2004/03/18

幸せの黄色いホーン 38話 新しいウーハー部の音出し



2004年12月27日の夕方、やっと音出しになりました。ローライダー18のユニットを購入したのは8月半ばでしたから、例によって5ヶ月ぐらいモタモタしていたことになります。その間何をしていたかというとサボっていたわけで、箱の製作時間はのべ3日程度のものでした。楽しみながら作業を進めることができたものの、箱が重くて一人で作るのは限界という感じです。




設定は以下のようなものでした。ローライダー18と2446Hとのクロスオーバーは500Hz(18dB/oct)。2446Hと並列に接続されている2402H-05のフィルムコンデンサの容量は2.47μF。ロー、ミッド、ハイは全てアブソリュートでの正相接続。ロー側のディレイは60cm、EQ等の設定はしていません。チャンネルデバイダはSH-D1000+EQCDソフト、ロー側のアンプがEP1500、ハイ側のアンプが222ESJです。もはや意味がないように思えたのでサブウーハーのYSTは接続していません。




音出しをしてみると低音が硬く、ドンというような詰まった音でした。最低域のノビもなく分解能が低いです。これはエージング不足が原因でした。外出するたびにウーハー部だけを駆動して一週間ほど無責任鳴らし込み?を行うと、徐々に低音の分解能が向上し硬さがとれてきました。最低域のノビや躍動感も出てきたので一安心です。測定してみたところ最低域まで十分に再生できていました。

2155Hのウーハー部と比べると、低域の再生能力は大したものだと思いました。2155Hのウーハー部は最低域の極端なブーストを行い、さらに最低域の迫力を補充するためにYSTを約50Hz以下の領域で動作させていました。しかし、ローライダー18は、EQがフラットな設定にもかかわらず十分な満足感が得られます。もちろん、エージングが落ち着いてきたら最低域のイコライジングを行う予定ですが、2155Hのウーハー部に施していたような極端な設定は不必要ではないかと思っています。

2360A+2446Hとローライダー18の相性は悪くないと思いました。46cmウーハーの中低域の再生能力について若干不安がありましたが、エージングの進行に伴い素直で自然な感じになり、こうした不安は解消されました。ローライダー18を裸で鳴らした時のカンが当たっていたようです。このローライダー18のキャラクターは、1808-8SPSと同様に重苦しくなく、その一方、JBLのような細身になりがちな傾向でもありません。素直で癖がないため2360A+2446Hのキャラクターとぶつからないのだと思います。

箱鳴りもありませんでした。箱を24mm厚のシナ合板で製作したこと、24mm×75mm×520mmの補強材を天板と両側板に各2本づつ計6本、24mm×120mm×520mmの補強材を底板に2本配置し、これら計8本の補強材によりバッフル板と背板を連結するように接着したのが効いているようです。

今回、2402H-05のコンデンサ容量を減らしました。これは正解でした。エージングを進めるため大きめの容量(3.47μF)にしていたのですが、これはやはり大きすぎたようです。高域のしなやかさが増し、繊細な感じが出るようになりました。

JBLエベレストDD55000を低域側にシフトしたような構成の今回のシステムは、そういう意味においてオリジナリティがありませんが、長い付き合いになるような気がします。それに、これ以上の大きさの箱を作ろうという気には当分なれないでしょう。エージングにより1808-8SPSのように改善されていくことが期待できそうなので先が楽しみです。






2004/03/17

幸せの黄色いホーン 37話 箱を作ろう



ローライダー18を入手したころは、今の箱を改造して流用するということを考えていました。奥行きを10数センチ延長すればそこそこの内容積が稼げるからです。なんとなくローライダー18に対して半信半疑だったのでしょう、手軽な改造でごまかしてしまおうと思っていたのです。

ある夜、ユニットを包装箱から出し、フランジの取付けボルト穴の周囲にはみ出している接着剤を電動ドリルに装着した円筒型の砥石を用いて削り落としていました。作業が終わると、裸で鳴らしてみよう、と思い立ちました。電子ピアノ用のシステムにつないで聴いてみると、低音も高音も出ていませんが、コーン紙の上に音楽がふんわり浮かび上がります。サブウーハー用のユニットなので、力まかせの強い音を想像していたのですが、そういう音ではないです。素直で自然な感じ。これは真面目にやる価値がありそうだと思いました。




こうした訳で計画変更、ちゃんと箱を作り直すことにしました。今までは21mm厚のシナ合板ばかり使っていたのですが、今回は24mm厚を使用することにしました。板材の値段の価格差が小さいことと、ローライダー18のパンフレットには20mmから30mm厚の高品質の合板で作れと記載されていたからです。

同パンフレットには実効容積で142L(5キュービックフィート)、191L(6.75キュービックフィート)、255L(9キュービックフィート)の小中大3種のバスレフ推薦箱について丁寧な解説がなされていました。箱の計算ソフトを使って計算してみると220L前後が適しているようです。

JBLの2242Hのパンフレットには、225L(8キュービックフィート)バスレフ箱の特性グラフが、また、2241Hのパンフレットには、280L(10キュービックフィート)バスレフ箱の特性グラフが掲載されています。いずれもダクトチューニングは30Hzです。ローライダー18の255L(9キュービックフィート)バスレフ箱のダクトチューニングも30Hzです。このクラスのユニットは、この程度の実効容積を想定して開発されていることが分かります。

CADと箱の設計ソフトを使用して設計を進めてゆきました。箱が大きいので設計では一人で作業可能な作りやすさを考慮しました。今回は、最初に天地板や側板にそれぞれ補強材を接着し、それらT字型の端面により、裏返しに寝かせたバッフル板の上に天地板や側板を自立させるようにして接着しました。

内寸容積が273L(内寸772W×681H×520Dmm、外寸820×750×568mm)です。補強材、ダクト、ユニット、少量の吸音材により減少する容積を計算すると約30L。したがって実効容積は243Lになりました。ダクトチューニングは約30Hz、ダクト開口は120×120mm、ダクト長224mmが2本です。25Hzまで再生できそうです。

最低域はEQで調整できるためダクトの設定は欲張っていません。また、ダクトのもやっとした音が好きではないためダクト長を短め、そして開口面積も小さめになっています。なお、今回ははかまを作らず上げ底にし、底板の振動が直接床に伝わらないようにしました。

メインシステムから退役した2155Hをピアノモニターにするための小型のバスレフ箱も同時に製作しました。4つの箱で21mm厚サブロク板2枚と24mm厚サブロク板を4枚使用するという今までで最大規模のDIYです。渋谷の東急ハンズでカットしてもらいました。また、今回はスピーカーターミナルにスピコンコネクタ(ノイトリックのNL4MPR)を使ってみました。