2011/11/05

DIY Speaker (46)

紙管を取り外しました。
下の画像の楕円形の黒っぽい部分が紙管が接触していた部分です。
この部分のフリース生地は紙管に押され生地が圧縮されていたためかポリエステル樹脂が裏側まで浸透していました。
紙管に巻いておいたサランラップ(cling film)のためにポリエステル樹脂が紙管に貼りつくようなことはありません。
その紙管は木工用ボンドで部分的に固定されているため紙管上部を切断して少し力を加えるだけで簡単にはずすことができました。
支柱部の内側に見えている小さな木片は紙管の位置決め用。

ホーン部は完全に硬化しており、紙管をはずしても形状がゆがむようなことはありません。
紙管が接触していた周辺部はまだFRP作業を行っていません。
発注しているポリエステル樹脂が届いたら第2回目のFRP作業をします。









FRP作業をした部分は60番のサンドペーパーで表面を荒らしています。
これはパラフィン層を除去するためです。
マスク装着のこと。

ポリエステル樹脂は空気と触れていると硬化しません。
このためポリエステル樹脂にパラフィンワックスを混入し、ポリエステル樹脂の表面にパラフィン層が形成されることにより、ポリエステル樹脂と空気が接触することを防ぎます。

しかし、パラフィン層があると2回目のFRP作業のポリエステル樹脂が先のポリエステル樹脂層にくっつかないのです。
そのためパラフィン層をサンドペーパーで除去するわけです。

ポリエステル樹脂には「パラフィンワックスなし(ノンパラ)」と「あり(インパラ)」の2種類あります。
今回使用しているのはワックス入り(インパラ)タイプです。







今回FRP屋さんに発注したFRPの材料等は以下の通りです。
なお「ホワイトパテ4キロ」というのはホーン表面を平滑にするためのものです。
さらにスロート部やイコライザ等の様々な形状をこのパテで造りこめるのではないかと期待しています。

FRP用ガラスマット1.0kg 100cmx263cm 666円x3個 = 1998円
ホワイトパテ4キロ ポリパテ 2838円x2個 = 5676円
パテヘラ45ミリ 151円x1個 = 151円
アセトン500mL 476円x2個 = 952円
一斗缶ベロ注ぎ口 98円x1個 = 98円
FRP国産樹脂20kgワックス入 8553円x1個 = 8553円
FRP硬化剤1000mL 1999円x1個 = 1999円

小計 19427円
消費税 964円
送料 0円
代引料 315円
合計 20706円


FRP屋さんで入手したガラスマットはJBL 2360AやALTEC MR94Aに使用されているガラスマットよりも細く上質な印象を受けます。
こうしたガラスマットにはおそらく様々なグレードがあるのでしょう。









FRPと一口に言っても樹脂の種類(エポキシ樹脂やポリエステル樹脂)それからガラス繊維の種類としてガラスマットの他にガラスクロスもあります。
さらに高級なカーボン繊維やケブラー繊維もネットショップで容易に入手可能です。
グランセプターGS-1(オーディオ懐古録オーディオの足跡)ではFRPとダンプ材を積層しているそうです。
今回はそうした異なる材料との積層は行う予定はありませんが、FRPの積層作業はいつでも追加できます。






FRPについて学ばせていただいたサイトです。

まずは作ってみてナンボ! 速攻FRP講座
まずは作ってみてナンボ! 速攻FRP講座 その2
FRPの離型剤と下地素材の邪道編

なお、ポリエステル樹脂に「はかり」はいらないです。
料理用計量カップで計った水を紙コップに注いでマーキングしておけば樹脂量は計れます。
一方、エポキシ樹脂は正確な計量が必要です。




 

2011/11/03

DIY Speaker (45)

硬化完了、カチカチです。
今度は歪が発生しませんでした。







マスク装着、FRP作業に入りました。
ガラスマットに触るのは初めて。
はさみで切ってみます。
ガラスマットはしなやかで紙のように簡単に切れます。

ポリエステル樹脂に入っている溶剤によりガラスマットのガラス繊維同士をくっつけているバインダーが溶けるため、硬化剤を混ぜたポリエステル樹脂を塗りつけるとガラス繊維がほぐれます。
ガラス繊維自体が柔らかくなるわけではないのですが、まるで鱶鰭のようです。
なお、ガラスマット片の大きさは画像のような大きなものよりも20cmx10cm程度の方が扱いやすいです。

ベル部の裏側までポリエステル樹脂が浸透していないためパラフィン層が露出していません。
このためパラフィン層をサンドペーパーで削り落とす必要がありません。

最初にポリエステル樹脂をベル部の裏側に塗り、それからガラスマット片を置き、刷毛でそのガラスマット片にポリエステル樹脂を塗り込みます。
急いでもバインダーが溶けませんからゆっくり作業を進めます。
適度に隣り合ったガラスマット片同士を重ねながらこの作業を繰り返してゆきます。






意外と簡単です。
FRP作業は初めてですがなかなかの仕上がりになりました。
なお、白くなっているのはガラス繊維が毛羽立っている部分であり気泡ではありません。






ここまでの作業でポリエステル樹脂を4kg使用しました。
というか、缶が空っぽになってあえなく作業終了。