乗っている750iLの形式はE38です。この12気筒エンジンについて調べてみました。E38のエンジンはM73と呼ばれています。1994年から製造されており、ボアストロークが85mmX79mm、気筒当たり448.25ccの5379cc。SOHC2バルブ、圧縮比10:1、240kW(326PS)5000rpm、490Nm(50mkg)3900rpm。このM73は先代E32の12気筒エンジンであるM70エンジン(4988cc、ボアストローク84mmX75mm)を拡大し圧縮比8.8:1を高めたもの。
WikiによるとM70を搭載したE32の750i/iLは第二次大戦後のドイツ車で初のV型12気筒エンジン搭載車だそうです。そしてM70は1987年から1994年まで製造されています。1989年からは8シリーズの850iにも搭載されます。
M8
さらに1990年にはM70をベースにそのスポーツバージョンであるS70/1が開発され、M8プロトタイプに搭載されます。このS70/1の詳細なスペックは公表されていませんが、排気量は約6Lに拡大され、410kW(558PS)という高出力でした。4バルブだったのか、DOHCだったのかは不明です。このM8は1台のみが製作されただけでお蔵入りとなりますが、エンジンはディチューンされS70(5576cc、86mmX80mm、381ps、56.1mkg)として850csiに搭載されることになります。850csiは1992年秋のパリショーで発表されています。
さらに1990年にはM70をベースにそのスポーツバージョンであるS70/1が開発され、M8プロトタイプに搭載されます。このS70/1の詳細なスペックは公表されていませんが、排気量は約6Lに拡大され、410kW(558PS)という高出力でした。4バルブだったのか、DOHCだったのかは不明です。このM8は1台のみが製作されただけでお蔵入りとなりますが、エンジンはディチューンされS70(5576cc、86mmX80mm、381ps、56.1mkg)として850csiに搭載されることになります。850csiは1992年秋のパリショーで発表されています。
マクラーレンF1
S70/1はS70/2に発展し、あのマクラーレンF1に搭載されることになります。このS70/2は6064cc、DOHC4バルブ、Double VANOS、86mmX87mm、627PS、66.3mkgという怪物エンジンであり、もはやM70と共通するパーツは一つもありません。マクラーレンF1をレース用に再設計したマクラーレンF1GTRは1995年のルマン24時間レースで1位、3位、4位となっています。
S70/1はS70/2に発展し、あのマクラーレンF1に搭載されることになります。このS70/2は6064cc、DOHC4バルブ、Double VANOS、86mmX87mm、627PS、66.3mkgという怪物エンジンであり、もはやM70と共通するパーツは一つもありません。マクラーレンF1をレース用に再設計したマクラーレンF1GTRは1995年のルマン24時間レースで1位、3位、4位となっています。
TS020
このようにS70/2はモータースポーツ部門で成功しますが、同じくM70をルーツとするM73はどうかというと1999年度のInternational Engine of the Year(4L以上の部門)を受賞しており、1998年にはロールスロイスのシルヴァーセラフに搭載されることになります。
このようにS70/2はモータースポーツ部門で成功しますが、同じくM70をルーツとするM73はどうかというと1999年度のInternational Engine of the Year(4L以上の部門)を受賞しており、1998年にはロールスロイスのシルヴァーセラフに搭載されることになります。