2010/12/26

Eighteen Sound 18NLW9000

18NLW9000Eighteen Sound社の18インチサブウーファー用ユニット。
5.3インチ(135mm)径のサンドイッチ型ボイスコイル、ネオジム磁気回路、カーボンファイバー混漉コーン等、先行して発売されている18NLW9600と同様の構成。
但し、9600は同社の特徴的なトリプルシリコンスパイダー(TSS)を装備し、9000はダブルシリコンスパイダーとなっています。









Eighteen Sound社は、18NLW9600をバスレス、バンドパス、ホーンロード用としし、18NLW9000をバスレフ、バンドパス用としています。
この関係は、21NLW9600と21NLW9000の関係に似ています。

詳しく見てゆくと、18NLW9600のMmsは261g、18NLW9000は218g。
一昔前の常識ではホーンロード用の9600の方を軽くすべきでは?という疑問がでます。
でも、現代的な折曲げ式のフロンロードホーンでパワフルな低音を得るためには大きめのMmsにする必要があるのでしょう。
このような理解にはプレシジョンディバイシズ社のPD184とPD1850を比較したここの説明が参考になります。

また、9600と9000は何れも5.3インチのサンドイッチ型ボイスコイルですが、9600が4層タイプであるのに対し、9000は2層タイプとなっています。
このためBL値も異なっており、9600が30であるのに対し、9000が27。
微妙に作り分けられているのがおもしろいなぁ。







18NLW9000

GENERAL SPECIFICATIONS
Nominal Diameter 462 mm (18 in)
Rated Impedance 8 ohms
AES Power 1800W
Program Power 3600W
Peak Power 10000W
Sensitivity 97 dB
Frequency Range 32 - 2500 Hz
Power Compression @ -10 dB 0.7 dB
Power Compression @ -3 dB 1.2 dB
Power Compression @ 0 dB 2.2 dB
Max Recomm. Frequency 300 Hz
Recomm. Enclosure Volume 120 ÷ 350 lt. (4.2 ÷ 12.4 cuft)
Minimum Impedance 6,7 ohms at 25° C
Max Peak To Peak Excursion 70 mm (2,75 in)
Voice Coil Diameter 135 mm (5,3 in)
Voice Coil Technology 2 layers copper clad aluminum wire
Suspension Triple Roll, Polycotton
Cone Straight Ribbed, Treated Paper

THIELE SMALL PARAMETERS
Fs 34 Hz
Re 5,5 ohms
Sd 0,1225 sq.mt. (190 sq.in.)
Qms 7
Qes 0,32
Qts 0,31
Vas 206 lt. (7.3 cuft)
Mms 218 gr. (0,48 lb)
BL 27 Tm
Linear Mathematical Xmax ±14 mm (±0,55 in)
Le (1kHz) 1,90 mH
Ref. Efficiency 1W@1m (half space) 96,1 dB

MOUNTING INFORMATIONS
Overall diameter 462 mm (18,18 in)
N. of mounting holes 8
Mounting holes diameter 8,5 mm (0,33 in)
Bolt circle diameter 440mm (17,32 in)
Front mount baffle cutout diameter 416 mm (16,38 in)
Rear mount baffle cutout diameter 422 mm (16,61 in)
Total depth 237,5 mm (9,3 in)
Flange and gasket thickness 26 mm (1,02 in)
Net weight 12,5 kg (27,6 lb)
Shipping weight 14 kg (30,9 lb)
CardBoard Packaging dimensions 482 x 482 x 257 mm (19 x 19 x 10,1 in)




HPを更新しました。



2010/12/24

B&C SPEAKERS 12BG100

12BG100は2010年後半に発表されたB&C社の12インチサブウーファー用ユニット。
4インチ径サンドイッチ型ボイスコイル、シリコン製のダブルスパイダー、ネオジム内磁型磁気回路搭載。
仕様を見ているとこれは15インチ版の15BG100と磁気回路を共用しているように思います。
Mmsは152gと平均的な15インチ以上という異常ぶり。
おかげで推奨箱の容積は40Lと超コンパクト。











12BG100

2000 W continuous program power capacity
100 mm (4 in) copper voice coil
40 - 1000 Hz response
93 dB sensitivity
FEA optimized Neodymium magnet assembly
Double silicone spider with optimized compliance
Ventilated voice coil gap for reduced power compression

Specification
Nominal Diameter 320 mm (12 in)
Nominal Impedance 8 ohm
Minimum Impedance 5.8 ohm
Continuous Power Handling 2000 W
Nominal Power Handling (AES) 1000 W
Sensitivity (1W/1m) 93 dB
Frequency Range 40 - 1000 Hz
Voice Coil Diameter 100 mm (4 in)
Winding Material Copper
Former Material Glass Fibre
Magnet Material Neodymium Inside Slug
Winding Depth 26.5 mm (1.05 in)
Magnetic Gap Depth 11 mm (0.43 in)
Flux Density 1.15 T

Parameters
Fs 39 Hz
Re 5.1 ohm
Qes 0.35
Qms 6.8
Qts 0.33
Vas 41 dm3 (1.45 ft3)
Sd 522 cm2 (80.9 in2)
EtaZero 0.7 %
Xmax +- 10.5 mm
Xvar +- 14 mm
Mms 152 g
Bl 23 Txm
Le 1.6 mH
EBP 111 Hz

Mounting & Shipping
Overall Diameter 319 mm (12.5 in)
Bolt Circle Diameter 299 mm (11.8 in)
Baffle Cutout Diameter 281 mm (11.1 in)
Depth 137 mm (5.4 in)
Flange and Gasket Thickness 13 mm (0.5 in)
Air volume occupied by driver 2.7 dm3 (0.09 ft3)
Net Weight 8.2 kg (18 lb)
Shipping Weight 8.9 kg (19.6 lb)
Shipping Box 340x340x170 mm (13.4x13.4x6.7 in)

Design
Surround Shape Roll
Cone Shape Radial
Magnet Type Neodymium Inside Slug
Spider Double Silicone
Pole Design T-Pole
Recommended Enclosure vol 40 dm3 (1.41 ft3)
Recommended tuning freq. 40 Hz








2010年、重量級オーディオ界の衝撃ニュースといえば、これはヨハネスさんのPCオーディオ開始でしょう。
アナログ方向に大きく傾いた直後だったのでビックリしたなぁ…

今までデジタルの音が悪いというのが暗黙の了解事項?だったような認識がありました。
だからあまり積極的になれなかったというのが正直なところです。
積極的にやるとしたらどんな風にしていけばいいのか。
勉強しないといけないな。











測定環境があまりにもお粗末なので、測定用マイクとUS-144mk2の導入を検討中です。
これにはDigital Out(同軸のSPDIF)がついているので、これをDCX2496に入力できる
この程度のものだとダメなのだろうか?
しかし、USBとSPDIFという極めてポピュラーなデジタルtoデジタルにコストの影響があるとも思えない。

MIDIのIn/Outのインターフェイスも付いている。
DCX2496等のデジタル機器のコントロールにMIDIをどの程度使えるのだろうか?

