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2020/06/17

DIY Keyboad Stand (2)






材料の24mm厚のラワン合板はオカモク楽天市場店から購入しました。
24mmx920mmx1830mm(6980円)1枚、24mmx600mmx900mm(2480円)2枚、カット代は常識の範囲内であれば無料、送料も合板1枚そのままなら非常に高価ですがカット済みなので880円でした。
なによりカットの精度が高く、反りもわずかで、梱包も極めて厳重、大満足のお店でした。




各部は2枚貼り合わせたので48mm厚になっています。
新凱旋門のような2つの脚部は奥行600mm、幅220mm、高さ610mm。
2つの脚部を連結する連結材は、長さ915mm、幅180mmです。
なお、脚部の高さは低く抑えてあり、押し入れの下段にピアノごと押し込めるようにしました。
難しい工作ではありませんが、脚部がきちんと正方形というか、各角部が直角に接着固定されるよう、接着乾燥中に気を配りましょう。
なお、ペンキはアサヒペンインテリアカラーの壁用つや消し白を用いました。




当初は設計図のように連結材を2本にする予定でしたが、1本でも強度は十分かなぁと思うようになり、外観のすっきりさを優先して1本に変更しました。




連結材は、木部同士は木工用接着剤を塗布し、8枚の帯金物で固定しました。
帯金物はダイドーハントの24F1というものです。
amazonで1枚287円でした。
1枚の帯金物には12本の木ねじを使用したので、全部で96本の木ねじを締めることになりました。
なお、帯金物には金属も接着できるという万能接着剤を塗布しました。
強度抜群、がっちり固定できました。




組立手順としては、脚部を天地さかさまにして下方の金具を先に取り付け、その際に下方の金具に対応する下穴を連結材にキリであけておきます。
そして画像のような状態にしてから連結材を載せて下側から木ねじを締めこみます。
最後に上部から帯金物を木ねじで取り付けておしまい。




おおっ、キーボードちがいですけど、これはカッコいい!?




2020/05/18

DIY Keyboard Stand (1)



DIYホーンシステムにキーボードを組み合わせることにしました。
そのためにはキーボードスタンドが必要です。
市販品には気に入ったものがなかったので、DIYすることになりました。

デザインを行うにあたって、一般的なキーボードスタンドの視覚的構成を考えてみました。
たいていはキーボードを載せる台に脚部がついているという構成です。
そのキーボードを載せる台はあまり目立たず、脚部は細くて貧弱な印象を与えるものばかりです。

キーボーディストにとって、キーボードスタンドはしっかりしたものであって欲しい。
そこでしっかりした脚部を想定しながらキーボードを載せる台の役割についても考察を進めてゆきました。
結局、左右の2つの脚部に直接キーボードを載せるというデザインコンセプトを中心にして、そのバリエーションモデルを検討してゆくことになりました。
こうしたデザインの検討には、DIYホーンシステムとのデザインの親和性も考慮しました。







2019/12/28

2019 Audio Hobbies



今年のオーディオは色々ありました。
5月にDIYホーンシステムが完成。
M2タイプの2つのホーン(2451H、2431H)の音は、2360AやMR94の高い鮮度はそのままに、さらにくっきりすっきりした新しい音でした。
2360AやMR94は45年も前のホーンですから、これは仕方ないと思います。

M2タイプのラージフォーマットホーンは、JBLの技術者の方々も聴いたことがないかもしれません。
おそらく世界に一つの最新鋭大型ホーン。


大きい画像1
大きい画像2


8月には黄色いホーンシステムの残留ノイズを除去しました。
これがグイグイイコライジングに発展し、ついにDEQ2496のオートGEQとPEQを使用することによりオリジナルのイコライジングカーブを作ることができました。
さらに、この設定はソースや音量に対応できる4種類のカーブバリエーションに発展しました。

オーディオとは趣味人が各自好みの虚構空間を創出し、その虚構空間の中で展開する音楽を楽しむ趣味ですが、この"好みの虚構空間を作る"というのがなかなか大変です。
虚構空間のどこかに気になるところがあると、そればかりに意識がいって、いつまでたっても音楽を堪能できません。

