2013/02/19

DIY MR94 of S-san and his friend (2)

Sさんのご友人によるDIY MR94の製作過程です。
さあ皆さん、ディスプレイを穴があくまで見つめてください!



材料は18mm厚のバーチ合板だそうです。
この合板の大きさは1200mm×2400mmでしょうか?


なんだかプロの工房のような雰囲気です!


原寸大の型紙と冶具です。


なるほど、角度がある場合、紐にテンションを与えて圧着するのですね。


接合部分には組み木がしてあります。
凄い木工技術!


組み上がった上下のホーン壁面部材に左右の部材を慎重に組合わせているところです。



う~む、この接合過程が一番難しいような気がします。


おおっ、ベル部分が組みあがりました。


隙間もなく組みあがりました。
完璧な手際!!


ん? これは何をしているのでしょうか??


端の余分をカットしたのですね。
この工具、なんていうのだろう。
見たこともありません。


そして 綺麗に仕上げる。
いつもサンドペーパーをとりつける安価なサンダーを使用していますが、これは別物のようです。
なんだか物凄い迫力の工具です。


これは縁部分ですね。
シロートには到底無理だと思われる凄い木組みです。


この4つの穴はなんでしょう?


おおおおっ!
ダボで組み付けるとな!!


 ホーン部がこうして完成。


 スリット部の周囲は積層構造!


積層部分も謎の工具できれいにしています。



JBL 2365のスロート部分はちょっと短いので、スロート部分を延長するための延長スロート部分を製作されたようです。


縦にするとこんな具合です。
積層の厚みが凄い。


延長スロート部の貼り合わせにもダボ!
う~む、ダボってやったことないです。
なんと素晴らしい。


美しい仕上がりです。
どうするとこんなにきれいに仕上げられるのでしょう?


JBL 2365のスロート部分の内壁面ともきちんと整合しています。
なんという工作精度の高さ!


JBL 2365のスロート部分を取り付けて完成。
素晴らしい仕上がりですし、とても立派です。
脱帽です。感動しました!
貴重な画像の提供、ありがとうございました。






 

Sさんにいくつかの質問をしたところお返事のメールを頂きました。

「さてお尋ねの件ですが資料室にてご指摘のとおり以前の写真に写っていましたのが1号機で私が所有しているものです。
そして友人の物は2号機になりまして、もう一台同じ物を保管しておりますので計3組製作しました。
JBL 2365Aのスロート部の2365Tを使用したのは私のモデルだけであり、他のものはそれを参考にしてバーチ合板にて製作されています。」

下の画像は1号機を試されているころのご友人のシステムです。
見事な木製ラジアルホーンもきっとご友人のお手製なのでしょう。
凄いなぁ…




下の画像はそのバーチ合板製のスロート部です。
ドライバーはBMSの4592NDですね。


「友人に製作時に工夫した点は?と聞きましたら特にないという素っ気ない返事でした。
彼は今まで10台以上木製ホーンを作って来ていますので以前の無垢材や集成材を使った大型ホーンに比べると楽だったとのことです。
後ほど製作時の写真を送らせていただきますので参考までに。」

やはりご友人の方はホーン作りのベテランさんだったのですね。
本当に凄い木工技術です!







「ALTEC MR945AとMR94との比較についてですが、MR94の音質レベルを探る為に購入しましたのでまったくの同条件で比較出来ませんでした。
しかし、MR94より945Aの方がかなり元気な音が出ていたような気がしています。
特に高域において。
これは恐らくスリット部の開口寸法の違いからきているのでは無いかと推測しています。
特にスリット部の幅がMR945Aが3cm、MR94が2cmでこれが一番効いているのではないかと。
MR94はkiirojblさんもおっしゃっていますように素直な音質と言うのに尽きると思います。」

下の画像は、MR945Aを試されている頃のSさんのシステムです。

 
定指向性ホーンのカットオフ周波数は水平、垂直指向性のそれぞれ低域側と高域側の4箇所にあります。
MR945AやMR94の水平指向性の高域側のカットオフ周波数はスリット幅により決定されるため、Sさんのご指摘は正しいと思います。
スリット幅が広がると、能率は上がり、高域の指向性が急激に狭くなる周波数が低くなるからです。
 
 
 
 
 
