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2023/06/29

Loudspeaker Systems Design



KS100は、さらにパワードスピーカーに興味をもたせてくれた。
パワードスピーカーとしては、最初にJBLのPebblesを購入し、その後JBL Professionalの305PMK2と308PMK2を購入した。
置き場所などをあちこち変えてみる手間暇は必要だが、家庭用のオーディオシステムとして308PMK2で十分ではないかと思っている。
オーディオ三大鉄則の、文句があるならまずはスピーカー設置場所(位置)変更、である。

最近のモニター用やPA用のハワードスピーカーは、ウーファー用とツィーター用に2台のデジタルアンプを搭載したマルチアンプ方式のものがほとんどである。
さらに、DSPを搭載し、チャンネルディバイダーの機能と周波数レスポンスの補正(デフォルトでの)機能もある。
このため、最初から出音が素晴らしく手間いらずである。
スマホをつなぐだけで、特に不満のないオーディオシステムが完成してしまうのである。




従来のオーディオでは、アンプとスピーカーの組み合わせで音を変化させるということになっていた。
しかし今や、手軽に楽しめるというかまともな価格で入手可能なオーディオ用のスピーカーやアンプはほとんど無いように思う。
昔ほど量産されないので高価なのは仕方がないのかもしれない。
しかし、モニター用のパワードスピーカーは世界中で販売されおり、その量産効果もあってか、性能の割に大変安価である。
また、こうしたパワードモニターは、一流メーカーの最新のオーディオ技術を手軽に体験できるところも魅力である。



2022/09/06

JBL Professional 305P Mk2



308PMk2と305PMk2の音量が同じになるように調整した。
308PMk2はBASSが-1.5dB、HIGHが+2dB、305PMk2のBASSが0dB、HIGHが+2dB。




音に包み込まれているというよりは、音に厚みが出た。
308PMk2だけだと薄味という感じがしたのだが、305PMk2を加えるとドライブ感が増す。
なかなかいい。ちゃんとJBLしてる。
この厚みが邪魔だと思えるときはStudio Lのスイッチ一つで305PMk2を外せる。




この厚みのある音の傾向は、305PMk2を308PMk2の下方に配置しても変わらない。
大型スピーカーの音の厚みとは方向性が異なるが、この手軽さでこの音なら許せる。
MP9500システムは、なかなか面白い感じに育ってきた。




2022/08/18

JBL Professional 305P Mk2



305PMk2をさらに1ペア購入した。
これで3ペア購入ということになる。
今回もサウンドハウスのスタンドセット品で、セットになっているスタンドはクラシックプロのMST2である。
25800円に5%引きのクーポンを使い24510円だった。




ベリンガーのStudio Lのモニター出力が2系統あるので、308PMk2に305PMk2を加え4台体制にしようと。
この4台で奏者を音で包み込もうという算段である。
例のCP80Mを四方から囲む、というのをお手軽にやってみようと。




2022/07/23

Behringer Studio L



MP9500のシステムでは、ノートパソコンの音源ソフトだけを使っていた。
しかし、MP9500に内蔵されている音も聴きたいし、スマホ等の外部音源も接続したい。
で、このスタジオLは、そうした3系統の音源を切り替えて使うにはぴったりの機材だ。
MP9500の内蔵のグランドピアノ音色のカットオフを-3ぐらいにした音(やや丸まった音)が好きなので、これが復活してうれしい。




正確には切り替えるのではなく、同時に選択することもできる。
MP9500のステレオ入力と音源ソフトからのUSB入力とを同時に選択できる。
MP9500の内蔵音色とpianoteq7の音色をレイヤー(重ねて発音させること)できるわけだ。




スタジオLの幅はJBL308Pmk2の幅と同じだ。
スピーカーの上にのけっても小さいので違和感がない。
また、奥行きが浅いのでMP9500の肩にものっけられる。
しばらくそれぞれの置き方での使い勝手を試してみよう。




クローム色のプッシュボタンをポンと押すだけで入出力を切り替えられるのは大変便利。
モニタースピーカー用の出力は2系統。
これも切り替えの他、同時出力ができる。
また、それぞれの出力レベルを-12dBから0dBまで調整ができる。
2系統のスピーカーを自在にコントロールできるので、この機能は生かしたい。







2022/02/28

Audio-Technica ATH-M20x Professional Monitor Headphones (3)



