2023/07/08

Loudspeaker Systems Design



CelestionというとUL6とかDitton66などを思い出す方が多いだろう。
当時は、タンノイと並びイギリスを代表するスピーカーメーカーとして認識されていた、というか、英国国旗がやたら広告に表示されていた記憶がある。
現在はギターアンプやベースアンプ用のスピーカーユニット、それから業務用ユニットを主に生産しているが、設立はなんと1924年であり来年で100周年になる。
なお、Celestionと同様に現在も活動している老舗のスピーカーメーカーとしてはJENSEN(1915年設立)、Tannoy(1926年設立)がある。
あなたが生まれるはるか以前からスピーカーユニットを作り続けているCelestionのドライバーを搭載し、それを最先端のDSPで制御しているDBR15は、だから魅力十分だ。

そしてCelestionのドライバーというとAxi2050に触れないわけにはいかない。
放射状にリブが形成されているフラットなリング形状のチタンダイヤフラムを備えており、そのボイスコイル径は5インチ、ダイヤフラム外周の直径は175mmにもなる。
この独創的な形状のリング状ダイヤフラムの面積は、5.5インチのドーム型ダイヤフラムに匹敵するそうだ。
300Hzから20kHzまで再生可能という超ワイドレンジのコンプレッションドライバーである。




構造はBMSタイプのものとかなり異なる。
3重スリットのイコライザを備え、中央のイコライザの内部がバックチャンバーになっているようだ。
そして、この2インチスロートのドライバーはネオジムマグネットを搭載しているにもかかわらずかなり大きい。
外寸直径は198mm、重さも7.5kgとヘビー級である。





2023/07/02

Loudspeaker Systems Design



20cmウーファーの308PMK2は確かに素晴らしいがもっとアグレッシブなシステムが欲しいとなった場合、308PMK2をサブにして、例えば、メインシステムとしてヤマハのDBR15を導入する手もある。
KS100の生まれ変わりという訳ではないが、38cmウーファーとホーンの2ウェイ構成によるオーディオ用としては大型システムである。
さらに、ウーファー用に400W、ツィーター用に65Wの2台のデジタルパワーアンプを搭載し、これをDSPで総合的に制御している。
これで価格は1本、5~6万円なのだから驚く。




ウーファーユニットは2.5インチボイスコイルであり深めのバスケットを持つ。
このウーファーはヤマハの自社製だろうと思う。
一方、ドライバーはCelestionのCDX1-1445である。
1インチスロート、PETP製の1.4インチダイヤフラム、マグネットはフェライトである。
これらのスピーカーユニットのスペックは、例えば、タンノイのLegacyシリーズのArden(748000円/1本)に匹敵する。




DBR15で特筆すべきは、そのコンパクトなサイズであろう。
15インチクラスの箱をこのサイズでまとめるのは至難の業である。
しかも、海外のレビューではどれもサブウーファーを加える必要はないと報告している。
それだけの低音をこのコンパクトな箱で確保するためには、スピーカーユニットと箱(ダクト)の設計とDSPによる補正(デフォルトでの)機能を組み合わせてトータルでの性能を追及する必要がある。
このような設計手法を採れることがパワードスピーカーのメリットであろう。

DBR15はエンクロージャーがプラスチック製であり、また、4段変速の空冷ファンを備えている。
この点が家庭用のスピーカーシステム等には見られない点である。
まあ、家庭内での音量では箱鳴りがするとか最低速でしか回転しないファンの音が気になるということはないだろう。