このようなD/Dコンバータを使用するのも一つの手なのだが、それ以外の手もある。
PCでソフトのチャンネルディバイダーを動かし、出力はHDMI。
これをAVアンプで受けるというやり方。


しかし、AVアンプのチャンネル数ではステレオ3way程度。
その程度の小規模なマルチアンプではスピーカー遊びを堪能するのは無理だ。
それにHDMIの出力カードが2枚挿しとか、そういうのがマトモに動くのかどうか。

ソフトのチャンネルディバイダーとしてはfoobar等があるが、ステレオ8wayというような出力ができるのだろうか?
それから、帯域別のEQがないようなソフトは困る。
それだとDCX2496超えられないというか、使いものにならない。
プロ用のデジチャンには遠く及ばない。
う~ん、まだまだなのかなぁ。

さらにDAWのプラグインソフトの中に使えるものがあるかもしれない。
チャンネルディバイダーというよりも、スピーカーマネジメントシステムとしての多機能性が必要だし、その機能はプロの現場で磨かれているものであってほしい。
この解決策が最も魅力的かもしれない。
しかし、せっかくのDAWも、プラグインの部分しか使わないというのはもったいない。

そうするとDCX2496の新型が出るまでやり過ごす、という選択肢が浮かび上がってくる。
世界中のPAの現場の声を反映した新型。
どうなるのかなぁ…



2010/12/23

RCF MB12N407

MB12N407RCF社の12インチ、ミッドベース用ユニット。
これも2010年後半に発売されました。
15インチのMB15N407の姉妹機種です。
但し、こちらのコーンにはコルゲーションがありません。
4インチ径サンドイッチ型ボイスコイル、ネオジム磁気回路を搭載し、耐入力は700W。







この手の超強力12インチミッドベースとしては、BMS社の12N820P.Audio社のFL-12MBがあります。
どれも魅力的なので迷ってしまいます。






下の画像はGenelec社のスタジオモニター1034B
12インチダブル、5インチ、1インチメタルドームという構成。
MB12N407とは関係ありませんが、12インチを使用したシステムとしてはこれが好きです。
浅いホーンというのも音がよさそう。

箱の容積は160Lと大きいです。
サブウーファーを足すなら、ミッドベースの12インチダブルにして小型化を図る、とか。





下の画像は18インチダブルの1036A
う~ん、カッコいい。






GenelecのスピーカーシステムにはPeerless、Seas、Vifaなどのユニットが使用されているようです。
しかし、市販品をそのまま使用しているのではなく、Genelecいわくテーラーメードだそうです
洋服の仕立てのように、Genelecの希望にかなうユニットになるよう、仕様やパラメータを変更してもらうのでしょう。
このあたりに彼らのノウハウがあるのでしょう。





MB12N407

Features
4-inch , fibreglass inside-outside copper voice coil
1400 Watt continuous program power handling
98 dB Sensitivity
40Hz – 2.0KHz Frequency range
Dual-forced air ventilation for minimum power compression
Triple-roll surround and exponential cone geometry
Ultra lightweight 4"

General Specifications
Nominal Diameter: 300 / 12 mm/inch
Rated Impedance: 8 Ω
Program Power: 1400 W AES
Power handling capacity: 700 W AES
Sensitivity: 98 dB
Frequency Range: 40 Hz ÷ 2000 Hz
Effective Piston Diameter: 260 / 10.2 mm/inch
Max Excursion Before Damage (peak to peak): 45 / 1.77 mm/inch
Minimum Impedance: 6.8 Ω
Voice Coil Diameter: 100 / 4 mm/inch
Voice Coil Material: Copper
Voice Coil Winding Depth: 19 / 0.75 mm/inch
Number of layers: 2
Kind of layer: inside/outside
Top Plate Thickness: 12 / 0.47 mm/inch
Cone Material: No pressed pulp
Cone Design: Curved
Surround Material: Polycotton
Surround Design: Triple-roll

Thiele/Small Parameters
Resonance frequency: 48 Hz
DC resistance: 5.1Ω
Mechanical factor: 6.2
Electrical factor: 0.20
Total factor: 0.19
BL Factor: 26.8 T · m
Effective Moving Mass: 88.5 g
Equivalent Cas air load: 50 liters
Effettive piston area: 0.053 m²
Max. linear excursion (mathematical): 6.5 mm
Voice - coil inductance @ 1kHz: 0.79 mH
Half-space efficiency: 2.8%

Mounting information
Overall Diameter: 303 / 12.0 mm/inch
Bolt Circle Diameter: 293.5-294.5 / 11.5-11.6 mm/inch
Bolt Hole Diameter: 5.5 / 0.21 mm/inch
Front Mount Baffle Cut-out: 284 / 11.18 mm/inch
Rear Mount Baffle Cut-out: 286 / 11.25 mm/inch
Depth: 115 / 4.53 mm/inch
Volume occupied by the driver: 2.6 / 0.08 liters/ft³
Net Weight: 4.5 / 9.9 kg/lbs

Shipping information
Shipping weight: 5.3 / 11.6 kg/lbs



 

2010/12/22

Suntory Hall The 533th Popular Series

読売日本交響楽団の第533回名曲シリーズのコンサートに行ってきました。






年末恒例のベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」。
指揮はヒュー・ウルフさん、独唱は木下美穂子さん(S)、林美智子さん(M-s)、高橋淳さん(T)、与那城敬さん(Br)。
混声合唱は新国立劇場合唱団。
迫力があり、大変素晴らしかったです。
独唱も混声合唱も本当に良かった。

オーケストラの背後に合唱団が配置されているため、ティンパニ等の打楽器群が上手に移動。
その場所にあったコントラバス群が今度は下手に移動。
第1第2バイオリンが両翼に展開し、内側の下手側にチェロ、上手側にビオラだったように思います。
木管群がその後ろ、その木管群を挟むように下手側にホルンとそれ以外の金管群が上手側に配置されていました。

第9はティンパニが大活躍の曲です。
いつもと違う場所に配置されたティンパニの音が全然ちがうので驚いてしまいました。
それにコントラバス群が離れた場所に配置されていたため、今回のオーケストラの音はずいぶんすっきりした印象でした。

この素晴らしい第9を聴きながら思ったのは、この後に続く作曲家は大変だっただろうなぁということ。
これを超える曲をと考えたとき…おそらく彼等はクラクラッとしたことでしょう。









wikiの初演、パリでの部分的再演、ワーグナーによる復活演奏などの項目を読むと、第9は演奏するのがともかく大変な曲だったようです。

中川右介氏の「世界の10大オーケストラ」によると、ウィーンで第9が完璧なかたちで演奏されたのは1843年3月19日のことだったそうです。
オットー・ニコライ指揮、ウィーンフィルハーモニーによる演奏。

このニコライの前任とも言えるフランツ・ラハナーはベートーヴェンの交響曲を満足なかたちで演奏したい、要するに自分自身が聴いてみたいという動機でベートーヴェンの交響曲の指揮を行ったのだそうです。
情熱的な話ですね。

