巨大な2192ですが、2、3日そのままの状態にしておくと、段々と目が慣れてきたのでしょう、この部屋にしばらく置いておいてもいいかなって気になってきました。家族の方も、この馬鹿馬鹿しい巨大ホーンに対応しかねている状態ですから、彼らの混乱に乗じてもう少し遊んでみることにしました。
片付けるのが惜しくなったのは、モノラルなのになかなか聴かせてくれるから、ということもあります。ご存知のようにモノラルって少しさびしい感じがしますよね。でも、2192が朗々と鳴るために物足りない感じがしないのです。結局、2006年の10月から2007年の1月いっぱいまで、このモノラル4ウェイのシステムを聴くことになりました。
相変わらず耳だけでレベル調整を続けていきました。なかなかうまく鳴ってくれません。特定の帯域でかなり強い刺激音がします。部分的にエネルギー感が暴走している感じ。これが2392+2490Hが原因なのか、それとも2332+2451Hが原因なのかが判然としません。
3ヶ月ほどがんばってみたものの、とうとう白旗。そこでちょっとだけカンニングすることにしました。JBL社のサイトからダウンロードした2192のデジタルチャンネルデバイダー(DSC280)の設定表、これをチラッと(ホントはマジマジと)見てしまいました。本格的なマルチアンプは初めてだから修行するのだ!という当初のココロザシは、どこ行った?
これはなかなか複雑。それにしても、Bチャンネルの「Lows」って何? これ、どんなウーファー部? それはさておき、2451Hの2つのイコライジングの内の一つがミスプリントのようです。Q値が-3というのは明らかにおかしい。これ、Q値が0.2で、レベルが-3dBの間違いでしょうね。しかし、Q値0.2というのはプロの凄さ。Q値がこれほど小さくなると非常に広い帯域に渡って浅くカーブすることになります。こんな設定、到底思いつきません。2490HのイコライジングのQ値も0.3です。※
さらにクロスオーバー周波数では、2490Hのハイカット(1.23kHz)と2451Hのローカット(1.62kHz)と両者の周波数が違う。これもミスプリか?と、この時は思ったわけです。結局、このパンフレットの設定はミスプリントのテンコ盛りにちがいないと、適当に無視することにしました。なお、「LR」というのは、Linkwitz-Rileyの略でしょう。DCX2496では、Linkwitz-Rileyの-12dB/oct、-24dB/oct、-48dB/octの3種類のスロープ特性を選ぶことができます。
JBL社の設定表の中から、スロープ特性、2451Hのディレイタイム(2ms)、2451Hと2490Hのイコライジング設定を拝借し、さらにレベル調整と各帯域別のイコライジングを詰めてゆきました。マルチアンプ初心者なりに理解できたのは、2490Hではなく2451Hのレベルやイコライジング設定によってシステム全体の音の雰囲気が大幅に変わってしまうということです。こうして、特定の帯域での強い刺激音が未解決のままとはいえ、2007年の1月末には、ある程度満足できる状態に追い込むことができました。
※訂正です。
ここに表示されている2192等の設定表は、Q値ではなくBandwidthで表示されています。
このため、BandwidthをQ値に換算するとC1のBandwidth0.3はQ値の約4.8、D1のBandwidth0.5はQ値の約2.9、D2のBandwidth0.2はQ値の約7.2ということになります。
0 件のコメント:
コメントを投稿