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2025/08/23

Behringer A800



昨年の夏は改造ALTECシステムのテコ入れを行った。
オーディオ夏休み大作戦、今年はDIYホーンシステムの番である。

テコ入れするのは2点。
まず、サブウーファーユニットの変更である。
今まで使用してきたのはPeaveyのLOW RIDER(1808-8HPS)の初期型であり、2000年ごろの設計である。
2000年ごろから18インチの進化はめざましく、今となってはさすがに古い。
だから現代的なユニットと比較するとものたりない。
しかし、その音に直接的な不満がある訳ではない。
そういう訳で迷いに迷った末に18インチはやめにして21インチのTSQ2145を導入し、これが予想外の大成功になった。
ローライダー18を楽々と上回るスケール感、そして躍動感のある低音に生まれ変わった。


2つ目はアンプである。
ベリンガーのA500を4台とマランツのAVアンプを使用しており、こちらの方もその音に大きな不満がある訳ではない。
しかし、改造ALTECシステムからはAVアンプを追い出したのだから、このシステムもちゃんとしたいと。
で、せっかくアンプを新しくするならデジタルアンプへ移行しようと。
これは、JBL Professionalのパワードスピーカー、308P MK2の音が良かったので、デジタルアンプをそのうち導入しようと思っていたのだ。
選んだのはベリンガーのA800、リファレンス用のデジタルアンプである。



2025/08/18

CELESTION TSQ2145



こんな具合に21インチウーファーが増殖してゆくのを見ると、それはニーズがある、つまり、顧客であるPA屋さん達が18インチと21インチの実力差を感じているということなのだろう。
確かに、18インチで何とかしようとあれこれ考えるぐらいなら、あっさり21インチにしとけって、今ではそういう気分になってるし、もう少し言えば、24インチにしとけって、そう思う。
しかし、上記のメーカーの中で24インチを作っているメーカーはPrecision DevicesとCelestionだけだから、21インチのような一般性はない。
ちなみに、黄色いホーンの24インチ左右一発ずつに対しDIYホーンシステムの21インチ一発ではとても歯が立たないが、しかし、これは両システムの目指す音の方向性が違うので気にしていない。

今後どういう展開になるんだろうねぇ。
18インチはサブウーファーにおけるスタンダードの地位を独占していたが、これからは21インチと分け合うことになる可能性が高い。
そうなるとサブウーファーは2つの口径を選択でき、ウーファーとしての15インチ、12インチ、10インチとの組み合わせ方がグンと増えるわけで、これは断然楽しくなるな。

もう一つ。
RCFとP.Audioから19インチという新たな口径の提案がなされている。
(ただし、RCFは19インチと言えるのだが、P.Audioの方は20インチである。)
18インチに不足を感じている層がこの程度のスケールアップでどれほど満足できるのかは分からないが、既存の箱の取付穴をわずかに拡大するだけで音を改善したいニーズ向けなのか、それとも21インチとは異なる潮流が出現するのか、あるいは、将来的に18インチを駆逐してしまう存在になるのか。
P.Audioは、ヘビー級の21インチや24インチを作っていたのに、それをやめて19インチ(20インチ)を始めたというのもあって、注目しているのだよ。
コロナ禍が下火になりコンサート等が再び行われるようになって、PA屋さん達が新たな投資ができるようになり、こうした新しいムーブメントが起った。
何でもかんでも小型軽量化が進むこの時代、それに逆行するかのようなプロ用スピーカーユニット業界、これからが楽しみだ。



2025/08/14

CELESTION TSQ2145



18インチから21インチにした理由はもう一つある。
それは、21インチがなんだか輝いているように見えるからなのだよ。

現在、プロ用のスピーカーユニットを作っている主要メーカーで、ちょっとした異変が起こっており、今まではそれほどでもなかったのだが、これらメーカーのほとんどが21インチウーファーをコーン型ユニットのフラッグシップモデルとして製造しているという状況になっている。