現代では歴史的名演を格安のCDで聴くことができ、大規模なプロオーケストラの生演奏を聴く機会にも恵まれています。
ありがたいことです。

最近、古本の「ドキュメントサントリーホール誕生」を読みました。
ホール音響の詳しい話やその根底にある音楽観の話を期待したのですがダメでした…
う~む。




2010/12/21

RCF MB15N407

MB15N407RCF社の15インチ、ミッドベース用ユニット。
2010年後半に発売されました。






RCF社には15インチのミッドベースユニットとして、すでにMB15N401があります。
今回のMB15N407とMB15N401は、どちらもネオジム磁気回路、4インチ径サンドイッチ型ボイスコイルを搭載しており、あえて2機種必要なのでしょうか?
RCF社はミッドベース用の15インチが好きなのでしょう。

15インチのミッドベース、意外といいのではないかと思っています。
下を切って、上だけ使う。
白ホーンシステムでは100Hzから450Hzまでを15インチのALTEC3156に任せています。
100Hz以下はPeavey社のLomax18。
中低域は厚みがあって混濁せず、そして最低域はどこまでも深く足元がぐらりときます。








上の画像は今回のMB15N407、下の画像がMB15N401です。
ご覧の通り、MB15N407の方が華奢な感じです。
重さもMB15N407が4.9kg、MB15N401が7.5kgと2.6kgも軽量になっています。





RCF社とB&C社、何れもイタリアのメーカー。
どちらもスピーカーユニットのデザインが素晴らしい。
トスカニーニ、アバド、ムーティ、シノーポリ、ジュリーニの国、そう考えるといっそう興味が湧きます。



MB15N407

Features
4-inch , fibreglass inside-outside copper voice coil
1700 Watt continuous program power handling
99.5dB Sensitivity
40Hz –2.5KHz Frequency range
Dual-forced air ventilation for minimum power compression
Triple-roll surround and exponential cone geometry
Ultra lightweight 4"

General Specifications
Nominal Diameter: 380 / 15 mm/inch
Rated Impedance: 8 Ω
Program Power: 1700 W AES
Power handling capacity: 850 W AES
Sensitivity: 99.5 dB
Frequency Range: 40 Hz ÷ 2500 Hz
Effective Piston Diameter: 340 / 13.4 mm/inch
Max Excursion Before Damage (peak to peak): 40 / 1.57 mm/inch
Minimum Impedance: 6.4 Ω
Voice Coil Diameter: 100 / 4.0 mm/inch
Voice Coil Material: Copper
Voice Coil Winding Depth: 19 / 0.75 mm/inch
Number of layers: 2
Kind of layer: inside / outside
Top Plate Thickness: 12 / 0.47 mm/inch
Cone Material: No pressed pulp
Cone Design: Curved
Surround Material: Polycotton
Surround Design: Triple roll

Thiele/Small Parameters
Resonance frequency: 45 Hz
DC resistance: 5.0Ω
Mechanical factor: 7.7
Electrical factor: 0.21
Total factor: 0.20
BL Factor: 26.8 T · m
Effective Moving Mass: 106 g
Equivalent Cas air load: 120 liters
Effettive piston area: 0.091 m²
Max. linear excursion (mathematical): 6.5 mm
Voice - coil inductance @ 1kHz: 1.6 mH
Half-space efficiency: 5.05%

Mounting information
Overall Diameter: 388 / 15.3 mm/inch
Bolt Circle Diameter: 369-373.5 / 14.5-14.7 mm/inch
Bolt Hole Diameter: 5.5 / 0.22 mm/inch
Front Mount Baffle Cut-out: 364 1 / 14.33 mm/inch
Rear Mount Baffle Cut-out: 360 / 14.17 mm/inch
Depth: 150 / 5.91 mm/inch
Volume occupied by the driver: 3.4 / 0.12 liters/ft³
Net Weight: 4.9 / 10.80 kg/lbs

Shipping information
Shipping weight: 5.9 / 13.01 kg/lbs















2010年12月9日、上杉佳郎氏が死去されました。
心よりご冥福をお祈りいたします。


「結論から申し上げると、私が考えるマルチアンプシステムの魅力は前述のように「歪み感のない透明度の高い爽快な音」にある。
簡単に言えば「清潔な音」ということになろう。
その理由は簡単だ。
電力信号を扱い、かつ負荷インピーダンスが周波数の変動によって刻々と変化する部分に、コイルとかコンデンサー、そしてアッテネーターといったものが介在しないからだ。」


「マルチアンプシステムは、一般的に大変むずかしい、と言われている。
しかし、私はそのようには思っていない。
つながりのよいユニット群を探し出すことは、正直にいってむずかしいが、それにめぐり会えればその後は簡単である。」


「マルチアンプシステムの場合、位相調整とレベルの調整を行わなければならない。
これには、私はヴォーカルをテストソースに多用する。

まず、自然な音となるようにレベルを調整し、ついで位相を調整する。
これには、前述の位相反転スイッチと、低音用スピーカーの前後位置調整とを組み合わせて行う。
ピタリと定位がきまり、自然な音、自然な歌い方となるように調整するのである。

この調整作業に焦りは禁物だ。
レベル調整と位相調整を交互に行っていけば、自然にベストポイントに収斂していくはずである。

さらに、これらの調整に関しては、記録をとっておくと便利である。
これらの調整は、部屋を含めてのトータルでの調整であるので、どのような測定器よりも最終的には自分自身の耳で決定を下すことになるのはいうまでもない。」

(別冊STEREO SOUND マルチスピーカー・マルチアンプ大研究 上杉佳郎氏の解説より)




 

2010/12/20

B&C SPEAKERS 15BG100

15BG100は2010年後半に発表されたB&C社のサブウーファー用ユニット。
15インチ、4インチ径サンドイッチ型ボイスコイル、シリコン製のダブルスパイダー、ネオジム内磁型磁気回路搭載。
許容入力は1kwと、略同時期に発表された15SW100や15SW115よりも小さくなりますが、そのMmsは240gと超ヘビー級。
推奨箱の容積は160Lと大きく、また推奨ダクト共振数は29Hzと低いです。







こういう最低域を欲張った設定のユニットというのはパワーが入りにくくなります。
でもそれを承知でラインナップに加えるというのが、さすがB&C社です。









この手の15インチユニットとしてはJBL社の2256Gがありました。
2256Gを搭載していたのはVERTECのコンパクトシリーズのVT4881
その後、このVT4881はVT4881A(下の画像)へモデルチェンジします。
そのVT4881Aに搭載されたのは、なんと18インチの2269H
箱の大きさは同じ。







サブウーファーとして15インチか18インチかは迷うところです。
PAでは18インチが主流ですが、あなたはどっちを採る?





