2004/03/12

幸せの黄色いホーン 32話 BLACK WIDOW(2)



46cmと背面開放型の組み合わせに興味を持ったのは、ステレオサウンド誌の別冊のビンテージユニット特集を読んだためです。背面開放型の小さな箱と組み合わせたジェンセンのHF18(励磁型46cmフルレンジ)の解説から、これはいいかもしれないと思ったからです。この大昔のHF18の中古参考価格は一本48万円と記載されていました。

長岡鉄男氏はこんな風に背面開放型を解説しておられました。「小口径ユニットを大きな平面バッフルに取付けても低音は出ない。なぜなら空振り現象があるから。46cm以上の大型ユニットなら裸で鳴らしてもある程度低音は出る。空振り現象が少なく、ユニット自体がバッフル板の役目もするから。」だそうです。

1808-8SPSが届くとその箱に大きな蜘蛛が描かれていました。ユニットの磁気回路の裏側にも。コルゲーションがないコーン紙は真っ黒でなかなか精悍。エッジはウレタンではなく布を基材にしたものです。

同包されていたスペックシートには、トラディショナルな構成を備えたユニットであると記載されていましたが、現在の46cmウーハーとしては例外的に実効質量が小さく、わずか106.7gしかありません。JBLの46cmフルレンジユニットのK151とE155が共に125gです。また、サブウーハー用46cmウーハーの実効質量は通常140gから200gぐらいです。

フロントマウント用のガスケットと取付け用ネジは付属していませんでした。それに、フレームはアルミ地肌のままで仕上げもあらいです。しかし、値段が値段ですからこれでいいでしょう。ガスケットを包装箱のボール紙から作ろうか、と思ったのですが面倒なのでやめました。こうしたこともあろうかと取付け用ネジやワッシャ類をちゃんと買っておいたのですぐに取付けることができました。さあ、音出しです。






2004/03/11

幸せの黄色いホーン 31話 BLACK WIDOW(1)



46cmウーハーは業務用サブウーハー用のものがたくさん出回っています。JBLやEVの他に、EMINENCE、SELENIUM、FANE、BEYMA等の様々な46cmウーハーがあります。

今回は、サウンドハウスで取扱っているPEAVEYのスピーカーユニットにしました。PEAVEYのウーハーユニットには、中堅のブラックウィドウ(BWX)シリーズ、廉価版のスコーピオ(ウルトラ)シリーズがあり、そして、プロライダー/ローライダーシリーズが最上位ということになるようです。いずれも安く、値段の開きもありません。

ちなみにブラックウィドウの意味は、北米に生息する黒後家毒蜘蛛のことです。ウーハーユニットにクモやサソリの名前をつけたのは、ピービー社のウーハー開発担当者が女性にふられたからだ、と妻が真面目な顔で言いました。本当?

ブラックウィドウ(BWX)シリーズには、4種類の46cmウーハーがあります。1808-8SPS、1808-4SPS、1808-8CU、1808-8HEです。これらは振動系が異なるだけのようです。アルミダイキャスト製フレーム、4インチボイスコイル、ケブラー繊維入りのコーン紙、重さ8.2kgという点で共通しています。残念ながら購入前にスペックシートを入手できず、このため、前モデルのブラックウィドウ1801-8のスペック(Fsが40.2Hz、Qtsが0.61)を参考にして1808-8SPSを選択しました。46cmなのにサウンドハウスで約2万円でした。

スタンドは、サブロク21mmシナ合板2枚を渋谷の東急ハンズでカットしてもらって作りました。奥行きがとれないので背面開放型(後面開放型)にしました。バッフル板の幅は140cm、高さは52cmです。バッフル板の4辺に取り付けた天板、底板、両側板の奥行き寸法は15cmです。平面バッフルとして考えると幅方向は170cmになりますが、高さ方向はわずか80cm程度しかありません。