2004/03/02

幸せの黄色いホーン 22話 準備(1)



帰国してから2155Hを再度聴いてみると、記憶に残っていた音よりも弾むような低音が出ていました。きっと、カーステレオやラジカセの音ばかり聞いていたからだと思います。ホントに自分の耳はいいかげん。1年8ヶ月も鳴らしていなかったため調子をくずしているのではないかと心配していたのですが大丈夫でした。

まじかで見る2360Aは思った以上に大きく、途方もないものでした。スピーカーの上に2360Aを仮に設置してみると、そびえ立つように見え、視覚的な圧迫感が非常に強いです。このときのスタンドを含むスピーカーシステム全体の高さは、床から180cmを越えていました。そこで箱を横倒しにして高さを抑えることにしました。

それから、箱を横倒しにしても箱の上面が2360Aに完全に占領されてしまうため2402H-05の置場がないという問題もあります。そこで、2402H-05をバッフル板に取付けるため、バッフル板を作り直し、旧バッフル板の上から新しいバッフル板を貼りつけることにしました。また、スピーカースタンドとして、これまで通り、コンクリートボンドで貼り合わせたレンガを使っても良かったのですが、これは箱とスタンドが連結されておらず安定性に不安があります。そこで、新たにハカマ作り、ネジで箱の底板に固定することにしました。新しいバッフル板とハカマ等の板取の図面を作り、東急ハンズでカットしてもらいました。

SH-D1000と2446Hは、インターネットのサイトから購入しました。2446Hが届いたときには、かなりうれしかったです。とうとう、この日が来たんだなと思いました。

2446Hの箱を開け、2つの巨大なドライバーを床の上に並べ、「PULL TO REMOVE PERFORATED CENTER BEFORE INSTALLING HORN」の赤いラベルと共にスロート部を覆っていたパッキンを剥がし、スロート内部を覗いてみました。薄い金網の奥にイコライザの縁が鈍く光っていました。







2004/03/01

幸せの黄色いホーン 21話 朝沼氏のこと



朝沼予史宏氏が亡くなられてしまいました。JBLの使い手の新しいリーダーになるのではないかと期待しておりましたので、大変残念です。新しい世代のJBL製品をお使いになられていた点で共感をもっていました。ご冥福をお祈り致します。

朝沼氏のことで思い出すのは、GEMのツィーター2個を設置するために、JBLのS9500の上部ウーハーを取外してS7500にし、その上にツイーターを乗っけてしまったときのことです。ステレオサウンド誌のマルチアンプ特集号にこのことが少しだけのっていました。

また、ステレオサウンド別冊の管球王国3の中にこんなことをお書きになられていました。「考えてみれば、スピーカーに、何かが乗り移ってとてつもないものに変貌する瞬間に出会いたくて、私はオーディオをやり続けているのかもしれない。私の場合、それは、音楽をひっそりと鳴らしている局面ではなく、そのスピーカーの限界状況近くでダイナミックに鳴らしている時に訪れやすい。お行儀のよい、楚々としたきれいな音というのはどうも苦手だ。身近に知っている範囲では、故人では岩崎千明氏、山中敬三氏がハイレベル再生時に起きるオーディオのスリルをよく知る人だった。一関市のジャズ喫茶「ベイシー」の菅原昭二さんもそう。私はそうした先輩たちの足下をうろちょろしている程度だが、この人たちが実践してきた、豪快にオーディオを楽しむ姿勢を継承したいものだと願っている。」

強力な大口径ウーハーは、ある程度パワーを入れたほうが楽しめます。ダブルだと仕事量が半分になってしまうので、そこを考慮されたのではないかと思います。正確さとか余裕よりも破滅の向こう側に見え隠れする何かを追い求められていたようです。