15BG100

Specification
Nominal Diameter 380 mm (15 in)
Nominal Impedance 8 ohm
Minimum Impedance 6 ohm
Continuous Power Handling 2000 W
Nominal Power Handling (AES) 1000 W
Sensitivity (1W/1m) 94.5 dB
Frequency Range 35 - 1000 Hz
Voice Coil Diameter 100 mm (4 in)
Winding Material Copper
Former Material Glass Fibre
Magnet Material Neodymium Inside Slug
Winding Depth 26.5 mm (1.05 in)
Magnetic Gap Depth 11 mm (0.43 in)
Flux Density 1.25 T

Parameters
Fs 36 Hz
Re 5.1 ohm
Qes 0.49
Qms 5
Qts 0.44
Vas 83 dm3 (2.93 ft3)
Sd 855 cm2 (132.5 in2)
EtaZero 0.8 %
Xmax +- 10.5 mm
Xvar +- 14 mm
Mms 240 g
Bl 23 Txm
Le 1.6 mH
EBP 73 Hz

Mounting & Shipping
Overall Diameter 393 mm (15.5 in)
Bolt Circle Diameter 374 mm (14.7 in)
Baffle Cutout Diameter 354 mm (13.9 in)
Depth 189 mm (7.44 in)
Flange and Gasket Thickness 24 mm (0.94 in)
Air volume occupied by driver 6 dm3 (0.21 ft3)
Net Weight 8.6 kg (18.9 lb)
Shipping Weight 10 kg (22 lb)
Shipping Box 420x420x200 mm (16.5x16.5x7.9 in)

Design
Surround Shape Roll
Cone Shape Radial
Magnet Type Neodymium Inside Slug
Spider Double Silicone
Pole Design T-Pole
Recommended Enclosure vol 160 dm3 (5.65 ft3)
Recommended tuning freq. 29


2010/12/18

RCF LF15N451

2010年度後半にRCF社はネオジム磁気回路を搭載したコーン型ユニット群を充実させました。
LF15N451は4.5インチ径ボイスコイルコイルを有する15インチウーファーユニット。
ボイスコイルはサンドイッチタイプであり、BL値は33.5と超強力。
シリコンでダンプされているスパイダーはダブル。






4.5インチ径ボイスコイルの15インチユニットは、最近増えつつあるコンパクトタイプのラインアレイと組み合わせるサブウーファー用が主な用途になるのではないかと思っています。
4.5インチ径ボイスコイルの15インチユニットはまだポピュラーではなく、他にはB&C社の15SW115とbeyma社の15G450/N(下の画像)ぐらいだと思います。
15G450/Nはフェライトマグネット磁気回路であり、LF15N451や15SW115に比べると許容入力が1ランク落ちます。






LF15N451

Features
4.5-inch fiberglass inside/outside copper voice coil
2600 Watt continuous program power handling
97 dB Sensitivity
35 Hz – 1.5 kHz Frequency range
Dual-forced air ventilation for minimum power compression
Dual spider designed with silicon based damping control
BL of 33.5 T/m to provide a faster and accurate low frequency

General Specifications
Nominal Diameter: 380 / 15 mm/inch
Rated Impedance: 8 Ω
Program Power: 2600 W AES
Power handling capacity: 1300 W AES
Sensitivity: 97 dB
Frequency Range: 35 Hz ÷ 1500 Hz
Effective Piston Diameter: 340/13.4 mm/inch
Max Excursion Before Damage (peak to peak): 64 / 2.51 mm/inch
Minimum Impedance: 7.4 Ω
Voice Coil Diameter: 115 / 4.5 mm/inch
Voice Coil Material: Copper
Voice Coil Winding Depth: 25 / 1.0 mm/inch
Number of layers: 2 Kind of layer: inside / outside
Top Plate Thickness: 15 / 0.6 mm/inch
Cone Material: No pressed pulp
Cone Design: Straight
Surround Material: Polycotton
Surround Design: Triple roll

Thiele/Small Parameters
Resonance frequency: 35 Hz
DC resistance: 5.1Ω
Mechanical factor: 4.2
Electrical factor: 0.19
Total factor: 0.18
BL Factor: 33.5 T · m
Effective Moving Mass: 171 g
Equivalent Cas air load: 125 liters
Effettive piston area: 0.091 m²
Max. linear excursion (mathematical): 8.7 mm
Voice - coil inductance @ 1kHz: 2.6 mH
Half-space efficiency: 2.64%

Mounting information
Overall Diameter: 393 / 15.5 mm/inch
Bolt Circle Diameter: 371-376 / 14.6-14.8 mm/inch
Bolt Hole Diameter: 6.5 / 0.25 mm/inch
Front Mount Baffle Cut-out: 354 / 13.9 mm/inch
Rear Mount Baffle Cut-out: 354 / 13.9 mm/inch
Depth: 157 / 6.2 mm/inch
Volume occupied by the driver: 3.8 / 0.13 liters/ft³
Net Weight: 9.9 / 21.7 kg/lbs

Shipping information
Shipping weight: 11.38 / 25 kg/lbs 



2010/12/16

B&C SPEAKERS 15SW100 and 15SW115

15SW10015SW115は2010年11月26日に発表されたB&C社のハイパワー用サブウーファーユニット。
何れも許容入力(AES)は1.5kWの15インチ、ネオジム内磁型磁気回路を搭載。
スパイダーはシリコン製のダブル。

15SW100はボイスコイル径が4インチ、15SW115が4.5インチであり、15SW115の方がよりハイパワー型である。
BL値は15SW100でも25.6もあり、15SW115にいたっては30にもなる。
Mmsも15SW100が176g、15SW115が200gとヘビー級。
15SW100の推奨箱の容積は120L、15SW115は90L。
この手のウーファーユニットはきちんと帯域分割をして最低域で使用すると実に深い音で鳴ってくれる。

下の画像は15SW100であり、15SW115の画像は残念ながら発表されていない。






下の図面は上が15SW115、下が15SW100。
15SW115の方が磁気回路がやや大きいことが分かる。
なお、15SW100の重量は9.5kg、15SW115は12kgもある。





15SW100

Nominal Diameter 380 mm (15in)
Nominal Impedance 8 ohm
Minimum Impedance 6.5 ohm
Continuous Power Handling 3000 W
Nominal Power Handling (AES) 1500 W
Sensitivity (1W/1m) 95 dB
Frequency Range 40 - 1500 Hz
Voice Coil Diameter 100 mm (4 in)
Winding Material Copper
Former Material Glass Fibre
Magnet Material Neodymium Inside Slug
Winding Depth 32 mm (1.26 in)
Magnetic Gap Depth 16 mm (0.63 in)
Flux Density 1.15 T

Fs 37 Hz
Re 5.4 ohm
Qes 0.34
Qms 4.8
Qts 0.31
Vas 110 dm3 (3.9 ft3)
Sd 855 cm2 (132.5 in2)
EtaZero 1.6 %
Xmax +- 12.5 mm
Xvar +- 13 mm
Mms 176 g
Bl 25.6 Txm
Le 2.2 mH
EBP 108 Hz
Overall Diameter 393 mm (15.5 in)
Bolt Circle Diameter 374 mm (16.7 in)
Baffle Cutout Diameter 353 mm (13.9 in)
Depth 190 mm (7.5 in)
Flange and Gasket Thickness 16 mm (0.63 in)
Air volume occupied by driver 6 dm3 (0.21 ft3)

Net Weight 9.5 kg (21 lb)
Shipping Weight 10.9 kg (24 lb)
Shipping Box 420x420x200 mm (16.5x16.5x7.9 in)
Surround Shape Triple Roll
Cone Shape Radial
Magnet Type Neodymium Inside Slug
Spider Double Silicone
Pole Design T-Pole
Woofer Cone Treatment TWP Waterproof Both Sides
Recommended Enclosure volume 120 dm3 (4.24 ft3)
Recommended tuning frequency 35 Hz





