2004/07/10

幸せの黄色いホーン 110話 PS3001



黄色いホーンのレイアウトが決まり調整を始めると音が変です。パワーアンプのSAL ES70の1台から異音が。さらに、他の1台の入力ボリュームが効かない。う~む。修理してもらおうと販売元に発送しようとすると最初に見積りをしますとのこと。現物を見ることなく故障の原因も分からないのに見積りできるの? その見積額はなんとアンプの価格の2倍弱。

ES70にはジーというノイズが出るという問題がありました。ES70は7台所有していますが、ノイズレベルとノイズの音質は何れも同じ。アースをとってみたり接続する機材を変えてみたりと原因を探ってみたのですが、このノイズを除去することはできませんでした。ちなみにベリンガーのEP1500をES70と同じ条件で使用してもこの手のノイズは一切出ません。




という訳でES70がなんとなくいやになり、代わりとなる新しいパワーアンプを探すことにしました。しかし、6台ものパワーアンプとなると、かなりお金がかかります。それに、これはというアンプが見つからない。そんなことをあれこれ半年も考えていると面倒になって、マランツのPS3001の在庫処分品を2台購入しました。1台約2万円。このPS3001は白ホーンシステムで使用しています。これで、黄色いホーンシステムは6ch分、2色ホーンシステムと白ホーンシステムは全chがAVアンプで駆動されることになりました。喜ぶべきか悲しむべきか・・・




今年(2010年)の春先にレコードプレーヤー2号機の試験運転が終了し、黄色いホーンシステムに導入しました。出窓の下が物入れになっており、その物入れの天板の上に設置したところ、ハウリングが酷い。24インチウーファーはかなり低い帯域まで出ているようで何らかの対策が必要です。物入れの天板を補強するか、それとも防振台のようなものを製作するか。これは今後の課題です。




フォノイコライザーはオーディオテクニカのAT-PEQ3。この出力をSRC2496で24ビット96kHzのデジタル信号に変換し、3台のDCX2496に供給するという構成です。白ホーンシステムの時はCDとレコードの音質差が分からなかったのですが、黄色いホーンシステムではレコードの音質が良くない。これも今後の課題。でも、新緑が映り込むLPは美しく、それがクルクル回るのを見るとそれだけでうれしくなります。




 

2004/07/09

幸せの黄色いホーン 109話 レコードとCD



アクリルプレーヤーはリニアトラッキングアームとWE308Lの2本アーム式。でも、ほとんどリニアトラッキングアームしか使っていないためWE308Lの出番がありません。2本アームが活躍するのは、リニアトラッキングアームの性能を確認するための比較試聴のときだけです。ちょっと残念。昔、2本アームのカッコよさにあこがれていたのですが、そのころはCDなんかありませんでした。その後CDが出現し、CDとレコードどっちがいいの?なんて議論が花盛りだったころにはオーディオとは無縁となり装置もレコードも失ってしまいました。

CDがすっかり定着したころステレオ装置の購入を思い立ちます。もうオーオタはごめんだ、マニアックな装置は要らない、明るい音楽生活のための堅気の装置が必要であ~る!と何故か気張って購入したのがSONYのTA-F222ESJとKENWOODのLS-11EX。当時長岡鉄男氏がほめていたからです。このプリメインアンプとデザインが共通するチューナーと5連装CDプレーヤーも同時に購入しました。CPが高くカッコいいななどと大満足。そして最初に購入したCDは、以前持っていたお気に入りのレコードのCD版。ところが、その期待のシステムから出てきたCDの音にがっかり。記憶に残っている音と比べるとまるでダメだったのです。

しかし、レコードに戻る訳にもいかず、そのままCDは増え続け、いつしか堅気の誓いも忘れ、スピーカーは徐々に巨大化してゆきます。その後李徴がどうなったかを知る者は、誰もなかった、というか今年(2010年)は寅年ですけど、おマニア心がレコードプレーヤーを出現させてしまいます。いや、その出現は去年でした、とまあ、そんなことはどうでもいいというか無駄に長い前振りですが、ここではたと気付く訳です。「CDとレコードの直接対決」ができちゃうじゃないのと。こんなことに感心するのは能天気というより時代錯誤?

いざ決戦。レコードのCD版を用意するというか、CD版となっている中古レコードを100円でゲット。それを3組用意。そして、アナログの運命を託したリニアトラッキングアームをお掃除。公平を期するためにDCX2496の設定はレコードもCDも両者共通。ところが小さいけれども「ジィー」といういやなノイズが白ホーンシステムのMR94+291-16Kから出ていることを確認。リニアトラッキングアームのアースはとっているため、それが原因ではないです。DCX2496の入力に使用しているRCAピンプラグ/XLRコネクタの変換ケーブルが怪しい。そのXLRコネクタのネジをはずして分解。コネクタの1番ピンと3番ピンとコネクタケースのアースとが1本の針金で接続されているので、このコネクタケースのアースへの針金を切断。するとノイズは消えました。パチパチパチ。これは黄色いホーン資料室で通りすがりさんから頂いたアドバイスに従ったもの。ありがとうございました。

さらに、DCX2496のアナログ入力レベルを見直します。DCX2496は業務用ですからアナログ入力の基準レベルは+4dB。しかし、RCAピンプラグ/XLRコネクタの変換ケーブルによる-10dBのごまかし入力となっていますから、CDと同じ音量になるように入力レベルを上げてみます。しかし、これはダメ。レベルオーバーになってしまうようでノイズが出るというより高域が汚れてしまいます。やはりアナログ入力はかなり注意して慎重にレベル合わせをしないとうまくいきません。カートリッジのAT-DS3/G YLは出力電圧9mVという高出力であるため、ややレベル不足の感はあるもののデジタル入力とおなじ±0dBという無難な設定にしました。

ちょっと話は変わりますが、DCX2496のデジタル入力も実は大変デリケート。DVDを再生した後にCDを再生すると、極端に音質が劣化することがあります。もしかしたらDCX2496のサンプリングレートの自動切換え?が48kHzから44.1kHzに切り替わっていないのかも。こういう場合、CDプレーヤーの演奏状態(44.1kHzのデジタル信号をDCX2496に入力している状態)でDCX2496の電源スイッチをOFFにしてからONにすると、44.1kHzを再度認識してくれるのか、正常な状態の音に戻ります。

さらに、DCX2496の出力を民生用のアンプに供給する場合には-20dB程度の固定式アッテネータを使用しないと民生用アンプが入力オーバーとなり歪みます。このようにDCX2496はデジタルチャンネルディバイダーですが、アナログとデジタルの板ばさみのような機材であり、さらに、業務用なのに民生用機材と混在して使用されることが多いためなかなか使いこなすのは大変です。また、安価な機材であるという意識が使いこなしの不備に思い至らせないのかも。DCX2496に対する否定的な評価はこうしたことが原因ではないかと思っています。こういう機材を豊富な経験(キットではないアンプの自作などの)によって使いこなし、的確なアドバイスをするというカッコいいベテランが少ないのがちと残念。

さあレコードの準備が整いました。いよいよ対決! で、どうなったかというと、これがよく分からない… レコードもいいし、CDもいい。ブラインドで取替えるようなテストをされると(プチプチノイズは別として)判別できないような気がします。う~む。勝敗がついてくれると面白かったのですが… しかし、慎重にセッティングした甲斐があり、100円の中古レコードでもその音質は十分以上でした。レコードもCDも末永く楽しませて頂くことにしましょう。