2025/10/22

Ibanez SRH500F



以前、エレキベースの教本を探していたら、Rob MacKillop氏の"Classical and Contemporary Studies for Bass Guiter"をネットで見つけた。
Giovanni Bottesiniが作曲したダブルベース用の21曲の練習曲をエレベ用にRob氏が編曲したものらしい。
この楽譜はKindleで入手でき、その模範演奏は下の動画のようにRob氏本人が演奏している。




で、この動画を見るたびにRob氏のベースが気になっていた。
フレットレスなのかぁ、fホールがあるから中空ですかそうですか、こういうのはどこぞの工房というかビルダーの一品もので100万円とかそういうクラスなんだろうなぁ、と。
1年以上そんな風に思っていたのだが、先日のCP88のポイントで何か買おうかなとサウンドハウスをウロウロしていたら、あれっ、これじゃないの! と見つけちまった訳だ。



2025/10/17

Ibanez SRH500F



買っちった。
サウンドハウスで99800円(998ポイント付)。
で、うれしくなって並べてみた。




SRH500Fとアメプロ2とTRBX604、アンペグRB108とフェンダーダウンタウンエクスプレス。
ストラップはフェンダーのスーパーソフト。
SRH500Fのがブラック、アメプロ2がグレーでTRBX604はブルーだ。



2025/10/12

CELESTION TSQ2145



こんな具合にKms(X)やBL(X)のグラフ図を眺めていると、スピーカーユニットの出来不出来がはっきりしてくるから面白い。
ところで、こうしたグラフ図等を用いた分析はスピーカーユニットの小振幅と大振幅時の動的解析を進めるためにKLIPPEL社がおこなっている。
このクリッペル社は、30年以上に渡るヴォルフガング・クリッペル博士による基礎研究の末、同氏によって1997年に設立された。

周知のT/Sパラメータは、スピーカーの低周波特性に関するパラメーターであり、スピーカーユニットやエンクロージャーを設計する際に利用されている。
しかし、このT/Sパラメーターは小信号時におけるスピーカーユニットの諸特性であり、大入力や高温時の解析はできない。
そういう背景でこのKLIPPELの測定システムが開発されたわけである。

ところでT/Sパラメータの歴史を調べてみると、オーストラリアのAlbert Neville Thiele氏が1961年にオーストラリアの出版物に電気フィルター理論に基づくエンクロージャ設計に関する文献を発表、その後、米国のRichard H. Small氏がそのThiele氏の理論を再現、拡張し、それをプログラマブル電卓で計算できるように再構築し1981年に発表した。
だからおよそ半世紀前のお話ということになり、なんというか、ずいぶん時間が経っちまったんだなぁと思う。

下の断面図は我らがJBL Professionalの2216Ndの断面図である。
その下はLansing Heritageで拾った2216NdのKms(X)やBL(X)のグラフ図である。
日付は2011年の8月12日、この見事な特性を獲得するためにこうした磁気回路の構造が開発されたことが良く理解できる。
とくとご鑑賞あれ。








2025/10/08

CELESTION TSQ2145



TSQシリーズの磁気回路の断面説明図である。
ネオジム磁石の上部に配置されているポールピースの断面を見ると、周囲に向かって広がる複雑な形状になっているのが分かる。
これは、磁気ギャップにおける磁界の強さが、コーンの移動方向において対称的に分布させるためである。
コーンが磁気回路の内側方向へ移動する場合と、外側方向へ移動する場合において、磁界の強さが非対称であると、直線性が損なわれる。
なお、ポールピースやトッププレート周囲の2個一対の穴はボイスコイル周囲の温度を下げる
ための冷却孔である。




グラフ図5はTSQ2145のBL(X)であり、磁気回路とコイルによって発生する電磁的な力であるBLとコイルの移動位置(X)の関係を示している。
このグラフ図はたいていの場合、小山のような形状になっており、頂部はできるだけフラット、なだらかな両斜面の中心は(X)の0mm位置、そして斜面は対称的であることが望ましい。

グラフ図6はTSQ2145のBL(X)の対称性の範囲を示しており、赤線がシンメトリカルポイント、すなわち、両斜面の中心を示している。
TSQ2145ではその赤線がほぼ中心に位置していることが分かる。




シンメトリカルポイントがコイルイン側に傾いているのが分かる。
これは、磁界がコイルイン側になだらかに広がってしまっているためである。
TSQ2145の場合は、トッププレートよりもポールピースがより外側にせり出しており、磁界の対称性を確保していることが分かる。





2025/10/02

CELESTION TSQ2145



DIYホーンシステムへ導入した21インチウーファーである。
このTSQシリーズのウーファーは、下の図のようにダブルサスペンションの間にポリシロキサン樹脂が充填されている。
ただし、TSQ2145とTSQ2460はダブルサスペンションではなく、トリプルサスペンションであるため、アッパー、ミドル、ロワーの3枚のサスペンションの間に2層のポリシロキサン樹脂があるのではないかと思う。
なお、サスペンションというのは、昔はダンパーとかスパイダーとか呼ばれていた部材である。



サスペンションは、サラウンド(昔はエッジと呼ばれていた)と共に振動板であるコーンを弾力的に支持している。
この弾力は、コーンが磁気回路の内側方向へ移動する場合と、外側方向へ移動する場合において、対称的であることが望ましい。
要するに、コーンの変位は、中央位置から対称に変位することが望ましく、その際の復元力も対称的にスムーズに増減することが好ましい。
下のグラフ図はTSQ2145のKms(X)であり、対称性と復元力のスムーズな増減に優れていることが理解できる。
このKmsはサスペンションの復元力を示し、(X)はコーンの変位した距離を示している。




比較として、Scan-Speak社のEllipticor 21WE/4542T00 midwooferのKms(X)を掲載しておこう。