15SW115

Nominal Diameter 380 mm (15 in)
Nominal Impedance 8ohm
Minimum Impedance 6.5 ohm
Continuous Power Handling 3000 W
Nominal Power Handling (AES) 1500 W
Sensitivity (1W/1m) 96dB
Frequency Range 35 - 1500 Hz
Voice Coil Diameter 116 mm (4.5 in)
Winding Material Copper
Former Material Glass Fibre
Magnet Material Neodymium Inside Slug
Winding Depth 34 mm (1.33 in)
Magnetic Gap Depth 14 mm (0.55 in)
Flux Density 1.15 T

Fs 35 Hz
Re 5.2 ohm
Qes 0.25
Qms 4.4
Qts 0.24
Vas 110 dm3 (3.9 ft3)
Sd 855 cm2 (132.5 in2)
EtaZero 1.8 %
Xmax +- 13.5 mm
Xvar +- 13 mm
Mms 200 g
Bl 30 Txm
Le 1.8 mH
EBP 140 Hz
Overall Diameter 393 mm (15.5 in)
Bolt Circle Diameter 374 mm (16.7 in)
Baffle Cutout Diameter 353 mm (13.9 in)
Depth 193 mm (7.6 in)
Flange and Gasket Thickness 16 mm (0.63 in)
Air volume occupied by driver 7 dm3 (0.25 ft3)

Net Weight 12 kg (26.4 lb)
Shipping Weight 13.9 kg (30.6 lb)
Shipping Box 420x420x200 mm (16.5x16.5x7.9 in)
Surround Shape Triple Roll
Cone Shape Radial
Magnet Type Neodymium Inside Slug
Spider Double Silicone
Pole Design T-Pole
Woofer Cone Treatment TWP Waterproof Both Sides
Recommended Enclosure volume 90 dm3 (3.2 ft3)
Recommended tuning frequency 40 Hz










マーラーが好きな訳だ。
ちょうど100歳年下になる。
だからどうしたということでもないのだが、生誕150年というような理由は"つねに"ない。
つねに100年目の同い年。

しかし、来年はマーラーが死んでしまう年。
そういう意味で、もう少し真剣に生きてみたらどうか、とも思っている。

音楽に詳しくはないのだが、
何故マーラーの交響曲があのようになってしまうのか、何となく理解できる。
そうせざるを得ない、ということが理解できる。
能天気なテンシュテットの全集を聴きながら、
今年は暮れる。

もう少し、オーディオを真面目にやってみたらどうか、と思うようになった。


2010/12/09

DIY Speaker (20)

Peavey社が所有しているWaveguide hornの米国特許6059069号
しかし、この米国特許がWaveguideの基本特許というわけではない。






現在の業務用ホーンは定指向性ホーンからウェーブガイドホーンへ移行しつつある。
このウェーブガイドホーンは歪や指向性制御において優れている。
上の図5はウェーブガイドホーンの説明でよく見る。
外套膜みたいじゃなイカ。

このUS6059069号には、下のような比較グラフ(図4)が記載されている。
ウェーブガイドホーンとコニカルホーンとエクスポネンシャルホーンの広がり率の比較。









横軸がホーンの長さ方向、縦軸がホーンの広がり率。
ご存知のように、エクスポネンシャルホーンというのはホーンの長さ方向のどの位置においても広がり率は一定。

コニカルホーンは、ホーンのスロート口では非常に急速に拡大することになるため広がり率が大きい。
しかし、スロート口から離れれば離れるほど広がり率は徐々に小さくなってゆく。
このことは、コニカルホーンの音響抵抗がホーンの長さ方向において徐々に増加することを意味し、これがコニカルホーンの特徴となっている。

ウェーブガイドホーンでは、スロート口は略筒状となっているため、広がり率は極めて小さいことになる。
そして、スロート口から離れていくと徐々に広がり率が大きくなり、曲面部分が終わる位置において広がり率が最大になる。
上の図5において符号42で示されている部分が曲面とコニカル面の接合している部分になるが、その部分に対応するホーン長位置での広がり率が、図4のホーンの広がり率の最大値となっている。
そして、そこから先はコニカルホーンになるため、広がり率が徐々に小さくなる。








Behringer社の新しいパワーアンプシリーズ
iNUKEというシリーズ名。
Nukeは核兵器とか核爆弾という意味。
NU1000、3000、6000と、DSP付きのNU1000DSP、3000DSP、6000DSPの6機種。
Class-D、スイッチング電源。

コンバータは24bit/96kHz。
DSPはディレイ、クロスオーバー、EQ(8パラメトリック、2ダイナミック)の機能を有する。
こうしたDSP付きが主流になっていくのだろうか?

オーディオ的な使い方をする場合、デジタルチャンネルディバイダーを使用する方が使いやすいような気がする。
設定のメモリーをデジタルチャンネルディバイダーで一括して管理できるからだ。
でもPCオーディオが主流になると、今度はPCと各アンプをUSB等で接続しそれら設定を一括管理できる。
やはり将来はこうした方向になっていくのかもしれない。





2010/11/23

Haydn Edition 150CD



このボックスを購入した動機はアダム・フィッシャーのオーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団による交響曲全集。
でも、クチコミによるとバリトン三重奏など、バリトンを使用した全曲がCD112からCD131に収められていることが特徴だそうだ。





演奏したのはエステルハージ アンサンブル(上の画像)。
中央のバリトンがMichael Brussingさん、ヴィオラがAndras Bolykiさん、チェロがMaria Andrasfalvyさん。
ハイドンザールのステージの上から客席側を背にして撮影したものだね。

2006年~2009年、エステルハージ宮殿での録音。
演奏も録音も大変素晴らしいです。
2009年にこのエステルハージ アンサンブルがバリトンのハイドン作品を発売したことは画期的なことだったようで、このことはwikiにも紹介されていた。

下の画像はMichael Brussingさんのbaryton。





う~む、なんと美しい楽器なのだろう…


Barytonという楽器を知らなかったので調べてみた。
wikiによると、チェロと似た大きさで7本または6本のガット弦と9本から24本の共鳴弦を備えている。
そして、ガット弦は弓で弾き、共鳴弦は左手の親指で弾くそうである。
理解できないのでYouTubeを見てみると…






なんと、弓用の弦と共鳴弦と呼ばれるものが2階建てバスのように配置されているではありませんか!
youtubeでは共鳴弦がBメジャースケールだと説明しています。
Michael Brussingさんのbarytonでは、7弦で共鳴弦は10弦あるように見えます。
う~ん、これは大変な演奏技術が必要。
案の定、こうしたことがネックになってこの楽器は使われなくなってしまったそうです。









wikiによると
「バリトンの曲目として最もよく知られているのは、ハイドンがこの楽器を嗜んだエステルハージ侯爵の為に書いた175曲である。
これらのうち126曲は、ヴィオラ・チェロ・バリトンの三重奏である。
これらの曲は1766年から1775年まで、ごく初期に書かれた。
エステルハージ侯が愛用していたバリトンは、ヴィオラ・ダ・ガンバのように調律されていた。」