もし、虚構空間をうまく作ることができても、ソースや音量によって帯域バランスの修正が必要です。
大規模なマルチアンプシステムは非常にデリケートで機動性に欠けるため、そういう帯域バランスの即応的な修正は本質的に苦手です。
しかし、4種類のバリエーションカーブを適宜選択し帯域バランスの迅速な修正が可能となったため、虚構空間の可否についてあれこれ意識することがなくなりました。
オーディオを気にせず音楽に集中できるというか、透明な美音に満ちた虚構空間に体が溶け出してしまいそうです。
これは大規模マルチアンプシステムと付き合い始めてから現在に至るまでに生じた最大のパラダイムシフトというか、極めて画期的な出来事でした。


大きい画像3


10月には改造ALTECシステムにツィーターを加えました。
4ウェイになったこのシステムに上記のイコライジングカーブを設定し、大変満足できる仕上がりになりました。
今年一番改善されたシステムは、この改造ALTECシステムだったように思います。

上記のイコライジングカーブを黄色いホーンシステム、DIYホーンシステム、改造ALTECシステムに適用したところ、それぞれのシステムの個性がはっきりしたのも驚きでした。
新しい音とオリジナルデザインのDIYホーンシステム、壁、床、天井を吹き飛ばし巨大な虚構空間を創出する黄色いホーンシステム、ノスタルジーの衣を被った狼的な改造ALTECシステムと、なんだかとても楽しいです。


大きい画像4


昨年の今頃、とある海外のサイトで黄色いホーンシステムがトップになっていることに気付きました。
ホーンシステムに関する海外のスレッドなどにはよく登場する黄色いホーンシステムですが、これはうれしかった。
うむむ、これはもしかしたら黄色いホーンシステムは世界一、もとい学園都市230万人の頂点に立つレベル5ということだね、と愉快に解釈。
冗談はさておき、このシステムの何が彼らの興味を惹くのか訊いてみたいような気がします。

今年のオーディオ趣味はやりすぎの感なきにしもあらず。
来年はオーディオ休止、他のことで遊ぼう。





2019/09/29

DIY Speaker (107)



DIYホーンシステムにもグイグイくるイコライジングを試してみることにしました。
その前に、以前から気になっていた段積みになっていたDCX2496をそれぞれガラス棚板に載置することにしました。
段積みすると結構熱くなるのです。




それから黄色いホーンシステムと同様、2431Hと2407Hにコンデンサーを直列に入れサーという残留ノイズを消すことにしました。
2431Hは1.0μFと0.47μF2個をパラって1.94μF、2407Hは0.47μFをパラって0.94μFにしました。
残留ノイズは消えました。
なお、2451Hの守備範囲を低域側は600Hz、高域側は4kHzに戻しました。

イコライジング作業開始。
ます、DEQ2496のオートEQとECM8000により全帯域をフラット化。
次に、DEQ2496のパラメトリックイコライザにグイグイイコライジングをインプット。
この作業、数分ぐらい? 慣れると実に容易いです。

音出ししてみると見事な音です。
改造ALTECシステムと全く同じイコライジングなのですが、全然違います。
システムの規模や能力がそのまま反映されています。
今までの付き合いで両システムの個性は把握していましたが、それがはっきりと分かりました。




グイグイイコライジングはソースと音量によっては低音過多になるので、そういう状況でもクリアに再生できるように新しいイコライジング設定を作ってみました。
それが上の画像です。
最低域の28.3Hzは+5.5dBから+2.5dBに、また、低域の79.6Hzは+5.5dBから+1.0dBにしただけですが、最低音と低音が減ったためにクリアな印象です。
クリアイコライジングの誕生です。

しばらくグイグイイコライジングとクリアイコライジングの2種類で聴いていたのですが、2つだけだと変化幅が大きすぎます。
そこで、その中間に新たに2つのイコライジング設定を作ってみました。
とりあえずレベル2とレベル3という名前を付けました。

最低域はグイグイが+5.5、レベル2が+4.5、レベル3が+3.5、クリアが+2.5dBです。
低域はグイグイが+5.5、レベル2が+4.0、レベル3が+2.5、クリアが+1.0dBです。
最低域は1.0dBステップで、低域は1.5dBステップということになります。

DEQ2496のメモリには、オートEQによりフラット化した直後の"FLAT"、グイグイの"ORIGINAL"、レベル2の"LV2"、レベル3の"LV3"、クリアの"CLEAR"の5種類をメモリしました。
フラットを除く4種類を適宜呼び出すことで、様々な状況に対応できるようになりました。




 

