黄色いホーンシステムのクロスオーバー周波数を変更するとどうなるのか実験してみました。2360Aのパンフレットによるとこのホーンに2446H(2445/2450)を使用する場合のクロスオーバー周波数の下限は500Hzと表示されています。また、2446Hのパンフレットには、クロスの下限として500Hz(12dB/oct)が推薦されています。
その一方、2360Aのパンフレットには、ホーン自体の使用可能な低域限界(Usable Low Frequency Limit)が300Hzと記載されています。適切なイコライジングを施して測定してみると180Hz程度までフラットな特性が得られます。これだけ大きなホーンですから、低めのクロスオーバー周波数を試してみることにしました。
そうはいってもドライバーである2446Hの振動系に過度の負担をかけるのは望ましくありません。どの程度の負担がかかるかを直接知ることはできませんが、SH-D1000+EQCDによりハイパス側の遮断特性をコンピュータに描かせて推測してみることにしました。もっとも、こうして表示された特性はSH-D1000の実際の出力特性とは若干ズレがあるように思います。でも、そこまで厳密に考えるような話でもないので、実際の出力特性の測定はしませんでした。
このグラフ図の赤色ラインは500Hz(12dB/oct)のハイパス側の遮断特性を示しています。黄色ラインは300Hz(18dB/oct)、緑色ラインは250Hz(18dB/oct)、青色ラインは200Hz(18dB/oct)です。そして、黄色ラインは-3dB、緑色ラインは-6dB、青色ラインは-9dBという減衰を行った状態を示しています。
設定する遮断特性がこの赤色ラインの右側(高域側)に収まっていれば正常な動作が保証されると考えてよいと思います。2446Hの許容入力は100Wですから、300Hzの場合なら50Wの入力に耐えられることになります。
同様に24dB/octの遮断特性を描かせてみました。黄色ラインは300Hz、緑色ラインは250Hz、青色ラインは200Hzです。それぞれ、-3dB、-6dB、-9dBという減衰を行った状態を示しています。
このように18dB/octや24dB/octの遮断特性であれば、300Hz程度のクロスオーバー周波数でも問題はなさそうです。さて、音質的にはどうなるのでしょうか。
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