「DIY MR94に組合わせているドライバーは、私はSelenium D405 TRIO、友人はBMS 4592NDです。
聴き比べてみると着色が無く正確な音を出すのはBMSです。
これほどの高性能ドライバーは他にあまり無いのではと思う程です。
しかし同軸タイプのこのモデル(4592ND)はトゥイーターの音も出してしまうといくらイコライザーで補正しても納得いく音は出ませんでした。
やはりスロート部の長さが影響しているのではないでしょうか?
そこでBMSのトゥイーター部を殺し、私が同時に購入していましたSelenium ST400 TRIOを付け加えてみますと
素晴らしいバランスで鳴りだしました。
オーディオを始めて長いのですがこんなに美しい高域を出すトゥイーターは初めてお目にかかりました!
これには友人も同意見でSeleniumのサイトを覗くとこのモデルが製造中止になったようで二人とも予備にもう1セット購入した程です。」

「D405 TRIOの音には正直、癒されます。
BMSほどの正確さは感じられないのですが、これがフェノリックの音なのでしょうか。
音に潤いがあって手放せません。」



下の画像は、SさんのD405 TRIOとST400 TRIOです。
大規模自作ネットワーク!



確かにST400 TRIOがセレニウムのサイトに表示されていない時期がありました。
Selenium ST400 TRIOは、現在JBL Selenium ST400 BLKになっており、黒色の塗装仕上げになってしまいました。
ST400 TRIOと ST400 BLKのスペックシートのデータは完全に一致しており、外装以外は同一製品のようです。
また、ST400は、JBLのMarquis Dance Club Seriesに搭載されています。








Sさん、そしてご友人の方、貴重な情報、大変ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。


2013/02/16

DIY MR94 of S-san and his friend (1)

SさんDIY MR94です。
ウッディな雰囲気が素晴らしい!
また、大変精密に作られているように思います。
JBL 2365のスロート部と組み合わされています。


上の画像、Sさんのスピーカーシステムの概要です。

Sub Woofer  Peavey 1808 SPS BWX アイソバリック
Woofer        GPA 515-8HHP
Mid-Low        DIY MR94(スロート部はJBL 2365)+Selenium D405 Driver
Mid               ハードメイプル製ホーン+Radian 475 Driver
Mid-High       Selenium ST400 Trio
High              ハードメイプル製小型CDホーン+BMS 4540ND

エンクロージャーとDIY MR94はバーチ合板の30mm厚と18mm厚で製作されたとのことです。


下の画像はご友人のシステムです。
現在のSさんのシステムに搭載されているMR94は、2012年5月に頂いたメールに添付の画像では、ご友人のシステムに搭載されていました。
ですから現在のSさんのシステムのMR94が一作目で、現在のご友人のシステムのホーンが二作目なのでしょうか?
よく見比べてみると縁部分の幅が異なります。


ご友人のシステムの概要についてのSさんの説明です。

「ウーファーはPeavey 1508 HE BWX からPrecision Devices PD.1550に変更されています。
600Lの密閉箱にはアダプターを介してPeavey 1801 を 同相接続でアイソバリック化しており、従って、18インチユニットがもう一台ボックス内に収まっています。」

「Peavey 1508 HE BWX を箱から取り外し、Precision Devices社のPD.1550を取り付けると音の出方がまるで違うのに仰天しました。
その立ち上がりと立ち下がりの速さに格段の差があるように思います。
私のシステムのGPA515-8 HHPよりもアグレッシブな感じです。
PD.1550とGPA515とは、総重量もマグネットの強力さもさほど変わらないのにこの差はなんなのでしょう?
PD社の製品に興味を持ちました。」



2013/02/08

TOSHIBA Grand Concert 2013 at Suntory Hall


妻が第32回東芝グランドコンサートのチケットを2枚もらったので、二人で行ってきました。






ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団。
指揮はヤニック・ネゼ セガンさん。
ピアノはヤン・リシエツキさん。
曲目はベートーヴェンピアノ協奏曲4番と、ラフマニノフ交響曲2番。

ピアノ協奏曲、素晴らしかったです。
2階席の後ろの方でしたが、ヤンさんのダイナミックな演奏の熱気が伝わってきました。
オーケストラはそのダイナミックなピアノに遠慮することなく、重厚で格調があり、しかし、若々しくアグレッシブという、これまた非の打ちどころのない演奏。
感動しました。

交響曲も素晴らしかった。
指揮者のヤニックさん、指揮台から落っこちるのではないかと思うほどの熱演。
第3楽章が夢のように美しかった。
参りました。

なお、オーケストラの配置が変わっていました。
中央奥がコントラバス、上手側の壁面前にティンパニと大太鼓。
コントラバスの手前にチェロがあり、低音を中央に集めたような配置でした。