ここで、それら機種を記録しておこう。
こういうのは数年後に見返すと結構面白いかもしれない。

我らがPrecision Devicesは、PD.2155-1F、PD.2155-1N、PD.2160-1Nの3機種である。

B&Cは、21SW115、21DS115、21SW152、21PALと4機種ある。

Beymaは、21LEX1600NDと21QEX1600FEの2機種。

Eighteen Soundは、21iD、21LW1400、21LW2600、21NLW4100、21NLW9001、21NLW9601、21NLW9601C、21NTLW5000と、なんと8機種もある。

RCFは、LF21N451とLF21X451の2機種。

Eminenceは、NSW6021-6とNSW6021-124の2機種。

Celestionは、今回導入したTSQ2145だけ。

Lavoceは、SAF214.50、SAN216.00iP、SAN215.30、SAN214.50の4機種

FaitalPROは、今年21XL3000をぶち上げた。

FANEも、今年21NDXLと21XSをぶち上げた。

そして現在21インチウーファーを作っていないメーカーはJBLBMS、それから不思議なことにP.Audioである。



2025/08/10

CELESTION TSQ2145



DIYホーンシステムに21インチウーファーを導入したことにより、従来の大型スタジオモニターから一歩踏み出した新しさを手に入れることができた。
DIYホーンシステム自体、見たこともないようなデザインだから、やっぱり18インチだと平凡な感じがして、以前から気になっていたのである。

とは言え、18インチと21インチのどちらにするかというのは相当迷った。
こういう画像を眺めながらあれこれ考える、というの結構繰り返した。
まあ、この画像よりも実物の15インチと21インチのサイズ感の違いはもっと大きく、これがまたウーファーとサブウーファーという各々のユニットの役割を暗示していて見ていて大変心地よいのである。


もちろん24インチも検討してみたのだが、やはりウーファーとサブウーファーのユニットの口径に差がありすぎると妙な感じを受けるというか、なんというか。
説明しにくいのだが、ウーファーが8インチの場合、そのサブウーファーとして10インチや12インチなら納得、15インチでもまあなんとか、しかし18インチとなると大きすぎるように感じる、ということ。
それに、スタジオモニターに24インチは絶対的にもデカすぎるような気がして今回は見送った。



2025/08/07

CELESTION TSQ2145



TSQ2145は予想を超えた変化をもたらした。
DIYホーンシステム全体の音が向上し、思わずニンマリである。
低音の姿がよりクッキリと描き出され、音場の見通しも素晴らしい。
まあ、18インチと21インチの差もあるかもしれないが、セレッションは老舗でもあるし、なによりTSQ2145は最新の設計だからなぁ。
そして、今回も百聞は一聴に如かずを思い知らされた。




という訳で、夏休み21インチウーファー導入作戦は大成功。
めでたしめでたしである。



2025/08/04

CELESTION TSQ2145



18インチにするか、それとも21インチにするかというのは、なかなか悩むところである。
いや、ここは人生最大の悩みどころであり、ここで悩まないようであれば、あなたは終わっているのかもしれない、スピーカーユニットマニアとして。
さて、小利口なあなたならもちろん気付いているとは思うが、WinISDのようなソフトで計算すれば、18インチと21インチに違いなんかないと結論するのはたやすい。
しかしである、黄色いホーンシステムは、そんな計算ソフトでは想定できないような孤高の音を響かせる。
そして、18インチウーファーを持つ改造ALTECシステムやDIYホーンシステムと、24インチウーファーを持つ黄色いホーンシステムのこの差は何なのか。




取付穴の加工無しで最新の18インチウーファーに入れ替える、というのが当初の目的であった。
それで済ましても良かったのだが、まあ、スピーカー趣味においてはお手軽な方向へ流れるとロクな結果を生まない。
このあたりが大変でもあり楽しくもあり。



2025/08/01

CELESTION TSQ2145



ジグソーなんぞ使うのはいつ以来だろう。
ユニット用の開口を504mmに広げ、箱はそのまま使用する。
いよいよユニットを取り付ける。




どうよ、この貫禄。
やっぱ100年、スピーカーユニットを作ってきたメーカーのは違うな。



2025/05/30

Celestion TSQ2145



2/17の明け方にポチッとやっちまったのが今朝ようやく届いた。
早速、動作テストをしたところ問題なし。
サウンドハウスで108000円(3240ポイント付)。
DIYホーンシステムの18インチ、Peavey 1808-8HPSと入れ替え予定。
21インチなのですんなり交換とはいかない。
現在、龍の絵と戯れている最中なので本格運用はまだまだ先になるであろう。