一連のモニタースピーカーやモニターヘッドホンの音はとても良い参考になった。
「とても良い参考」とは、目標となる音を見つけたという意味ではなく、モニターとしての音は各社それぞれにあり、要するにモニターとしてきまった音などない、ということがよく分かったということである。

各社は、理想と考える周波数特性、すなわちターゲットカーブ(目標曲線)を設定し、それに準ずる製品を作っているわけで、それらは室内スピーカーの場合とヘッドホンの場合でもそれぞれ異なるということである。
ハーマンインターナショナルの"DEVELOPMENT OF HARMAN HEADPHONE TARGET CURVE, 14 APRIL 2016"によるとヘッドホンでは、"diffuse, modified diffuse, free-field"の3種類を検証している。
また、室内スピーカーに関し、下の黒実線のカーブ(20Hzから20kHzへかけておよそ10dB落ち)が平坦な緑破線よりも好ましいとし、また、この黒実線に近い赤の破線も好ましいとしている。






という訳で、久々にイコライジングを見直すことにした。
見直すといってもイコライジングのカーブそのものではなく、イコライジングの作成方法を見直すことにしたのである。
オーケストラ用として開発したグイグイイコライジングは、オートEQでフラットにした特性から直接作り出したが、この方法を見直す。
新しい方法は、まず、オートEQでフラットにした特性をベースにオリジナルのターゲットカーブを作成する。
このターゲットカーブは、音楽のジャンルを問わない万能型の周波数特性である。
そして、このターゲットカーブをベースにオーケストラ用のグイグイイコライジングを作成しようという計画なのである。
要するに、フラット特性からターゲットカーブ、ターゲットカーブからグイグイという2段階の作成方法を試してみようということになったのである。

さらに、ターゲットカーブは、ラウドネス補正を加えた3種類を作成する予定である。
当然、グイグイ系も3種類になる。
今後一年ぐらいかけてのんびりやろうと思っている。




2022/02/25

Audio-Technica ATH-M20x Professional Monitor Headphones (2)



ATH-M20xを購入したのは2020年11月。
amazonで5800円だった。
安価なのとレビュー数が多かったので興味本位で購入したのである。
しかし、これを最初に聴いたときは驚いた。
ナチュラルで好みの音なのである。
MDR-CD900STよりも20xの方をよく使うようになった。

そして先日、JBLの308PMk2を購入し聴いてみると、音の方向性が20xと似ているなぁ、と思ったのである。
さらに購入した305PMk2は、これはこれで別の方向性を持っているように感じた。

さらにその後、サウンドハウスの7300ポイントでATH-M30xを購入した。
20xとの価格差はわずかなので音など違わないだろうと思ったら、これも違う。
どうやって作り分けているのだろう?
面白いものである。

フラットな特性自体は、オートEQやキャリブレーションソフトを使えば容易に手に入る。
昔は大変だったが、現代ではありがたがるようなものではない。
であるから、各社のモニタースピーカーやモニターヘッドホンの機種の様々な音の方向性は興味深い。

DIYホーンシステムは、ラージモニターに属するので小型スピーカーやヘッドホンとは異なる世界ではあるが、上記のような音の方向性は大変参考になった。
やはり、新しい機種で評価の高いものは時々入手して聴いてみるべきだと思った。




「どうだい、308PMk2を聴いてそのバカげた大型スピーカーシステムが嫌になったんじゃないの?」
ふっふっふっ、心配無用である。
マルチアンプの大型スピーカーが小型スピーカーに負けてしまうのは、位相管理ができていないからである。
各スピーカーユニットからリスニングポイントまでの距離を測ったって不思議なことに駄目なのである。
DCX2496などの業務用デジチャンのオートアラインを試すべきだ。
アキュでもいいが、あれは5mm単位なのでDCXの半分以下の精度しかない。
これでその大型スピーカーの前に置かれている小型スピーカーはいらなくなる。
もし、オートアラインの効果を知らないままだったら…考えただけでもゾッとする。



2022/02/22

JBL Professional 305P Mk2 (3)



305PMk2をもう1ペア購入した。
妻のYAMAHA P515Bと組み合わせるためである。
サウンドハウスでモニタースピーカー用スタンドMST20のセットを購入した。
28800円で1440ポイントがついてくる。
このモニタースタンドは、305に似合っているし、三角の台座が面白いデザインだと思う。
(なお、MST20の天板のすべり止めシートは簡単にはがせる。)