2019/06/10

DIY Speaker (106)



初期調整のときにボーカル帯域(200Hz~4kHz)の低域側にわずかな膨らみがあるなと感じていました。
ミッドベースである大型ホーンの1008-8HEのレベルを上げ下げしてみましたがこれではなさそうです。
1008-8HEをミュートして聴いてみると、このふくらみが消えていないことがわかりました。
これはミッドベースではなく、ウーファーから出ている音です。

しばらく考えたのち、4435やDD65000/DD67000のフィルタを試してみることにしました。
4435は2発の2234Hを単一箱で使用し、そのうち1発は18mHのコイルが直列に入っています。





DD65000/DD67000では、コイルが18mHである点は同じですが、コンデンサが加えられ-12dB/octになっています。
下の画像はDD67000のものです。DD65000も大同小異です。




DD67000のLF1のレスポンスグラフを見てみると、100Hzから200Hzの1オクターブで-4dBといったところでしょうか。




そこで上部ウーファーの帯域別イコライザでハイパス-6dB/oct、151Hz、-3dBというフィルタを設定したところ、これがドンピシャ、ふくらみは消えました。
170Hzや200Hzにすると、そのふくらみは徐々に戻ってきます。
その調整幅を確認後、最初の151Hzのフィルタ設定で行くことにしました。






ボーカル帯域のお化け退治がうまくいったので、今度はウーファーの低域側の調整というかお遊びです。
サブウーファーのハイカットを50Hzにしたまま、上部ウーファーと下部ウーファーのローカットを38Hzにしてみました。
もの凄い迫力です。これはダンスミュージック用かも。
で、これを50Hz側へ後退させていくと、どんどんおとなしくなっていきます。
結局、上部ウーファーは40Hz、下部ウーファーは45Hzという設定になりました。
マルチアンプのレベル調整は行わず、こうしたクロスの設定でもかなり音が変わります。

元気がよくなった低音に合わせて2451Hの守備範囲も見直しました。
2451Hの守備範囲を広げると、高域側の鮮度を上げることができます。
もちろんやり過ぎれば荒っぽくなるので、低域側は600Hzから550Hzに、高域側は4kHzから5.4kHzにしました。
レベルも0.5dB上げました。
これに伴い、2431Hと2407Hもレベルを上げました。
高域側は遠慮してしまえば簡単に音がまとまりますが、それだと弦がおいしくないというか、雰囲気がさっぱりの音になってしまいます。
ここは限界ギリギリを探ってレベルを上げていきました。


1. SUB 1808-8HPS, -50Hz(LR48), -5.0dB, A500 10:00位置, 逆相接続, DLY 600mm
  EQ1 50Hz -6.0dB BP Q3.5
  EQ2  25Hz +6.0dB BP Q2.2
2. LOW LOWER 1508-8ALCP, 45Hz(LR48)-200Hz(LR48), -10.0dB, A500 10:00位置, 正相接続, DLY 518mm
3. LOW UPPER 1508-8ALCP, 40Hz(LR48)-200Hz(LR48), -10.0dB, A500 10:00位置, 正相接続, DLY 580mm
  EQ1  151Hz -3.0dB HP(6dB)
4. MID LOW 1008-8HE,  200Hz(LR48)-544Hz(LR48), -6.0dB, A500 9:00位置, 正相接続, DLY OFF
5. MID 2451H,  544Hz(LR48)-5.42kHz(LR48), -7.0dB, AVC3890 -18dB, 逆相接続, DLY OFF
  EQ1 1.19kHz -3.0dB BP Q2.0
6. MID HIGH 2431H,  5.42kHz(LR48)-10.5kHz(LR48), -5.8dB, AVC3890 -18dB, 逆相接続, DLY 428mm
7. HIGH 2407H,  10.5kHz(LR48)-, -2.5dB, AVC3890 -18dB, 逆相接続, DLY 498mm



 

DIY Speaker (105)



デジタルアンプ(Behringer A800)を導入しようかどうか迷っていたころ、デジアンのレイテンシーってどうなんだろう?と思い、ヨハネスさんにたずねてみたことがありました。
ヨハネスさんはデジアンをお使いになっていたようなので。

「マルチアンプでデジアンを混用すると問題ないの?」
「ホームオーディオでは気になるかもね。一番嫌なのは最初は気にならず、でもいつまでたっても落ち着かないなんてことがおこりそう。」
「う~む」
「デジチャンならレイテンシーをそろえる機能があったと思うよ。」

