#2は、25Hzから50Hzの音にならないような最低域を調整する。
#3は、60Hzから120Hzぐらいの低域を調整する。
#4は、120Hz以上の、正確に言うと低域ではなく中低域の素子である。
画像は、#2が20Hz、3/4oct、-6dB、#3が80Hz、1oct、+3dB、#4が224Hz、1oct、-1.5dBである。
#3が低音グループの中心で、たいてい3dBを目安にブーストしている。
中心周波数は64Hzから80Hzが多い。
最低域の#2は、通常のスピーカーの場合はまともに再生できないので、カットしようがブーストしようが結果は同じである。
サブウーファーがあり、クラシックを再生する場合には、ここは思い切ってブーストしている。
但し、この最低域の極端なブーストは他の帯域をマスキングしてしまう効果を持っているので、その場合でもほどほどにしないといけない。
明瞭度を上げるため、この帯域はカットすることが一般的だと思う。
#4は低域の厚み調整用である。
この帯域を低音と一緒に持ち上げてしまうと低音が不明瞭になり、モヤモヤして締まりがなくなってしまう。
低音の姿をはっきりさせたいときは、この帯域をカットする。
目安としては160Hzが0dBになるようにしている。
クラシックの場合は、この#4の帯域のカットは限定的か、または行わない。
厚みがなくなってしまい、主に弦のパートが全く面白くなくなるからである。
#4は低音の質を決定する極めて重要な素子だと思っている。
#2と#4は、#3のブーストの範囲を限定する役目を持っている。
#3のQ値を大きくとって広範囲の低域がブーストされた際にも、#2により最低域が、また、#4により中低域がいっしょにブーストされるのを抑え込むことができる。
という訳で、低音のコントロールにはこの3つの素子が必須なのである。