さあ、問題のウーハー部。箱やユニットを考えていると、これは無限の組合せ。楽しい悩みは尽きることがありません。色々な案を考えましたが、V字型バッフルを用いたシステムが有力な候補に上がってきました。
この手のV字型バッフルのシステムは家庭用スピーカーでは見られないものの、PA用スピーカーの世界ではかなり以前からあり、珍しいものではありません。下の画像はEV社のX-LineシリーズのXvlsです。38cmウーハー(EVX155Plt)2発と20cmミッドレンジ(ND08)2発がV字型バッフルに取り付けられています。
XVLS
また、JBL社ではASB6128Vという46cmウーハー(2258H)2発を用いたサブウーハーシステムがあります。V字型バッフルの中央部にはバスレフのダクトが開口しているようです。JBL社ではこの形式のバッフルにVローデッドバッフル(V-Loaded baffle)という名称(商標)をつけています。
ASB6128V
たいぶ以前のことになりますが、長岡鉄男氏がポラリス(BS-77)という20cmフルレンジを用いたV字型バッフルのスピーカーを製作されました。そして押し出しのよさがあると感想を述べられておりました。しかし、それ以降、このタイプの自作スピーカーを発表されていませんので、お気に召さなかったのかもしれません。このポラリスの特性グラフではフロントロードホーンのような中低域の盛り上がりが見られ、これが長岡鉄男氏の好みから外れた原因なのではないかと想像しています。
また46cmダブルウーハーを用いたラフトクラフトのSL-18-V Driveという箱もあります。この箱についてラフトクラフトは「ユニット同士互いに音響負荷がかかり、ホーン効果も期待できる」としています。
V字型バッフルのいいところは工作技術が低くても作れるところです。また、EV社やJBL社のシステムに見られるようにホーン用のウーハーではなく普通のウーハーでもかまわないようです。それから設計理論のようなものはなさそうなので気楽なDIYオーディオには向いているかもしれません。
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