というわけで、すっかりロッテルダムフィルハーモニーのファンになってしまいました。
CD買おうっと。







先日、NHK美の壷の土鍋の番組を見て、伊賀長谷園の土鍋を購入した。
それから山田工業所の中華鍋GEOのステンレス鍋を6種類銅製の天ぷら鍋を立て続けに注文。
最後に燕市の山崎金属工業株式会社(YAMACO)のFishmotifのカトラリーを購入した。
米国の販売サイトはこちら(Yamazaki Gone Fishin)

5組とサービススプーン/フォークで約4万円もしたが、重厚感がまるでなく、デザインのみで正面から勝負している感じ。
山崎金属は1918年の創立。
ノーベル賞の晩餐会のカトラリーも供給しているという老舗ですが、こういう製品も作れるというのはたいしたものです。









2013/02/06

Mr. Exclusive's DIY MR94


エクスクルーシヴさんDIY MR94です。
初めてこの画像を見たときはうなってしまいました。
大型定指向性ホーンに挑戦するという決意が凄いし、木工技術も凄い!
さらに驚くべきことにJBL 2490Hと2392のスロート部が取り付けてあります。
これには本当に驚きました。
2360にも凄いドライバーが取り付けてある!






以下は、エキサイトの旧資料室における書き込みです。

Commented by エクスクルーシヴ at 2012-12-17 15:26 x
初めまして、エクスクルーシヴと申します。
豊富な資料・情報をよく拝見させて頂いてます。
ところで私、JBL 2490Hを入手したのですがホーンが無く、このページのDIY MR94を参考に自作してみました。音はともかく何とか形は出来たようです。http://ex2009.exblog.jp/18955997/
この記事のおかげと思い感謝致します、ありがとうございます。
今後も幸せの黄色いホーン様の記事拝見させて頂きますので、よろしくお願いします。


Commented by kiirojbl at 2013-01-30 06:58 x
はじめましてエクスクルーシブさん。
ブログ拝見させていただきました。
素晴らしいです!
MR94の採寸をした甲斐がありました。
とてもうれしいです。

一つ質問があります。
2392ホーンのスロート部の大きさに合わせてホーン全体の大きさを拡
張されたのですか?
それから、もしよければ赤いホーンの画像を使用してもよろしいでしょうか?
資料室で紹介したいと思っています。
これからもよろしくお願いいたします。


Commented by エクスクルーシヴ at 2013-02-02 10:49 x
どうもお返事ありがとうございます。
>MR94の採寸をした甲斐がありました。
実物から採寸されたのですか、勝手に利用させていただき、それはありがとうございました。
>2392ホーンのスロート部の大きさに合わせてホーン全体の大きさを拡張されたのですか?
そうです、縦横だけドライバーに付属していたスロートアダプター開口寸法分拡大しました。前後寸法は同じです。
赤いホーン画像どうぞご使用ください。
ブログリンクさせていただきます。
こちらこそこれからもよろしくお願いします。







赤いホーンが実に印象的。
エクスクルーシヴさん、リンクをありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。




Sさん
ブログ作りましたか?
もし作られていないのならSさんのホーンも紹介したいのですが…

2013/01/30

JBL 2332 and 2352 (12)

ビーム現象を生じているかいないかは、軸上(on-axis)のレスポンスグラフを見ると分かります。
エクスポネンシャルホーン、ハイパボリック、トラクトリックスのようなホーンの場合、それらの軸上のレスポンスグラフはたいてい高域までフラットです。
これは高域のエネルギーがうまく分散せず、ビームが出てしまっていることを示しています。

高域のエネルギーが分散されると、ビームの発生により上昇していた軸方向の音圧は低下し、カバー角の範囲内におけるそれ以外の方向での音圧は逆に上昇します。
このため、定指向性ホーンでは高域の軸上のレスポンスがおおよそ-6dB/octで低下します。
定指向性ホーンにおいて帯域別のEQ補正が必要なのはこうした理由です。




上のグラフはカバー角が90°の2352と、40°の2354の軸上のレスポンスグラフです。
カバー角が小さい2354のレスポンスグラフでは、高域のレスポンスの低下が小さいことがわかります。
これは、超高圧の音の塊がカバー角が広いほど分散されるからです。
2352では音の密度が十分に薄まり、一方、2354においては分散の程度が低く、その音はかなり濃密であると表現できると思います。