308も305もキーボードアンプとして使用するため、オーディオとしては使用しない。
少し残念である。
これで全てのシステムがマルチアンプシステムになった。
慶賀の至りである。

308と305の音を知った上で、305をさらに選んだのはサイズと価格からである。
308は305より本格的な音が出るもののサイズが大きい。
キーボードアンプとしては305で十分だと思ったし、なにしろ価格が半分である。

オーディオとして使用するなら308の方だろう。
配置を工夫したり、イコライジングで詰めてゆくと素晴らしい音になると思う。
モニタースピーカーらしく変なクセがないためイコライジングの効き方が素直だ。
サブウーファーが必要かどうかは微妙なところだが、JBLが3シリーズ専用のLSR310Sを用意しているので試す価値はあろう。
さらにDEQ2496とECM8000を加えれば完璧かもしれない。

対して305はホームスタジオのモニタースピーカーとしてピッタリだ。
近距離での使用を前提に開発されているように思った。
305はモニター用ヘッドフォンを補完する役割を十分に果たす。

この3シリーズは好評なので今後も改良型が作られるだろうと思う。
できれば10インチウーファーとより大型のホーンを使った"310"をお願いしたい。





2022/02/21

JBL Professional 305P Mk2 (2)



305PMk2、第一印象は、サイズを超えた迫力のある低音とちょっときつ目の高音で元気がいいなと。
とりあえずHF Trimを0dBから-2dBへ変更し、高域をカット。
ここからスタート。

スピーカーの配置を変更、壁から離したり、左右の間隔を開けたり狭めたり。
内側に振ってみる、戻してみる。
なるほどなるほど。

BBE風の低音に気をよくして交響曲でオーケストラの厚みに挑戦。
イコライザーで300Hzから最低域にかけて徐々にブースト。
おおっ、これはなかなかいいではないか。

イコライザーを元に戻して、今度はスピーカーに近づいて聴いてみる。
やはり近距離の方が楽しい。離れるとやや薄くなってしまう。
しかしまあ、この性能をこのような価格とサイズで実現する現代のJBL Professionalの技術力の高さに感銘した。




先に入手した308PMk2とこの305PMk2を比較すると、両者は異なる個性を持つ。
まず、308はナチュラルでみずみずしい音だ。
セッティングなどを工夫してうまく鳴らすと、スピーカーの存在を綺麗に消すことができる。

対して305は、かなり元気である。
注目すべきはホーンの大きさである。
308の方がホーンの開口面積が広く、ホーンの深さ(ホーン長)もある。
このため、ツィーターの持ち帯域の全域で高音の拡散がうまく行われている印象がある。
対して305はホーン部分は小さく、やや刺激的な帯域が残っている。
それがチャームポイントなのかもしれない。

308ではHF Trimは-0dBのままだったが、305では-2dBに設定した。
305を-0dBのままで聴いていると、これは北米サウンド。
THの発音などを重視するアメリカ人用。
過去のJBL製品の遺伝子を感じる。
そして、この高域の性格に釣り合うように迫力ある低音を持ってきてバランスさせている。
決してドンシャリという訳ではなく、現代的スタジオモニターの正確さを維持しつつも上記のような絶妙な音造りがされている。
こんな具合に308と305は同じシリーズに属しているのに個性は異なる。

両者共に家庭内のスタジオモニターとしての性能は十分満たしている。
(305は、モニタースピーカーとしては若干痛快?すぎる感じはある。)
また、308の方が低音は余裕があるが、両者共に低音の満足感は高い。
サブウーファーを導入しなくてもこの低音なら十分楽しめると思う。

なお、305はその小ささゆえにミニチュアのような精密感がある。
デザイン的なまとまりが感じられ精悍な感じを受ける。
308PMk2と共に、この305PMk2、大変気に入った。






2022/02/17

JBL Professional 305P Mk2



pf70に使用していたDENONのミニコンポのスピーカーからノイズが出るようになってしまった。
これ幸いと305p MK2を購入した。
サウンドハウスでペア23600円(1180ポイント)。
スタンドはハヤミのNR-600T、amazonで8427円だった。




