朝沼予史宏氏が亡くなられてしまいました。JBLの使い手の新しいリーダーになるのではないかと期待しておりましたので、大変残念です。新しい世代のJBL製品をお使いになられていた点で共感をもっていました。ご冥福をお祈り致します。
朝沼氏のことで思い出すのは、GEMのツィーター2個を設置するために、JBLのS9500の上部ウーハーを取外してS7500にし、その上にツイーターを乗っけてしまったときのことです。ステレオサウンド誌のマルチアンプ特集号にこのことが少しだけのっていました。
また、ステレオサウンド別冊の管球王国3の中にこんなことをお書きになられていました。「考えてみれば、スピーカーに、何かが乗り移ってとてつもないものに変貌する瞬間に出会いたくて、私はオーディオをやり続けているのかもしれない。私の場合、それは、音楽をひっそりと鳴らしている局面ではなく、そのスピーカーの限界状況近くでダイナミックに鳴らしている時に訪れやすい。お行儀のよい、楚々としたきれいな音というのはどうも苦手だ。身近に知っている範囲では、故人では岩崎千明氏、山中敬三氏がハイレベル再生時に起きるオーディオのスリルをよく知る人だった。一関市のジャズ喫茶「ベイシー」の菅原昭二さんもそう。私はそうした先輩たちの足下をうろちょろしている程度だが、この人たちが実践してきた、豪快にオーディオを楽しむ姿勢を継承したいものだと願っている。」
強力な大口径ウーハーは、ある程度パワーを入れたほうが楽しめます。ダブルだと仕事量が半分になってしまうので、そこを考慮されたのではないかと思います。正確さとか余裕よりも破滅の向こう側に見え隠れする何かを追い求められていたようです。
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