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2025/03/13

Precision Devices PD.1850/3



Celestion CF18VJDと比較してみよう。
最初に表示されている数値が18VJD、次に表示されている数値が1850/3である。
目立つのはMmsかな。
18VDJが265.42gと1850/3の215.2gより50g大きい。
何となくCelestionはMmsが大きい傾向がある。
こういうのは物理特性に影響するが聴感での判断とか耐久性の配慮とか。
あと、こういうホーン用はXmaxが小さめで妙にカッコいいな。

Sensitivity 97dB 98dB
Sd 1134.12cm2 1164.16 cm2
Fs 34.50Hz 33.15 Hz
Mms 265.42g 215.24g
Qms 4.573 15.42
Qes 0.332 0.24
Qts 0.309 0.24
Re 6.13Ω 5.22Ω
Vas 145.81L 203.84L
BI 32.59Tm 30.99Tm
Cms 0.08mm/N 107 µm/N
Le (at 1kHz)1.87mH 1.33 mh
Xmax 12mm 11.05mm





Quasi-butterworthで3機種を比較。
水色がQuasi-butterworthのPD.1850/3で実効容積が40.51L、チューニング周波数は53.79Hz。
赤が18VDJで58.15L、43.52Hz。
紫がPD.1850/3で90L、48Hz。
1850/3の推奨箱が90Lから220Lなので、その最小値の90Lとし、48Hzは雰囲気である。
オレンジは18VDJで135L、37Hz。
これはCelestionの推奨箱である。
やはり、18VDJの方がバスレフ向きだと言える。
1850/3の推奨箱をもう少し見てみよう。




青が220L、27Hz、緑が155L、36Hz、紫が90L、48Hzである。
155Lは90と220の中間値、チューニング周波数は雰囲気である。
220Lに入れるとサブウーファーとしてそれなりの特性になるのね。
でもさ、50Hz以下のサブは24インチに任せて、この1850/3を2発、200Lぐらいに詰め込んで100Hz~120Hzまででガンガンやるというのは魅力的ではなかろうか。





2025/01/28

CELESTION TSQ1845



以前紹介したTSQシリーズの18インチウーファーである。
大変見た目が良いというか、在りし日のアルニコマグネットを搭載した高級ユニットのような端正な外観である。




ネオジム磁石で連続許容入力3.6kwという途方もないハイパワーユニットである。
4.5インチボイスコイルはインサイド/アウトサイドタイブ。
巧みな冷却機構により通常の磁気回路よりも30℃ほどボイスコイルの温度を低下することができる。
磁気回路等はTSQ2145と共通だと思われる。
サウンドハウスで85800円(2574ポイント)。

BLは33.8TM、Mmsは316g、Vasは119.3Lであり、CF18VJDを上回る猛毒ユニットである。
現在の18インチではトップクラスであり、ライバルはB&Cの18DS115やJBL Professionalの2269Hや2288Hということになろう。

このTSQ1845がどんなユニットなのかWinISDで探ってみよう。
サブウーファー設計用のextended bass shelf -6dBを選択してProX18(緑)とTSQ(赤)を計算させた。
-6dBで棚状のフラットな部分が低域側に伸びる特性である。
ProX18の方が低域が伸びているが、実効容積は327Lと算出されている。
これに対しTSQは145Lである。




次に、容積を180L、チューニング周波数23Hzで計算すると、Prox18の方は容積不足で最低域がだら下がりになってしまい気持ちが萎える。
TSQは最低域までフラットであり、これに50Hzの-48dB/oct(8次)のローパスフィルターと、2素子のパラメトリックイコライザ(33Hz Q1.0 +3dB)(20Hz Q3.5 +1dB)を加えると青線になる。
20Hzで3.5dB落ちと晴らしい特性である。





先日の26.5Hzチューンの180L箱のProX18と比べてその差をどう考えるかである。
"自慢じゃないが俺は頭が変なんだよ"と自信をもって断言できる方は、とりあえずTSQ1845を選択すべきだろう。



Specifications
Nominal diameter457mm / 18in
Power rating1800W
Continuous power rating3600W
Rated impedance4Ω, 8Ω
Sensitivity96.5dB
Frequency range30-1,000Hz
Chassis typeCast aluminium
Magnet typeNeodymium
Voice coil diameter115mm / 4.5in
Voice coil materialRound copper
Former materialGlass Fibre
Cone materialGlass loaded cellulose, water-resistant coating front & back
Surround materialTriple roll, cloth sealed
SuspensionDual, polysiloxane-laminated
Gap height (Hg)12mm / 0.46in
VC winding height (Hvc)36mm / 1.42in

