2004/05/06

幸せの黄色いホーン 66話 かまじいさんのパラゴン



2006年9月9日、DWS'(ダブルウーファーズ)のオフ会に部屋の隅っこの吸音材として参加させていただきました。ズラリと集結したDWS'軍団のお歴々はやっぱりサメさん系。メインシステムのウーファー部だけ紹介させていただきますと、FUJIYAMAシステム+2226J×4発のリベロさん、4550ダブルスタック+2220A×4発のARISAさん、500L自作バーチカルツイン+2220A×4発のごさ丸さん、EAWフロントロード箱+M151-8×2発のやまかささん、4350のどんたくさん。そしてホスト役の方々はオーディオ暗黒面を司るダースベーダー卿ことヨハネスさん、ガラクターズ総統のごんた先生、巨大アンプの熱で今日も風呂焚きにいそしむかまじいさんです。それから六甲の魔物ことティール使いのhide。さんも参加されました。

今回の軍団はいくつかの師団から編成されています。2220師団はごさ丸さん、ARISAさん、ヨハネスさん、かまじいさん。目についたものは必ず手に入れるガラクターズ師団はごんた先生とかまじいさん。九州師団はやまかささんとどんたくさん。こてどろ三兄弟師団はヨハネスさん、ごんた先生、かまじいさん。そしてリベロさんはなんとDWS'の3名の設立メンバーの内のお一人・・・

さて、かまじいさんは複数の師団に所属していることからも推察できるように、ともかくテリトリーがむやみやたらと広い方なのです。特にガラクターズ師団というのがクセもの。収集の鬼。この師団の進軍跡にはペンペン草もはえていないという猛烈さ。「根こそぎコレクター」とでも申せましょうか。



メインシステム

かまじいさんの自作リスニングルームにて最初に聴かせて頂いたのはメインシステム。59話で紹介させて頂いた前回の状態からどのように変化したのか大変興味がありました。主な変更点は、中低域部の2350ホーンを駆動する2482のダブルドライバー化、817箱のウーファーユニットをガウスから2225へと変更、2450+ショートホーンのツィーターの導入です。また2350を収容する箱を自作したこと。このホーン収容箱のデザインが817とピッタリでカッコいい。

前回聴かせて頂いた時、非常に力強く男性的、そしてパワフルでキレのいい音という印象を持ちました。しかし、かまじいさんは「低域から中域にかけてうまくつながっていない」と指摘。この指摘の意味がよく分からなかった。だって、文句のつけようがない音でしたから。

ところが今回の音! かまじいさんが問題にされていた点、はっきりと理解できました。低域と中域が完全に同じエネルギーバランスになりシステム全体の音が堂々としたものに。これはきっとダブルドライバー化された2482の底力。ホーンの下限帯域が痩せているとウーファーとのつながりが悪くなりますが、この下限帯域がウーファーとつり合うエネルギー感を持つと、中域が濃密な印象になりシステム全体の音が豊かなものになります。

よく考えてみると前回の力強い音はガウスのウーファーユニットのおかげという訳ではなさそうです。中低域部の下限帯域が痩せていたので2350+2482シングルドライバーがウーファーに負け、それでウーファーの帯域の音が相対的に力強く感じられたように思います。そこをちゃんと見抜いてきちんと改善、これが好結果を生んだようです。おそれいりました。



サブシステム

次に聴かせて頂いたのがサブシステム。蜂の巣と山水箱に入った2202(30cmウーファー)という異色の取り合わせ。2202は善戦していたものの、蜂の巣+375に対してはエネルギー感に差がありすぎるようです。でも、蜂の巣+375の音はとても美しく、このシステムにハマるCDもあるかも。



 A5システム

3番目に聴かせて頂いたのがA5システム。3ウェイ化されており、さらにウーファーユニットが416から515へと変更されていました。このシステムは前回から大幅に進化しており、これは素晴らしい音でした。



パラゴン

さあ真打登場、JBL社の永遠のフラッグシップ、パラゴンです。つい最近入手されたそうです。このパラゴンは凄いぞ!という評判・・・

実はパラゴンを聴くのは初めてなのです。なんと立派なお姿。そして固唾を飲んでの音出し。これは美しい音でした。特徴的な湾曲板によって375(376?)ドライバーの綺麗な音がうまく拡散されています。家庭用のスピーカーシステムとして全くよくできていると思いました。低音も多少クセが感じられるものの楽しめます。

ところが・・・かまじいさんがLE15Aを2220に交換してみましょうか?と言い出される。パラゴンがいい調子で鳴ってしまったので照れられたのか、それとも誰かかまじいさんに何事か囁いたのか? かまじいさんはパラゴンの背後の狭い空間で汗まみれになりながら2220へとユニットを交換。ハラハラしながら見守ることでしかできませんでした。

