2004/03/14

幸せの黄色いホーン 34話 ピアノモニター



1808-8SPSを一ヶ月ほど鳴らしこんでみると、だんだん低音が変わってきました。低音感というのではなく低音がちゃんと出ているという感じがするのです。もしかしたらと思いMG10/2のイコライザをフラットに戻して測定してみると、31.5Hzから明確にレスポンスがあり40Hzからは十分に再生できています。300Hzぐらいから最低域に向かって緩やかに下降してゆくという特性です。

この1808-8SPSの音は、2155Hのウーハー部の音とかなり違うような気がします。低音の質感が高く非常に明瞭です。低い方が良く出るというような単純な話ではなく、100Hz前後の低音の分解能に差があるような気がします。コーン紙の前面に存在する空気を極めて正確に駆動しているような、そんな感じです。もしかすると、38cmウーハーと46cmウーハーの本質的な違いかもしれません。

それから電子ピアノの再生だけなら、LS-11EXを鳴らさずに1808-8SPSだけを使用しても結構満足できます。46cmウーハーですが3kHzまで十分に再生できるからです。岩崎千明氏はオーディオ彷徨の中で、1m四方の平面バッフルに取り付けたJBLのD130について以下のように述べられております。「そのD130が一番力を発揮したのはピアノであった。多分、今日の標準では高音がずい分足りなかったはずなのに、ピアノのタッチのきわ立った音、フルコンサートの床を圧するような低弦の響き。それは、今までのスピーカーには到底なかったパワフルなエネルギーを、直接体に感じさせた。」

下のグラフ図はMG10/2の取扱説明書に掲載されていたものです。これによると3kHzまで再生できると、ピアノの基音がほぼカバーされていることが分かります。




話が戻ってしまいますが、キーボードスタンドを作る際に、46cmウーハーを組み込むのではなく、LS-11EXに代わる新しいピアノ用のモニタースピーカーを購入しようと考えていました。LS-11EXの重たい感じの低音が電子ピアノの音色とうまく合いません。歯切れが悪いと演奏しにくいです。

ピアノモニターとして検討していたのはPEAVEYのPR12です。サウンドハウスで一本2万円ぐらい。30cmウーハーのボイスコイル径は6cm、ドライバーのダイアフラム径は3.5cmで、重さ15kgという立派なものです。デザインのまとまりが良いので気に入っていました。しかし、いつもの通り?土壇場で安さにひかれ46cmユニットを購入してしまった訳です。

この冗談半分の1808-8SPSですが、本当は46cmウーハーに興味を持っていたので実験的な意味がありました。もし、うまくいくようならメインシステムにも46cmを導入することを考えていたからです。




PR12




2004/03/13

幸せの黄色いホーン 33話 BLACK WIDOW(3)



とりあえず右側のLS-11EXのコードを外し、1808-8SPSに接続しました。CDを再生しながらパワーアンプ(A501)の入力ボリュームで左側のLS-11EXと1808-8SPSのバランスをとります。すこし、モコついているので、モコつきがなくなるまでミキサー(MG10/2)のハイ(10kHz)を上げてゆきます。

低域は下の方まで伸びていないようですが素晴らしい低音感です。音楽が躍動し、気持ちが高揚してくるエネルギー感があります。それに、ユニット自体の音がそのまま聴こえ、バスレフのダクトから聴こえてくるようなモヤッとした感じがありません。LS-11EXだけの音がいかにつまらない音だったかを思い知らされました。そのLS-11EXも同時に鳴っているのですが、1808-SPSのキャラクターにシステム全体の音が支配されています。

1808-8SPSに耳を近づけてみると、ウーハーとしてはかなり高いところまで出ています。あとで気づいたのですが、このユニットを取り付けたSP118Xというサブウーハーの周波数レスポンスグラフを見てみると3kHzまできちんと出ていました。

背面開放型の問題点は、裏側のパイプ共振や背後の壁からの反射だそうです。しかし、それと判断できる音は出ていません。でも、やるべきことはやっておこうと、とりあえず近所のホームセンターで吸音材になるようなフェルト等を探してみました。どれも重さが足りないようで今いちです。帰りがけに特売されていたトイレットペーパーに目が止まり購入。24ロールほど箱の内側に積み上げたところ、すこしだけクリアになったように思いました。

今度は、1808-8SPSと右側のLS-11EXを並列に接続して聴いてみました。離れて聞くとさすがに定位が変ですが、電子ピアノを演奏するには問題なさそうです。大き目の音量にすると凄い迫力。エネルギーがみなぎる感じで少し恐いぐらいです。

真面目に取り組めば相当な音が出そうです。遊びのつもりだったのに。バッフル板の上下の隙間から裏側の音が回り込みにくくする改造や、専用のアンプの購入など、あれこれ考え始めてしまいました。