2010/08/31

DIY Speaker (2)

ミッドベースホーンに使用するコーン型ユニットをどうするか。
最初のころはPEAVEYの1208-8SPS BWX(下の画像)を考えていました。
KPT-MCM-3 GRANDのホーンと同じ12インチです。
それに12インチは使用したことがないため興味がありました。





しかし、受持ち帯域を考えると12インチというのは大きすぎるような気がします。
8インチ程度がいいのかな?と思うようになりました。
でも、8インチだとダブルにしないとダメかしら?などと分からなくなります。

そこで間をとって10インチを考え始めました。
そうなるとユニットは自動的にPEAVEYの1008-8HE BWX(下の画像)になります。
サウンドハウスで何故か安売りしており10800円。
自動的というのは安価で入手しやすいホーン用の10インチとなると、これ以外考えられないからなのです。







ユニットが決まったので、これに合わせて縦横の比率を考えてゆきます。








高さ600mm、幅820mmがいいかんじです。
縦横の比率が決まると、今度はホーン長がどのくらいになるかを検討。
この段階でホーンの計算等をしなくてはならないのですが問題ありません。
コニカルホーンをベースにした複合ホーンなので正確に計算できませんし、300Hz程度から使用するのであれば、この程度の大きさで十分以上であることが分かっているからです。








全体のおおよそのサイズ決まったので具体的な構造の検討に入ります。
今回は曲げ合板を使用し、中ほどがコニカルホーン、スロート口と開口を曲面にしてみようと思っています。






もっと煮詰めてゆきます。







さすがサウンドハウス、あっという間に届きました。
裸で音出し、2本とも問題ありません。







ダストキャップの直径は約11cm、サラウンド(エッジ)がかくれる最大直径は19cm。
以前、黄色いホーンシステム用に4本購入したときも思ったのですが、この磁気回路の大きさは異常な雰囲気です。
まさに異常なヒト用です。












スロート径を200mmから190mmに。
スロート部分を延長し、広がり率を緩やかにしました。






曲げ合板というのは使ったことも見たこともないのです。
4mm厚か5mm厚のものであれば、この程度の曲率に耐えられるようです。
これを2枚重ねる。
スロート口を構成するバッフル板は、6mm厚を3枚重ねる。
これは単に板取の都合です。

かなり難しい工作なのでネジ止めで仮組みしたいと思います。
組立て順に図面を作ってみると…







天板と底板をバッフル板とホーンの左右支持板と左右端の支持板により連結。
左右のホーン板を取り付ける。








天板と底板の左右のホーン板の間にホーンの上下支持板を取り付ける。
上下左右のフラットな支持板でホーン板が囲まれているという構造。







斜線で示すのは幅190mmの仮ホーン板。
これを仮に張り渡しておいて、左右のホーン板の間隔を実測。
その実測値が仮板のどの位置で測定されたものかをマーキング。
このデータをもとに現物合わせで上下のホーン板を作成し、完成!
と、こういう予定。


 

2010/08/30

DIY Speaker (1)

新しいスピーカーシステムを作ることになりました。
当然、それを置く部屋が必要になるわけですが…

その部屋にはJBLのControl LAがあり、これにサブウーファーのYST-SW160を組み合わせていました。
このYST-SW160は以前JBL2155Hと組み合わせていたものです。
ずいぶん経ちます。
さらに、Control LAは今から約20年前に購入したもの。

こんなシステムで軽く音楽を聴いていたのですが、やはり聴いていて面白くない。
もう少しましなスピーカーで聴きたいなぁ。
…というわけなのです。

実は、この部屋ではMAGNEPANのMMGを中心としたシステムを考えていました。
平面巨大ウーファーと組み合わせて。
しかし、MMGがダメだったらどうしようという不安があり、いつまでたってもやる気にならない。

一方、MR94A+2451Hを導入したため2色ホーンのCH-1が4つあまっています。
そのまま放置するのはもったいない。
今回はMMGを見送り、CH-1を生かそうというコンセプトでいってみることにしました。






とりあえずCH-1にちょっかいをだしてみました。
CH-1の上下のフレア部分にある凹みを埋めてみる。
凹みの全部をセメダインの穴うめパテで埋めるとお金がかかるので、丸めたテッシュペーパーを詰めてから穴うめパテをぬりつける。
しかし、乾いてから押してみるとへこんでしまう。
紙粘土ではどうだろう?








もったいない、という動機で作り始めるからにはお金をかけたくないです。
お金はかけたくないけど、安直なシステムにはしたくない。
ワンパターンではなく、新しいことに挑戦したいです。
もちろん新しくても音がダメっていうのは避けたい。
発展性も考えたいし、他の手持ちのシステムとの互換性にも配慮したい…

ワンパターンというのは、まず大型ホーン。
これを300Hzあたりでクロスさせる。
そのクロスを利用して18インチウーファーを使う。

しかし、CH-1を300Hzから使うのは苦しいです。
カットオフは250Hzなので、300Hzは無理だけど400Hzぐらいなら使えます。
しかししかし、そういうことをしても、他の手持ちのシステム、黄色いホーンシステム、縦ホーンシステム(旧2色ホーンシステム)、白ホーンシステム(改造ALTEC)を超えられない。
CH-1を生かしつつ、こうしたシステムと対等に渡り合うには?

しかししかししかし、あんまり大袈裟なこともしたくない。
だいたい、すでにやりすぎなのですよ。
それに、ワンパターンというのはもう一つあります。
それはあまりに安直なこと。

スピーカーの自作といっても箱を作るだけ。
ホームセンター等でカットしてもらえば、はっきり言って小学生でも作れてしまう。
それにホーンをのっけるだけというのでは工夫がなさ過ぎる。
そこで、難しそうだけどコーン型ユニットを使用したミッドベースホーンを作ってみようかな、と思った次第です。

CH-1の受持ち帯域を1kHz以上にすることができ、またホーンの自作を経験できます。
何より、その音に期待できますし、他の手持ちのシステムと異なる個性を持たせることができます。
それに、ミッドベースホーンの設計だけは相当やってきたのであまり不安はありません。
この設計していたミッドベースホーンというのは、2392+2490Hの低域側、すなわち300Hz以下を受持たせる化け物ホーンであり、WE16AやALTEC211がコンパクトに見えてしまうほどの馬鹿馬鹿しい代物です。
もちろん、設計の楽しみだけのものであり、作ってみようなどとは一度も考えたことがありません?

今回のホーンは300Hzから1kHz程度が受持ち帯域です。
最近のシネマスピーカーにはそうしたホーンが採用されていて参考になります。











Klipsch社のKPT-MCM-3 GRAND
ユニットは12インチ。
このホーンの名称に"Tractrix"という商標が使用されていますが、平面的なホーン面を見るとウェーブガイドホーンとして設計されているように思えます。








EV社のVariplex2-XL
8インチユニットを使用。
偏指向性ホーンです。








そしてJBL5732。
ユニットは8インチ。
放射方向には直線的、曲面がそれと直交する方向に用いられています。
この中高域のホーン部はパーツとして販売されているのですが、それを購入してしまうとCH-1を生かすことができなくなります。
それに、ホーンを上にのせただけという"お気楽パターン"になってしまいます。

共通しているのはスロート口の形状に配慮がなされていること。
円形から四角形に徐々に形状が変化しています。
また、サラウンドが露出しないようにカバーされています。
また、どれも奥行きが浅く、12インチのKPT-MCM-3 GRANDのホーンでも奥行きは60cm弱しかありません。