2015/12/06

YAMAHA XSR700



おおっ、フロントフォークが黒いっ!









youtubeで見ていると、このエンジン、粘りますね。
それからよく回る。
最近のツインってみんなこうなのかな。
凄いです。
サスペンションもしなやかなのに腰があるみたい。

ロードタイプのTX650も乗ったことがあるんだけれど、普通に使うならこんなんで十分だなぁと思ってしまった自分がいた。
しかし、ちょっとがんばろうとすると、フレームも足回りもブレーキも全部ダメ。
特にフレームだけは全然許せないもんね。
こんなのが"faster"ですかねぇ。

しかし、XSR700、これなら大丈夫なような気がします。
乗ってみたいなぁ。







タイヤが太いから、車体を傾けても接地ポイントがどんどん内側にずれていくだけで旋回力は高まらない。
こういうバイクはコーナー手前でしっかり減速。
後輪にどーんと荷重を与えて、ツイン特有の息の長い加速を楽しみながらコーナーを脱出。
こういうやり方ならそんなに傾けなくても十分に旋回力を高められる。
そして、フロント側に余裕があるから、路面が荒れていようが、濡れていようが、砂が浮いていようが、へっちゃらだもんね。
スキーの上級者はオーバーアクションではないでしょう。
それと同じ。








いやぁ、しかしこれ、迷うなぁ。
黄色もいいけど、緑もいいし、銀色もいい。
まあ、中古になっておもとめやすくなるまで時間はたっぷりあるからゆっくり考えるとしますか。










2015/12/01

YAMAHA XSR900





















TZ750のエンジンを搭載したダートトラックレーサーそのものなのかな?
なんとなく雰囲気が弱いというか変な感じがする…



1973、1974年とケニーロバーツはAMAグランドナショナルチャンピオンシップを獲得する。
時代背景を説明すると、このころの米国ではロードレースよりもダートトラックレースの方が圧倒的に人気があった。
当時のロードレースってリーンウィズでコーナリングしていたから、ダートトラックのようなテールスライドの派手さがなくて米国ではうけなかったのだ。

話を戻すと、このころのケニーのマシンはXS650のエンジンを利用したものだった。
たしか750ccにスープアップしていたように思うけどどうだったけかな。
画像は以前掲載したこちらを見てね。
しかし、このエンジンではハーレーのXR750に太刀打ちできるものではなかったのだよ。
ハーレーのエンジンはVツイン特有の不等間爆発を特徴としており、この特性がダートトラックレースにおいて優れたエンジングリップを発揮するからだ。

エンジングリップなんて聞きなれない言葉だと思うけど、ダートにおいてトラクション(蒸気機関車の動輪が動き出すとき、空回りしながら車両を動かす瞬間の状態をいう。要するに見た目はスリップしているんだけど、前進させている状態のこと。)を稼ぎやすいかどうかということだ。
ハイパワーの4気筒エンジンでは4つの気筒が順に爆発してゆくのでトルク変動がほとんどない。
要するに電気モーターのような感じ。
こんなエンジンをダートに持ち込むと、簡単にスリップしてしまいタイヤの回転が前進する力に変換されないのだ。

ところがハーレーのエンジンなら、2気筒の爆発が連続して行われた後、次の連続爆発までの間、トルクが低下した状態になる。
この大きなトルク変動が、ダートにおいては"蹴立てる"ような状態を生み、タイヤの回転が前進する力に変換されやすいのだ。
その上、こういう特性はコーナーリング中のスロットル操作を容易にする。
おお、お勉強になるねぇ。

ま、しかしXS650Specialに乗っていたからよく知っているのだけど、このヤマハのエンジンだってなかなかよかった。
雨中のパワースライドが容易だったし、エンジンの重心が低いのもよかったのか安心して遊べた。
うまくいくと実に綺麗にカウンターがあたるのだよ。
スロットルの開閉に安心感があるマシンは楽しめる。



YAMAHA TZ750  (1974)



1975年のシーズンになって、当時XRに対抗できる4ストロークエンジンを持たなかったYAMAHAはとんでもないものを持ち出してきた。
それがロードレーサーのTZ750のエンジンを使用したダートレーサーってわけさ。

ここからは先のAMAのリンク先を意訳するね。
なお、カッコ()書きのところは、原文にはないよ。

このTZ750のエンジンはその年のラグナセカのロードレースでケニーが使用したもの。
125馬力でXSよりも50馬力増しだったそうな。
2スト4気筒のレーサーだから大排気量と言えどもピーキーなんだろうねぇ。
当然、ケニー以外でこれを乗りこなせる人間などこの世にいない。

ケニーが最初にこのモンスターを試したのはインディアナポリスのレースだった。
グリップさせるのがむずかしかったそうです。
要するにオーバル全周(ストレートを含めてという意味だよ)において、常にスライドしている状態だった。

ストレートエンドで150マイル(240km/h)に達した。
という訳でめちゃめちゃに速かったのだけと、コーナーでのスロットル操作は困難を極めた。
しかし、ケニーは予選を通過し、本戦の6番目のポジションを獲得できた。
これは決して楽ではなかったようで、ケニーは、このとき、自身の経験と能力を全て注ぎ込んだことを認めている。

"In the main," Roberts recalls, "the cushion went right up to the hay bales. After the race, I had baling wire on the bike from bouncing off the bales."
「決戦ではさ、バイクのシートがコーナーの外側に配置してあるクッションへ向かって飛んでゆこうとするもんだから、レースのあとにさ、シートがクッションへ飛んでいかないように自転車紐で車体にシートをくくりつけておかなきゃならなかったよ。」とケニー。

(これね、ケニーって冗談が好きなんだよ。
バイクがコーナーで御し難く、ものすごい遠心力でコーナーの外側に吹っ飛んで行きそうになるのを必死でこらえていたことをこんな風に話すわけ。停車したあとでシートが鳥みたいに勝手に飛んでいくわけないよね。
また、モンスターマシンがコーナーでどちらの方向へすっ飛んでいくか分からなかったため、他のライダーのラインとなるべく交錯しない一番外側のラインを走行していたらしい。
もしかすると、マシンの特性上、外側のラインが速いと考えていたのかもしれないし、ケニーの真意は分からないけど、まあ、こんな風に冗談でごまかしたということなのでしょう。)

こうして大変な苦労をした引き換えに、ケニーはハーレーの3人のライダー、Rex Beauchamp, Corky Keener, Jay Springsteenに肉迫することができた。
そしていよいよファイナルラップ、無我夢中で(いやぁ、そんなことはない、ケニーは計算ずくさ。)、そしてタイヤもほとんど残っていない状態で仕掛けることになる。

コーナーを脱出したときに3番手だったことは分かっていたし、すぐに2番手になれるとも思った。5速ギアに叩き込み、残りの1/4マイルを145マイル(232km/h)で駆け抜けた、とケニーは語った。
そしてケニーはハーレーの3人を打ち負かし勝者となった。

これがこのモンスターの前代未聞のデビューレースになったわけだけれども、モンスターの栄冠はこのレースのみで終わった。ケニーはその後、2つのレースにこのモンスターを持ち込むが、結局、2回ともモンスターでレースをすることを諦め、XSベースのマシンを選択している。
そして、このシーズンの終了後、AMAはこのようなマシンを禁止した。

てな感じです。






…トラクションコントロールねぇ。
なんだろうねぇ…
おい、冗談だろ?

とはいえ、スロットルの開閉に安心感があるマシンは楽しめる、というのは本音だ。
困ったもんだ。

















う~む、カッコいい…