CH-1とRX22が届きました。早速CH-1を包装箱から取り出してみると思っていたよりも大きなホーンでした。なかなか買い得感があります。ただし真っ黒で不気味です。これも塗装しようかなと思いました。ちなみにCH-1の造作はかなり雑。
ベル部の奥のほうが狭くて塗りにくそうだと思いながらCH-1をしげしげと見ていると、どうやら二つの部品をもなかのように上下に配置してホーンの側部でネジ止めしているようです。試しにホーン側部の8つの木ネジを外してみると二つの部品は接着されておらず簡単に分解することができました。またスロート部にはドライバ取付け用の金属製の六角ナットがはめ込まれています。これも取外すことができました。これならベル部の奥まで楽に塗装できます。
このCH-1は、背びれと尾びれのように設けられている一対のスタンド部がホーンの後端(スロート部)の上下に一体成型されています。このためホーンスタンドが不要です。さらにそのスタンド部の先端にはネジで取付けるためのネジ穴までついています。この手のホーンはPAで使用する際にはホーン用の箱に組み込むため、箱に固定しやすいように工夫されているのでしょう。また、このようなホーン固定用のためにホーン開口部の上端縁部と下端縁部にそれぞれ3個のネジ穴が設けられています。
ふたたび8つの木ネジを取付けて元に戻し、しばらく2つのホーンを眺めていました。2360A(ホーン開口部は一辺79.5cmの正方形形状)を見慣れているせいかその大きさが今一つもの足りません。そこで2つのホーンを上下に重ねてみました。すると中央部にボリューム感のある大きなふくらみが出現し、なんとも不思議な形のホーンになりました。子供は宇宙船のようだと喜んでいます。これは面白い。この状態ではホーン開口部のサイズが一辺72.4cmの正方形になります。
垂直方向の指向性を改善するためにホーンを上下に重ねる(スタックする)方法は、従来からPAの現場で行われてきました。パワーハンドリングを改善する場合にこの方法が採られています。この方法に関してはJBL社のテクニカルノート(Technical Notes Volume 1, Number 7, In-line Stacked Arrays of Flat-front Bi-Radial Horns)に詳細な解説が掲載されています。また、この文献によるとデュアルスロートによるダブルドライバよりも複数のホーンをスタックする方法を勧めているようでした。
複数のホーンをスタックすると広い面積から音波が放射されることになる訳ですから、ホーン特有の刺激的な感じが和らげられます。一方、干渉によって高域の減衰が予測されます。2360Aの大きなホーン開口部から放射される音の感じが好きなので、もう一組発注することにしました。