1808-8SPSを一ヶ月ほど鳴らしこんでみると、だんだん低音が変わってきました。低音感というのではなく低音がちゃんと出ているという感じがするのです。もしかしたらと思いMG10/2のイコライザをフラットに戻して測定してみると、31.5Hzから明確にレスポンスがあり40Hzからは十分に再生できています。300Hzぐらいから最低域に向かって緩やかに下降してゆくという特性です。
この1808-8SPSの音は、2155Hのウーハー部の音とかなり違うような気がします。低音の質感が高く非常に明瞭です。低い方が良く出るというような単純な話ではなく、100Hz前後の低音の分解能に差があるような気がします。コーン紙の前面に存在する空気を極めて正確に駆動しているような、そんな感じです。もしかすると、38cmウーハーと46cmウーハーの本質的な違いかもしれません。
それから電子ピアノの再生だけなら、LS-11EXを鳴らさずに1808-8SPSだけを使用しても結構満足できます。46cmウーハーですが3kHzまで十分に再生できるからです。岩崎千明氏はオーディオ彷徨の中で、1m四方の平面バッフルに取り付けたJBLのD130について以下のように述べられております。「そのD130が一番力を発揮したのはピアノであった。多分、今日の標準では高音がずい分足りなかったはずなのに、ピアノのタッチのきわ立った音、フルコンサートの床を圧するような低弦の響き。それは、今までのスピーカーには到底なかったパワフルなエネルギーを、直接体に感じさせた。」
下のグラフ図はMG10/2の取扱説明書に掲載されていたものです。これによると3kHzまで再生できると、ピアノの基音がほぼカバーされていることが分かります。
話が戻ってしまいますが、キーボードスタンドを作る際に、46cmウーハーを組み込むのではなく、LS-11EXに代わる新しいピアノ用のモニタースピーカーを購入しようと考えていました。LS-11EXの重たい感じの低音が電子ピアノの音色とうまく合いません。歯切れが悪いと演奏しにくいです。
ピアノモニターとして検討していたのはPEAVEYのPR12です。サウンドハウスで一本2万円ぐらい。30cmウーハーのボイスコイル径は6cm、ドライバーのダイアフラム径は3.5cmで、重さ15kgという立派なものです。デザインのまとまりが良いので気に入っていました。しかし、いつもの通り?土壇場で安さにひかれ46cmユニットを購入してしまった訳です。
この冗談半分の1808-8SPSですが、本当は46cmウーハーに興味を持っていたので実験的な意味がありました。もし、うまくいくようならメインシステムにも46cmを導入することを考えていたからです。
PR12