2025/01/16

LANSING HERITAGE



この先どうなるのか確定的ではないのだが、ランシングヘリテッジのフォーラムが終ってしまうかもしれない。
ここのところフォーラムにアクセスできなくなっており、今後復活する可能性は非常に低いと思っている。
かなり以前からフォーラムの一部であるギャラリーなどが表示されなくなっており、復旧されないままだからだ。

オーディオというかスピーカーの世界を大きく広げてくれたのがこのフォーラムだった。
オーディオ分野の中でも伝統と格式のあるJBLやALTEC等の大型のスピーカーユニットを使いこなす強者が世界中から集まっており、さらにJBL社の技術者も参加していたのだから格別である。
彼らがもたらしてくれた専門的な知見や貴重なデータ、そして歴史的な資料が見られなくなってしてしまうのは残念に思うが、仕方のないこととも思う。
米国のオーディオブームは日本よりも十数年先行していたので、米国の典型的なJBLフリークの高齢化は日本より深刻な状況だった。
JBLがスピーカーユニットの単売をやめてしまってから、メーカーとの一体感というか情熱がフォーラム全体からどんどん失われてしまったという背景もある。
しかし、こういう巨大なフォーラムは人類の文化的な資産ではないだろうか。
フォーラムの運営者が維持困難な状況に陥っても、その手助けをするような通信事業者やそれに準ずる者が今後出現することを期待する。
そのためにもそうした手助けを社会的に高く評価し、これが新たなビジネスチャンスになったり法人税の減税の対象になるような優遇制度を作るべきだろう。




ランシングヘリテッジのフォーラムのJunior Memberになっており、こんな書き込みもした。
この改造ALTECシステムに関するスレッドの閲覧数は、この書き込みの後跳ね上がり、最終的には7万を軽く超えていた。
DIYスレッドの中で上位5%に入る人気だった。
また、"Member Systems-My Photo Gallery"には、黄色いホーンシステム、改造ALTECシステム、DIY HORNシステムの画像をアップロードしていた。
以前ここに書いたように、このギャラリーでは黄色いホーンシステムの画像の閲覧数がトップだった。
それに加え、10位以内に黄色いホーンシステムの他の画像や改造ALTECシステムの画像が数枚入っており、また、DIY HORNシステムの画像も11位と、まさにkiirojbl帝国といった雰囲気だったのである。
ちなみに、自分の画像をクリックして閲覧数を上げるというようなことは一切していない。
そんなことをすると世界中のJBLフリークの趣向を伺うことができなくなり興ざめだからだ。
先に記したようにこのギャラリーはすでに閉鎖されて見ることができない。
まあ、いずれ全ては忘却の彼方に消え去る。
しかし、それでもJBLの世界屈指のスピーカービルダーとしてお墨付きを頂いたという"贅沢な夢"を見させてもらった。

フォーラムの各スレッドには興味深い知識と知恵とユーモアが沢山あり、実にエキサイティングであった。
歴史的文脈からスピーカーユニットの構造や構成要素を理解し、スピーカーシステム全体を考えてゆくという面白さは、このフォーラムによって倍加した。
ランシングヘリテッジには心から感謝している。




2025/01/09

Ms. Kana Hanazawa



昨日の来訪者数が異常に多かった。
まあ、こんな凄いスピーカーで何聴いてんだコイツ、みたいな感じだったのかもしれない。
で、以前からクラシックの気に入ったCDの紹介をしてみたらどうだろうと思っていたのだが、やっぱりアニソンだからこんだけ来訪者数もあるのだろう。




D800  28-300  ISO 100  1/30sec  f/8  70mm  hand-held


今回はマルチアンプのレベル調整等に使用するCDを紹介しよう。
以前は松田聖子さんのCDを使用していたのだが、現在は全く使っていない。
その代わり、花澤香菜さんのCDを使うことが多い。
それらアルバムのタイトルは、"claire"、"25"、"Blue Avenue"、"Opportunity"、"blossom"である。
全てレンタルCDをリッピングした。

