横雷神が完成してから、毎夜眺めることができて幸せである。
照明を落として薄暗い部屋に浮かぶのは、寺院等で見る襖絵と同様の雰囲気を持つ。
こういう鑑賞スタイルだと金地でも全く派手と言うことはない。
横雷神を描いた動機は、部屋でじっくりと味わいたいと思ったからだ。
だから私淑というのはちょっと違うかもしれない。
風神雷神図屛風は数年に一度しか公開されないし、やっぱり画像では味気ない。
描く楽しさと鑑賞する楽しさを手に入れることができた。
製作の参考にした画像はwikiで入手した。
それら画像に明度調整などを行って色を探っていった。
クローズアップでは塗膜の剥離状態がはっきりとわかる。
特に雷神の左腕や、風神の眉毛などがひどい。
これだけ傷んでいるとちょっと動かしただけで塗膜があちこち崩れそうだ。
こうして比べてみると、意外と似ていないものだなぁと思う。
まあ、自分の意図やクセがちらちら見えているので、これはこれで面白い。
しかし、こうした模写はしばらくはやめておこう。
描くのはとても楽だし、楽しくてやめられなくなりそうだ。