2011/01/13

BUNJIN HALL

MさんBUNJIN HALLが開店した。
おめでとうございます。
(下の画像はヨハネスさんが撮影したものを拝借しました。)






BUNJIN HALLのスピーカーはD1005と呼ばれるJBL社黎明期の15インチダブルの2ウェイコーナー型システム。
D1005はPrima Vera Blonde(家具材のプリマヴェラ材)という外装のバスレフ箱の型番であると同時に、システムの名称としても使用されているようだ。
そして、この箱に130B(32Ω)のダブル、175HとH1000マルチセルラホーン、ネットワークのN1200が収められている。
このスピーカーユニットとネットワークの組み合わせキットのことをJBL社はD1050と呼んでいる。
なお、他の箱としてDark MahoganyのD1004箱やUtility Gray finishesのD1006箱がある。

箱は三角柱型であり、高さ50インチ(127cm)、幅34インチ(86.5cm)、奥行き17インチ(43.2cm)とかなりの大型。
1954年に発売されたハーツフィールドは高さ45.75インチ、幅45.25インチ、奥行き24.75インチなので、ハーツフィールドの幅をやや狭めて、その分、背を高くしたような感じ。








D1005は、ジェームズ・バロー・ランシング氏が死去された1949年の翌年に発表され、その後短い期間製造されたレアなシステム。
ヨハネスさんによるとこのBUNJIN HALLのD1005は、オリジナルの非常に状態の良い個体だそうである。
 






以前、Mさんのご自宅のシステムを聴かせて頂いた。
そのときは、まだD1005ではなくJBLの4530、2345、075という3ウェイだった。
JBLらしい音なのかなと思いながら聴かせて頂くと、その予想は完全にはずれた。
とんがったところがない非常によく練れた音。
075はWEのオイルコンデンサでクロスされていた。

BUNJIN HALLは30坪以上もあるそうだ。
この広いスペースで素晴らしいコンディションのD1005をMさんの手綱さばきで聴くことができる。
早く聴いてみたいものだ。


 

2011/01/07

Suntory Hall The 534th Popular Series

読売日本交響楽団の第534回名曲シリーズのコンサートに行ってきました。







指揮はカルロス・カルマーさん。
スメタナ/ 交響詩〈モルダウ〉(連作交響詩〈わが祖国〉から)、グリーグ/ピアノ協奏曲、ドヴォルザーク/交響曲第9番〈新世界から〉の3曲です。
3曲とも大変ダイナミックで素晴らしい演奏でした。






ピアノ協奏曲のピアノ独奏は河村尚子さんです。
かわいらしい方なのですが堂々としたゴージャスな演奏。
感動しました。

wikiによるとグリーグのピアノ協奏曲は初期版から400ヶ所以上の変更点があるそうです。
何度何度も再検討して曲を育て練り上げてゆく。
こうした努力が時空を超えた名曲を生み出すのですね。









"JBL AUDIO ENGINEERING FOR SOUND REINFORCEMENT"を買ってみた。
コンピューターに溜め込んであるJBL社の資料を見ていると、2002年6月12日付けでこの本の発売を告げるNews Releaseを見つけた。
執筆に2年かかったそうなので2000年ごろの技術水準で書かれていることになる。






10年前だけあり、ミッドレンジ コンプレッション ドライバーの項ではJBL2490HCommumityのM4ドライバーが紹介されていた。
ふ、古いなぁ…

しかし、2490Hの断面図を初めて見れたのでうれしかった。
2490Hの解説として、"a 4-inch titanium diaphragm is loaded by a 4-to-1 phasing plug and exits through a 3-inch opening."との記載がある。
まるでエキパイの説明文だね。
それはともかく、このフェーズプラグ、実物の外観はかなり迫力があります。







まだ、黄色いホーンの2360A+2446Hを入手する以前の話である。
2490Hのことを最初に知ったのはプロサウンド誌だった。
十数年前、立ち読みで見たプロサウンド誌の新製品紹介の欄に5000番シリーズが掲載されていた。
1.5インチスロートと3インチスロートのコンプレッションドライバーを使用していることが書かれており、これは衝撃だった。

何故1.5インチや3インチなのだろうか。
2インチスロートというのはJBLがJBLであるための伝統的なフォーマットではなかったのか。
それに1.5インチというのはALTECの1.4インチに近い大きさではないか。
今までの2インチスロートのホーンが使えないではないか、などと考えてしまった。

当時は2インチスロートのラージフォーマットのホーンやドライバーが夢だった。
JBLはこれを破棄せよというのか。
夢を捨てろと。
スロート径の変更という無意味なことは止めてほしいと切に願ったことを覚えている。

2インチが1.5インチに小さくなるのは残念だ。
一方、3インチになってもダイアフラム径は4インチのまま。
フォーマットを変更する意味は何だろう…

この事件がすべての始まりだったような気がする。
不変と信じていたフォーマットが変更されたことについてオーディオ雑誌はフォローしなかった。
このことがオーディオ雑誌に対する信頼感を不信感に変えていった。
そして当時一般的になりつつあったインターネットから情報を集めるようになった。

しかし、そのインターネットにも2490Hに関してはほとんど情報がなかった。
情報がないことが想像力をかきたてる。
集めた画像を眺めてみたり、CADで図面を描いてみたりと、そんなことをしても音は聴こえてこないのに。

黄色いホーンの2360A+2446Hを購入する際にも候補にあがった。
そのときは2360A+2446Hを購入すればその熱も冷めると思うことにした。
結局、熱は冷めることなく続いた。

付き合い始めて5年。
未だに本領を発揮させていないような、そんな気がしている。