2024/08/28

AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED



24-70 2.8Gと同時にヤフオクで新品同様を116780円で購入。
これは現行品であり、ニコンダイレクトでは304700円もする。
24-70と70-200がEタイプに変更された後もこのレンズはそのままだ。
ニコンはこのレンズに相当自信があるのだろう。




その昔、銀座や新橋のカメラ店のショーケースの中にあった6mm f/2.8の魚眼レンズを思い出す。
巨人の眼窩からくり抜かれた絶対零度の瞳はあらぬ方を見つめていた。
大きく前方へ飛び出したその硝材の塊を見ていると吸い込まれそうになった。

このレンズの外観はそんな特殊なレンズが持つ独特の雰囲気がある。
また、24-70 2.8Gと同様にこれも金属鏡筒であり、引き締まっていて素晴らしい手応えだ。
これだけでも十分に魅力的と言える。

しかし、本当の魅力はその明るさと描写力だ。
D800のカタログの掲載写真の撮り方の解説が"D800/D800E Technical Guide"に掲載されている。
その中のフランス国立図書館はこのレンズで撮影されている。
ライブビューの使用やホワイトバランス、絞りすぎの注意等の記載があってその気にさせる。
あまり明るくない屋内で超広角を必要とし、さらに隅々まで克明な描写を実現するためには、明るさと描写力を両立しているレンズが必要だ。
また、屋内で動くものを超広角でとらえようとする場合もこうしたレンズが必要になる。

明るい超広角ズームは非常に贅沢なレンズだと思う。
残念なことに今までそうしたレンズを体験したことがなかった。
この銘玉と謳われるレンズにはだから大変期待している。





2024/08/23

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED



いつものようにD800を部屋で眺めてご満悦状態になっていると、突然D800がこう言った。
"殿、28-300でお喜びのところ恐縮ではございますが、機が熟しているように思われます。"
"うむ、余もそのように思っていたところである。何かよい策はあるのか。"
"大三元を呼び寄せるのはいかがでしょう。さすれば道が開かれるように思われます。"
"よかろう、すぐに手配せよ。"
ああいうのはプロ用だからと敬遠してきたが、D800の本領発揮を見たいではないか。




という訳で7月の終わりに大攻勢に出ることになった。
ヤフオクで極上品を86200円で購入。
ちなみに販売されていた当時の希望小売価格は294250円と、逆立ちしても購入できなかった高価なレンズである。
猫さんに小判というか、この価格に見合う腕がないから購入を憚ったのである。

今でもこの自覚はあるのだが、こういう言い訳のできないレンズで納得できる写真が撮れるように、今一度、謙虚になろうと思ったのである(これは嘘かもしれない)。
それからVRで失われてしまった緊張感を取り戻そうと(これも嘘だな)。
開放の厳密な世界に立ち返ろうと(大嘘である)。

で、そんなことはどうでもいいが、D800にこの24-70を取付けると唸ってしまった。
全体が一つの剛性体となってビシッと引き締まり、緊迫感が半端ない。
なるほど、これがプロレンズなのかと感心した。

軽くてコンパクト、性能もそこそこで値段が安いレンズばかり使ってきたが、やっぱりちゃんとしないとダメだ。
目が覚めました。




2024/08/17

AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR



70-300mm f/4.5-5.6Eと付き合って300mmっていいもんだなぁと思うようになった。
それで標準域と300mmがいっぺんに使えるフルサイズ用の高倍率ズームを7月の終わりに購入した。
ヤフオクで新同品が74880円だった。




今まで高倍率ズームを気楽に使うというスタイルは敬遠してきた。
やっぱり光学性能は劣るだろうし、ズームすると光学機器にあるまじき安っぽい鏡筒がでろでろと先細に伸びるカッコ悪さ、そうしたことが分かっているのに便利さを優先してしまうという、そういう態度をとりたくないと。
しかし、カメラをぶら下げて歩いているヒトはいなくなったし、オワコン間近のカメラ趣味に対する態度なんかをあれこれ考えても仕方なかろうと思うようになった。

