DCX2496をデジタル入力で使用しているため、ボリューム調整用の多連フェーダーを製作することにしました。使用したのはアルプス電気のRSKシリーズのミキサー用2連スライドボリュームです。10kΩ、Aカーブ、操作部形状は9-T。電即納という直販サイトから11個以上購入すると極端に単価が下がるために11個購入しました。それからRCA入出力端子板。これは12個口のものを3つ購入しました。
これらの部品を机の上であれこれ並べてみます。スピーカーシステムならユニットを購入する前に設計図を作ることができますが、多連フェーダーなど作ったことがないので完成したイメージが湧かず、すんなり進みません。連動誤差の不安もありますし、バッファアンプを省略した試験的なものになると思うので、できるだけ簡単に作ってしまいたい。でも、触れる頻度が高い機材ですから、しょんぼりしてしまうような仕上がりでは困ります。
ところでこの手のフェーダーの自作には2つの大きな問題があります。まず、フェーダーをどんな具合に取り付けるのかということ。フェーダーを取り付けるためにはアルミ板にスリット加工を行う必要があります。東急ハンズに相談してみると、そういう加工はできませんときっぱり。そういう即答は幸せを遠ざけるよねぇ…という訳で他力本願の道は早々に閉ざされてしまいました。
次に立ちはだかる問題がフェーダーをどうやって連動させるかということ。これはずらっと並んだノブ同士を棒のようなもので連結すればいいのですが、この連結はしっかりとしたものでなくてはなりません。また、組立ての容易性やメンテナンス等を考えると、この連結棒は取り外しができるようにしたい。
とりあえず厚さ3mmの工作用の木の細板を購入し、多数のフェーダーをビスで細板に固定、アルミの丸パイプ(直径19mm)を両面テープでノブに貼り付けフェーダーの連動実験をやってみました。1cm幅の厚手の両面テープをノブの幅に切断し、各ノブにそれを1枚ずつ貼っていきました。でも、これはダメ。丸パイプはしっかりとノブに固定されるのですが、フェーダーのスライド方向に対して斜めになるような力を加えると、その力の方向にノブの列が簡単にゆがんでしまいます。
丸パイプを取り外し可能にするというのをあきらめて瞬間接着剤で固定するしかないか…と考えたのですが、ダメもとで横一列に並んでいるノブの上面に両面テープを張り渡すように貼ってみたところ、不思議なことにこれが大成功、ガッチリ固定できます。今度は斜めになるような力を加えてもノブの列が全くゆがみません。うふん。
こんな実験をしているうちに、フェーダー取り付け用のスリットなんかいらないんじゃないの?というお手軽な結論に至り、できちゃったのがこれ。
3mm厚アルミ板と両面テープで貼り付けてある40mm角のアルミサイコロが主成分。1円硬貨7枚を接着剤で張り合わせたスペーサーで脚部の高さを稼いでいます。アルミの丸パイプも豪華なアルミムク棒(直径20mm)に変更。土台の板はスピーカー作りの際に余っていた端材です。この板の端面には実験用に購入した細材の余りを貼り付けました。アルミ材の切断と切断面の仕上げには時間がかかりましたが、がっちりしている上にずっしりと重く、なんだかうれしい仕上がりに。
使用した線材はベルデンの1503A。最初にモガミのシールド線2520を購入してみたのですが、並外れて手先が器用!なものですから細い芯線さん達はすぐに折れたり切れたりしてどっかに旅立たれてしまいました。一方、ベルデンは芯線が太くしっかりしており、こちらは大丈夫。という訳で紆余曲折の多連フェーダーの製作、たっぷり楽しめました!
(このフェーダーの製作にはARISAさんからアドバイスやヒントを頂きました。ありがとうございました。)
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