DCX2496にはそんな機能なかったような…と思いつつ、後日、取扱説明書を確認してみると、おおっ、あるではないですかオートアライン。
これは楽しそうです。早速、試してみました。
黄色いホーンシステムや改造ALTECシステムでは、CADで描いたユニット配置からディレイの距離を設定していたので、こうした作業は初めてです。




ECM8000をDCX2496のC入力に接続。"SET UP"の2ページ目にオートアラインがありました。
比べる出力を選び、中央の大きなダイヤルを回して音量調整。
ザッザ、というようなノイズが出て、あっという間に調整完了です。

1. SUB 1808-HPS                 600mm
2. LOW LOWER 1508-8ALCP         518mm
3. LOW UPPER 1508-8ALCP         580mm
4. MID LOW 1008-8HE             0mm (DLY OFF)
5. MID 2451H                    0mm (DLY OFF)
6. MID HIGH 2431H               428mm
7. HIGH 2407H                   498mm

サブウーファーは、自動調整で得られた数値ではなく、こちらの都合で変更させていただきました。
また、ホーンタワーの両ユニットについては位置を合わせて作ったつもりなので、いずれもディレイはゼロです。

初期調整の際にレーザー距離計でざっくりあわせておいたので、それほど変化はありませんでしたが、気持ちすっきりしたように思いました。
ディレイの設定がうまくいってないと、高域の鮮やかさが後退します。
例えば、このDIYホーンシステムの場合、大型ホーンの2451Hに500Hz以上を全部再生させたときの音と、ディレイの設定をせずに2451Hと2431Hと2407Hとをならした音を比べるとすぐにわかります。
2451Hに500Hz以上を全部再生させるときには、2451Hの高域側のLR48をOFFにし、2431Hと2407Hをミュートします。

一方、低域側は高域側と比べると分かりにくいというのが感想です。
また、サブウーファーは群遅延の領域での設定になるので、クロス周辺の周波数で合わせこまないとダメなんじゃないのか、なんて考えています。

オートアラインではマイクの位置で結構数値が変わります。
しかし、ディレイの設定がうまくいっていると、リスニングポジションから外れている場所でも音の鮮やかさが後退することがありません。
これは結構不思議なことだと思っています。




 

2019/05/27

DIY Speaker (104)



自作スピーカーの楽しさ、これはまさにプライスレスです。
どれにしようかな?のスピーカーユニットの選定。
箱の容積やバスレフの計算。あれこれ思いをめぐらす。
それからデザイン。ユニットを箱のどこに取り付けようかとか、仕上げはどうしようかとか。
そして工作。工作技術が低ければ低いほど、経験が少なければ少ないほど、ドキドキ感がすごい!
小さなスピーカーから大きなスピーカーまでこうした楽しさにかわりはありません。

そういう意味で、今回のDIYホーンスピーカーの製作は大変楽しめました。
ホーン作りでは大失敗の繰り返しで、これがまた得難い経験というか泣き笑いの連続でした。
できあがってみると、よくあきらめないで完成にこぎ着けたものだと感無量。
人生の素晴らしい思い出になったと思います。

自作スピーカーの魅力のひとつに好みのデザインにできるというのがあります。
市販のスピーカーシステムは、音楽を楽しむには、デザインが固いというか真面目すぎるというか。
業務用ユニットを使用した自作スピーカーの海外サイトやLansing HeritageのDIY Forumの中には、「こやつ、こんな魔法を使ってくるのか!」みたいなユニークなシステムを見ることができます。
そういうシステムを見ると、創作意欲が刺激され、何故だかこちらも生き生きとしてきます。

DIYホーンスピーカーでは、ユニットやダクトの数が多いので、その配置についてあれこれ検討しました。
製作期間が8年ぐらいと長かったので、その間、様々なデザインが浮かんでは消えを繰り返しました。
ブログを振り返ってみると、ホーンタワーの横に幅55cmのウーファータワーをくっつけるという案は2012年の3月ごろに出てきます。


この案が基本になり、2017年の11月の最初の音出しの前後からウーファータワーのデザインの本格的な検討が始まります。
1. 左側に現れるオーケストラのヴァイオリン群の艶やかさを堪能するために2431Hを中央に配置すること。
これが最優先事項。次に、
2. 上部ウーファーは、ヨハネスさんの4発の30Wの配置を参考にしてなるべく高い位置に配置したい。
という希望が続きます。