で、使ってみるとこれが困ってしまうぐらい便利なのである。
ズームリングには適度に抵抗があり、さらに、ロックボタンがついていて鏡筒が歩行の振動で伸びてしまうことがない。
暗いというのはどうしようもないが、これで明るかったらレンズ交換自体が無意味になる。

縦グリ付きと一緒に使うと電池切れを気にせずほぼ無限に撮れる。
どうせならjpgだけにすればカードの容量も気にする必要がなくなる。
これは、あらゆる状況に対応する無敵カメラなのではないか。
もっとも、使用する本人が散歩中に撮る画像は数枚だけなので、これぞ宝の持ち腐れである。
うはは。




近くのバス停で竜舌欄が咲いた。
高さは6mぐらい、いやもっとあるか、日本では30年から50年かかるらしい。
最上部が見たかったので撮影した。
このレンズに関して画質云々はどうでもよい。
でもGレンズだし、花にたかる昆虫が写っているのでいいのではないか。



2024/08/13

AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR



昨年の4月頃ヤフオクで極上美品を68800円で購入。
DX用のPレンズは妻のために数本購入したが、フルサイズ用のPレンズは初めてである。
購入動機は、広角(18-35mm f/3.5-4.5G ED)と標準(24-85mm f/3.5-4.5G ED VR)と組み合わせるフルサイズ用の望遠ズームが欲しかったという至って簡単なものである。




高い割にはボディはプラスチックだし、ズームレンズということもあり、あまり期待はしていなかったのだが、このレンズには驚かされた。
ギョッとするほどヌケがいいのである。
30年ぐらい前に85mm f/1.8Dに感心したときのことを思い出した。
この手のヌケの良い望遠が好きである。





2024/08/02

Remodeling Altec System



オーディオの極意に至った過程を思い返してみると、JBL Professional 2360Aを入手したことがすべての始まりだったと言える。
2360Aは聴いたことがない鮮烈な音を持っていた。
それまでのオーディオ体験をすべて吹き飛ばすぶっ飛びの音だったのである。

この2360Aはイコライジングによる補正を前提とした業務用の大型定指向性ホーンであるため、必然的にイコライジングとも付き合うことになった。
この時点で今のオーディオスタイルが確立されてしまったのだと思う。
マルチアンプもそうだ。
2360Aは300Hzのクロスが可能だから、これはチャンネルディバイダーを使いたくなる。
オーディオスタイルと言えば、安価なアンプというか、シンプルなアンプを使用しているが、これはそうしたアンプでもぶっ飛びの音が出るから、強力なアンプにこだわっても仕方がない。

また、2360Aの音を聴いてしまうとホームオーディオの音は退屈以外なにものでもなく興味が持てなくなってしまった。
ホームオーディオ用の雑誌の評論や議論も白けた気分で眺めるようになり、イコライジングやデジタルチャンネルディバイダーの使いこなしの真面目な話なども皆無であるから興味を持てと言われてもどうしようもない。

それはともかく、"マスキングされている音がない音"を作り出すこと、というもののスタート時点ではマスキングなどという発想がなく、単に、フラットな特性を追いかけるというものだった。
しかし、物理的にフラットにすると聴いていてピンとこないというか楽しくない音になってしまうことに気付き、少しづつイコライジングの世界に足を踏み入れていったわけである。
そして、オートGEQによる部屋の音響補正やオートアラインによる位相管理、電源環境の整備などにより、イコライジングが生きる環境を構築する必要があることも徐々に理解していった。

イコライジングには、耳の良さというか聴き分ける能力と、問題となる音に対する対処方法を知っていること、そして、最終的に全帯域の音をまとめ上げる力が必要になる。
そういう修練が必要とされることがオーディオの趣味としての面白さだと思っている。
さらに言えば、常軌を逸した巨大なホーンを部屋に運び入れてしまう決断をしてしまうこともオーディオの楽しさだと思っている。
こういう修練や決断が伴わない他人のオーディオなど端から全く興味はない。

まあ、2360Aとの出会いがあって、悪戦苦闘して、そして"納得の音"を出すことができる技量を身につけることができたのは運が良かったのかもしれない。
今は登頂を果たした晴れやかな気持ちであり、そしてオーディオとのかかわりは澄み渡ったものになった。