花澤香菜さんの歌声に出会ったのは、化物語の2枚組CD"歌物語"であった。
この中に2曲収録されていたのが最初である。
マルチアンプの調整では、歌よりも会話などの話し声が一番いいのではないかと思っている。
比較的容易に不自然な帯域を感知できるからだ。
このため女性ボーカルも普段の話し声に近い雰囲気を持つ声質の方が好ましいと思っている。
これでだいたいのところを押さえ、あとは、聴きなれたクラシック等の楽曲で詰めることになる。

最近では、こうした作業において一曲を繰り返し再生するということはなくなった。
20~30秒程度聴いて、次から次へとどんどん曲を変えていく感じだ。





2025/01/07

DIY Horn Speaker System



如何だっただろうか久々のスピーカー談義は。
編集後記という訳ではないが、これに関連して現代のホームオーディオについても少し書いておこう。

米国では1950年代から60年代にかけてのオーディオブームが終わると、音楽はカーステレオで楽しむのが主流になった。
車は一人一台、毎日の通勤時に家族に気兼ねなく曲を選択し音量も自由にできる。
そのうちイヤホンやヘッドホンによる音楽鑑賞のスタイルが一般的になってゆき、ホームオーディオはこうした流れの中で衰退する。

ホームオーディオ業界が生き残りをかけてやっと見つけた道は、音場を重視したオーディオである。
"中央にボーカルがポッカリ浮かんで、左にベース右にギター、後方にはドラムが見えます、素敵でしょう"とオーディオ店の店員はオーディオに疎い客に対してしたり顔でアピールできる。
こういう営業トークはイヤホンやヘッドホンを日常的に使用している客には特に効果的だ。

音場系のシステムではスピーカーを部屋の壁面から離して配置するため、間接音の割合が多くなる。
間接音とひと口に言っても初期反射と残響音があり、これらは音の構成要素として非常に重要である。
"風呂場の美音"と簡単に片づけ馬鹿にする訳にはいかない。

ところで、エンジニアであった菅野沖彦氏がそういう音場系のシステムを聴いて"ピンク・フロイドからサン=サースまで終始一貫して印象が変わらない"と感想を述べたそうである。
これは誉め言葉なのか、それとも痛烈な批判なのか。
モンスターモニターはこのあたりのこともきちんと音で教えてくれるのである。




2025/01/06

DIY Horn Speaker System



DIY Horn Speakerは黄色いホーンシステムに比べると小型である。
このため同じ土俵で黄色に立ち向かうことは、DIY Horn Speakerの規模では無理である。
それもあって、黄色とは異なる方向、つまり異なる山頂を目指しているのである。
まあ、小型とは言っても壁面に埋め込む必要はないぐらいバッフル面積は広いし、ホーンキャラクターが無いこともラージモニター系の頂点を目指す動機の一つになっている。

7ウェイマルチアンプのモンスターモニターをここまでの音に押し上げたのは、1990年代後半から始まった業務用スピーカー界におけるDSP革命の恩恵を受けることができた、ということが大きいと思う。
このプロ用DSPは"スピーカーユニットの能力を最大限引き出すため"には必須の技術要素である。
タイムアラインメントをオートでできるようになったというのはその最たるものだ。
レーザ測距し距離を手入力していたが、DCX2496のオートアラインを実行すると全てのピントがシャープに合ったように激変した。
複雑怪奇な自作スピーカーの完成度が市販スピーカーのそれを楽々と超えてみせたのである。

また、オートアライン以外にも、DEQ2496のオートGEQや10素子を操れるPEQ、DCX2496の0.1dBステップのレベル調整、入力側のPEQや帯域分割後の帯域別PEQなども非常に効果的であった。
DCX2496やDEQ2496などのベリンガー製品は、ともかく使い方が難解で取説を読んでも理解が難しいことがままある。
しかし、諦めずになんとかモノにしてゆくと音質劣化を伴わない精密なデジタルコントロール技術による新たな地平が手に入る。