箱から出してみると思っていたよりも大きかった。
画像のようにペブルスよりもかなり大きい。








2021/10/16

JBL Professional 308P Mk2



30年以上前になると思うが、ヤマハMS101というアンプ内蔵型スピーカーシステムがあった。
楽器屋に行くと店頭のシンセサイザーのモニター用としてよく使われていた。
音を聴かせるだけだから当然1台だけでの使用だ。

この小さなパワードモニターは音が良かった。
家庭用のスピーカーにはない元気の良さがあり、4インチフルレンジなのに低音感もあった。
また、入力端子が沢山設けられており、どのような用途でも対応できる柔軟性があった。
小さく軽量で可搬性に優れ、値段も安く、若い音楽制作者や演奏者のための軍需品だったのだ。




このMS101は、シンセサイザーやシーケンサーの時代からDTMの黎明期にかけて、MK2、MK3と改良されながら長期にわたり作られ続けた。
当時のパワードモニターの理想像に近かったからだと思う。

そしてこのJBL 308P MK2である。
ヤマハのMS101に比べるとサイズが大きく重い。
保護ネットもなく、可搬性など全く考慮されていない。
アンプ内蔵型スピーカーは、転がして使うパワードモニターから、家庭内とは言え、スタジオモニターへと昇格したのだ。

308P MK2は、周波数特性、位相、指向性がきちんと管理されている気持ちの良い音であり、家庭内のスタジオモニターとして十分以上の出来だと思う。
MS101のような元気の良さはないが、モニターとしての正確性を持つ一方、ナチュラルで聴きやすい。
長時間の使用でも疲れにくいと思う。

全体に非常に練られた音という印象である。
初代のLSR308から2代目となるが、細かいところまで改善されたいかにも2代目という音だ。
特に、磁性流体入りとなったツィーターの音に荒れたところがない。
受持ち周波数帯域全域に渡り良好な指向性が維持されているとこういう傾向の音になる。

ウーファーユニットもリニアリティが改善されたそうで、ツィーターとウーファーのつながりが素晴らしい。
両ユニットのキャラクターが見事に揃えられている。
さすがJBLである。
なお、308P MK2は、画像のようにKAWAI MP9500とPianoteqとの組み合わせるために購入した。




以下、DIYホーンシステムとの比較。
システムの規模からくる差異については無視する。

音の傾向は全く同じだ。
308P MK2とDIYホーンシステムは、いずれも斬新なホーン形状(Image Control Waveguide Horn)を持ち、優秀な指向性を実現するとともに、ホーン特有のクセを持たない。
この斬新なホーンの音の傾向を知りたかったというのも308P MK2を購入した理由のひとつである。
ともかく、バイラジアルホーンなど過去の遺物だと言えるほど、素晴らしいホーンである。

そして、オートEQによるフラットな周波数特性や、オートアラインによる位相整合によるデジタル制御によるこれら効果は、こうした優秀な指向性とクセがないホーンにより初めて生きるといえよう。

言い換えると、ホーンの設計が古く、望ましくない指向性やホーンのクセがある場合、フラットな周波数特性や位相管理などを行っても、どこか不自然な疑問の残る音になってしまうということである。

他の共通点としては、両者ともにマルチアンプシステムならではのクリアーな印象を持つ。
もちろん、DIYホーンシステムは-48dB/octの7ウェイマルチであるため、この印象は308P MK2のそれのはるか延長線上に存在する。

音の差異点としては、やはりスピーカーユニットの構造によるものが大きい。
コンプレッションドライバーは、イコライザとダイアフラムにより挟まれた限定的な空間内の空気をダイアフラムが叩く構造になっているため、ダイアフラムという固体の運動エネルギーが空気に伝搬しやすく、より精密な粗密波を形成することができる。
これと1インチのソフトドームの音とを比較するのは酷というものである。
また、大口径ウーファーユニットは、いわゆる空振り現象が抑えられており、より正確な低音再生が可能である。
これも比較するのは酷というものである。




しかし、上記のような差異があったとしてもそれは軽く無視できる。
何故なら、308P MK2は家庭内のスタジオモニターという仕事を立派にやり遂げる素晴らしい性能を持つからだ。
また、巨大なシステムと比較試聴するのではなく、308P MK2単体で聴くのならば大きな不満はないと思われる。
ともかくポンと置いてここまでの音が出るというのは驚異的だ。

