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2010/06/17

JBL 5732 & 5742 (3)

5732と5742のレスポンスグラフは見事です。
デジタルチャンネルディバイダーとマルチアンプシステムによりこうした特性が確保されています。

5742の低域特性は18インチダブルなのでそれほど驚くべきものではないですが、15インチダブル(2226H×2)の5732の低域特性は素晴らしい。
この5732のウーファー部は5739という新しいシステムです。

5732
Frequency Range (-10 dB): 30 Hz – 20 kHz
Frequency Response (±3 dB): 40 Hz – 19 kHz
Sensitivity: 115 dB, 2.83V @ 1m (3.3 ft)
Rated Maxium SPL: 128 dB SPL continuous @ 1m, 134 dB Peak

5742
Frequency Range (-10 dB): 25 Hz - 20 kHz
Frequency Response (±3 dB): 30 Hz - 19 kHz
Sensitivity: 115 dB, 2.83V @ 1m (3.3 ft)
Maxium SPL: 136 dB SPL continuous @ 1m, 142 dB Peak
ピークで142dBというのは本当に凄い!







2226H×2のウーファー部としては4648Aがあります。
4675C-8(4)LFに使用されている他、下の画像の5672にも使用されています。








下のレスポンスグラフは5672のもの。
低域特性は4648Aの特性となる訳ですが、5739という新しいウーファー部に比べるとかなり見劣りします。
箱のサイズは4648Aが991mm×648mm×451mm。
5739が883mm×762mm×450mm。
容積は5739の方がわずかに大きいのですが、その差でこれほど低域特性が異なるとは考えにくいです。
5739のダクトチューニングはデジタルチャンネルディバイダーでの補正を考慮して設計されているのかもしれません。







4つ眼の5674はどうなのでしょう。
この2226Hを4発使用しているウーファー部は5644。









下のレスポンスグラフが5674のもの。
低音の迫力はあると思うのですが、最低域の特性はいまひとつです。
ダクト、デカすぎでしょう…
う~む。






ちなみに5672や5674のホーン部の5674-M/HF約3140ドル。
また、4675C-HFA1200ドル程度
2360Bのみなら約580ドル
なお、5672は4400ドル、5674は5300ドル
5674の国内価格は1本150万円以上だと思います。








名器揃いのJBLのシネマシステム、そのホーン部のみを購入し、ウーファー部を自作したり、ツィーターを加えたりと遊べます。
また、ウーファー部をのぞくホーン部のみならあまり重くないので送料はそんなにかからないように思います。
2192を輸入したときの送料は2本で11万円ぐらいでした。
USA-GETのようなヤマト便を使用する個人輸入代行業者であれば送料が安いです。






2010/06/07

JBL 5732 & 5742 (2)

5732-M/HFのお値段は約1600ドル
5742-M/HFのお値段が約2200ドル

どっちにしよう?
値段的にはそう変わらない。
2発は250Hz、4発は220Hzまで。
この差をどう考えるか。
うむむむむ



5732、現代のA5。








5732-M/HFは、Dance 5を連想させます。
Dance 5は、2452Hではなく2451H。
おそらく、ホーン部も再設計されているような気がします。






2169Hを見ていると、2250Hを思い出します。
2250Hはバスケットを覆うようなカバーを取り付けるようになっているのに、2169Hはバスケットとカバーが一体になっている。
何れも3インチ径ダブルボイスコイルの史上最強の20cmですが、性格はかなり異なるように思います。











5732-M/HFのサイズは、1054x762x450mm。
A5やA7の箱である828が1067x762x610mmですから2発と言えども結構大きいです。

5742-M/HFのサイズは、1544x762x450mm。
巨大なのに奥行きが浅いのがいい。
そして2169Hが4発。
2発ずつの独立制御がおマニア心をくすぐります。
うむむむむ









220Hzクロスにより、18インチダブルとのクロスが可能。
SRX738のように18インチをウーファーに使用。
SRX738は、2169HにフェイズプラグがついたCMCD
2431Hは素晴らしいし、やはり名器だ。
4348が生産中止となったが、このSRX738があるのでまったく問題がない。







5742の横置き。
幅は約150cm、奥行きは約60cm。
見た目のまとまりがあって、なかなかカッコいいです。
サブウーファーを足す必要もない。
ツィーターを加えるだけ。
これで4000ドル以下。
自作が馬鹿馬鹿しくなります。









黄色いホーンシステムの10インチと18インチのバスレフ箱のダクトを塞ぐための板。
10mm厚と5mm厚のアクリル板の間に黄色い画用紙を挟み込んであります。
四隅のスコッチテープは、箱にネジ止めした後にはがします。
ダクト内部にはクッション用の60mm厚のスポンジを詰め込みました。






黄色いホーンシステムは、50Hz以下が24インチ、50Hzから111Hzが18インチ、111Hzから296Hzが10インチという帯域分割になっています。
WinISDによると10インチ密閉の111Hzと296Hzのレスポンス差は4dB~5dB。
18インチ密閉の50Hzと111Hzのレスポンス差は3dB~4dB。
緑がバスレフ、黄色が密閉です。

DCX2496の帯域別のEQを使用して補正。
高BL値のスピーカーユニットについてのキール氏の論文の中の猛烈なレスポンスグラフが印象に残っていたのでEQ補正を試してみました。

10インチの場合、80Hz、+3dB~+5dB、Q1.0~2.0などで低域側の補正カーブを作成。
さらに、330Hz、-0.5dB~-1.5dB、Q0.8~1.3などの高域側の補正カーブを組み合わせる。
この2つのEQの設定値は、SH-D1000のEQCDのソフトでシミュレーションしました。
18インチも同様の考え方で低域側と高域側の2つのEQを組み合わせた。