まあ、こうして途方もない7ウェイマルチアンプシステムをビシッとまとめることができた。
ここまで来れた、だから、これからも先も努力を続けてゆこう。




2025/01/05

DIY Horn Speaker System



ラージモニターは、録音ブースでの突発的な過大入力によっても故障しない耐入力が必要である。
15インチダブルならそうそうウーファーが飛ぶこともなかろう。
また、ダイナミックレンジが広大である点も、同様に評価できる点であろう。
さらに、大口径ウーファーは空気感の再現に優れており、この能力に欠ける12インチ以下の小口径ウーファーは聴いていてつまらない。
演奏の迫真性、音楽の躍動感において重要な要素だと思う。

ラージモニターは、スイートスポットが広いという利点がある。
ミックスダウンではスモールモニターを使用するのが普通だが、映画音楽など多人数の聴衆を前提とする音楽の場合、ラージモニターがミックスダウンで使用される。
スイートスポットが広いというのは音楽制作現場であるスタジオでミュージシャンが仲間と音楽を検討する際にも重宝する。
厳密に中央に座らないと音の共通認識を得られないというのでは困るのである。

どうだろう、ラージモニターについての理解は深まっただろうか。
俺にとってのスピーカーって何よ、という問いに対して、生音の再現という点でラージモニターはかなり近いものを持っているように思う。




2025/01/04

DIY Horn Speaker System



ラージモニターは録音スタジオのミキサー室の壁面に埋め込まれている。
何をするためのスピーカーかというと、録音ブースでマイクがひろった生音をそのまま再生するためにある。
とりあえず、それが主目的である。

壁面に埋め込まれている理由は、デカくて邪魔になるとか、エンジニアが足を引っかけて転倒するのを防止するため、ではない。
スピーカーのバッフル面を壁で囲い、スピーカーの背面側に音が回り込まないようするためである。
スピーカーの背面に回り込んだ音がさらに前面に割り込んできて、スピーカーユニットから直接放射された音波に干渉しないようにするためである。
間接音で音が濁らないようにしている訳だ。

ミキサー室はライブじゃなくてデッドな環境であり、また、比較的狭く設計されている。
残響時間が長くなるを避けるためである。
また、ラージモニターが配置されている壁面はミキサー卓のすぐ向こう側にある。
スピーカーのサイズやモニター時の音量を勘案すると、信じられないぐらいニアフィールドの配置となっているのである。

要するにラージモニターの再生音が、間接音に邪魔されず正確に聴き取ることができるように、全ての環境が整えられているのである。
間接音の多い環境では変化による差異が分かりづらくなり、音の選択に自信が持てなくなる。
プロアマを問わず、オーディオの基本にかかわることである。




2025/01/03

DIY Horn Speaker System



ラージモニターにはやっぱり4インチダイアフラムのコンプレッションドライバーは必須だろう。
ホーン部には15インチダブルを振り回す腕力がないと音がまとまらない。
具体的には、全帯域のなかに弱い帯域があってはダメなのである。
全ての帯域のエネルギー感が揃っていて初めて生音の再現ができる。
スピーカーシステムのユニット構成というか選択はこうした観点から行わなければならない。

コンプレッションドライバーの優れている点は、その変換効率の高さである。
フェーズプラグとの間の狭い空間の空気をダイアフラムで叩く。
逃げ場のない空気にエネルギーがばっちり伝達される訳である。
これがドーム型とかその他のダイレクトラジエタータイプのユニットだと、ダイアフラム周囲の空気は自由な状態であり、これでは十分にエネルギーが伝わらない。

変換効率が低いことは、エネルギー感に満ちた音を提供できないという問題にとどまらない。
振動板の非常に微弱な振動が空気に十分に伝達されないということは、音のニュアンスを再現できない。
家庭内における音量では15インチダブルを振り回すことができるかどうかという問題よりも深刻である。