この2220に換装されたパラゴンの音は、残念ながらレベルバランスがとれておらずあまり感心できませんでした。この換装実験については、LE15Aが良かったという方、2220が良かったという方、そしてどっちでもいいやという意見など様々でした。また、マルチアンプ駆動はどうだっ!という声もあがりましたが、やっぱりパラゴンのような高級スピーカーシステムはノーマルのまま、それにふさわしい高級アンプでゆったり鳴らすのが似合うように思います。かまじいさん、貴重な聴き比べをさせていただき本当にありがとうございました。





2004/05/05

幸せの黄色いホーン 65話 初期調整?



音出しから1週間ぐらいすると音がややモコつく状態になりました。あれっ?こんな音だったかな、とDCX2496のイコライザーをいじってみます。ところがちっとも良くならない。そこで試しにハイ側のレベルを+1dBブーストしてみました。するとモコつきはなくなり、あっけなく元のバランスに戻りました。これはウーハー部の1508-8ALCPの能率(聴感上の?)が鳴らしこみによって少し上昇したためだと思います。その後3週間ぐらいたってからさらに+1dB。

+1dBという細かなレベル調整の話は耳の良さを自慢している訳ではございません。イコライジングのブースト/カットとマルチアンプのレベル調整はその効き方が違うようなのです。イコライジングは「面積」で効いてくるという説明を読んだことがあります。例えばイコライジングで極端なブーストやカットを行っても、そのブーストした帯域が非常に狭ければ変化した「面積」は狭いので影響が少ないということです。逆にわずかなブーストやカットであっても、それが非常に広い帯域に及んでいれば変化した「面積」が広いので影響が出やすくなります。

2色ホーンシステムはサブウーハーが付加されているものの基本的には2ウェイです。このためチャンネルデバイダ-のハイ側のレベルを+1dBブーストすると、500Hz以上(500Hz以下のスロープ部分も含めて)の帯域全部が+1dB上昇することになります。31素子グラフィックイコライザの一つのスライドノブを+1dB上昇させるのとは比較にならないほど影響があります。

音出しの際のイコライジングはかなり適当でした。ローライダー18用の最低域のブーストは30Hzで+10dBという数値を先に決定し、あとはQ値を変化させブーストする範囲を広げたり狭めたりして調整、一方、高域のブーストはRX22のスペックシートに掲載されていたレスポンスグラフを参考に適当に合わせました。しかし再調整を試みたもののこれらについては変わらず。新たに1508-8ALCP用のロー側出力のEQを設定。LP、12dB/oct、80Hz、+4dBとし、1508-8ALCPの低域側の量感を増やしました。この新たなEQ設定により、ローライダー18のサブウーハー出力をOFFにしても低音を十分に確保できることが分かりました。




この2色ホーンシステムの出来は予想を遥かに上回るものでした。エネルギー感や迫力では黄色いホーンシステムに負けていますが、2色ホーンシステムの方が気持ちがいい。例えば黄色いホーンシステムでは好きな曲だけ拾い聴きしていたようなCDを一枚通して聴かせます。エネルギー感や迫力があるというのも、ある意味、一長一短ではないか?とも思うようになりました。

ここで殊勲選手のPEAVEY社製ユニットのご紹介。PEAVEY社のユニットのスペックシート(PDF形式)はPEAVEY社のホームページから入手できます。例えば1508-8ALCPの場合、右上のサーチ欄に「PRO RIDER」と入力してGOをクリックすると「Search Manual Results」の欄にそのスペックシートがあることが表示されます。これをクリックしてゆくとダウンロードできます。なお、このスペックシートのユニットの写真は旧型フレームを搭載した初期型のものです。

RX22は「RX22」、ローライダーは「LOW RIDER」、他に「BWX」「LOW MAX」「44XT」などなど。なお、CH-1やCH-2はスペックシートがないようです。その代わり「9040」「9045」と入力するとそれらの旧型と思われるホーンのスペックシートが、また「MF1」と入力するとCH-1が箱に入ったタイプのスペックシートが入手できます。これらスペックシートのレスポンスグラフは最新型であるRX22と組み合せたものではないため高域はもう少し伸びていると思われます。

楽しみにしていた業務用アンプやツィーターの導入計画はその必要性が感じられないため全部ご破算に。2色ホーンシステムは当分このままの状態で聴いてゆこうと思います。初期調整されてしまったのはシステムではなく聴き手の頭の中というお粗末でした。