2010/04/15

Suntory Hall Organ Promenade Concert

サントリーホールのお昼のオルガンコンサート(無料)に行ってきました。
1曲目はJ. S. バッハのシャコンヌをブゾーニがピアノ用に編曲したものをさらに本日のオルガン奏者である伊藤順子さんがオルガン用にアレンジしたもの。
2曲目はショパンの幻想ポロネーズをやはり伊藤順子さんが編曲したもの。










もともとヴァイオリンやピアノ用の曲を持続音系の楽器であるオルガン用にしたため曲の雰囲気が変わり驚きました。
興味深く聴けましたし、楽しかったです。







席は2階C席の中ほど。
ホール全体を見渡すような感じがとても気持ちいい。
今回はステージ中央に引き出された無線コントロール鍵盤台での演奏。
巨大なパイプオルガンが世界最大のMIDI楽器のように思えました。
2階C席で聴けたホールの響きは厚みがあり素晴らしかった。
なお、ステージ上方の透明な反射板は、照明器具の上方まで引き上げられていました。










ムローバさんによるシャコンヌ。
教会の残響は心地よいです。










アナログ機材はつなぎかえての機材比べだけですが、デジタル機材は使い方のノウハウが重要。
そして、他社製品のマニュアルからでも使い方のノウハウを得ることができるます。
お金がかからず、音についての理解が深まる。

上の画像はデジタル入出力ができるYAMAHAのSPX2000
但し、AES/EBUのみでSPDIFには対応していないようです。

SPX2000のマニュアルにはリバーブについて以下のような説明があります。
"残響を付加するエフェクトです。残響は部屋の大きさや、壁の材質などによって複雑に変化します。このエフェクトを使えば、その変化をシミュレートして、さまざまな残響を創り出すことができます。
残響は初期反射音と残響音の2 種類に分けられます。初期反射音は残響のうち、最初に一度だけ壁や天井に反射して耳に届く音、残響音は初期反射音が他の壁や天井に反射を繰り返してから耳に届く音です。
SPX2000のリバーブには、初期反射音と残響音を別々にコントロールできるものと、まとめてコントロールするものの2 種類があります。"






SPX2000のマニュアルを読んでみると、このSPX2000の"REV-X"というエフェクトタイプがリバーブの主力のようです。
でも、初期反射と残響をそれぞれ制御できない。
そこで"リバーブ"というエフェクトタイプを選択(これはもしかするとモノラルなのかもしれないけれど)するとパラメータが増えます。

初期反射のパラメータは"INI. DLY(イニシャルディレイ)"。
"0.0~500.0ms、原音に対する初期反射音の遅れです。この値は残響音が発生するまでの遅れにも影響します"と説明されています。
"CONCERT HALL"ではこのイニシャルディレイは112ミリ秒となっています。

残響のパラメータの"REV TIME(リバーブタイム)"。
"0.3~99.0s、 残響音の長さです。1kHz の残響音が60dB減衰するまでの時間を表しています"と説明されています。
"CONCERT HALL"では3.4秒。

初期反射音に対する残響音の遅れは"E/R DLY"。
"原音から残響音の始まるまでの遅れは、INI.DLY+E/R DLYとなります"と説明されています。
"CONCERT HALL"では4ミリ秒。





初期反射と残響についてググッてみると、以下のような説明がありました。

"初期反射音は表現したい音場(コンサートホール、スタジアムなどの音場モード)を特徴付ける重要な要素となります。
音場の雰囲気を醸し出すのは初期反射音であり、残響音は味付けと言っても良いかもしれません。

ラージホール:初期反射音が長め、残響音が長い。
壁や天井が乱反射するように設計されているため、綺麗で密度の高い反射音になる。

スタジアム:初期反射音は、距離があるため長め。
形状は、円形など等距離の壁も多く、音が回りやすく、やや特徴のある残響音。

ルーム:初期反射音は短く、壁も少ない形状(長方形)が一般的なので、特定の周波数で共振に近い特徴の残響音。
残響音のレベルを高く、減衰を長くすると反響の大きいバスルームのような音になる。"






火山灰の雲に突っ込んだブリティッシュ・エアウェイズ9便エンジン故障事故についてのwikiの説明はこちらを。
エイヤフィヤットラヨークトル氷河についてはこちらを。



2010/04/12

Suntory Hall The 525th Popular Series

読売日本交響楽団の第525回名曲シリーズのコンサートに行ってきました。
曲目は、ブラームスのピアノ協奏曲第2番変ロ長調op.83と、ドヴォルザークの交響曲第7番ニ短調op.70。
指揮は下野竜也さん、ピアノはアンドレアス・ヘフリガーさんでした。







ドヴォルザークの交響曲第7番が素晴らしかった。
オーケストラが一体となってビシッと引き締まり、且つ、迫力があった。
ブラームスは第3楽章のチェロのソロが良かったです。







席はP席上段の中央より。
中低域がファットなRA席とはやや異なり全域のバランスはとれていた。
なお、このP席の上段の高さは、2階C席最前列と略同じ高さです。

ステージ上方の透明の反射板は、ステージと天井の中間ぐらいの高さになっていました。
客席は7割~8割が埋まった状態。
満席ではないので残響時間が長くなっているはずです。

コンサートの生の音はマルチアンプの設定に役立ちそう。
マルチアンプで多くの設定を経験し、設定による音のコントロールがやや可能になってきています。
帰りの電車で今度はこんな設定にしてみようなどと考えたりしました。

残念なことにピアノの蓋の角度(1階席側を向いている)のせいで、こちら(P席側)にピアノの直接音が来ない。
そのためピアノを遠くに感じる。
ワインヤード形式のコンサートホールの音響に合致するようなグランドピアノを開発できないものか。
鍵盤楽器はいつの時代でも最新のテクノロジーによって進化してきたのだから。