理論的には低域側をブーストする補正カーブだけで十分なはずですが、これだけだとコントロールが難しい。
低域側のブーストにより高域側のレスポンスもやや上昇してしまうから。
この場合、その帯域全体のレベルをカットすると、今度は低域側のブースト量までもカットされてしまう。
そこで高域側をカットする補正カーブを組み合わせると、低域側と高域側を独立して制御できるようになり、非常にコントローラブルになりました。

この2つのEQによるコントロールは理屈としては当たり前です。
しかし、実際に低音や中低音の姿を思ったとおりに変更できるのはかなりショッキングな出来事でした。
密閉化によって質感は向上したものの細くなってしまった低音が生気を取り戻し見違えるようにパワフルに鳴りだすと、にわかには信じがたい気持ちになりました。
これを他の手段で実現しようとするならばスピーカーユニットや箱の交換が必要になると思います。

密閉化に伴って低域側の失われたレスポンスを取り戻すことができ、さらに、その量感を精密に制御できるようになりました。
ダクトからの音が消え低音のあいまいさがなくなったためにEQの利き具合の判断がしやすい。
また、10インチの高域側のみをコントロールできるため、低域側の量感と切り離して中域との整合を容易に図れます。

密閉箱の特性がどの程度おだやかならば(フラットならば)、この方法が有効になるのかは分かりません。
ちなみに、10インチの密閉箱としてのQ値は約0.48、18インチのは約0.55です。
いずれも標準箱(Q値0.7)に比べると2倍から3倍の容積。
低域側のレスポンス低下が少ない大型の密閉箱ほど有利になることは確かだと思います。



2010/03/26

JBL 5732 & 5742 (1)

JBL 5732 & 5742 (2)
JBL 5732 & 5742 (3)


2010年3月16日に発表されたJBLの新しいシネマシステム。
従来のスクリーンアレイシリーズの上位シリーズになり5000番台の型番が与えられています。
構成機種は3ウェイの57324ウェイの5742の2機種。

5732(上の画像)は15インチ(2226HPL)をダブルで搭載。
なお、HPLの"PL"はProtector Lessの略であり、磁気回路の磁石の周囲を覆うカバーを備えていない。
ミッドは8インチCMCDに採用されている2169H。
いわずと知れたネオジムディファレンシャルドライブの3インチ径ボイスコイルを搭載した化け物ユニット。
ハイは4インチチタンダイアフラムの2452H-SL。
2451Hの高域特性を改善し19kHzまで±3dBという特性を持つ。
クロスは250Hzと1.3kHz。

2169Hによるミッドの許容入力が700Wと強化されており、このシリーズをしてJBLがHigh Powered Screen Arraysと呼んでいる理由が分かる。
また、JBLの2226Hに対する信頼は厚く、2010年のこの新製品にも採用するほどだ。
2226Hには、他に4ΩのGタイプと16ΩタイプのJタイプがあるが、3機種ともにパラメータが厳密に一致しているところが凄い。
2226というシリーズ全体として金がかかっている。

5742(上の画像)は18インチ(2242HPL)をダブルで搭載。
この2242Hと箱の組み合わせは5749と呼ばれている。
サブウーファー用として開発されたものか。

ミッドは、2169Hを4発使用しているが、これはミッドローとミッドハイの2つのレンジに分けられている。
すなわち、下方の2発の2169Hがミッドローであり、上方の2発がミッドハイである。
ミッドローとミッドハイのクロスは550Hzと表示されているが、実際にはスタガードライブのような態様である。
下の画像は米国特許7027605号のもの。
506Lがミッドロー、504Uがミッドハイ、502Cがミッドローとミッドハイの合成特性。



このシステムの場合には、デジタルチャンネルディバイダーで制御されるため、この米国特許に掲載されているようなネットワークは搭載していないと思われる。
なお、この手のネットワークをどうしても作りたいのであれば4732に似たようなのが搭載されている。
ハイは2452H-SL。
クロスは220Hz、550Hz、1.3kHz。

この5742はサブウーファーを組み合わせるのだろうか。
もしかしたら21インチをJBLが開発中とか。
また、デジチャンの設定値を知りたい。
ミッドのスタガー風クロスのテクニックを学びたい。


上の画像、2452H-SLじゃなくて、2432Hが搭載されているような。
それにしても、またもや悩ましいミッド部の登場。
5742-M/HFのお値段が気になるなぁ。







ランシングヘリテッジから
廃物利用というか隙間家具
密閉の方が似合うような。
本物を半分にしなくてもDIYで作れそうだね。




21インチウーファーやMR94と組み合わせるとこんな具合。
210のホーン開口高さは150cm 、ホーン長は75cm、横幅を半分にするとホーン幅は40cmもあればいいのでサブロクで作りやすい。
米松合板ならDIY店で格安で入手できる。
おそらく1万円もかからないのでは。
奥行きが足りない場合は、ユニットのお尻とぶつからないように、背板の取り付け方や形状(磁気回路とぶつからないような逃げを作る等)を工夫すればいい。


ホーン開口高さを160cmにして、21インチのダクトスペースとのバランスをとってみた。
役割としてはミッドローなのでホーン長は短めにして奥行きをやや浅くしてもいいね。
補強は少なめにして箱鳴りを楽しみたい。




MR94のドライバーはBMSの4594NDを使用し4ウェイにしたい。
同軸ドライバーなので外観がうるさくならないし、300Hzから使える。










 片目っていうのもなかなかカッコいいな。



 21インチダブルにしてみた。
迫力ありそうだけど工夫がなくてつまんないな。


V字型バッフルはどうか。
う~ん。