さらに指向性制御という問題もある。
ドーム型等は高域になるにつれ指向性が狭まりビーム状の音圧分布になる。
未だに解決されていない大問題なのだが、解決の糸口さえも見つからないので長年放置されたままである。
残念ながら真正面から取り組むメーカーは未だにあらわれない。
一方、ホーンでは指向性制御技術が大変な努力の末に確立されている。
一般のオーディオマニアはもはや体験する機会が無いだろうが、現代的なホーンの完成度は驚異的なレベルにあることは確かである。




2025/01/02

DIY Horn Speaker System



新春巻頭特別企画"ラージモニタースピーカーのすべて"全5回シリーズ発進!!!!!
さあ、盛り上がってまいりました。

昨年秋にDIY Horn SystemのベリンガーのDEQ2496を交換した際に再セッティングを行い、それ以来大変調子が良い。
クラシック以外は低音の2素子のQを絞り(63.2Hzと89.3Hzを共に1/3oct)、痛快かつ豪快、うーむ、実に生々しい。
気分も実に晴れ晴れとし、オーディオをやっていて良かったと思えるのである。

そこで、DIY Horn Systemについてちょっと語ってみよう。
このシステム、以前少し触れたように録音スタジオのラージモニターとして育ててきたのである。
音楽制作の現場で使用される業務用大型スピーカーシステムを意識している訳である。

DIY Horn SystemのホーンにはJBL Professional M2のホーンスロート部分の形状を取り入れた。
JBL Professionalのモニタースピーカーは、かって録音スタジオのモニタースピーカーとして一世を風靡した。
現代のM2も一定の成功を収めているようであり、その証拠にM2に追随する他社製品もあらわれている。


さて、ラージモニターというからには、ある程度のサイズが必要となる。
4350/4355や木下モニター7は、そうしたラージモニターの代表格であろう。
ここでは、誠に勝手ながら15インチダブル以上をラージモニターとして取り扱う。
理由は特にはないが、黄色いホーンシステムのような巨大システムと日常的に向かい合っていると、この15インチダブルというのは最低ラインなのである。
最低というのはサイズ的なものもあるが、DIY Horn Systemは7ウェイマルチアンプシステムなので4ウェイ程度では全然ものたりないのが本音だ。
いつのころだったのか、最小限で済ませようとする態度に背を向けて、最大限を引き出そうとする道を一人歩き出したのである。




2024/12/16

Nara and Kyoto



聖林寺に行ったとき、国宝の十一面観音像のビデオによる説明を見た。
製法についての解説があり、木材を粗削りして観音様のおおよその形を作り、それから木粉と漆を混合したものを塗りたくり、それを形成して仕上げたとのこと。
この観音様、側方から見ると大変すらっとしており、お姿が非常に美しいのである。




お次は、興福寺の国宝館に行ったときのこと。
目玉の国宝が非常に有名な阿修羅像である。
こちらの製法は、ちょっと違う。
粘土でおおよその形を作り、それに麻布を貼り、その麻布に漆を塗って固める。
背中の部分のカチカチになった麻布をくりぬくように切断し、内部の粘土を掻き出す。
それから、強度を持たせるために内部から支柱や板で補強し、切り取った麻布部分を縫合して元に戻す。
最後に木粉と漆を混ぜたものを塗りたくり、それを形成して出来上がる。

阿修羅様の方は補強材を除けばがらんどうであり、だからかなり軽いと思う。
火災の際は担いで持ち出せたので今日にまで健在なのであろう。




DIY Horn Speakerでは、木や粘土で型を作らずにすむ方法を探した。
おかげで気楽に作れたような気がするが、ずいぶん失敗したよね。





2024/12/03

Behringer Ultracurve Pro DEQ2496



DEQ2496を入れ替えたDIY Horn Systemのセッティングを始めた。
DEQ2496のセッティングはDual Monoにして、音が悪くなるなんとかフィルターをOFFにして、それからオートGEQに行くという流れになる。

オートGEQの設定は今までフラットでやっていた。
しかし、同じではつまらないので今回は20Hzから20kHzにかけて7.5dBほどなだらかに減衰するターゲットカーブを設定してみた。
ハーマンのターゲットカーブが気になっていたのでやってみたのである。

