K240STとK701を聴き比べてみた。
あまり抽象的なことを書いても仕方がないので、ソナーワークスの特性グラフを参考にしてみよう。
K240STは低域から高域に向かってレスポンスが徐々に低下する聴きやすい特性を持っている。
中低域の盛り上がりは、厚みと柔らかな雰囲気を感じさせる。
低域はだら下がりなのだが、中低域の盛り上がりがあっても低音が不鮮明になることがないというメリットにもなっている。
高域端は残念ながらレスポンスが急激に低下しており、ワイドレンジという感じではない。
しかし、高域全体のエネルギー量が控えめになっているおかげで、全体としてはナチュラルで穏やかな印象である。
K701はK240STとは逆に、どちらかと言えば高域が勝った印象である。
6kHzにピークがある高域の山は、高域端に向かって裾野を広げており、高域全体のエネルギー量がかなりある。
また、高域端のレスポンス低下が小さいため、この帯域が醸し出す雰囲気のようなものがうまく再現されており、AKGがK701を"Reference class premium headphones"と呼んでいるのが分かるような気がした。
中域や低域側のレスポンスはフラットというか控えめなので、量感や迫力といったものは感じられないが、混濁した感じが全くなく、大変見通しの良い印象を受けた。
全体としては、クリアでワイドレンジな印象である。