最近はボックスセットのCDばかり聴いている。
理由としては、探さなくてもいいからかもしれない。
箱だからすぐに見つかるというか、どこかにまぎれて出てこないということがない。
ボックスセットのリストをパソコンで検索すると小品でも発見が楽。

それからCDの解説は字が小さくて読んでられない。
そのためwikiや詳しいサイトでそうした解説を読んでしまう。
こういう解説ではその作曲家の他の関連作品についても解説していることがある。
セットものであればそうした関連作品をすぐに聴ける。

それから格安のセットにもかかわらず演奏、録音ともに優秀になってきている。
需給のバランスがほぼ限界なのではないか。
これが一番影響しているかも。




かわるがわる聴いている箱は…
ピアノ(50CD)、DHM50th(50CD)、カラヤン(38CD)、マーラー(11CD)、ショスタコービッチ(12CD)、ハイドン(150CD)、モーツァルト(170CD)、ブラームス(60CD)。
他にもあるけど、これだけでも足し上げてみると541枚もあるんだ。
ちょっとびっくりした。

という訳でボックスでしか買わなくなってきている。
ボックスセットの未収録曲はチェックしておき、"そのうち買いますリスト"を作ってあるが、買ったためしがないです。




曲より演奏重視というのが好きになれない。
レコード会社は売れる曲を売れる演奏家に依頼する。
同じ曲ばかりを異なる演奏家が演奏する。
同じ曲の異なる演奏を比較して喜ぶのがクラシックの趣味ということ。
レコード雑誌にそんなふうに躾けられてしまった。
考え方がオーディオ雑誌と同じだね。
マンネリになるのは当たり前。

根底にあったのは手っ取り早く売り上げを伸ばすこと。
それを続ければどんな商売でもダメになる。

赤い花と白い花、どちらが素敵か?
ということばかり問題にしているように装えば、
花と星はどちらが素敵か?
などということは誰も問題にしなくなる。

だからそういうクラシック趣味というのはおかしいと思ってる。
別の楽しみ方もあるということ。
レコード雑誌もそのうちなくなるしね。
それもあってボックスものを聴いているのかもしれない。


2010/11/21

Suntory Hall The 532th Popular Series

読売日本交響楽団の第532回名曲シリーズのコンサートに行ってきました。






指揮はシルヴァン・カンブルランさん。

前半はハイドン/交響曲第6番 〈朝〉、交響曲第7番 〈昼〉 、交響曲第8番 〈夕べ〉という3部作。
約40名という、この作品としては巨大なオーケストラ。
ハイドンを現代の音響環境に合わせてみる、あるいは、楽団の団員を一人でも多くハイドンで鍛える。
結果として、これはハイドンの時代には聴けなかったハイドン。
リッチな音ゆえになんだか庶民の音。

救いだったのは、ブラーボの声が飛ばなかったこと。
こういう音楽にはそんなのは似合わない。
貴族の気分で上品に拍手しようね。

後半はストラヴィンスキー/バレエ音楽〈火の鳥〉全曲(1910年版)。
約100名、100年前、そして100%のハイパワー。

火の鳥はオーディオマニア御用達の一曲。
クラシックを聴かないマニアでも大抵持っている。
色彩感が豊かで大迫力。
特に大型システムだと大変よく鳴る。
しかし、帰り道、口ずさんだのはハイドンだった。




朝昼晩についてもう少し。
小編成、打楽器がない等々、交響曲の原初の姿。
朝昼晩の3つの交響曲は同時期に作曲されたそうです。
完成度が高いというか、ユーモアを感じさせる部分さえあるという余裕、老練な作曲家を感じさせる作品。
しかし、ストラヴィンスキーもそうだけどハイドンも30歳前ですから驚き。

特徴的なのは朝昼晩の第3楽章がいずれもMenuet and Trioであること。
コントラバスのソロの中間部を備えています。
朝昼晩の第3楽章を聴き比べてみると、それぞれ題名のイメージが湧きます。
第3番、第5番の交響曲も第3楽章がMenuet and Trioですが、朝昼晩に比べると雰囲気は大幅に異なります。

晩の第4楽章にはthe Storm(嵐)との記載があるそうです。
この嵐の描写、楽しげです。
単純に連想される激しさや恐ろしさがない。
その代わり次の稲光や雷鳴をワクワクしながら待つという気分を思い出しました。

朝昼晩の旋律はとてもおだやかで美しく格調高い。
露悪や過剰な表現とは無縁。
控えめで一線を越えず、だからこそ深く共鳴できる。
軸足がハイドンに移ってしまいそうです。








指揮はシルヴァン・カンブルランさん。

前半はハイドン/交響曲第6番 〈朝〉、交響曲第7番 〈昼〉 、交響曲第8番 〈夕べ〉という3部作。
約40名という、この作品としては巨大なオーケストラ。
ハイドンを現代の音響環境に合わせてみる、あるいは、楽団の団員を一人でも多くハイドンで鍛える。
結果として、これはハイドンの時代には聴けなかったハイドン。
リッチな音ゆえになんだか庶民の音。

救いだったのは、ブラーボの声が飛ばなかったこと。
こういう音楽にはそんなのは似合わない。
貴族の気分で上品に拍手しようね。

後半はストラヴィンスキー/バレエ音楽〈火の鳥〉全曲(1910年版)。
約100名、100年前、そして100%のハイパワー。

火の鳥はオーディオマニア御用達の一曲。
クラシックを聴かないマニアでも大抵持っている。
色彩感が豊かで大迫力。
特に大型システムだと大変よく鳴る。
しかし、帰り道、口ずさんだのはハイドンだった。




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朝昼晩についてもう少し。
小編成、打楽器がない等々、交響曲の原初の姿。
朝昼晩の3つの交響曲は同時期に作曲されたそうです。
完成度が高いというか、ユーモアを感じさせる部分さえあるという余裕、老練な作曲家を感じさせる作品。
しかし、ストラヴィンスキーもそうだけどハイドンも30歳前ですから驚き。

特徴的なのは朝昼晩の第3楽章がいずれもMenuet and Trioであること。
コントラバスのソロの中間部を備えています。
朝昼晩の第3楽章を聴き比べてみると、それぞれ題名のイメージが湧きます。
第3番、第5番の交響曲も第3楽章がMenuet and Trioですが、朝昼晩に比べると雰囲気は大幅に異なります。

晩の第4楽章にはthe Storm(嵐)との記載があるそうです。
この嵐の描写、楽しげです。
単純に連想される激しさや恐ろしさがない。
その代わり次の稲光や雷鳴をワクワクしながら待つという気分を思い出しました。

朝昼晩の旋律はとてもおだやかで美しく格調高い。
露悪や過剰な表現とは無縁。
控えめで一線を越えず、だからこそ深く共鳴できる。
軸足がハイドンに移ってしまいそうです。









YouTubeにあった交響曲第8番 〈夕べ〉の第2楽章と第3楽章。
4:26からの第3楽章、まさかのホルン大爆発。
沈痛な面持ちの指揮者、団員の表情も険しい。
8:41のコンマス、あからさまだ。

