2022/06/28

Beyerdynamic DT990 Edition



ベイヤーダイナミックのDT990エディションを購入した。
サウンドハウスで21800円(19148円+2652ポイント)だった。
開放型でインピーダンスは250オームである。




DT990PROも検討したが、側圧が強いという点とカールコードという点でエディションにした。
金属パーツを多用しているためかクラシックな雰囲気がある。
また、生産は中国ではなくドイツだそうだ。

Wikiによると、ベイヤーダイナミック社は1924年にオイゲン バイヤー(Eugen Beyer)がベルリンにて設立。
1937年に世界初のステレオヘッドフォン「DT48」を発売。
DT990は1985年に開発されたそうである。 





2022/06/23

SENNHEISER HD599



ゼンハイザーのHD599を購入した。
amazonで21700円だった。
ゼンハイザーの米国サイトでは149.95ドルだったので割高な感じがする。




HD599はRTINGS.COMというヘッドホンの比較サイトで快適性(Comfort)、通気性(Breathability)、安定性(Stability)の項目でK701よりもやや良い評価だった。
快適性はヘッドホンの重量と側圧(Clamping Force)、通気性は耳の温度分布が示されており分かりやすい。
使用してみるとHD599の装着感はK701と同様、良好だった。




Geekriaのアクリル製のヘッドホンスタンドも購入した。
amazonで2800円。
サイズはL、厚さ約1cmのアクリル板を曲げて作ってあり重量もある。
ヘッドホンの見栄えが良くなり気に入ったので追加でもう1つ購入した。
ただし、2つとも目立つ傷があったし、加工精度もよくない。
だからそういうのを気にしない人むき。


 

2022/06/15

Speakers with Behringer DEQ2496



スピーカーのキャリブレーションは手動で行うより自動(AUTO EQ)で行う方が断然良い結果を得ることができると思っている。
理由は分からないが、これは長年の経験から確実である。
ただし、これには2つの条件がつく。

まず、最低域や最高域の極端な修正結果(例えば20Hzで+10dB、20kHzで+10dB)が出た場合には、スピーカーの再生能力の不足が原因の異常値であるため、0dBに修正する必要がある。
無用な電力をスピーカーユニットに送り込めば、当然、何らかの悪い影響が出るのは必定である。




次に、定在波の影響による測定結果の修正が必要である。
例えば100Hzとか200Hzとかの特定の周波数だけでポーンと+10dBや-10dBなどの突出した修正結果が出た場合には、定在波を疑うべきである。
定在波はその振幅の腹と節があり、それぞれ異常値が出る。

突出した異常値はグラフの連続性を乱さないように手動で修正する。
「自動」を「完璧」と誤解してこの修正を行わないと、オートキャリブレーションは無意味なものになる。
異常値の周波数帯域(極端にブーストされた帯域)が悪さをしてまともな音にならない。





2022/06/14

AKG K701 with Behringer DEQ2496



このブログは各ヘッドホンの特徴を知る上で大変参考になったし、ヘッドホンという音響機器を彼らがどのような観点から評価しているのか、ということも知ることができた。
また、キャリブレーションによる最低域のブーストはほどほどにしておくべきだということが理解できた。
この帯域は歪成分が多いので、ブーストによりこの歪成分もブーストしてしまうのである。
画像はAKG K612PROのTHDのグラフである。




ヘッドホンとスピーカーの最大の違いは低音再生だと思う。
理由はよく分からないが、ヘッドホンでは低音の雰囲気というか空気が振動する様子が再現できない。
逆に言えば、ヘッドホンでは最低域をカットしてもそれほどダメージがないので、最低域のブーストは控えめでもかまわないわけである。
K701のGEQの20Hzを+3dB、25Hzを+6dBに修正した。





