2025/01/28

CELESTION TSQ1845



以前紹介したTSQシリーズの18インチウーファーである。
大変見た目が良いというか、在りし日のアルニコマグネットを搭載した高級ユニットのような端正な外観である。




ネオジム磁石で連続許容入力3.6kwという途方もないハイパワーユニットである。
4.5インチボイスコイルはインサイド/アウトサイドタイブ。
巧みな冷却機構により通常の磁気回路よりも30℃ほどボイスコイルの温度を低下することができる。
磁気回路等はTSQ2145と共通だと思われる。
サウンドハウスで85800円(2574ポイント)。

BLは33.8TM、Mmsは316g、Vasは119.3Lであり、CF18VJDを上回る猛毒ユニットである。
現在の18インチではトップクラスであり、ライバルはB&Cの18DS115やJBL Professionalの2269Hや2288Hということになろう。

このTSQ1845がどんなユニットなのかWinISDで探ってみよう。
サブウーファー設計用のextended bass shelf -6dBを選択してProX18(緑)とTSQ(赤)を計算させた。
-6dBで棚状のフラットな部分が低域側に伸びる特性である。
ProX18の方が低域が伸びているが、実効容積は327Lと算出されている。
これに対しTSQは145Lである。




次に、容積を180L、チューニング周波数23Hzで計算すると、Prox18の方は容積不足で最低域がだら下がりになってしまい気持ちが萎える。
TSQは最低域までフラットであり、これに50Hzの-48dB/oct(8次)のローパスフィルターと、2素子のパラメトリックイコライザ(33Hz Q1.0 +3dB)(20Hz Q3.5 +1dB)を加えると青線になる。
20Hzで3.5dB落ちと晴らしい特性である。





先日の26.5Hzチューンの180L箱のProX18と比べてその差をどう考えるかである。
"自慢じゃないが俺は頭が変なんだよ"と自信をもって断言できる方は、とりあえずTSQ1845を選択すべきだろう。



Specifications
Nominal diameter457mm / 18in
Power rating1800W
Continuous power rating3600W
Rated impedance4Ω, 8Ω
Sensitivity96.5dB
Frequency range30-1,000Hz
Chassis typeCast aluminium
Magnet typeNeodymium
Voice coil diameter115mm / 4.5in
Voice coil materialRound copper
Former materialGlass Fibre
Cone materialGlass loaded cellulose, water-resistant coating front & back
Surround materialTriple roll, cloth sealed
SuspensionDual, polysiloxane-laminated
Gap height (Hg)12mm / 0.46in
VC winding height (Hvc)36mm / 1.42in

Parameters
Sd1134cm2 / 175.8in2
Fs35Hz
Mms316g / 11.18oz
Qms8.712
Qes0.300
Qts0.290
Re5.0Ω
Vas119.3l / 4.21ft3
BI33.8Tm
Cms0.065mm/N
Rms7.99kg/s
Le (at 1kHz)3.06mH
Xmax15mm / 0.47in
Xmech40mm / 1.57in
Efficiency η01.8%

Mounting Information
Overall diameter460mm / 18.1in
Overall depth235mm / 9.5in
Cut-out diameter416mm / 16.29in
Mounting hole dimensions7x11mm / 0.28x0.43in
Number of mounting holes8
Mounting hole PCD432-441mm / 17.04-17.36in
Flange & gasket thickness17mm / 0.67in
Unit weight11.8kg / 26lb

Packed Dimensions & Weight
Single pack size W x D x H500mm x 500mm x 280mm / 19in x 19in x 11in
Single pack weight12.3kg / 27.1lb




2025/01/25

Celestion PowerProX18



2023年に発表された18インチの新機種である。
パワープロックス18って、こういう名称がいい。
無味乾燥な英数字の型番よりも、プロライダー15、ローライダー18、ローマックス18などの名づけの方が好きである。




面構えのいいハイパワーユニットであり、マグネット重量は3.5kg、全体では13.2kg。
4インチボイスコイルはインサイド/アウトサイドタイブ。
Twin demodulation ringsとポリシロキサン層を間に挟んだダブルサスペンションを備え、コーンは両面コーティングされており耐湿性に優れる。
こういうスペックはTSQシリーズのフェライト版という感じもする。
サウンドハウスで45800円(1374ポイント)。

BLは24.38TM、Mmsは229.98g、Vasは188.9Lであり、これも強烈。
WinISDで遊ぶにはなかなか勉強になるユニットだ。
WinISDの基本操作をマスターしているなら、ちょっと遊んでみるといい。

例えば、DIYホーンシステムのサブウーファーに使用しているPeavey 1808-8HPSの代わりに使用することを想定してみる。
実効容積は180L、ダクトは半分封鎖する等の手直しをしてチューニング周波数を26.5Hzを指定、緑線で示す特性を得る。
実際に使用している50Hzの-48dB/oct(8次)のローパスフィルターを加えるとオレンジ線になる。
さらに、低域側を持ち上げるために、パラメトリックイコライザ(24Hz Q1.5 +4dB)を加えると水色線になる訳だ。
20Hzで約7dB落ちだから凄まじい仕上がりだ。
おそらく、JBL Professionalのモニター用サブウーファーであるSUB18とそう変わらないと思う。



優れたスピーカービルダーをめざすならこうしたシミュレーションを繰り返しながら、箱の設計だけではなく帯域別EQによる補正可能範囲を把握することだ。
そして一番大切なことは、こうしたフィルターの効果を実際に聴いて確認することだ。


Specifications
Nominal diameter457mm / 18in
Power rating1200W
Continuous power rating2400W
Rated impedance8Ω
Sensitivity97dB
Frequency range35-1000Hz
Chassis typeCast aluminium
Magnet typeFerrite
Magnet weight3.5kg / 124oz
Voice coil diameter100mm / 4in
Voice coil materialRound copper
Former materialGlass fibre
Cone materialGlass loaded cellulose, water-resistant coating front & back
Surround materialCloth-sealed
SuspensionDual-laminated
Gap height (Hg)11.75mm / 0.46in
VC winding height (Hvc)25mm / 0.98in

Parameters
Sd1210.0cm2 / 187.6in2
Fs34.8Hz
Mms229.98g / 8.1oz
Qms3.147
Qes0.431
Qts0.379
Re5.1Ω
Vas188.9l / 6.67ft3
BI24.38Tm
Cms0.091mm/N
Rms15.96kg/s
Le (at 1kHz)1.61mH
Xmax9.5mm / 0.37in
Xmech48mm / 1.9in
Efficiency η01.8%

Mounting Information
Overall diameter460mm / 18.1in
Overall depth225mm / 8.9in
Cut-out diameter414mm / 16.29in
Mounting hole dimensions11x7mm / 0.43x0.28in
Number of mounting holes8
Mounting hole PCD441-432mm / 17.36-17.31in
Flange & gasket thickness16.2mm / 0.64in
Unit weight13.2kg / 29.1lb