ちなみにオートGEQの画面には"ROOM CORR"が選択できるようになっていて、これをONにすると1オクターブあたり1dB減衰してゆくそうである。
今回はOFFで手動でやってみた訳である。

両端の20Hzは3dBブースト、20kHzは4.5dBカットということになる。
31ポイントあるので、2ポイントづつ0.5dBカットしていった。
ちなみに315Hzと400Hzが0dBである。




さてその音はというと、予想通り迫力があるもの剛直で頂けない。
やっぱりこのままでは全然ダメなので、PEQでいよいよ本格的な調整だ。
先ほどのハーマンのターゲットカーブのグラフを見てもらうと分かるが、黒線の200Hzあたりがカットされているだろう。
これだけでも結構低音の姿がはっきりする。
最低域も低域の明瞭度の邪魔をするので適度にカットしよう。
それからこれは人によると思うのだが、3kHzから4kHzぐらいを少しカットすると高音のうるさい感じをおさえることができる。




オートGEQを実行している際に、160Hzちょっと下でチラチラ不自然なピークを観測することができた。
なんとなく気になったので、ウーファー帯域を担当するDCX2496のABC入力側で呼び出す入力用PEQで、135Hzをカットした。
ノッチフィルターとして働かせるためQ値は最大の10とし、7dBほどカットした。
すると今まで気になっていたボーカル帯域の下の方のモヤツキが見事解消したのである。
これは定在波の仕業だろう。

まあ、そんなこんなで新DEQ2496の導入は大変うまくいき、DIY Horn Systemの音はさらに良くなった。
DEQ2496のPEQの調整は、10素子中、9素子使ってしまった。
これが12素子ぐらいあると安心なんだが。



今日から旅行なのでしばらくお休みします。






2024/12/02

Behringer Ultracurve Pro DEQ2496



購入した3台のDEQ2496をDIY Horn Systemでテストした。
単にI/O等を設定してスルーで音出しをしてみたのである。
するとそのうち1台が2分程度問題なく音が出ていたのに、急に音が出なくなり、液晶パネルも表示されなくなった。
ベリンガー製品で今まで初期不良はなかったので、こういうのは今回が初めてだ。

これをamazonに返品し返金してもらい、新たに1台、注文した。
32091円だったので、1台だけはさらに安く入手することになった。
翌日、なぜか価格は5万円台に戻ってしまった。

3台の新しいDEQ2496は、V3.0(Utility画面1ページ目の右肩に表示される)である。
調べてみると、V1ハードウェアのファームウェアの最終バージョンはV1.4であり、V2ハードウェアのファームウェアの最終バージョンはV2.5だそうである。
今までのDEQ2496はV2.5であったので、ハードウェアがV3になり新しくなったようである。
予備機が4台になる訳だが、どんどん進化するようなら買いなおした方がいいかもね。




2024/11/26

Behringer Ultracurve Pro DEQ2496



DCX2496とDEQ2496の生産が再開されたようなので、とりあえずDEQ2496を3台購入した。
米国ではDCXもDEQも279ドルで販売されているが、amazonで35364円(ポイント354円)と為替レートを考えると安価に購入できた。
なお、その後、さらに価格は下がり、32091円になった。

Yellow Horn System、DIY Horn System、Remodeling Altec Systemに使用している3台のDEQ2496をすべて更新するのが目的である。
今までに使用してきた3台のDEQ2496のうち、1台は2011年9月にamazon経由でサウンドハウスから24500円で購入したことが分かっている。
他の2台も2011年の同時期に購入したものと思われるが、正確な時期や価格は不明である。
やはり、購入記録はきちんとブログに記載しておいた方がいいな。

購入から13年ほど経過したが、3台とも故障せずにここまで来た。
ちっとも壊れないものだから機材の買い替えができないのだが、他に良さそうなものもないので不満もない。
中古で安く入手した予備も1台あるので、今回購入した3台、退役した3台を含む予備機4台の計7台を保有することになる。

オーディオは機材だとは思うが、このDEQ2496からは、オーディオは機材だけではないことを教えてもらった。
だからなんだかとても好きというか、相性がいいんだ、きっと、いつまでも。