2022/06/13

AKG K701 with Behringer DEQ2496



#7、#8、#9の3つの素子は、高音グループの素子である。
#7は、2kHzから5kHzの高域を調整する。
#8は、7kHzぐらいの高域を調整する。
#6は、10kHzから12kHzの高域を調整する。
画像は、#7が2825Hz、1/2oct、-3dB、#8が6324Hz、3/4oct、+2.5dB、#9が11246Hz、1/2oct、+1.5dBである。




高域は、耳に聴こえやすい帯域と、耳に聞こえにくい帯域の2種類の帯域がある。
#7は聴こえやすい帯域、#8と#9は聴こえにくい帯域である。
したがって、一般的には#7はカット、#8と#9はブーストする。

#7は等ラウドネス曲線からも理解できるように全帯域で最も聴こえやすい帯域だ。
キャンキャン、チンチンといった音である。
耳につく帯域であり、聴き疲れする帯域でもある。
Q値を広めにしてバッサリとカットしたくなるが、やりすぎると高音全体の力が失われてしまうので注意が必要だ。
この場合、容易にカットを弱めるのではなくQ値を狭めると生き返る。

#8はおなじみのサ行の気になる音である。
FFTで分析するとかなり広い帯域に分布しているのでこの#8の帯域だけではないはずなのだが、#8でおよそコントロールできる。

#9は事実上の最高域であり、コントロールの難しい帯域だ。
シンシンという感じの音にならないような帯域だからだ。
やはりキャリブレーション(AUTO EQ)してから調整したい。
この帯域では定在波が考えにくいのでキャリブレーションの結果には基本的に手を加える必要はないと思うが、20kHzで+10dBなどという修正結果が出た場合には、異常値であるため0dBに修正しておこう。

#7と#8は、遠慮してしまいがちな帯域ではあるが、これをきちんと出しておかないと音が死んでしまう。
とりあえずドーンとブーストして、それから徐々にカットしながら最適値を探るようにしたい。





2022/06/12

AKG K701 with Behringer DEQ2496



#4、#5、#6の3つの素子は、中音グループの素子である。
#4は、120Hz以上の中低域を調整する。
#5は、120Hzから1.2kHzまでの中域を調整する。
#6は、1.2kHz以下の中高域を調整する。
画像は、#4が200Hz、1/3oct、-1.5dB、#5が447Hz、3/2oct、+2dB、#6が796Hz、1/3oct、-1.5dBである。




中域は音楽の基礎の帯域なので、ここのレスポンスが低下すると全体が暗く痩せた感じになってしまう。
イコライジング作業は低域や高域に気持ちが行くので、相対的に中域のレスポンスが低下しており、できあがった特性の音が、なんとなくさえない場合は中域のレスポンスの低下を疑うべきだ。
目安としてはボーカルが暗く痩せた感じの場合は、この状態にある。

中域の主役は#5の素子である。
約440Hzをとりあえずの中心周波数にしている。
ピアノのA4の音を想像すると、1オクターブ上とか下などが理解しやすい。
Q値は1oct以上と広くとって広い範囲で浅くブーストするとおだやかな効果が得られる。

#5の範囲を#4と#6の2つの素子で限定する。
3つの素子のうち両側の2つの素子で中央の素子の帯域を限定するのは、低域と同じ考え方である。
#5のQ値を大きくして広い範囲でブーストしても、#4によって中低域が一緒にブーストされることを阻止することができる。
#4によるカットは、音の厚みの調整のほか、低域と中域を分離することができる。
#4の中心周波数は150Hzから350Hzと広い範囲で選択できるが、たいてい200Hzか250Hzぐらいを選択している。

#6は800Hzか1.2kHzの中心周波数であり、若干のカットで使用する。
等ラウドネス曲線でこの2つの周波数帯域の耳の感度がやや上昇しているからである。
たいていは800Hzを選んでいるが1.2kHzで設定することもある。
#6を800Hzにする場合にはQ値は小さめ(1/3oct)、1.2kHzの場合はそれよりもやや大きめ(1/2oct)がよい。