ツィーターである2407Hの配置を2431Hに近接させることは決まりましたが、これを2431Hの外側にするか内側にするかで悩みました。
JBLの4348では、2431Hの民生版である435ALを10kHzまで使用しています。
10kHzであれば、通常のツィーターの帯域は2431Hから再生されるであろうから、2407Hを2431Hの内側に配置することにしました。

上部ウーファーのダクトは、2431Hのせっかくの美音を損なわないように、サイドダクトや背面ダクトを検討しました。
背面ダクトは背板の無用な共振を招きそうなので却下、また、側面内側に配置すると2つのダクトが対向することになるので、これも気持ちが悪く却下です。

結局、部屋のコーナーに向けて側面外側にダクトを配置することになりました。
部屋のコーナーは悪いことにホーンタワーによって封鎖されてしまった状態になっていますが、ホーンの背面形状が複雑なため気柱共振は避けられるのではないかと。
また、何らかの効果が感じられる場合には、響きの補強という点からこれを積極的に活用してみるのも面白いと思ったのです。
もっとも、悪影響が出るようであれば、ダクトに詰めものをするまでですし。







複数のスピーカーユニットの連続的な配置、あるいは、視覚的な関連性により、視覚的な意味合いが生じます。
例えば、上の画像のLo-DのHS-10000では、小さなユニットから大きなユニットへ至る視覚的な誘導が感じられます。
こうした視覚的誘導を意識しながら全体のデザインを考えてゆきました。




大きなホーンとウーファーユニットとの関連性が2つ、それを縮小したようなミッドハイとハイの関連性が1つあります。
これらを赤のラインでつなぐと上昇する視覚的な誘導が生じます。
一方、4つのウーファーとサブウーファーを青いラインでつなぐと下降する視覚的な誘導が生じます。
この赤の上昇ラインと青の下降ラインから、両翼を広げた猛禽類のイメージを創り出しました。
この視覚的イメージは、扇型に各楽器が配置されたオーケストラを前方から見たイメージにも合致し、音楽鑑賞の際のイマジネーションを広げてくれます。

こうしたことはCADの図面で検討できるのですが、中央の十字状のスリットや、ウーファータワーのバッフル面に対して内側を向いているホーンタワーのバッフル面がどのような感じになるのかは、完成するまで想像の域を出ませんでした。
中央の十字状スリットの水平スリットは当初2mm厚のシナ合板をスペーサーにして形成していたのですが、これではスリットの存在感が薄いため、4mm厚に変更した経緯があります。

ウーファータワーとホーンタワーのバッフル面との角度はホーンタワー側を微妙に移動することにより変化させ、「ここだねっ!」という角度を選んでいます。
また、サブウーファーの傾斜バッフルがウーファータワーとホーンタワーの角度のついたバッフルにマッチしていることに気づいたのも、2期工作完成後でした。

DIYホーンスピーカーは、その浮世離れした雰囲気がインスタレーション アートのようでもあります。
大型スピーカーの場合、音が出ていない時でも目を楽しませてくれるというのは、かなり重要なファクターではないかと思っています。




 

2019/05/25

DIY Speaker (103)



オーディオラックにアンプ類を収容しました。
イケアのBestaのフレームに5枚のガラス棚板とガラス天板を組み合わせ。
背板はカッターを用いて穴を開けました。
ラックの白色に緑っぽいガラス板の感じがさわやかです。




ベリンガーのDCX2496等は脚部がないので、その代わりにダイソーの耐震マットを5組使用しました。
くっつきますので機材を操作してもずれませんし、地震でラックから飛び出すことも防止できます。
また、上下の機材の間にジェルマットの厚みの空間を確保することができるので放熱にも貢献するかも。

同時にパワーアンプの配属も変更しました。
2451HにA500を使用すると残留ノイズが出てしまうので、これをAVC3890で駆動することにしました。
AVC3890にすると残留ノイズがほぼありません。
その結果、上部15インチウーファーと下部15インチウーファーを2台のA500により独立して駆動することになりました。

ミッドベース(1008-8HE)用のA500の入力ボリュームを少し下げたため、初期調整はやり直しです。
例によって、測定と女性ボーカルを使用した試聴の繰り返しです。
で、こうなりました。