ところで2354のような定指向性の40°ホーンは、しかし、ビームを発生しているわけではありません。
カバー角度の範囲内において"濃密"であってもムラなく均一に分散されているからです。
こうしたホーンは、どのような音なのでしょう。
この点については、定指向性の40°ホーンであるALTEC MR2 542ホーンについてのヨハネスさんの感想が参考になります。

"距離をおいて喋っているのにすぐ傍で喋られているように聞こえる。"

90°ホーンが近距離用(short-throw)、60°ホーンが中距離用(medium-throw)、40°ホーンが遠距離用(long-throw)と呼ばれているのが理解できます。
しかし、40°ホーンではリスニングルームでの音楽鑑賞は難しいと思います。
コンプレッションドライバーによってもたらされた超高圧の音の塊は、適切なホーンを使用し、ほどよく薄めてやらないとオーディオマニアが求めるVividな音にはならない、ということです。

2013/01/28

JBL 2332 and 2352 (11)

スロート口において生成された超高圧の音の塊は、Vividな音の元になります。
リスニングルームの中に楽器の発音部に似た状態を現出させることができたからです。
しかし、この超高圧の音の塊、残念ながらかなりの難物なのです。



上の図は、スナウト付きのコンプレッションドライバーとエクスポネンシャルホーンを組合わせたもの。
ダイアフラム表面とフェーズプラグ表面との間で発生したオレンジ色の圧力は、フェーズプラグを通じてフェーズプラグの端面に集合して赤い超高圧の音の塊になります。
スナウト部分の内壁はほとんど広がらず、また、エクスポネンシャルホーンの入口付近の広がり率も小さいので、この超高圧の音の塊は広がって減圧することなくそのまま射出されるようなイメージになります。
まるで砲身から発射される弾丸のようです。

エクスポネンシャルホーンの広がり率は、スロート口からの距離の二乗に比例して増えます。
スロート口付近では、ほとんど広がっていきませんが、途中から急激に広がり始めます。
波長の長い低周波ならばこの急激な広がり部分においてもホーンの内壁に沿って広がってくれます。
低音は回り込みやすいという性質を持っているからです。
しかし、波長が短い高周波は、急激に広がってしまうエクスポネンシャルホーンの内壁に沿って広がることができません。
その結果、超高圧の音の塊が、ほぼそのままの状態を維持して弾丸のようにホーン中央から発射されることになります(右側の赤い部分がその弾丸)。
これがホーンのビーム現象です。

下の図を見てみると、エクスポネンシャルホーン、ハイパボリック、トラクトリックスの3種のホーンが、このビーム現象を起こすホーンであることが理解できると思います。




ホーンのビームが生じると、これは聴いていられません。
絵画を鑑賞しているときに絵画側からカメラのフラッシュを頻繁にたかれるようなものです。
オーディオマニアにとって、定指向性ホーンというのは、このビームを生じない点で有用なのです。
超高圧の音の塊の最大の問題であるビームを回避し、超高圧の音の塊から生じるVividな音を得ることができるからです。



2013/01/25

JBL 2332 and 2352 (10)

ホーンからVividな音が出るのは何故か?ということを最初に考えておく必要があります。
これが理解できないとホーンの仕組みの話をしてもイメージできない。

Vividとは(色彩・光などが)鮮やかな、鮮明な、強烈な、というような意味です。
オーディオ雑誌で使用されている原音再生という言葉は究極的にはVividな音を再生できるかどうかということを問題にしています。

マイクで音を拾い、それを電気的に増幅し、最後にスピーカーから音を出すというのがオーディオシステム。
これを少し詳しく見てゆくと、こんな具合です。

(1)楽器から音が出て、
(2)音が空気中を伝播し、
(3)その音がマイクの振動板を振動させる。

(4)マイクの振動板の振動は電気信号に変換され、
(5)アンプでその電気信号を増幅、
(6)増幅された電気信号がスピーカーに供給される。

(7)スピーカーの振動板が振動し、
(8)音が空気中を伝播し、
(9)聴取される。

(1)の楽器から音が出る、というのはヴァイオリンの弦やシンバルの金属板の振動が空気を"叩く"ことです。
固体の振動エネルギーが気体である空気に伝播する。
発生した音、即ち空気の粗密波は、(2)の音が空気中を伝播することによって、ややマイルドになります。
マイルドになった音はマイクの振動板にぶつかってエネルギーを伝播し、マイクの振動板が振動する。