背面の切替えスイッチにより、低音域と高音域をそれぞれ3段階に調整できるため、9通りのバランスを選択することも可能だ。
最初に感じたナチュラルでみずみずしい印象は聴きこんでいっても変わらず、陶然とするほど音楽の美しさを描ききる。
さらに外観のデザインが良い。
ホーンが一体に形成されたバッフルは、立体感のある造形になっている。
JBL PROFESSIONALのバッチに小さく点灯するLEDランプも明るすぎなくてよい。

オーディオ用のスピーカーとしても、身近な価格帯でこれだけ健闘するシステムは他にはないだろう。
なお、開封する際には開封した箱ごとひっくり返して、箱を引き上げること。










2021/09/30

JBL Professional 308P Mk2



サウンドハウスでペアを購入。
43600円で4360ポイントがついてきたので実質1本2万円を切る。




しばらくDIYホーンシステムと聴き比べながら勉強させていただく。
ナチュラルでみずみずしいというのが第一印象だ。






2018/05/09

JBL Professional 3 Series Mk2



先日LSR308を購入しようと思い、確認のためJBLのホームページを訪れると3シリーズの新型が出ていました。
名前はLSRが省かれ、305P Mk2、306P Mk2、308P Mk2となっています。
6.5インチウーファーを搭載した306P Mk2が新たに加わりました。




外観はフロントバッフルが光沢のあるものに変更されています。
相変わらず真面目なデザインです。
下の画像は308P MK2です。
JBLのバッチと青色のランプがいっしょになりました。





全体的には小改良です。
ツィーターユニットは磁性流体入りになりました。
ウーファーユニットはリニアリティを改善したそうです。
305は41Wx2、308は56Wx2のDクラスアンプで変わりはありません。
なお、306は56Wx2のDクラスアンプです。
チャンネルディバイダーの遮断特性は"4th Order Acoustic Linkwitz-Riley"(-24dB/OCT)だそうです。







トーンコントロールである"LF TRIM"が"BOUNDARY EQ"という名称に変更されています。
旧型が+2dB、0dB、-2dBの3段階だったのですが、これが0dB、-1.5dB、-3dBの3段階切換えになりました。
机の上に置いたり、壁が近かったりすると低音の逃げ場がなくなりボンつきます。
この余分になった低音をカットするためにお使いください、という訳です。














昨晩、瀬川冬樹氏の著作集を読んでみました。
昨年の11月末に購入したのですが、ほったらかしになっていました。
昔の機材の話には興味がないので、そうではない部分を拾って読んでいると…

「音色を、特性を、自由にコントロールできる装置は、たしかに楽しい。だが、そういう装置ほど、実は<音楽>をだんだんに遠ざける作用を持つのではないかと、わたくしは考えはじめた。これは、音質の良し悪しとは関係がない。たとえば、レコードを聴いているいま、トゥイーターのレベルをもう少し上げてみようとか、トーンコントロールをいじってみたいとか、いや、単にアンプのボリュームをさえ、調節しようという意識がほんの僅かでも働いたとき、音楽は我々の手をすり抜けて、どこか遠くへ逃げてしまう。装置をいじり再生音の変化を聞き分けようと意識したとき、耳はすでに音楽を聴いてはいない。人間の耳とはそういうものだということに、やっとこのごろ気がつくようになった。」(スピーカーシステムの選び方まとめ方 P21)

この新型3シリーズ、安価にJBLの最新のマルチアンプシステムが入手できるのと同時に、音楽を聴けるシステムであることは間違いないでしょう。






2013/08/15

JBL Professional 3 Series

2013年8月1日、JBL社からコンパクトパワードモニタースピーカーである3シリーズが発表されました。
現在のところ3シリーズはLSR305とLSR308の2機種から構成され、LSR305の価格は199.99ドル、LSR308が325ドルです。
下の図は、LSR305とLSR308の大きさを反映しています。
随分大きさが異なることが分かります。

小さい方のLSR305(下の画像)は、5インチ(127mm)径ウーファーと1インチ(25mm)径のダンプされたソフトドームツィーターによるバスレフ型2ウェイ。
ウーファーユニットのボイスコイルは1.5インチ(38mm)径、フェライト磁気回路の防磁タイプ。
ツィーターユニットはネオジム磁気回路であり、こちらも防磁タイプです。
ウーファーとツィーターはそれぞれ41WのDクラスアンプによりマルチアンプ駆動されます。
大きさはH298mmxW238mm(9.37inches)xD251mm、重さは4.6kgなので机の上に置くにはやや大きいかもしれません。
なお、幅寸法である9.37インチは7.37インチの誤記の可能性があり、この場合は187mmになります。
周波数レンジは43Hzから24kHz、Max Peak SPLは108dBもあります。