1. SUB 1808-HPS, -50Hz(LR48), -5.0dB, A500 10:00位置, 逆相接続
 EQ1 50Hz -6.0dB BP Q3.5
 EQ2  25Hz +6.0dB BP Q2.2
2. LOW LOWER 1508-8ALCP, 50Hz(LR48)-200Hz(LR48), -10.0dB, A500 10:00位置, 正相接続
3. LOW UPPER 1508-8ALCP, 50Hz(LR48 or OFF)-200Hz(LR48), -10.0dB, A500 10:00位置, 正相接続
4. MID LOW 1008-8HE,  200Hz(LR48)-594Hz(LR48), -6.0dB, A500 9:00位置, 正相接続
5. MID 2451H,  594Hz(LR48)-3.93kHz(LR48), -7.5dB, AVC3890 -18dB, 逆相接続
 EQ1 1.50kHz -4.0dB BP Q2.0
6. MID HIGH 2431H,  3.93kHz(LR48)-10.3kHz(LR48), -7.5dB, AVC3890 -18dB, 逆相接続
7. HIGH 2407H,  10.3kHz(LR48)-, -6.0dB, AVC3890 -18dB, 逆相接続




上部のウーファーは、通常は50Hzでカットしますが、カットを解除して低音側を伸ばすこともできます。
せっかく2つウーファーがあるので、レベル調整や受け持ち帯域の個別設定を試してみようと思っています。
また、上部ウーファーと下部ウーファーはリスニングポイントまでの距離が異なりますので、オートアラインによる個別設定も行う予定です。
というわけで、DIYホーンシステムは7ウェイマルチアンプシステムになりました。

初期調整後のテストドライブには、バーンスタインのショスタコーヴィチ5上野、同モーツァルトのハフナー、リンツ、プラハ、シフのチャイコフスキーピアノ協奏曲1、デュトアのシェヘラザードとローマの三部作、セルのハーリ・ヤーノシュと韃靼人の踊り、ケーゲルの幻想、ベルグルンドのシベリウス3、また、モノラルではワルターのブラームス3を使いました。




うん、これで本当に初期調整は完了というか成功。
海の方から吹いてくる心地よい5月の風の中でビルスマのバッハを聴きました。







 

2019/05/17

DIY Speaker (102)



2019年5月15日、DIYホーンスピーカーシステムの2期工作完了。
ふうふう言いながら、あれやこれやの作業をもたもたこなし、やっとできました。
ばんじゃーい!




なんだか水の中でスパッと切った豆腐のようです。
ホーンタワーの方は表面が荒いので木綿豆腐、ウーファータワーの方は絹漉し豆腐の風合い。
9個のTofuだから"T9"とか。




ウーファータワーもタコ糸と金具で耐震対策をしました。
上部ウーファーの箱の底板と下部ウーファーの箱の天板は、4本のボルトで連結しています。
下部ウーファーの箱の天板の裏側には4つの爪付きナットを打ち込み、同時に補強材と吸音材を加えました。




上部ウーファーの箱はサイドダクト。
こちらも下部ウーファーの箱と同様に補強材と吸音材を備えています。
箱のサイズやダクトサイズは、下の箱と同じです。
裏板は、爪付きナットとボルトで着脱可能になっています。




100m巻のカナレ4S6を使い切ってしまい、最後の一本は引っ張り出してきた4S8になってしまいました。
アンプは、ベリンガーのA500を2台買い足しました。
1808-8HPSに1台、4つの1508-8ALCPに1台、1008-8HEに1台、そして、2451Hに1台を割り当てました。




位相チェックを念入りに行ってから音出しです。
新しく加わったユニットからの異音等もなく、全ユニットからちゃんと音が出ています。
当初、1008-8HEのミッドベースホーンのレベルが高すぎて変な音でしたが、それでもうれしくて舞い上がってしまいました。
興奮が収まってから、例によってDEQ2496とECM8000を使用して測定しつつマルチアンプシステムのレベル調整をおこないました。
簡単な初期調整でしたが、文句ございませんというような音が出てくれました。
2431Hと2407Hにより高域が繊細な感じになり、ウーファーが増えて低音の迫力が増しました。
ボーカルは、リスニングポジションに座った時、耳の高さにピンポイントで定位し、音場の広がりも広大です。
とても疲れましたが幸せな夜でした。





 

