池田圭さんの音の夕映、ついに購入してしまいました。
なんとなく読むのが怖かったのですが、どうせいつかは読まねばならぬと。
一気に読むのは惜しいので、ぽつぽつ読んでます。
ある意味、思った通りのコワーイ本でした。
ぶるるっ。
「下界を眺める可からず」とか、「ウェスタンエレクトリック15Aホーン」などは、この音の夕映に収録されていました。
巻末の「附図」の中に「周波数帯域と聴感覚」の対応図(富田義男氏によるエレクトロニクス講座・応用編1、共立出版)が掲載されています。
なるほどなるほどと、見入ってしまいました。
「この帯域が強調されると」や「この帯域が弱まると」などの表現は経験的に理解できますが、全体的にもうちょっと低い帯域のような…
マルチウェイの場合、帯域分割の周波数を選ばなければなりません。
これをどんな風に考えればよいのか。
市販のシステムや個人のシステムを問わず、帯域分割の周波数が記載されていると、その意図を読み取ろうとします。
これが楽しいし勉強になる。
ちなみに、黄色いホーンシステムの帯域分割はこんな感じです。
PD.2450 -50Hz
1808-8HPS 50Hz-111Hz
1008-8HE 111Hz-249Hz
2490H 249Hz-897Hz
2446H 897Hz-4.02kHz
2431H 4.02kHz-8.5kHz
DE500 8.5kHz-
2402H-05 10.1kHz-
上記の「周波数帯域と聴感覚」の対応図と比べてみると、「中音域」と「中音高域」の2つが2490H、「高音低域」と「高音域」の2つが2446Hの守備範囲ということで、それ以外の帯域分割は、黄色いホーンの帯域分割と近いです。
(2490Hと2446Hの帯域が欲張っているのは、これは当然というか…)
「周波数帯域と聴感覚」の対応図では、この手の帯域分割の話と同様、1kHzが中心周波数になっているようです。
中心周波数が1kHzというのは音響学的に別の意味(聴覚的に敏感な帯域としての区切りなどかしら)があると思いますが、マルチウェイシステムの帯域分割ばかり考えていると、帯域分割の中央?周波数とも受取れるのです。
黄色いホーンシステムでは、これが900Hzなのです。
100Hzほど低域側に寄っている。
これがJBLになると1.2kHzぐらいでしょうか。
例えば、4ウェイのJBL4350のクロスは、250Hz、1.1kHz、9kHz、4343は300Hz、1250Hz、9500Hz、4345は290Hz、1.3kHz、10kHz。
また、JBL5732(下の画像)は、250Hz、1.3kHzになっており、それぞれ、ユニット構成などが異なりますが、ミッドの帯域はある程度共通しているように思います。
今回の自作ホーンシステムの場合は、ミッドホーンの受持ち帯域がどうなるかで、システム構成が影響を受けるということが分かっていました。
守備範囲を2オクターブ、中心周波数を1kHzにするなら、ミッドは250Hzから1kHz、ミッドハイは1kHzから4kHzになります。
これが800Hzになると、ミッドは200Hzから800Hz、ミッドハイは800Hzから3.2kHzになる。
1.2kHzなら、ミッドは300Hzから1.2kHz、ミッドハイは1.2kHzから4.8kHz。
現在構築中の自作ホーンシステムでは800Hzになると思います。
ミッドホーンの予想していた受持ち帯域は下限が200Hzから350Hz、上限が800Hzから1.4kHzぐらいと考えていました。
下限はご存知のようにホーンのカットオフ周波数が大きな影響を持ちます。
エクスポネンシャルホーンではなく、複合コニカルを考えていたので、カットオフ周波数ははっきりと計測できず、おそらくは-6dB/octのだら下がりの特性になると予想していました。
一方、上限に関しては、どの程度高域が延びるのかは予想がつきませんでした。
イコライザーを備えていないため、せいぜい2kHz(無理か?)、こちらも-6dB/octのだら下がりの特性になるのではなかろうかと予想していました。
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