Balanced XLRと6mm TRS inputsを備えており、また、入力感度を-10dBと+4dBに切り換えることができます。
さらに、低域(115Hz)と高域(4.4kHz)のそれぞれのレスポンスを+2dB、0dB、-2dBの3段階に切り換えることもできます。
バスレフダクトは、JBL社の特許であるSlip Stream(商標)と呼ばれる2段階の広がり形状( double-flared shape)をもつものであり、低域を伸ばすと共に乱気流の発生を防止しています。
エンクロージャーの材質は15mm厚のMDF、艶消し黒の塩ビ仕上げ。


大きい方のLSR308(下の画像)は、ウーファーが8インチ(203mm)径になります。
このウーファーユニットも防磁タイプであり、ボイスコイル径も1.5インチです。
ツィーターは1インチ(25mm)径でありLSR305と同じものだと思われますが、より大型のホーンと組み合わされています。
2つのDクラスアンプの出力もそれぞれ56Wに増強されています。
大きさはH419mmxW254mmxD308mm、重さは8.6kgなので、もはやコンパクトではないです。
周波数レンジは37Hzから24kHz、Max Peak SPLは112dB。


入力感度切換や低域及び高域の3段階のレスポンス切換、ダクトの技術的特徴、エンクロージャーの材質、仕上げはLSR305と同様です。


3シリーズのホーンは、JBL M2 Master Reference Monitorの流れをくむImage Control Waveguide Hornです。
3シリーズはドーム型でありコンプレッションドライバーではなく、また、ハンドリングする音響エネルギーも小さいため、回折を生じさせるエッジが小さめですね。
このホーン形態は、ビーム現象を解消し良好な軸外レスポンスを実現しているため、自然な音響放射を可能にしており、従来のホーンシステムのようにリスニングルーム内における音の攪拌(blend/ブレンド)に依存しません。

"Pro Sound News Magazine - M2 Manufacturer's View"にはこんな記述があります。

While other manufacturers use a single onaxis frequency response measurement taken at one point in space, JBL measures monitor systems over a sphere that encompasses all power radiated into the listening room—in every direction.
This data reflects 1,296 times the information of a single on-axis response curve.
Seventy-two measurements of the direct sound field, the reflected sound field, and the reverberant field — the entire sound field heard by the listener — are correlated to optimize response at the listening position.

「JBLの新たな測定法は、スピーカーシステムを取り巻く空間のあらゆる方向における音響エネルギーの放射量を測定するものであり、従来行われてきた単なる軸上のレスポンスグラフから得られる情報の1296倍の情報量をベースにしています。
リスナーにより聴取される音場全体の直接音域、反射音域、残響音域の72の測定項目は、リスニングポジションにおける最良のレスポンスと関連付けられています。」

簡単に説明すると、スピーカーシステムを中心とした球体を想定し、その球体表面における測定ポイントで測定された音響エネルギーを測定し、その各測定ポイントの方向へ放射される音響エネルギーが、直接音、初期反射、残響音としてどのような現れ方をするのか、ということを予め計算しておいて、全ての測定ポイントにおける測定結果をベースに演算した直接音域等の各音域のデータを合算し、仮想のリスニングポイントにおける各音域のレスポンスグラフをはじき出す、ということだと思います。
口で言うのは簡単ですが、これを計算するのは膨大な測定経験が必要となります。
さすがスピーカー界の帝王、JBL!です。

3シリーズもこの新しい測定方法により設計されており、非常に良好な音場を再現するようです。
このため、中央の音像は非常にしっかりと定位し、かつ、深い音場を得られるそうです。



3シリーズですから、もしかするとBMWのように5シリーズ、7シリーズが控えているのかもしれません。
楽しみだなぁ。

現在、小型モニターとして使用しているのはJBL Control LAKENWOOD LS-11EX
LS-11EXはなかなかバランスの良い音を聴かせるスピーカーシステムですが、20年ぐらい使用してきたのでそろそろ買い換えてもいいかと。
LSR308に興味があります。