Parameters
Sd1134cm2 / 175.8in2
Fs35Hz
Mms316g / 11.18oz
Qms8.712
Qes0.300
Qts0.290
Re5.0Ω
Vas119.3l / 4.21ft3
BI33.8Tm
Cms0.065mm/N
Rms7.99kg/s
Le (at 1kHz)3.06mH
Xmax15mm / 0.47in
Xmech40mm / 1.57in
Efficiency η01.8%

Mounting Information
Overall diameter460mm / 18.1in
Overall depth235mm / 9.5in
Cut-out diameter416mm / 16.29in
Mounting hole dimensions7x11mm / 0.28x0.43in
Number of mounting holes8
Mounting hole PCD432-441mm / 17.04-17.36in
Flange & gasket thickness17mm / 0.67in
Unit weight11.8kg / 26lb

Packed Dimensions & Weight
Single pack size W x D x H500mm x 500mm x 280mm / 19in x 19in x 11in
Single pack weight12.3kg / 27.1lb




2025/01/25

Celestion PowerProX18



2023年に発表された18インチの新機種である。
パワープロックス18って、こういう名称がいい。
無味乾燥な英数字の型番よりも、プロライダー15、ローライダー18、ローマックス18などの名づけの方が好きである。




面構えのいいハイパワーユニットであり、マグネット重量は3.5kg、全体では13.2kg。
4インチボイスコイルはインサイド/アウトサイドタイブ。
Twin demodulation ringsとポリシロキサン層を間に挟んだダブルサスペンションを備え、コーンは両面コーティングされており耐湿性に優れる。
こういうスペックはTSQシリーズのフェライト版という感じもする。
サウンドハウスで45800円(1374ポイント)。

BLは24.38TM、Mmsは229.98g、Vasは188.9Lであり、これも強烈。
WinISDで遊ぶにはなかなか勉強になるユニットだ。
WinISDの基本操作をマスターしているなら、ちょっと遊んでみるといい。

例えば、DIYホーンシステムのサブウーファーに使用しているPeavey 1808-8HPSの代わりに使用することを想定してみる。
実効容積は180L、ダクトは半分封鎖する等の手直しをしてチューニング周波数を26.5Hzを指定、緑線で示す特性を得る。
実際に使用している50Hzの-48dB/oct(8次)のローパスフィルターを加えるとオレンジ線になる。
さらに、低域側を持ち上げるために、パラメトリックイコライザ(24Hz Q1.5 +4dB)を加えると水色線になる訳だ。
20Hzで約7dB落ちだから凄まじい仕上がりだ。
おそらく、JBL Professionalのモニター用サブウーファーであるSUB18とそう変わらないと思う。



優れたスピーカービルダーをめざすならこうしたシミュレーションを繰り返しながら、箱の設計だけではなく帯域別EQによる補正可能範囲を把握することだ。
そして一番大切なことは、こうしたフィルターの効果を実際に聴いて確認することだ。


Specifications
Nominal diameter457mm / 18in
Power rating1200W
Continuous power rating2400W
Rated impedance8Ω
Sensitivity97dB
Frequency range35-1000Hz
Chassis typeCast aluminium
Magnet typeFerrite
Magnet weight3.5kg / 124oz
Voice coil diameter100mm / 4in
Voice coil materialRound copper
Former materialGlass fibre
Cone materialGlass loaded cellulose, water-resistant coating front & back
Surround materialCloth-sealed
SuspensionDual-laminated
Gap height (Hg)11.75mm / 0.46in
VC winding height (Hvc)25mm / 0.98in

Parameters
Sd1210.0cm2 / 187.6in2
Fs34.8Hz
Mms229.98g / 8.1oz
Qms3.147
Qes0.431
Qts0.379
Re5.1Ω
Vas188.9l / 6.67ft3
BI24.38Tm
Cms0.091mm/N
Rms15.96kg/s
Le (at 1kHz)1.61mH
Xmax9.5mm / 0.37in
Xmech48mm / 1.9in
Efficiency η01.8%

Mounting Information
Overall diameter460mm / 18.1in
Overall depth225mm / 8.9in
Cut-out diameter414mm / 16.29in
Mounting hole dimensions11x7mm / 0.43x0.28in
Number of mounting holes8
Mounting hole PCD441-432mm / 17.36-17.31in
Flange & gasket thickness16.2mm / 0.64in
Unit weight13.2kg / 29.1lb




2025/01/22

Celestion CF18VJD



ランシングヘリテッジのフォーラムが復活した。
やれやれ一安心である。
これで気分が良くなったので久々にスピーカーユニットのネタ、いってみよう。




この画像で見ると、なんだか8インチ程度のかわいらしいユニットに見えるけど、これは18インチ。
磁気回路が異常にデカいので小口径に見えてしまうのである。
マグネット重量は約5kg、全体では23kgある。
ボイスコイル径は5インチ、インサイド/アウトサイドタイプだ。
Twin demodulation ringsとダブルサスペンションを搭載。