2019/04/23

DIY Speaker (101)



2431H用ホーンの支持部材を取りはずす前に、角材でMDF製のリングを支えるように部材を追加しました。
支持部材を取りはずす際に、ホーンにヒビが入ったりしないか心配だったからです。




しかし、支持部材は簡単にはずれたので、この工作は全くの無駄でした。




2408Hを仮につけてみました。




改良型の2408H-1や2408H-2があり、これらはスロット形状が異なるほか、中央のプラグ形状の変更でスナウト部分がコニカルホーンになりました。
モニタースピーカーシステムの7シリーズに採用されている2409Hは、とうとう1 3/8”のスクリュー部分がなくなり、スナウトレスになりました。
これでツィーターもスナウトレスになったわけです。





2431Hは合板の裏からインチボルトで固定します。
長さ20mm、W1/4というもの。





様子を見るだけなのでボルトは締めこんでいません。






 

2019/04/18

DIY Speaker (100)



ホーン作りもそろそろおしまいです。
スロートアダプターのEMINENCEのS2B-Aを取り付けると画像のような段部が生じます。




これを水性パテで埋め、あとは塗装だけ。




モジュール8とモジュール9の完成まであとすこし。







 

2019/04/03

DIY Speaker (99)



プラグ周辺の形状を確認するためにペンキを塗りました。




問題なさそうです。





今回は80番のサンドペーパーを細い棒状に丸めて使いました。
これはなかなか良かったです。




ちょっと仕上げが荒いような。
これでもいいか。






 

2019/03/08

DIY Speaker (98)



塩ビ管を除去した状態です。
今回は事前にカッターでパテに切れ目を入れておきました。




裏面側のパテもかなりの厚さになりました。
乾いては塗りつけを繰り返しました。




ホーンの縁の樹脂で固められた布もカッターで削り取り、全体的にきれいになってきました。
ホーンの表面は80番の耐水ペーパーで粗削りした状態です。
荒々しい感じがなかなか面白く、このまま塗装するかどうか考え中。





このホーンは製作に時間がかかり徐々に出来上がってゆくため、視覚的な満足感が得られます。
絵画がデッサンから試行錯誤を経て完成に至る様子と似ています。
次は、いよいよプラグ周辺の造形作業です。





 

2019/02/28

DIY Speaker (97)



2431H用ホーンの裏面側はスペースが狭く、スロート周囲のプラグ以外の部分への水性パテの充填がうまくいきませんでした。
このため、表面側を部分的に切り裂いて充填口を形成しました。




2407H用ホーンの方も裏面側からスロート口周囲の段部に水性パテを充填することができません。
こちらも段部の表面側を切り裂きました。
布のしわもおおかた削り落としました。




2431用ホーンの上記充填口へ水性パテを練り込むように充填し硬化した状態です。




こちらは2407H用の充填後、硬化した状態。




前回と同様、2431H用ホーンに直径38mmの塩ビ管を用いてプラグ周囲に水性パテを充填しました。










 

2019/02/26

DIY Speaker (96)



ホーンの表面側の水性パテをサンドペーパー(80番)でサクサク落としてゆきます。
そしてエポキシ樹脂を薄く塗布。
生地にエポキシ樹脂を含浸させ、生地の弾力性を奪うためです。
…と、ここまでは前回と同じでした。




しかし、エポキシ樹脂が硬化すると、なんと2431H用ホーンの外周部に異変が。
3cm程度の範囲で、それが複数個所、布が下地の水性パテから浮いたように変形しているのです。
1mm程度の隆起なので見ている分にはわからないのですが、なぞるように触るとわかります。
隆起部分は空洞になっていないため基準面がなく、サンダーで修正するのは難しそうです。
いろいろ考えたあげく、隆起部分をパテで埋めてしまってはどうかと、ホーン外周部に曲率を与えることにしました。
下の説明図の赤いラインがその曲率部分です。




2mm合板で曲率と同じガイド板を製作し、これを円周方向に徐々にスライドさせて水性パテをならしてゆきました。
思ったほど悪くない仕上がりになりました。




ちなみに、2407H用ホーンではこのような隆起は生じませんでした。
考えられる原因としては、布の張り過ぎ、表面側の水性パテの落としすぎのような気がします。
このホーン製作、ともかく地雷がいっぱいあります。
どんどん踏み抜いてガンガン進みましょう。