2004/05/04

幸せの黄色いホーン 64話 2色ホーンシステムの音出し(2)



ボリュームを上げてゆくと・・・「低音はモヤモヤボウボウのお団子状態。2色ホーンの中高域も曇り空、しかもホーン臭い。パニックの中でCDを何枚も取り替えてみたものの全滅。この脱力感、頬をつたう涙・・・」という悪夢のような展開を想像していたのですが、とんでもございません。

心配していた2色ホーン、これがぜんぜんホーン臭くないのです。表情が豊かで極めてナチュラル。CH-1という比較的大きな定指向性ホーンをダブルホーンとして使用しているせいかホーン特有の刺激感が皆無ですし、うれしいことに音が細くならない。1.75インチダイアフラムの2155Hのドライバー(2416H)は細身の音だったので、そういう傾向を覚悟していたのですが、CH-1+RX22(2インチダイアフラム)の音には厚みがあります。

2360A+2446Hの音が生まれ出てくるような(妻の感想)異常なまでの鮮やかさや力強さには今一歩及びませんが、それでも鮮度の高く歪感のない音を聴かせてくれます。それに高域側が美しい。この美しさは2360A+2446Hよりも一枚上手。なお、イコライジングした状態では高域も適度に伸びています。

V字型バッフルのウーハー部はボンつきや混濁するような感じがなく一安心。ボンボンドンドンという音は皆無。ダイレクトラジエタータイプとは異なり押し出し感があります。また音色の傾向としては弾むような躍動感があります。この躍動感はV字型バッフルの特徴ではなく、おそらく1508-8ALCPのキャラクター。フロントロード箱でも音色のキャラクターはユニットのキャラクターに支配されているからです。この1508-8ALCPはローライダー18よりも1808-8SPSの音の傾向に似ています。

擬似V字型バッフル+ローライダー18のサブウーハーについては貧弱なAVアンプなんかで46cmウーハーを駆動できるの?って先入観がありました。しかし、この先入観は外れました。パンチがあって戦闘的。家庭用サブウーハーの低音とはまったく異なる性質。同じローライダー18の黄色いホーンシステムの低音よりもずっと楽しめます。この低音を聴きながら思ったのはウーハーの空振り現象のこと。擬似V字型バッフルではウーハーユニットの周囲三方と対向面側が閉鎖されているため、空振り現象が極度に押さえ込まれているのでは?

それから最低域の指向性なんかコントロールできるわけがないと勝手に思い込んでいたのですが、擬似V字型バッフルの開口部から最低域の低音が前方へ叩き出されてくるのです。箱の容積が減少してしまうにもかかわらず業務用のサブウーハーシステムにV字型バッフルをわざわざ採用している理由、納得です。

全体的には大型スピーカーらしい鳴りっぷりの良さを感じさせるシステムです。JBLのような細身で乾いた感じではなく、艶があり濃密。また躍動感があるため音楽の情感のうねりをよく伝えてくる。色々苦労しましたが、うまくいったのでとても幸せな気分です。モタモタ病も悪くないかも。





2004/05/03

幸せの黄色いホーン 63話 2色ホーンシステムの音出し(1)



おまたせしました。一組目のCH-1+RX22を購入してから約1年2ヶ月経過した2006年6月16日の夜、ようやく音出しをすることができました。モタモタ病は酷くなる一方です。二転三転の設計変更、無い知恵は絞ってもやっぱり出ない、すぐに目移りするのね困りますわの優柔不断。ホントに完成するのでしょうか?と他人事のように怪しむこともしばしばでした。

このシステムもマルチアンプ構成。チャンネルデバイダーは2台目のDCX2496です。値上がり前に3万円で購入。アンプはとりあえずAVアンプのDSP-AX450。フロント2chをパラ接続した1508-8ALCP、サラウンド2chをシリーズ接続したRX22、センターchをローライダー18に割り当てました。DCX2496とDSP-AX450の接続ケーブルはサウンドハウスのクラシックプロ製CXR006F(キャノンメス/RCAオスで1本350円)×5本。

CDプレーヤーとして使用するのは約1万円のSONY社製DVDプレーヤー。DCX2496との接続はデジタル接続。DVDプレーヤーのSPDIFのRCA出力端子と、DCX2496のデジタルXLR入力端子Aとを接続。このデジタル接続には、カナレのBNC/RCAビデオケーブルであるD3C01-SR(730円/サウンドハウス)と、同じくカナレのインピーダンス変換アダプタであるBCJ-XP-TRB(1580円/同)を使用しました。DCX2496の取扱説明書にはAES/EBUの他にSPDIFでも受信できると記載されていたからです。そしてこのデジタル接続、全く問題ありませんでした。

DCX2496のクロス設定は500Hz(-24dB/oct)、サブウーハーは80Hz(-24dB/oct)。1508-8ALCPの低域側はカットしていません。ディレイ等の設定もなし、全て正相接続です。




これでいいはず、と恐る恐るAVアンプのボリュームを少し上げ、各ユニットから音が出ているかを確認。すると左右計4本のRX22から音が出ていない。うーむ、5.1ch入力の場合にはDSPはパスされるとDSP-AX450の取扱説明書には記載されているので、うまくいくと思ったのに。

しばらく考えました。もしかするとサラウンド2ch出力の設定がOFFになっているのでは? それに色々な設定項目をあれこれいじって遊んでいたし・・・ そこでDSP-AX450の取扱説明書を調べてDSP-AX450を初期化してみました。するとRX22から音が出るようになりました。しかし、センターchに接続しているローライダー18から低音が出ていない。これはDSP-AX450のセンターchのデフォルトの設定が「小型スピーカー」になっており、「大型スピーカー」に設定を変更すると低音が出るようになりました。さらにサラウンド2chも「小型スピーカー」になっていたので、これも「大型スピーカー」に設定変更。

ボリュームを絞った状態でとりあえずの調整。まず、DCX2496の出力レベルが高すぎるためDCX2496の入力レベルと5chの各出力レベルを-5dB減衰させました。合計-10dB。それからDCX2496のハイ側出力のEQで高域側をブースト(HP、12dB/oct、6.03kHz、+8dB)、またサブウーハー出力のEQで最低域をブースト(BP、Q=6.3、30Hz、+10dB)しました。このときは偶然にもハイ、ロー、サブ出力のレベルは同一になりました。さあ、試聴開始です。