005年11月、走行43400km、右ハンドル、ディーラー車、車検2年付きというもの。決定打は車体色が緑色で内装色がナチュラルブラウンだったこと。やれやれです。ちなみに車両価格は280万円(整備費、保証込み)、支払総額は311万円でした。

(2012/12/20)