ヤマハのKS100という存在は、JBLやALTECのスピーカーユニットを客観的に眺める契機になった。
例えば、4インチのボイスコイル径は高耐入力というか、ハイパワー用のかなり特殊なウーファーであることが分かってきた。
また、業務用ではプレスフレームが一般的であることも知るようになった。
オーディオの世界では有名なJBL等のスピーカーユニットがいかに素晴らしいかということを再認識させてくれたのである。
その一方で、それほどの特殊なスピーカーユニットでなくても家庭用として使うなら十分ではないのかとも思うようになった。
確かに、JBL等のスピーカーユニットを使用すれば盤石ではあるものの、実際に家庭内で鳴らす場合、それがマルチアンプである場合にはなおさら、驚くほどの小音量でしか鳴っていない。
7ウェイや8ウェイといった超マルチアンプシステムでは、ウーファーでもわずかにうなっているという程度だ。
黄色いホーンシステムは、大型のホーンスピーカーシステムのマニアの海外のスレッドなどによく掲載されている。
その中のコメントでPeaveyのウーファーを使っていることを疑問視する意見があった。
なるほど、システム構成から見てJBL Professionalのウーファーを使えと、その気持ちはよく理解できる。
20年ぐらい前の話だが、Peaveyのウーファーユニットを最初に導入する際、その評判を調べてみたことがあった。
ProSound Webのフォーラムで、Low Rider 18のリード線が断線することが報告されていた。
こうしたことはハイパワー時にリード線がサスペンション(ダンパー)に叩かれて生じる。
しかし、この不都合以外の良くない評判を発見することはできなかった。
さらに、この不都合は家庭内の使用で起こるのか、ということである。
結局、Peaveyのスピーカーユニットを数機種試してみたが、JBLに買い替える必要はないというのが結論である。
KS100の存在が頭の片隅にあることにより、オーディオとの付き合い方が、ブランドに惑わされない冷静さ伴うものになっているわけである。