下のグラフがそれです。
垂直指向性(Vertical)が2kHzから8kHzに向かってどんどんナローになっていきます。
新型の定指向性ホーンなのに何故こんな特性なのかと。
下のグラフは2360Aのもの。
こちらではそうした傾向は見られません。
この2352の垂直指向性の特性はスピーカーから遠く離れた席でも子音を明瞭に聴かせる目的があるのではないかと考えています。
映画館のスクリーンに近い客席は指向性の広いスピーカーでなければカバーできません。
しかし、スクリーンから遠い客席に音を届けるためには指向性は狭くても良いからです。
米国人はthの発音のような摩擦音や破裂音に敏感なのではないかと思っています。
会話していてもこれが聞き取れないと「今、なんて言った?」と聞き返してくる。
日本人は舌の筋力が弱くこうした英語の強烈な摩擦音や破裂音は発音できないし、聞くことにもなれていない。
JBLトーン、という言葉もこれが原因ではないかと。
垂直指向性を絞って、この摩擦音や破裂音を遠くの席でも聴き取りやすくしているのではないでしょうか。
一方、水平指向性をこんな具合に絞ると、これは視聴エリアの設定ができなくなってしまう…
2352はJBLのフラッグシップである5000番シリーズに採用されているホーンです。
ですから2352が導入される映画館は客席数も最大規模であり、また、JBLの商品ラインナップの位置づけとしては中規模用の2360Aより格上のホーンになります。
こういう配慮で作られているとしたらシロートが口を挟むような特性ではない、ということかもしれません。
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