2012/03/15

JBL 2332 and 2352 (5)

2352が出現したときはかなり衝撃を受けました。
何故ならまだ2インチ径のスロート口をもつコンプレッションドライバーを持っていなかったからです。
従来のドライバーを装着できないホーン…

さらにあまりにもホーン長が短く、そして残念なほど軽量だった。
たったの10インチ、そして2.2kg…
ホーンは長く重くないとダメだと思い込んでいた。

しかし、2352について長い間考え込んでいたからか、今では2352を別の方向から評価することができるようになりました。








2352の外観図を眺めていると、2360や2380とずいぶん異なることが分かります。
2360や2380のような長いスロート部がありません。
スロート部は非常に短く、スリット(ギャップ)もとても小さい。








それにスリットから続く左右のホーン面は平坦面であり、これはウェーブガイドホーンのようです。
ところがこの2352はウェーブガイドホーンではなく、Optimized Aperture Bi-Radial Horn(オプティマイズドアパチャーバイラジアルホーン)と呼ばれています。




2352、君のことが好きだった、というわけで昔のスピーカーファイルの中から数枚を。
ネットワークの設計図などがあり、これでマトモな音に追い込めると思ってたんだ...
2360Aを入手するはるか以前のものです。







2012/03/10

JBL 2332 and 2352 (4)

PEAVEY社の米国特許6059069号の続きです。

ウェーブガイドホーンが従来のホーンと一番違うことはスロート口へ供給される波面が平面波でなければならないという点です。
下の図は上記特許の図5です。
スロート口14に接続されたドライバーから供給された平面波は曲面部分24から平坦面42へと進行する。
このとき、波面は常にホーン壁面に対して直角となりスムーズに進行します。








定指向性ホーンではスリット(ギャップ)による回折現象を利用して拡散していましたが、ウェーブガイドホーンは、曲面部分24により平坦面42のコニカルホーン部へスムーズに移行させつつ拡散させます。
正確な球面波が進行するということです。
このため大音量時における歪率の低下を達成することができました。









リボン型ユニットがウエーブガイドホーンのドライバーとして採用されるのは平面波とこのホーンとの相性が良いためです。
上のシステムはリボン型ユニットを採用したPeavey社のVersarray 112です。









ウェーブガイドホーンと称していますが、曲面部分24は見当たらず、複合コニカルといった雰囲気です。