アンプで増幅してスピーカーの振動板を振動させても、再現されるのはマイクで拾った音です。
マイクで拾った音は空気中を伝播しマイルドになってしまった音。
ならばマイルドになってしまう前のVividな音を収録すればいい。

その方法は、なるべく楽器に近い位置にマイクを設置すること。
できれば楽器の発音部の振動を直接マイクで拾う。
これだけでは不自然な録音になってしまうので、初期反射や残響を別のマイクで拾いミックスする。

こうした録音方法を採らずとも手はあります。
それがホーンを使うということ。

固体の振動エネルギーを気体である空気に伝えるためには空気を効果的に"叩く"必要があります。
しかし圧力が高まればすぐに大気圧である他の場所へ逃げ出してしまう空気を効果的に"叩く"ためには空気を狭い場所に閉じ込めておくのが一番。
これなら大気圧である他の場所へ移動できない。
そしてこれを可能にするのがコンプレッションドライバー。
厳密に言えば、コンプレッションドライバーのダイアフラム表面と、このダイアフラム表面に向かい合っているフェーズプラグ表面との間の狭い空間で空気は効果的に"叩かれる"。

でもコンプレッションドライバーの秘密はこれだけじゃない。
フェーズプラグの複数のスリットを通してダイアフラム表面とフェーズプラグ表面との間で発生した全ての圧力がスロートに集合させられる。
ここで超高圧の音の塊が作られる。
コンプレッションドライバーは、マイクにより集音されたマイルドな音をベースにしつつ、楽器の発音状況を越えた猛烈な高エネルギー状態を作り出せるということです。



ここで空気のことを少し考えてみる。
扇風機(electric fan)の正面に立つと気流がこちらに向かって流れていることが分かる。
しかし、扇風機の背面に立つと気流は発生していない。
扇風機背面側の近くの空気をまんべんなく引き込んでいるにすぎない。
だから正圧と負圧の発生メカニズムは性質が異なる。

爆弾が爆発すると衝撃波が目視できます。
見えているのは正圧。
しかし負圧はこの正圧を際立たせている。
圧力差が大きいほど屈折率が異なるから。

"叩く"と表現すると正圧を連想するが、コンプレッションドライバーは負圧の発生においても優れている。
そして負圧をしっかり再現できると正圧が引き立つ。
アブソリュートの位相の話、だから本当は正相、逆相が分かりにくいスピーカーが優れている。

2013/01/23

JBL 2332 and 2352 (9)

2352ホーンの導入に迷っていた頃、気になっていたのはそのBeamwidth vs. Frequencyのグラフ図でした。
下のグラフがそれです。


垂直指向性(Vertical)が2kHzから8kHzに向かってどんどんナローになっていきます。
新型の定指向性ホーンなのに何故こんな特性なのかと。
下のグラフは2360Aのもの。
こちらではそうした傾向は見られません。


この2352の垂直指向性の特性はスピーカーから遠く離れた席でも子音を明瞭に聴かせる目的があるのではないかと考えています。
映画館のスクリーンに近い客席は指向性の広いスピーカーでなければカバーできません。
しかし、スクリーンから遠い客席に音を届けるためには指向性は狭くても良いからです。

米国人はthの発音のような摩擦音や破裂音に敏感なのではないかと思っています。
会話していてもこれが聞き取れないと「今、なんて言った?」と聞き返してくる。
日本人は舌の筋力が弱くこうした英語の強烈な摩擦音や破裂音は発音できないし、聞くことにもなれていない。
JBLトーン、という言葉もこれが原因ではないかと。

垂直指向性を絞って、この摩擦音や破裂音を遠くの席でも聴き取りやすくしているのではないでしょうか。
一方、水平指向性をこんな具合に絞ると、これは視聴エリアの設定ができなくなってしまう…

2352はJBLのフラッグシップである5000番シリーズに採用されているホーンです。
ですから2352が導入される映画館は客席数も最大規模であり、また、JBLの商品ラインナップの位置づけとしては中規模用の2360Aより格上のホーンになります。
こういう配慮で作られているとしたらシロートが口を挟むような特性ではない、ということかもしれません。

2013/01/16

Nash Healey

1954年に公開された麗しのサブリナのDVDを見ました。
ヘプバーンのあれ。
ロケに使用された豪邸はパラマウント社長の邸宅だったとか。
この映画に登場するこの車、気になって調べてみました。


