当時、DS251やDS301よりも面白いなぁと思っていたのがDS31CMK2である。
30cmと20cmの2つのウーファーが搭載され、5cmコーン型ツィーターも2つ、さらに銀色の3cmスーパーツィーターまで搭載されており、豪華絢爛である。
しかし、今になってよくよく眺めてみると、これもアコースティックエアーサスペンション方式だし、何となくAR1の焼き直しのような気がしてきてあまり面白いとは思わなくなった。
それに、当時の三菱は、ロクハンの他には、5cmツィーター、20cmと30㎝ウーファーぐらいしか製造しておらず、パイオニアやナショナルといった国産スピーカーユニットメーカーの多彩な製品群に比べると数段劣る感じがした。
フォスターやコーラルの方がまだまし、という感じだ。
そういう旗色の悪さをカバーするためか、三菱はNHKのBTS規格に準拠していることを喧伝していたが、規格準拠というのは最高性能を意味しない。
規格準拠とは最低限の性能保証という意味にすぎず、従って、解明されていない技術的要素が多いスピーカーに関して規格を振り回し高性能を訴えるのは愚かなことだろう。
でも、三菱のスピーカーユニットは、その分なんだか妙に安かったという印象はある。
なんだかんだ言っても安価なユニットは大好きである。
30cmウーファーのPW125なんか2S-305の価格に比べると大変安く、自作する価値は十分あるように思えた。
ところでこのPW125、ダストキャップ(センターキャップ)の全体が透けておりポールピースのてっぺんが丸見えである。
通気性を良くしてボイスコイル周辺の温度上昇を抑え、過大入力によるボイスコイルの焼損を防止するためだったのだろう。