2023/05/27

Loudspeaker Systems Design



秋葉原で見ていた様々なスピーカーユニットは、動物園の動物さん達のようなものだった。
個性的な雰囲気を面白がっていたように思う。
買おうとか思わないから実に平和な日々であった。

そして、1970年にパイオニアのCS900が発売された。
同年、ダイヤトーンのDS251、DS301、DS31CMK2も発売された。
その翌年の1971年、これらのスピーカーシステムを見て、"スピーカーシステムはサランネットの取り外しができるタイプがいいな"と思ったことを覚えている。

それ以前のスピーカーシステムはたいていサランネットや格子状の木製グリルがそのスピーカーの顔だった。
サランネットなどが構造的に取り外せないというよりは、それを取り外せたとしてもスピーカーユニットがスピーカーの顔とは認識されていなかったのである。




これはCS E900。
ヨーロピアンデザインを意識したバリエーションモデル。
90度回転することができる金色のホーンを中央に据えた構成。
横置きを考えてか、ウーファーとミッドで挟んだのが個性的だね。






2023/05/25

Loudspeaker Systems Design



1971年だと思う。
オーディオに興味を持ったのは。

以前にも書いたが小学生のころ電気部品が好きで秋葉原をぶらぶら散歩していた。
豆電球やソケット、スイッチや電池ボックス。
それら部品には様々なデザインのバリエーションがあって見ていて飽きない。
それ以外にも様々な部品が無数にあり、その中の一つがスピーカーユニットだった。




スピーカーユニットに興味を惹かれたのは、それが電気部品にもかかわらず機械的な要素に満ちた部品であり、小学生にも理解しやすかったからだろう。
また、"男の子は大きいのが好き"という欲望をそのまま満たすような大型のユニットもあり、見ているだけで楽しかった。




秋葉原の部品店は専門化しており、スピーカーユニットばかり扱う店が数店あった。
そうしたスピーカーユニットの専門店では、スピーカーユニットと名のつくものであれば分け隔てなくなんでも販売していた。
JBLやALTEC、エレクトロボイスをはじめとする業務用スピーカーユニット。
パイオニアやオンキョー、フォスターやコーラル、ナショナルや三菱(ダイヤトーン)、YL音響、そのほか無名の日本のメーカーもいろいろあった。
タンノイ、グッドマン、リチャードアレン、ラウザー、バイタボックス、ジョーダンワッツなど海外メーカーのスピーカーユニットもごくごく普通に並べられていた。
そういえば、価格も、それがたとえ海外製ユニットであっても、大きさや重さに応じてリーズナブルであり、理解不能なプライスタグをつけているものは一つもなかった。
そういう店で様々なデザインのスピーカーユニットを眺めているだけで幸せであり、それらがオーディオの部品だということを意識していなかったように思う。