2010/12/22

Suntory Hall The 533th Popular Series

読売日本交響楽団の第533回名曲シリーズのコンサートに行ってきました。






年末恒例のベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」。
指揮はヒュー・ウルフさん、独唱は木下美穂子さん(S)、林美智子さん(M-s)、高橋淳さん(T)、与那城敬さん(Br)。
混声合唱は新国立劇場合唱団。
迫力があり、大変素晴らしかったです。
独唱も混声合唱も本当に良かった。

オーケストラの背後に合唱団が配置されているため、ティンパニ等の打楽器群が上手に移動。
その場所にあったコントラバス群が今度は下手に移動。
第1第2バイオリンが両翼に展開し、内側の下手側にチェロ、上手側にビオラだったように思います。
木管群がその後ろ、その木管群を挟むように下手側にホルンとそれ以外の金管群が上手側に配置されていました。

第9はティンパニが大活躍の曲です。
いつもと違う場所に配置されたティンパニの音が全然ちがうので驚いてしまいました。
それにコントラバス群が離れた場所に配置されていたため、今回のオーケストラの音はずいぶんすっきりした印象でした。

この素晴らしい第9を聴きながら思ったのは、この後に続く作曲家は大変だっただろうなぁということ。
これを超える曲をと考えたとき…おそらく彼等はクラクラッとしたことでしょう。









wikiの初演、パリでの部分的再演、ワーグナーによる復活演奏などの項目を読むと、第9は演奏するのがともかく大変な曲だったようです。

中川右介氏の「世界の10大オーケストラ」によると、ウィーンで第9が完璧なかたちで演奏されたのは1843年3月19日のことだったそうです。
オットー・ニコライ指揮、ウィーンフィルハーモニーによる演奏。

このニコライの前任とも言えるフランツ・ラハナーはベートーヴェンの交響曲を満足なかたちで演奏したい、要するに自分自身が聴いてみたいという動機でベートーヴェンの交響曲の指揮を行ったのだそうです。
情熱的な話ですね。

現代では歴史的名演を格安のCDで聴くことができ、大規模なプロオーケストラの生演奏を聴く機会にも恵まれています。
ありがたいことです。

最近、古本の「ドキュメントサントリーホール誕生」を読みました。
ホール音響の詳しい話やその根底にある音楽観の話を期待したのですがダメでした…
う~む。




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