Nash Healeyというそうです。
1951年から1954年にかけて生産されたスポーツカー。
戦後初の米国のスポーツカー。
もっともシャシーは英国のHealeyが担当、エンジンは米国のNash MotorsのOHV 3.8L。
これは1952年にPininfarinaによってデザインされたボディを備えています。
国際色豊かですね。

でも、当時のシボレーコルベットが3513ドルだったのに対し、このNash Healeyは5908ドルもしたそうです。
エンジンをアメリカからイギリスに運んでシャシーに搭載し、それをイタリアに運んでボディをのせる。
それをアメリカで販売するからです。

当時のCorvetteというとC1ですね。
下の画像の白いのがC1、赤いのはデトロイトショーで発表したてのC7
ところでC7、なかなかいいじゃないですか。




映画に登場する車はこのサイトで調べることができます。
右上のTitleの欄に例えばsabrinaと入力し、Searchをクリックします。
サーキット走行と燃費の話ばかりの車の雑誌やTVはほっといて、映画を通して車のある生活を楽しみましょう。




ようやくコルベットらしくなったね。


2013/01/14

BMW N62

今日は雪。
760LiにはX-ICE2を装着したものの出かける気にはなれず、相変わらず車のことを調べています。



E65 745iに搭載されているN62エンジンには可変吸気機構が搭載されていて、そのことはCG選集"ラクシュリーBMW"の259ページに解説があります。
Vバンクにある渦巻き型のマニフォールド部(マグネシウム製)の内部の円筒が回転することでマニフォールド長が270mmから670mmまで可変するそうです。

その解説にはさらに、マツダのルマン用ロータリーエンジンでもそうした可変吸気機構が採用されていたことが述べられていました。



Racing on誌を入手して調べてみるとMazda 787Bの可変吸気機構ではボールベアリングとプーリーを使用しており、伸縮長は175mmだそうです。



787Bの排気音は2ストロークエンジンみたいです。
思い出したのはYAMAHAのYPVS。
2ストロークエンジンの排気タイミングを可変させるというもの。
30年ぐらい前、初めてYPVSの動作を見たときはわりと簡単な機構なんだなぁと思いました。
吸気と排気という違いはあれど、可変吸気機構とYPVSの動作は、おそらく同じようなもの(エンジンの回転数に応じてディバイスが回転したりスライドしたり)ではないかと。

RX7(FC3S)のターボエンジンは凄かった。
この加速はオートバイ並ではないかと思いました。
乗っていたRZ250(水冷2ストロークツイン)のような加速感。

YAMAHA YZR500 OW35KN

マツダはロータリーエンジンをやめてしまうそうです。
環境性能云々というよりも、もはや話題性もなく売れないのでしょう。
う~ん、もったいないなぁ。
パワーダウン版をロードスターにでも搭載して作り続けてもいいのではないか。
好き者はどこにでもいると思うんだけど。

1991年にルマンで勝つことになるけれど、その挑戦の端緒は1973年のシグマMC73になると考えられる、という記載がRacing on誌にある。
だから実にもったいない、と思う。
長い時間をかけ試行錯誤(trial and error)の果てに技術を完成させること、崇高なことだと思う。
そしてそれを大切にしてゆくこと、これこそが技術を文化に昇華させる行為ではないかと。



2013/01/04

SONY ZS-S10CP

ラジカセの調子が悪いのでソニーのCDラジオを購入。
Amazonで3518円。
61件のカスタマーレビュー、5つ星のうち4.4。
10秒も考えずに購入決定。



スピーカーは8cm、出力は1W+1W。
やや音がこもり気味。
でも、このこもり音で高音と低音のバランスをとっている。
うまいまとめ方だと思う。

お気楽な音楽生活ならこれ一台で十分。
それにしても安いなぁ。


2013/01/03

Lamborghini Aventador

AventadorとReventón。
フラッシュのせいでうまく色がでてないです。 Aventadorのオレンジは赤みが強い色です。
Reventónのグレーも濃いです。

低い全高、跳ね上げ式のドア、V12気筒エンジン。
スーパーカーの条件?



机の上が駐車場のように。
マヌケだ。





Lamborghini Murciélago

あけましておめでとうございます。
今年もよろしく。





ランボルギーニのデザインが好きになりAutoartのダイキャストモデル(1/18)を購入。
ムルシエラゴの初期モデルと後期のLP640です。
黄色のが初期型、緑がLP640。

ミニカーを購入したのは生まれてはじめてなのです。
新鮮だ!