2004/05/18

幸せの黄色いホーン 78話 ダースベーダー卿!



刺激音が解決し2192の音がようやくマトモな感じになってきたなぁ、と幸せな気分に浸っていると…とうとう恐れていたことが。2007年2月24日、ダースベーダー卿ことヨハネスさんがいらっしゃいました。何故、ダースベーダー卿なのかというと、ヨハネスさんのブログが「ダークサイドにようこそ」というタイトルだからです。ダークフォース、暗黒面、ベーダー卿、ううっ、逃げ出したい…

しかも、今までオーディオマニアの訪問を受けたことがないのです。記念すべき最初の訪問者としては相手が悪すぎます。6連装の2360Aに30Wが4発、オーディオの枠を遥かに超えたマンハッタンシステム。それを自在にコントロールするダークフォースの使い手。

臨戦態勢、レベル7! その日まで9日間しかありません。まず、お部屋のお掃除から。ほっておいた粗大ゴミの処理依頼。洗面所とトイレの掃除。何故か風呂の掃除も。カーペットを新調。台所のシンクや食器棚の拭き掃除。金魚さんの水換え。スリッパを買いに行かなくちゃ、あれっ、冷蔵庫のキムコも交換しないと…などと連日連夜の大混乱。どんどん家中がきれいになるので妻が喜んでいます。「毎月いらっしゃるとうれしいかも」って、あのねぇ。のんきな妻を横目に、せっせせっせとコマネズミのように働く。おおっ!失くしてしまったと思っていたCDがこんなところから…聴いてみようかしらなんて、そんな暇はございません。

なんとか掃除が間に合った当日、ついにベーダー卿登場! 「コォーッ、コォーッ・・・」極度の緊張のせいか、例の呼吸音が聞こえてくる・・・? この緊張の原因、単に音を聴かれてしまう!ということだけではないのです。マンハッタンシステムの核になっているのはごさ丸氏によりダブルスロートに改造された2360Aに2482ドライバーを2発接続した掟破りの超兵器。その超兵器に2392+2490Hは太刀打ちできるのか、それをベーダー卿自ら偵察しにいらっしゃった、これが真相。金魚さんの水換えどころの騒ぎではないのです。

スピーカー暗黒面には当然ルールなんかありません。従って、ワシントンスピーカー軍縮条約を遵守する必要も無く、保有できる兵器(スピーカーユニット)は無制限。死力を尽くして戦い抜くのか、資力を使い果たして天を仰ぐのか、神のみぞ知るという呆れた状況・・・しかし、ルール無用の世界、こういう世界は是非大切にしたいですよね。今時めずらしいもの。




とりあえず、大歓迎の意味でマーチングバンドを最初に聴いて頂きました。それからブラスセクションが気持ちいいビッグバンド。2392+2490Hは、わずかに付帯音が感じられるものの良く鳴ってくれています。「うふふ、ど、どうだ・・・」 真剣に聴かれていたベーダー卿が「ボーカルを」とおっしゃる。しかし、女性ボーカルを聴いてもホーン臭さは感じられません。「うふふふふ、どうだ、どうだ・・・」

しかし、ここまででした。突然ライトセーバーが閃き、「ウーファー部のレベル調整、低すぎるのでは?」「これではV字型バッフルの良さが生かされていない」(良さって、そんなこと、なんで知ってるの?)と、バッサリ斬り返されてしまいました。ベーダー卿の指摘は、後日いろいろ試してみたところ、大正解だったことが分かりました。これが一聴して分かってしまうところが、やっぱり凄い。

よせばいいのにピアノ演奏で挽回しようと勝負を挑みました。しかし、ベーダー卿はピアノの腕前も凄かった! 一緒に聴いていた家族は、全員驚いています。この勝負も完敗。「一曲ずつ仕上げるように練習するといいよ」とのアドバイスが追い討ちをかけます・・・むきゃー!

こうなれば秘密兵器で脅してやろうと、こそこそ買い集めてきたガラクタを見て頂きました。

「これはいかかです?」 「コォーッ、コォーッ・・・」

「こんなのもありますけど」 「コォーッ、コォーッ・・・」

「じゃあ、これはどうだぁ!」 「コオォーッ! ゲホゲホゲホッ」

最後にお見せした馬鹿馬鹿しいシロモノは、約4ヶ月前(2006年10月20日)に発注して忘れていたものが、昨夜突然に届いたのです。まさかベーダー卿のダークフォースが日本に引寄せた?

という訳で、全ての計画が予想外の方向に崩れ落ち、楽しい時間となって消えてゆきました。ヨハネスさんからCDを3枚も頂いてしまいました。妻にショパンのピアノ協奏曲、子供にホルストの惑星、そして、3枚目のブラームスの弦楽六重奏曲は強引に奪ってしまいました。このブラームスの曲は、ルイ・マル監督作品の「恋人たち」という映画に使用されていることも教えて頂いたので、後日、このDVDを購入しました。とても美しい映像の映画でした。





こうしてベーダー卿は去ってゆきました。卿の去った跡といえば・・・綺麗に片付いたお部屋、真剣な音楽鑑賞、素晴らしいピアノ演奏、クラシックCDのお土産。家族は「オーディオマニアって凄く知的な方達なのでは?」と認識を新たに。喜んでいいものやら?




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