2022/06/11

AKG K701 with Behringer DEQ2496



#2、#3、#4の3つの素子は、低音グループの素子である。
#2は、25Hzから50Hzの音にならないような最低域を調整する。
#3は、60Hzから120Hzぐらいの低域を調整する。
#4は、120Hz以上の、正確に言うと低域ではなく中低域の素子である。
画像は、#2が20Hz、3/4oct、-6dB、#3が80Hz、1oct、+3dB、#4が224Hz、1oct、-1.5dBである。




#3が低音グループの中心で、たいてい3dBを目安にブーストしている。
中心周波数は64Hzから80Hzが多い。

最低域の#2は、通常のスピーカーの場合はまともに再生できないので、カットしようがブーストしようが結果は同じである。
サブウーファーがあり、クラシックを再生する場合には、ここは思い切ってブーストしている。
但し、この最低域の極端なブーストは他の帯域をマスキングしてしまう効果を持っているので、その場合でもほどほどにしないといけない。
明瞭度を上げるため、この帯域はカットすることが一般的だと思う。

#4は低域の厚み調整用である。
この帯域を低音と一緒に持ち上げてしまうと低音が不明瞭になり、モヤモヤして締まりがなくなってしまう。
低音の姿をはっきりさせたいときは、この帯域をカットする。
目安としては160Hzが0dBになるようにしている。

クラシックの場合は、この#4の帯域のカットは限定的か、または行わない。
厚みがなくなってしまい、主に弦のパートが全く面白くなくなるからである。
#4は低音の質を決定する極めて重要な素子だと思っている。

#2と#4は、#3のブーストの範囲を限定する役目を持っている。
#3のQ値を大きくとって広範囲の低域がブーストされた際にも、#2により最低域が、また、#4により中低域がいっしょにブーストされるのを抑え込むことができる。
という訳で、低音のコントロールにはこの3つの素子が必須なのである。





2022/06/10

AKG K701 with Behringer DEQ2496



昔のアンプのトーンコントロールには、ターンオーバー周波数の切替えスイッチを備えた機種があった。
これは、Q値を変えると似たような特性が作れる。
画像は、Q値を5オクターブから3オクターブに変更した特性だ。




#1と#10の2つの素子による変化は広範囲に及んでいるので、スピーカーやヘッドホンの個性をそのままに全体の帯域のエネルギーバランスを好みの方向へ持っていける。
部分的な帯域が強調された妙な音になる可能性が小さい。

#1と#10の2つの素子は、低域、中域、高域の各帯域の調整をしたのち、全帯域のエネルギーバランスを最終的に微調整するのに使用すると大変作業効率が高い。
部分的な帯域をそれぞれ調整して全体のエネルギーバランスの微調整をおこなうのは非常に大変なのだ。

なお、アナログのグラフィックイコライザで傾斜した特性を瞬時に作るには、傾けた定規にノブを次々に当ててゆけばよい、と考えている、がどうだろうか?




2022/06/09

AKG K701 with Behringer DEQ2496



#1と#10の2つの素子は全体のバランスを簡単に変更できるので便利である。
昔のプリメインアンプとかコントロールアンプについていたトーンコントロールの効き方と似ている。




ハーマンのターゲットカーブに紹介してあった20Hzから20000Hzへ10dB落ちの特性を作って聴いた。
#1が+5dB、#10が-5dBである。(他の素子はすべて0dB)
これは、低音が多すぎ、高音が足りなさすぎである。
#1を+3.5dB、#10を-2.5dBにしたらバランスがとれた。



2022/06/08

AKG K701 with Behringer DEQ2496



#1と#10の2つの素子は広範囲の帯域をチルト(傾斜)させるための素子である。
#1は低域側、#10は高域側である。
簡単に全体的なバランスを調整できる。
画像は、#1を+3dBとし、#10を-3dBとした場合を示している。




