2192の中央にしっかりとした2本のアルミ製のステーで同軸に固定されている小型ホーン、これが2332と2451Hです。2451Hドライバーはギョッとするほど高価。こういう機材とは無縁だったのですがオマケ?でくっついてきました。しかし、高い安いと音は別。ホーンが小さすぎる(2332ホーンの奥行きは約11.5cm)ので期待していなかったのです。ところが、2332+2451Hは2192の音のかなりの部分を支配している上に、イコライジングを煮詰めてゆくと全くクセが感じられずJBLの音?という感じがしないほど。
2332+2451H
2451Hというドライバー、実は、黄色いホーンに使用している2446Hと同じダイアフラムを備えています。もっと詳しく説明すると、2446H、2447H、2450H、2451H、2451H-1の5つのドライバーは、どれもD8R2450というリブ入りの4インチチタンダイアフラム。よくもまあ、これだけ作り分けますよね。そして、2インチスロートでは2446Hが最後のドライバーになったようですが、1.5インチスロート/4インチダイアフラムでは、フェライトマグネットの2447H/J、ネオディミウムマグネットの2450SL、2451H/J、2451H-1、2451SL、2452H/J、2452H-SL、そして2451SLをベースに開発されたDD66000の476Beと、知らぬ間にどんどん増えてます。なお、「SL」というのはSnout Less(スナウトレス/筒先なし)の略でしょう。
最も新しい2452H(16Ωタイプは2452J)と2452H-SLは、チタニウム・ダンプド・ダイアフラム(Titanium Damped Diaphragm)を備えています。このダイアフラムの放射方向のチタンリブは直線状ではなく、下の図のように渦巻き状にカーブしています。また「ダンプド」ですからダンプ材(アクアプラス)がコーティングされているのでしょう。
2452H
2451Hと組み合わされている2332ホーンはアルミ製のオプティマイズド・アパチャー・ホーンです。よく調べてみると、この2332、DMS-1(Digital Monitor System One)というモニタースピーカーに使用されていました。これ、JBL社がデジタルチャンネルデバイダーと組み合わせて使用する新世代のモニタースピーカーとして開発した渾身の一作。1996年発売。しかし、お値段(デジタルチャンネルデバイダーと左右2台のセット価格がなんと350万円!)が高すぎるためか、それともデジタルチャンネルデバイダーをユーザーが使いこなせなかったためか、みごとな空振り三振。話題にならずに消え去りました。なお、DMS-1で2332と組み合わされているドライバーは、2451Hではなく2450SL-Aです。
DMS-1
2332はDMS-1の他、シネマスピーカーシステムの5671、TTM129、SP222WH等、いくつかのJBL社のスピーカーシステムに搭載されています。DMS-1や5671のデジタルチャンネルデバイダーの設定表も興味深いものでした。イコライジングでは、受け持ち帯域の中ほどをやんわり削り、高域端側をググッと持ち上げている点では共通していますが、これらスピーカーシステム毎にかなり設定に差があり、ぷろふぇっしょなるでんなぁ、という感じです。
という訳で、タダ同然で入手した2332+2451H、芋蔓式徹底身辺調査や驚愕失敗的粘着微調整といったお金のかからない楽しい作業を提供してくれました。なんだかお気に入りのユニットになったかも。
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