2155Hを駆動するFETアンプには、SAL(Stage Acoustic Laboratory)というメーカーのES70を選びました。プロサウンド誌に掲載されていた広告で見つけたこのアンプは、小型スタジオモニタースピーカー用の業務用アンプだそうです。プロフューズのサイトから約2万5千円で購入しました。
出力は70W+70W(8Ω)、重さ11kg、トロイダルトランス、終段はパワーMOS-FETだそうです。ちなみに、上位機種のES100は出力100W+100W(8Ω)、重さ11.5kg、約3万円です。ES100でも良かったのですが、例によって空冷用のファンを作動させないつもりでしたので、発熱量が小さいであろうES70の方にしました。
プロフューズに発注するとすぐに届きました。包装箱には「Factory」として「SAE China」と記載されており、また、ブランドとして「SOUND STANDARD」と記載されています。おそらく中国製だと思われます。また、取扱説明書には「株式会社ステージインスツルメンツ」と記載されています。うーむ、メーカーの実体が今ひとつ分かりません。
包装箱から出してみると業務用らしく無骨な感じで全体がグレーに塗装されています。ペンキ塗装仕様という感じで全く高級感がありません・・・ このES70の入力端子はXLR、出力端子はスピコンなので、HOSAのフォン/XLR変換ケーブルとノイトリックのスピコン端子をサウンドハウスで購入しました。
早速ES70を接続してみると音が出ません。あれこれいじっていると音が出たり出なかったりします。どうやらES70のスピコンの出力端子が原因のようです。プロフューズに電話してみるとES70のスピコンの出力端子はノイトリック製ではなく、特にノイトリック製の2極タイプとは相性が悪いそうです。無償修理のためにプロフューズに送り返しました。
3週間後に戻ってきたES70の接続不良は残念ながら直っておらず、もとのままです。ガタツキのあるスピコン端子部に上下左右方向に少し力を加えてご機嫌をとると何とか音が出ます。こんな100円程度のパーツで信頼性を損ねるのはあまり得策ではないのでは?
天板はプラスネジとTORXネジ(T10)により固定されています。直径16cm、厚さ4cm弱のトロイダルトランスと、容量4700μF(耐圧50V)の電解コンデンサが2本。終段のMOS-FETは放熱器の裏側にあり天板を外しても見ることができません。その放熱器と基板を取外してみると、放熱器の裏面にはずらりと半導体が取り付けられています。出力70Wなのにパラレル(あるいはトリプル)プッシュプルのようです。
小型の冷却用ファンは静かな方だと思いますが、やはり耳につきます。このため今回もファンのコネクタを外しました。