Q値はいずれも5oct(オクターブ)になっている。
20Hzから20000Hzは約10オクターブだ。
20Hzの5オクターブ上は、20Hz-40Hz-80Hz-160Hz-320Hz-640Hzなので640Hzである。
20000Hzの5オクターブ下は、20000Hz-10000Hz-5000Hz-2500Hz-1250Hz-625Hzなので625Hzである。
ほぼ中域のど真ん中から低域側と高域側をそれぞれ持ち上げたり押し下げたりすることができる。

イコライジングはその変化した面積で効いてくるので、広範囲の帯域をチルトするこのようなイコライジングは、0.5dBの上げ下げでも音がかなり変わる。





2022/06/06

AKG K701 with Behringer DEQ2496



DEQ2496は、グラフィックイコライザー(GEQ)とパラメトリックイコライザ(PEQ)が搭載されており、GEQが一段目、PEQが二段目という構成になっている。
そこで一段目のGEQでフラット化した特性を二段目のPEQで好みのバランスに変化させた。






PEQの設定は作成中のオリジナルのターゲットカーブである。
今まではクラシックのオーケストラ用に特化したカーブを作ってきたが、このターゲットカーブはそうした目的ではなく、様々な音楽に対応できることを心掛けて作成している。



2022/06/05

AKG K701 with Behringer DEQ2496



ソナーワークスのデータを参考にしてK701のフラットな特性を作成した。
DEQ2496の31素子のグラフィックイコライザー(GEQ)を使用した。
このGEQには"True Response"という機能が搭載されており、各素子による変化を連続的な変化に自動的に変えてくれる。




忠実とは言い難いが、聴いてみるとフラットな特性になっていることが分かった。
フラットな特性の音の特徴である、ナチュラルな感じがなく、やや痩せて暗い艶もない無機的な印象を受ける。




2022/06/04

Sennheiser HD600 and HD650




開放型でよりフラットな特性を持つのがゼンハイザーのHD600とHD650だ。
低域を除く全帯域にわたり±3dB程度に収まっている。



全般的に高域のエネルギーが過多ではないかと思ってきたが、このゼンハイザーの特性を見ていると安心する。
モニターヘッドホンにはノイズを聴き分ける必要もありこういうことになっているのだろうけれども、こういう特性もありなんだと思った。





2022/06/03

AKG K701 with Behringer DEQ2496



K712PROの特性を再現するために、ベリンガーDEQ2496のパラメトリックイコライザ(PEQ)を用い、K712PROの特性を再現するために低域から中域にかけて約3dBブーストした。
このブーストには2素子を用いた。

(1)100Hz  Q2oct  +3dB
(2)447Hz  Q3/2oct  +2.5dB


次に、中域側の(2)の素子をはずし(1)のみにしてベイヤーDT990PROの特性風にした。



どちらも悪くない。
通常の音量や小音量でのリスニングでは中域が充実したK712PROの方が豊かさを感じさせてくれる。
しかし、音量が大きくなるにつれ、DT990PROの方が聴きやすくなる可能性がある。
なお、このイコライジングを行ってもまだK701の高域がやや強すぎるようだ。




2022/06/02

Beyerdynamic DT990 PRO 25O OHM




AKG K712PROの周波数特性は、ベイヤーダイナミックのDT990PROの特性との近似性があるように思う。
両者の低域側の再生能力はほぼ対等と言える。
DT990PRO(中段)の低域から中域へかけての特性は、K712PRO(上段)とK701(下段)の中間のようにも思える。
また、DT990PROは10kHz以上のレスポンスがK712PROやK701よりもかなりある点も特徴的である。







2022/06/01

AKG K712 PRO Reference studio headphones



AKGはK712PROについて「ローエンドのパフォーマンスを3dB向上させた。」としている。
実際にK701とK712PROをグラフで比べてみると20Hzから1kHzへ至る非常に広い帯域で3dBほどレスポンスが向上していることが分かる。






K701を聴いた印象はやはり低域や中域のレスポンスが控えめであり、もう少し引き上げたいところだ。
K712PROの特性を参考にして低域から非常に広い帯域で3dBブーストすると高域の勝った印象も薄らぐかもしれない。