BLは32.59TM、Mmsは265.42g、Vasは145.81Lと屈強なユニットである。
PD.1850/3がライバルということになろう。
Celestionの推薦箱は実効容積135Lとコンパクトである。
なお、サウンドハウスで73800円(2214ポイント)で販売されている。


Specifications
Nominal diameter457mm / 18in
Power rating1600W
Continuous power rating3200W
Rated impedance8Ω
Sensitivity97dB
Frequency range25-1500Hz
Chassis typeCast aluminium
Magnet typeFerrite
Magnet weight4.93kg / 174oz
Voice coil diameter125mm / 5in
Voice coil materialRound copper
Former materialGlass fibre
Cone materialCarbon and kevlar loaded paper
Surround materialCloth-sealed
SuspensionDouble
Gap height (Hg)12mm / 0.47in
VC winding height (Hvc)30mm / 1.18in
Additional impedances4Ω

Parameters
Sd1134.12cm2 / 175.79in2
Fs34.50Hz
Mms265.42g / 9.36oz
Qms4.573
Qes0.332
Qts0.309
Re6.13Ω
Vas145.81l / 5.15ft3
BI32.59Tm
Cms0.08mm/N
Rms12.59kg/s
Le (at 1kHz)1.87mH
Xmax12mm / 0.47in

Mounting Information
Overall diameter462mm / 18.19in
Overall depth233mm / 9.2in
Cut-out diameter416mm / 16.38in
Mounting hole dimensions11x7mm / 0.43x0.28in
Number of mounting holes8
Mounting hole PCD432-441mm / 17.0-17.36in
Unit weight23kg / 50.6lb

Packed Dimensions & Weight
Single pack size W x D x H500mm x 500mm x 255mm / 19.7in x 19.7in x 10in
Single pack weight24kg / 52.8lb




2024/03/29

Celestion Ten Squared Development Program



100周年を迎えたセレッション社からテンスクエアシリーズが発表された。
Ten Squared(10の2乗)という意味は、10個の新しい技術的要素が含まれており、それらが相乗的に効果を発揮するということだと思う。
10個の技術的要素の中で面白いと思ったのは、デュアルサスペンションの間にシリコンポリマーを充填していること。
そのサスペンションにはレーザーで穴をあけ、リード線をサスペンションに織り込んでいること。
さらに、内側/外側のボイスコイルが断面円形のコイルを使用していること。
断面円形のコイルにより表面積を増やし冷却能力を高めようという温故知新のアイディアだ。




TSQ1230、TSQ1535、TSQ1845、TSQ2145、TSQ2460の5機種で構成されており、フラッグシップのTSQ2460は6インチボイスコイルの24インチモデルだ。
スペックもずば抜けており、化け物ユニットの爆誕である。

TSQ2460

General Specifications
Nominal diameter 610mm / 24in
Power rating1 2400W
Continuous power rating2 4800W
Rated impedance 8Ω
Sensitivity3 98dB
Frequency range 20-200Hz
Chassis type Cast aluminium
Magnet type Neodymium
Voice coil diameter 152mm / 6in
Voice coil material Round copper
Former material Glass Fibre
Cone material Glass loaded cellulose, 
water-resistant coating front & back
Surround material Triple roll, cloth sealed
Suspension Triple, polysiloxane-laminated
Gap height (Hg) 15mm / 0.59in
VC winding height (Hvc) 45mm / 1.77in

Parameters
Sd 2239cm2 / 347in2
Fs 29Hz
Mms 530g / 18.69oz
Qms 10.30
Qes 0.31
Qts 0.30
Re 5.1Ω
Vas 404l / 14.26ft3
Bl 40.5Tm
Cms 0.057mm/N
Rms 9.1kg/s
Le (at 1kHz) 2.5mH
Xmax5 18.75mm / 0.73in
Xmech6 40mm / 1.57in
Efficiency η0 3.1%

Mounting Information
Overall diameter 627mm / 24.7in
Overall depth 280mm / 11in
Cut-out diameter 571mm / 22.5in
Mounting hole dimensions 8.5x9mm / 0.33x0.35in
Number of mounting holes 8
Mounting hole PCD 596.3-606mm / 23.47-23.86in
Flange & gasket thickness 21mm / 0.83in
Unit weight 22kg / 48lb

Packed Dimensions & Weights
Single pack size (WxDxH) 650mm x 650mm x 290mm
25.5in x 25.5in x 11.4in
Single pack weight 25kg / 55lb




 