この3部作はソロパートやソロ同士の掛け合いが多い。
当時ハイドンが副楽長を務めたエステルハージ家の楽団は名手揃いだったそうである。

コントラバスとチェンバロは並べて配置されている。
これは実に重要。
残念ながらこの録画からは聴き取ることができないが、このコントラバスとチェンバロの音色の混ざり具合が最高に美しい。
ウーファーとツィーターの配置に気を配るのと同じ。
コンサートでもこのような配置だった。
なお、ハイドンはチェンバロを演奏しながら指揮をしたという説もある。







ハイドンを調べてゆくとブラームスに行き当たった。
そこでブラームス作品大全集(60CD)の中古をアマゾンから購入。
中古と言っても未開封新品、但し箱の角がつぶれているというもの。

こうしたセットものは全部聴く必要などない。
1枚でも気に入れば、それでいいのである。
要するに60枚の中から1枚だけしか気にいらなければ、その1枚は4200円ということだ。
そして、ありえないことだが全部を同じように気に入れば1枚が70円になるというだけのことである。
気に入った音楽の値段など考えて、それが一体何になるというのだ?

この文章、デジャヴではなく、単なる使いまわしである。
しかも安かったことを自慢したいだけである。
すまん。








2010/11/13

DIY Speaker (19)

作業が難航しているのではなく、このまま円形ホーンを作っていいのかという迷いが出てきてしまった。
Trioの評判を調べていたら、どうもあまりよろしくない。
離れて聴くべき、という話が気になる。
こういう感想が出るようなホーンはクセが強い場合が多い。
確かに円形のホーンでクセのない音を聴いたことがない。

ホーンの広がり形状において完璧なものが存在しない以上、円形のホーンは究極の形状ではない。
円形ホーンはどの放射方向においても単一の広がり形状であるためクセが強く出てしまうのではないか。
楕円や四角形状のホーンは、放射方向によって広がり形状が異なる。
こうしたホーンの方ががクセが分散し目立たなくなるのかもしれない。






今回の伸縮性のある生地で作るやり方は、様々なホーン形状を可能にする。
もう少し形状について考えてみたい。




気持ちの悪いスケッチばかり。
オカルトというよりホラーだね…







ハイドンエディション(150CD)とモーツァルト作品大全集(170CD)の中古をアマゾンから購入。
中古と言っても未開封新品、但し箱の角がつぶれているというもの。

ハイドンの交響曲6、7、8番について調べているうちに、このセットに行き当たった。
アダム・フィッシャーのオーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団による交響曲全集。
録音場所はウィーンの南50kmにあるエステルハージ宮殿のHaydnsaal(下の画像)である。
ホールトーンがうまく録音されており、何よりも演奏が格調高い。
チェンバロがオーケストラに入っていない手持ちのCD(古楽器使用が売りだという)に比べると雲泥の差である。
さらに、デジタル録音だそうである。
BRILLIANT CLASSICS、素晴らしい。




こうしたセットものは全部聴く必要などない。
1枚でも気に入れば、それでいいのである。
要するに320枚の中から1枚だけしか気にいらなければ、その1枚は29400円ということだ。
そして、ありえないことだが全部を同じように気に入れば1枚が92円になるというだけのことである。
気に入った音楽の値段など考えて、それが一体何になるというのだ?







将来、年に1ヶ月ぐらいはウィーンに滞在しようと思っている。









シャフベルク頂上駅の見晴らしの良い草原でイギリス人の夫婦と話した。

”日本人か?
日本人なら何故団体で行動しないんだ?
そうだ、我々はイギリス人だ。
オーストリアの田舎だと言葉が通じないな。
英語が通じる相手と話したくなるな。
なんだか似ているな。”

…これではいけない。









こんな天気だった。
動画の最初に出てくる急坂はもう頂上付近だ。



オーストリアと言えば、塩坑で有名なハルシュタットも大変美しかった。
町(といってもとても小さい)の人に宿はないかと尋ねると、湖に突き出した部屋に泊まれた。
朝靄の光景が幻想的だった。




2010/10/25

Classic Pro DCP2000

DCP1100に続き、DCP1400DCP2000が発売されました。






DCP2000
■タイプ:パワーアンプ
■ステレオ出力
・650Wx2 / 8ohms
・1100Wx2 / 4ohms
■ブリッジ出力
・2200W / 8ohms
■入力端子:XLRx 2
■出力端子:スピコン
■周波数特性:20Hz~20kHz 
■消費電力:820W
■入力インピーダンス:20kΩ(バランス)、10kΩ(アンバランス)
■ダンピングファクター:200
■寸法、重量:48.2W×30.1D×4.4h cm 6kg




アンプとスピーカーユニットの関係はとても深い。
真空管アンプの時代にはそれに応じたスピーカーユニットが設計された。
トランジスタによるハイパワーアナログアンプが出現すれば、それに対応したユニットが生み出された。
WEの真空管アンプで、ネオジム磁気回路を搭載した最新の21インチウーファーを鳴らそうと考える者はいない。
その時代時代のアンプの特徴を理解しなければスピーカーユニットは語れない。

アンプとスピーカーユニットの歴史は表裏一体。
それこそがオーディオの歴史の根幹とも言える。
だからアンプとスピーカーユニットは同じ時代のものを使いたい。
設計年代が古いユニットを設計年代の新しいアンプで駆動するというなんでもありの姿勢は賛同できない。
そんなことではオーディオを深く理解することなどできはしない。
オーディオに対する姿勢が問われているということだ。

チャンネルディバイダーも同じこと。
古いユニットや古いホーン、フルレンジユニットにデジタルチャンネルディバイダーなんか使っちゃダメだ。
調整の自由度が少なかった時代のユニットの持ち味や設計思想を損なってしまう。
そういうユニットの音は生のままで拝聴すべきだ。
新しいものや複雑なものは頑なに拒否し、趣味人としての矜持を保つべきだ。




振り返ってみると、2000年から2010年にかけての10年間、スピーカーユニットはずいぶん変わった。
こうした新しいユニットをアナログアンプで駆動する気にならない。
新しいユニットには新しいアンプを使わなければならない。
オーディオに対する謙虚な姿勢、そして趣味人としての矜持を保つためである。

普及品クラスにもかかわらずブリッジで2kw級。
こんなデジタルアンプが当たり前になってゆく時代。
スピーカーユニットはどう進化するのだろう。










同じ価格帯のVESTAX VDA-1000 MK2
USBによるデジタル入力が可能とのこと。

デジタルアンプに望むことはデジタル入力ができること。
そうすればPCとデジタルアンプとスピーカーだけの構成が可能となる。

スピーカーユニットのボイスコイルからのフィードバックをPCで処理。
音声周波数を遥かに超える高周波のパルスを流し、その変調をフィードバックとして利用。
フィードバックの処理パラメータもPCで制御可能、これで群遅延問題を解決。

MFBは群遅延を減少させることはできても消滅させることはできない。
パワーアンプとウーファーユニットの間でのみ適用されているからだ。
これを制御系を含めたフィードバックにする。

