2019/10/15

Remodeling Altec System



改造ALTECシステムは、一か月前にDEQ2496のオートEQでフラット化した後、パラメトリックイコライザでグイグイイコライジングを行いました。
しかし、291-16Kは13kHz以上の高域を再生する能力はありませんので、高域のレスポンス低下が気になるようになってきました。
そこで、Selenium HM17-25とJBL2408Hを改造ALTECシステムに加えることにしました。




例によってアサヒペンの水性インテリアカラーの艶消し白で塗ったあと、L字型金具を取り付けました。




2408Hはフィルムコンデンサーを介して291-16Kと並列で接続します。
なお、コンデンサーは0.47μと1.0μFをパラって1.47μFにしました。




L字型金具の底面には耐震用ジェルマットを貼り、しっかりと固定しました。




291-16Kの雄姿。
2431Hは284ドライバーの、291-16Kは285ドライバーの末裔。
いずれも長い時間をかけて多くの技術者により改良されてきた由緒正しいコンプレッションドライバーです。













2019/10/11

JBL 4315 Studio Monitor



4315の"意味のないミッドベース"というのは、12インチウーファーと5インチミッドハイの間に挟まれた8インチの2108のことです。
2108は4315のために開発されたユニットなのですが、12インチクラスのウーファーの磁気回路をそのまま8インチに適用したようなユニットです。
当時は、15インチ、12インチ、10インチ、8インチの各口径のユニットの特徴を把握していなかったので、この8インチというミッドベースユニットがどういう役割を持っていたのかが理解できませんでした。
この疑問がきっかけになり、口径による音の違いに注意しながらスピーカーと接していくようになります。

当時のJBLの8インチといえば、LE8Tが代表作。
比べてみるとこんな感じです。




2108は、3インチ径の銅ロングボイスコイル。
このユニットは、比較的小さな箱に入れると低域側がフラットになるように設計されているように思います。
ちなみに4315では2.83Lの密閉箱に入れられていました。

一方、LE8Tは、2インチ径のアルミショートボイスコイル。
当時のフルレンジのお手本というべきユニットで、密閉なら28L、バスレフ箱なら85L(ダクトは8平方インチ、長さ4インチ)がカタログ(LE8TH)で推奨されています。

LE8Tに比べると、2108の化け物ぶりが理解できます。
グレッグティンバーズ氏の狙いがどのようなものであったかは想像するしかないのですが、おおむねこんな感じだったのではなかろうかと思っています。

"4315は小型モニターであるから、12インチウーファーでいく。
12インチウーファーはウーファーとしては小口径だけれども、"ウーファーの音"がするから、ミッドベースが必要。
ミッドベースとしては10インチと8インチが候補になるけれど、12インチウーファーなら400Hzまでカバーできるので、8インチでいこう。
この8インチはキラーユニットでなければならない。
クロスオーバー回路もきっちり作りこむ…"

L212に搭載するために、2108は手直しされて民生版の112Aが誕生します。
4315での2108の受け持ち帯域は400Hzから2kHzでしたが、L212の112Aは70Hzから800Hzになりました。
TSデータを見ると、低域側の再生能力を重視したパラメーターになっていますが、基本的な性格はあまり変わらないようにも思います。




これも想像の域を出ないのですが、4315を開発して後、もっとクロスを低くした方が良いのではないか、それならマルチアンプだ、というような思惑があったように思います。
しかし、この思惑通りにはいかなかった。JBLらしい"ウーファーの音"を失ってしまったから。
結局、L250では400Hzクロスに戻しています。
なお、SFG磁気回路に変更された2108Hと112Hは、型番のみ異なる同一ユニットです。