2023/07/16

Loudspeaker Systems Design



Axi2050は大型ホーンと組み合わされ、KLIPSCHのJUBILEEに搭載されている。
ジュビリーはクリプシュホーンを備えた12インチ2発と、300Hz以上を受持つホーンによる2ウェイ構成。
技術的なトピックスとしては、Axi2050のスロート口に指向性を改善するためのプラグを設けたこと、3本のバスレフダクトをフロントロード内部に開口した点である。
また、DBR15のようにDSPにより制御されるが、残念ながらアンプは付属しない。

このジュビリー、高さ175㎝、幅127㎝、奥行76㎝と恐ろしく巨大である。
現代的なスピーカーシステムとしては例外的なサイズである。
往年のクリプシュホーンが化けて出てきたような感じだ。
DIYホーンシステムと同じぐらいの大きさは、正直、驚きである。









京都に妻と二人で行ってきた。
11日午後に建仁寺に行き、風神雷神図屛風(複製)等を見た。
12日は鞍馬山に登り、貴船に抜けて川床料理を食べた。
帰りに北野天満宮に行きお礼をし、夕食は鱧会席をいただいた。
13日は三十三間堂、それから智積院に行き、長谷川等伯を堪能した。
宝物館の本物は素晴らしい。夕食は開陽亭。
14日は嵐山の天龍寺、篩月で精進料理をいただく。
竹林を抜けて大河内山荘庭園に行った。
それから福田美術館で竹久夢二展を見た。めなみで夕食。
15日は養源院に行かず、そのままS550で引き揚げた。









2023/07/08

Loudspeaker Systems Design



CelestionというとUL6とかDitton66などを思い出す方が多いだろう。
当時は、タンノイと並びイギリスを代表するスピーカーメーカーとして認識されていた、というか、英国国旗がやたら広告に表示されていた記憶がある。
現在はギターアンプやベースアンプ用のスピーカーユニット、それから業務用ユニットを主に生産しているが、設立はなんと1924年であり来年で100周年になる。
なお、Celestionと同様に現在も活動している老舗のスピーカーメーカーとしてはJENSEN(1915年設立)、Tannoy(1926年設立)がある。
あなたが生まれるはるか以前からスピーカーユニットを作り続けているCelestionのドライバーを搭載し、それを最先端のDSPで制御しているDBR15は、だから魅力十分だ。

そしてCelestionのドライバーというとAxi2050に触れないわけにはいかない。
放射状にリブが形成されているフラットなリング形状のチタンダイヤフラムを備えており、そのボイスコイル径は5インチ、ダイヤフラム外周の直径は175mmにもなる。
この独創的な形状のリング状ダイヤフラムの面積は、5.5インチのドーム型ダイヤフラムに匹敵するそうだ。
300Hzから20kHzまで再生可能という超ワイドレンジのコンプレッションドライバーである。




構造はBMSタイプのものとかなり異なる。
3重スリットのイコライザを備え、中央のイコライザの内部がバックチャンバーになっているようだ。
そして、この2インチスロートのドライバーはネオジムマグネットを搭載しているにもかかわらずかなり大きい。
外寸直径は198mm、重さも7.5kgとヘビー級である。





2023/07/02

Loudspeaker Systems Design



20cmウーファーの308PMK2は確かに素晴らしいがもっとアグレッシブなシステムが欲しいとなった場合、308PMK2をサブにして、例えば、メインシステムとしてヤマハのDBR15を導入する手もある。
KS100の生まれ変わりという訳ではないが、38cmウーファーとホーンの2ウェイ構成によるオーディオ用としては大型システムである。
さらに、ウーファー用に400W、ツィーター用に65Wの2台のデジタルパワーアンプを搭載し、これをDSPで総合的に制御している。
これで価格は1本、5~6万円なのだから驚く。




ウーファーユニットは2.5インチボイスコイルであり深めのバスケットを持つ。
このウーファーはヤマハの自社製だろうと思う。
一方、ドライバーはCelestionのCDX1-1445である。
1インチスロート、PETP製の1.4インチダイヤフラム、マグネットはフェライトである。
これらのスピーカーユニットのスペックは、例えば、タンノイのLegacyシリーズのArden(748000円/1本)に匹敵する。




DBR15で特筆すべきは、そのコンパクトなサイズであろう。
15インチクラスの箱をこのサイズでまとめるのは至難の業である。
しかも、海外のレビューではどれもサブウーファーを加える必要はないと報告している。
それだけの低音をこのコンパクトな箱で確保するためには、スピーカーユニットと箱(ダクト)の設計とDSPによる補正(デフォルトでの)機能を組み合わせてトータルでの性能を追及する必要がある。
このような設計手法を採れることがパワードスピーカーのメリットであろう。

DBR15はエンクロージャーがプラスチック製であり、また、4段変速の空冷ファンを備えている。
この点が家庭用のスピーカーシステム等には見られない点である。
まあ、家庭内での音量では箱鳴りがするとか最低速でしか回転しないファンの音が気になるということはないだろう。