デジタル技術の利点は時間軸の制御が可能であるという点だ。
全帯域の時間軸をフィードバックにより揃えることができる。
そういう時代を待っている。


<AUDIO SECTION>
■Slew Rate (8W) : 50V/Us
■Gain : 32 dB
■S/N比 : 105 dB/A
■Distortion : <0.5%(THD, DIM, SMPTE)
■Bandwidth : 10 Hz - 30KHz
■インピーダンス : 10 K ohm.
■ダンピングファクター:500Hz/8 ohm > 500


<パワーアンプ>
■Bridged 8ohm = 1000W 16 ohm = 520 W
■Power EIAJ, both channels drivin
・4 ohm= 2× 500W
・8 ohm= 2× 270W
■Power continuous, both channels driven
・4 ohm= 2× 390W(1KHz, 0.5% THD)
・8 ohm= 2× 240W(1KHz, 1% THD)



2010/10/23

DIY Speaker (18)

フリースではうまくいかないので、レオタード用の生地でもうひとつテストピースを作りました。
皺ができないように張り方をいろいろと試してみました。
DIYなんだから、こういうことには時間をかけないとね。

右側が新しいテストピース。






いよいよポリエステル樹脂を塗布しようと思います。
紙コップと安物の刷毛、それから敷物などを買ってこよう。







100円ショップに行き、紙コップ、紙皿、料理用の計量さじ、刷毛、ブルーシート、キッチンタオルなどを買い込みました。

最初に紙コップに50mLの水を入れ、その水面の位置を鉛筆でマーク。
紙コップの水を拭きとり、手袋をする。
紙皿の上に置いた紙コップにスチレンモノマーを計量さじで測りつつ、約5mL弱入れる。
それからポリエステル樹脂を50mLのマークの位置に液面がくるまで注ぐ。
そして、硬化剤を計量さじで測りつつ、約1mL入れた。

割り箸でよくかき混ぜる。
少し黄色い液体。
かまわず刷毛でどんどん塗る。








塗布作業はうまくいきました。
手順を考えておけば簡単だと思います。
丁寧な作業を心がければ、そこらじゅうがベトベトになるようなこともありません。

刷毛はアセトンで洗浄。
再使用できると思います。














数時間後の状態。








完全に樹脂が硬化しているのかが分かりませんが、レオタードの生地の部分はやや弾力性があります。
外側に張りつけてあるフリース片はほぼカチカチ。
白いのはプラ板。
そのほかに塩化ビニール板等にもポリエステル樹脂を塗布、硬化させました。
また、ムラに塗ったり、部分的に塗らなかったりするとどうなるのか、という点なども実験しました。




1日経過。







レオタード生地の部分もかなり硬くなりました。
表面も裏面も問題のない仕上がり。
おそらくサンドペーパーで簡単に下地を作れると思います。

また、硬くなっているので継ぎ目のめくれていた生地もカッターで切除できました。
修正も非常に容易です。

フリース片はカチカチです。
もしかするとガラス繊維の代わりになるのでは?というような硬さです。



2010/10/15

DIY Speaker (17)

フリースの生地が届いたのでテストピースを作ろうとしましたが…
う~ん、皺になります。
というか、このフリースの生地、フリースにしては伸びないような気がします。






筒状にしたものでも生地があまり伸びないためうまくいきません。
やはりホーン面の傾斜が急すぎるからだと思います。








トリマーも届きました。
RELIEFのトリマー、TRS-340です。
amazonから購入、中国製で4434円。
ソフトスタート機能付き。




ラックアンドピニオン機構も付いていました。






同時にRELIEFの超硬刃ルータビット6本組というのもamazonから購入。
2580円。





さらに、E-Valueの木工用7枚刃ホールソーというのもamazonから購入。
757円。






電動工具はおそろしいです。
使用してみて怖かったら、いつものように東急ハンズに加工をお願いしようと思っています。




2010/10/13

DIY Speaker (16)

レオタード用の生地が届いたので試してみました。
タッカーの針でとめてあります。
まだポリエステル樹脂が届かないので、布がはってあるだけです。






穴の開いた円形の板の上に生地をのせ、穴の部分をへこませるようにして生地を伸ばしてゆくやり方はうまくいきませんでした。
どうしても皺ができてしまう。
おそらくホーン面の傾斜角度が急すぎるのだとおもいます。

そこで、生地を筒状にし(継ぎ目はホッチキスで結合)、その両端を広げてとめてみると皺はできません。
ただし、このやり方は継ぎ目ができてしまいます。
この継ぎ目は、塗装の下地を作る際に削り取ることができるのではないかと思っています。





上の画像、ホーン軸方向においてホーン面が弱い曲面になっていることがお分かりになるでしょうか。
これは生地にかかる引っ張り力が起こす現象なので仕方がないのです。
もっともポリエステル樹脂の重さやその重さが加わる方向等の要素も関係すると思われるので、最終的にこの曲面がどのような曲率になるかは予想できません。

フリースの生地が届いたら同じようなテストピースを作り、ポリエステル樹脂を塗布して比較してみようと思います。









FRP関連の物資が届きました。
とりあえず買ってみたものは…

ポリエステル樹脂ワックス入 4kg
硬化剤 100mL
スチレンモノマー 1L
ガラスマット 2kg
アセトン 500mL
使い捨て手袋




ポリエステル樹脂というのが固まる樹脂です。
しかし、これはそのままでは固まらず、少量の硬化剤を混ぜると固まるそうです。
硬化剤の量の多少により、硬化時間が調整できるそうです。
真ん中にある白い小さなボトルが硬化剤です。

ポリエステル樹脂の「ワックス(パラフィン)入り」とは、ポリエステル樹脂が硬化する際に、樹脂の表面にワックス層を形成するためのワックスが混入されているものです。
このワックス層によりポリエステル樹脂が空気に触れない。
ポリエステル樹脂は空気に触れていると硬化しないのだそうです。

ワックスなしというポリエステル樹脂もあり、これは積層用です。
ワックス層が邪魔してうまく積層できないからだそうです。
ワックス入りでも表面のワックス層をサンドペーパー等により除去すれば積層できるそうです。

スチレンモノマーというのは、ポリエステル樹脂の希釈に使用します。
かならず必要なものではないです。
ガラスマットは、ご存知のガラス繊維です。
アセトンは肌やハケについたポリエステル樹脂を溶かす溶剤だそうです。
このアセトンも必要なものではないです。
手袋は手にポリエステル樹脂がつくのをふせぐもの。

というようなことをネットの検索から学んだのですが、FRPなんてやったことがなく、いまひとつふたつ自信がもてません。
うまくいくのだろうか?





ストーンテクノ様


資料室を引用していただきありがとうございます。
お役に立ててうれしく思っております。
こちらも参考にさせていただいております。
これからもよろしくお願いいたします。

情報のやりとり、情報の無償の商売、これがウェブだと思っています。
めぐりめぐって提供した情報と同じぐらいの情報を得ることができるから、無償というのはちょっとちがうか。
そうした情報は勇気とかやる気が湧くのがいいです。
それに比べると自慢とか崇拝を目的としているサイトは子供っぽい。
そして群れないのがいいです。